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ヨリちゃん
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2018年12月09日

何故スウェーデンの老人福祉で寝た切りが居ないのか?


 それでは、スウエーデンの老人福祉の政策を学んでみよう・・・



 




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       スウェーデンの老人介護方法は幸せか?


 スウェーデンには何故「寝たきり老人」がいないのか?


 幸福度世界1位「北欧の楽園」に学ぶ老いと死

 高福祉・高負担の国で知られるスウェーデンが実は「寝た切りゼロ」社会だとご存じだろうか。幸福度調査で常に上位にランクインする「幸せの国」の住民は、どの様に老い、死を迎えているのか?


 最後まで人生を楽しむ

 「この施設には40人程のお年寄りが暮らしています。8割以上が認知症を患っていますが、寝た切りになって居る人は一人も居ません。自分の力で起き上がれ無い人でも、毎朝必ずスタッフが手伝って車椅子に乗せます。そして食堂で一緒に食事を楽しむのです」

 こう語るのは、スウェーデンの首都ストックホルム郊外にある、介護サービス付きの特別住宅で働く介護士のアンナ・ヨハンソンさん。この住宅に暮らす人達は、殆どが80歳以上のいわゆる後期高齢者で、在宅で介護サービスを受け続けることが難しい程の要介護状態にある。
 しかし、車椅子に乗っている人でも綺麗な服に着替え、パジャマでウロウロして居る様な高齢者は居ない。日本の後期高齢者が集う施設に比べるとずっと穏やかで明るい雰囲気だ。


 




 「ここでは、何より本人の意思が一番に尊重されます。散歩に出るのでも普通は誰かが付き添いますが、どうしても一人で散歩したいと云う人が居れば、家族の同意のもと、GPS付きの携帯を持たせて出掛けるのを許可します。それで本人が事故に遭ったとしてもあくまで自己責任なので、施設の責任が問われることはありません。
 勿論、ベッドに縛り付けるような事もありません。私達が行うのは介護であって拷問では無いのですから。アルコールを飲みたいと云う人には、余程健康上の理由が無い限り、飲ませます。最後まで人生を楽しめる様に助けるのが、私達の仕事なんです」(ヨハンソンさん)


 高福祉国家として知られるスウェーデンは、OECD(経済協力開発機構)が行う国別幸福度ランキングでも上位の常連だ('13年度はオーストラリアと並んで1位。日本は21位)。スウェーデン人の平均寿命は81.7歳。日本人の83.1歳に比べれば短いが、それ為りの長寿国である。にも関わらずこの国には寝た切りに為る老人が殆どいないと云う。

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      介護士が頻繁に自宅に遣って来て身の回りの世話を・・・


 
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 子供と暮らさない

 スウェーデンの高齢者ケアに詳しい東京経済大学の西下彰俊教授が語る。

 「日本では寝た切り状態にある高齢者が150万人から200万人程居ると言われています。一方、スウェーデンはそもそも寝た切りに為る人が殆どいない。居たとしても、終末期ケアが行われる数日から数週間の短期間だけです」

 この驚くべき違いは何処から来るのか?スウェーデンの人が特別に健康的な生活を送っていると云う訳では無い。例えば食生活。厳しい冬が長く食材も貧しい為、北欧の食事は日本のそれ程豊かなものでは無い。東京にある北欧料理レストラン「ALLTGOTT」のオーナーシェフ矢口岳氏が語る。

 「スウェーデン料理にはアンチョビに代表される塩蔵、スモークサーモンと言った燻製、ニシンのマリネの様な酢漬けなど塩分濃度が高いものが多い。日照時間が短く野菜も余り採れないので、荒れ地でも育ちやすいディルの様なハーブ類を多用します。又アルコール消費量も多く、日本人と比べて健康的な食生活を送っているとはとても言えません」

 どうやら、食事・健康面に原因がある訳では無さそうだ。寝た切りゼロの秘密は、むしろ介護と医療システムそれ自体にある。
 基本的な前提としてスウェーデンの高齢者は、子供等の親族と暮らすことをしない。夫婦二人か一人暮らしの世帯が殆どで、子供と暮らしている人は全体の4%に過ぎない(日本は44%)。これは「自立した強い個人」が尊ばれる伝統に根差したもので、高齢者に限らず、若者も義務教育を終えた16歳から親の家を出て一人暮らしを始めるのが普通だ。だからと言って家族関係が希薄と云う訳では無く、近くに住んで頻繁に交流する家族は多い。


 




 「胃ろう」は虐待に為る

 独立して生活している高齢者が体調を崩し、誰かの世話が必要に為った場合でも、家族が全面的に介護することは有り得ない。「コミューン」と呼ばれる市町村にあたる自治体が高齢者の希望に沿う形で、サービスを提供することに為って居る。そして介護は在宅サービスが基本だ。

 「日本では要介護認定されれば、在宅サービスを利用しても好いし、施設サービスを利用しても好い。これは、当該の高齢者や家族が自由に選べる『選択モデル』です。
 一方でスウェーデンでは要介護状態に為ったら、出来るだけ在宅での介護が行われます。介護付きの特別住宅に入りたいと申請しても、それを認めるかどうかは『援助判定員』というコミューンの専門職員の判断に任せられる。本当の人生の終末期にしか施設に入ることが許さ無い『順序モデル』が基本なのです」(前出の西下氏)


 「順序モデル」が取られている所為で、日本だったら確実に施設に入って居る様な認知症の高齢者でも在宅介護が行われる。症状や要介護状態に応じて一日に5度も6度も介護士が遣って来て色々と面倒を見ると云うケースが一般的だ。65歳以上の高齢者で特別住宅に暮らしているのは6%。詰まり高齢者の9割以上は自宅で暮らしている。
 スウェーデンがここまで在宅介護と順序モデルにこだわるのには2つの理由がある。1つは先ほども述べた「自立した個人」を尊ぶ文化。出来るだけ最後まで自分の家で自分の力で暮らしたい、暮らして欲しいと云う考え方から来るものだ。
 そしてもう1つは財源の問題だ。スウェーデンでは、介護の財源は全て税金で賄われている。老人に為れば誰でも少ない自己負担(上限が月1780クローナ=約2万5600円)で介護サービスを受ける資格がある。但し、幾ら税率の高い高負担国家でも、老人の面倒を全て税金で見るのは限界がある。施設で24時間介護を行うよりも、在宅で何度も介護士を派遣する方が結局はコスト的に安く上がる為、在宅介護が推奨されるのだ。
 だが、そのことが結果として寝た切り老人の発生を防いでいる。寝た切りに為ってしまえば在宅介護は不可能に為るからだ。従って、介護士達は出来るだけ高齢者が自立した生活を送り、自分の口で食事を出来る様にサポートする。

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   コミュニティー(地方自治体・医師・介護士・ボランティア・家族)全体で介護する


 国際医療福祉大学大学院の高橋泰教授が語る。

 「スウェーデンを始めとした北欧諸国では、自分の口で食事を出来なくなった高齢者は、徹底的に嚥下訓練が行われますが、それでも難しい時には無理な食事介助や水分補給を行わず、自然な形で看取る事が一般的です。
 それが人間らしい死の迎え方だと考えられていて、胃に直接栄養を送る胃ろうなどで延々と生きながらえさせることは、むしろ虐待だと見なされているのです」


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 国を一つの「家族」と考える

 現在の日本の病院では、死ぬ間際まで点滴やカテーテルを使った静脈栄養を行う延命措置が一般的。例えベッドの上でチューブだらけに為って身動きが取れ無くなっても、出来るだけ長く生きて欲しいと云う考えが支配的だからだ。しかし、その様な日本の現状を聞いた冒頭のヨハンソンさんはこう語る。

 「スウェーデンでも'80年代までは無理な延命治療が行われていましたが、徐々に死に方に対する国民の意識が変わって来たのです。長期間の延命治療は本人、家族、社会にとってムダな負担を強いるだけだと気付いたのです。日本の様な先進国で、未だに無理な延命が行われているとは正直、驚きました」  

 北海道中央労災病院長の宮本顕二氏は「スウェーデンの終末医療が日本と根本的に違うのは、例え施設に入っても原則的に同じ施設で亡く為ると云う点にある」と語る。
 「日本の場合だと介護施設に入っても、病状が悪化すれば病院に搬送され、本人の意思に関わらず治療と延命措置が施されます。施設と病院を行ったり来たりして最終的に病院で亡くなるケースが殆どです。自宅で逝きたいと思っても、延命無しで看取って呉れる医師が少ない。一方、スウェーデンでは例え肺炎に為っても内服薬が処方される程度で注射もしない。過剰な医療は施さず、住み慣れた家や施設で息を引き取るのが一番だと云うコンセンサスがあるのです」

 介護する側もされる側も、寝た切りに為ら無い様に努力をする。それでもその様な状態に陥ってしまえば、それは死が近づいたサインだと云う事で潔く諦める。それがスウェーデン流の死の迎え方なのだ。
 このような介護体制を根底から支えているのは充実した介護福祉の人材である。介護士は独居老人の家を頻繁に回り、短い場合は15分位の滞在時間でトイレを掃除しベッドメイクを済ませ、高齢者と会話をして帰ると云う様な事を繰り返す。日本では介護と云うと、どうしても医療からの発想に為り勝ちで、手助けよりも治療という対処に傾き易い。

 スウェーデン福祉研究家の藤原瑠美氏は語る。

 「日本の場合は病院経営をする医師などが主導権を持っているケースが多く、直ぐ投薬・治療と云う方向になる。しかし、スウェーデンの場合は介護士達が大きな権限を与えられていて、認知症の場合には薬を使うよりも、本人がどんな助けを必要としているか汲みとることが重視されています。
 例えば私が調査した3万人ほどの自治体では2300人の職員がおり、そのうち400人が介護福祉士でした。介護は重要な雇用創出の機会にも為って居るのです」
 

 日本では介護士と云うと薄給な割りにきつい仕事と云うイメージだが、スウェーデンでは安定した公務員で、経済的に困窮するようなことも無い。藤原氏によると、スウェーデンでは認知症の人のうち約半数が独居しているという。しかしそれで大きな問題が起きたことも無い。
 日本では'07年に認知症患者が徘徊して起こした鉄道事故で、監督責任を問われた遺族が鉄道会社から損害賠償を求められると云う裁判があったが、このようなケースはスウェーデンでは考えられない。

 「この国では、介護の負担は全て国や自治体がします。『国は一つの大きな家族である』と云う発想が定着していて、家族が介護の為に経済的負担を強いられると云う事もありません。
又、施設を訪れた家族が、食事や入浴の手伝いをすることもまずありません。家族は一緒に楽しい時間を過ごしてもらえばそれで好いのです」(前出のヨハンソンさん)


 老後破産や孤独死、老老介護による共倒れなどが益々深刻化している日本の現状から見ると、まさに「北欧の楽園」だ。次は、このような「幸福国家」を支える社会システムに迫ろう。

 
 




 高負担でも納得している

 スウェーデンの幸福度が高いのには明確な理由がある。云うまでも無く、世界トップレベルの福祉制度の充実だ。教育費は大学まで含めて全て無料・医療は18歳以下は無料・成人も自己負担が年間で最大900クローナの診察料(約1万3000円)・1800クローナの薬代(2万5900円)と安く抑えられている。前編で見たように安心して介護を受けられる体制も整っている。

 当然ながら、この様な充実した福祉サービスを支える為には、確りとした財源が必要となる。国民の所得全体に対する社会保障費と税金の割合を示す「国民負担率」を見れば判り易い。スウェーデンの負担率は58・9%と日本の43・4%を大きく上回っている。スウェーデン人が大きな負担に耐えていることは明らかだ。
 具体的には例えば、消費税は25%・現在の日本の3倍の負担だ。但し軽減税率も導入されており、食料品や宿泊費は12%・公共交通、書籍・新聞、コンサートやスポーツのチケットなどは6%となっている。
 他に主たる財源になっているのは、地方所得税と呼ばれる日本の住民税にあたる税だ。日本総合研究所副理事長の湯元健治氏が解説する。
 「スウェーデンは地方分権が確立されており、ランスティング(日本で云う都道府県)とコミューン(市町村)で成り立っています。税率は自治体によって違いますが、ランスティング税が約10%、コミューン税が20%程度が平均です。他に国に払う税金もありますが、高収入の人しか課税されないので実際に国への所得税を払っているのは、国民の15%程度です」

 




 相続税は'04年に廃止

 一方で相続税は'04年に廃止された。これは元々相続税が税収全体に占める割合が極めて低く(贈与税と合わせて全体の0・2%)、富裕層が税金対策の為に海外に逃げ去ってしまっては逆に税収全体が落ち込む懸念があると云う合理的な考えから廃止された。
 相続税が廃止された時も「金持ち優遇策だ」と云う批判は起き無かったという。今年から相続税が強化された日本とは正反対の政策だ。

 「スウェーデンの政策は極めて合理的に決められています。財源をどう使うかは基本的に、各自治体に委ねられていて様々な議論が行われる。
 例えば、ある医療サービスが足りないと云う意見があれば、今の税率を何%上げないとそのサービスは行えませんがどうしますか、と云う議論に為り、住民の理解が得られれば税率を上げてサービスを充実させる。逆に税率が高過ぎると云うことに為れば、どのサービスを廃止しますかと云う議論になる。受益者は自分達自身であり、その見返りとして当然負担が生じると云う事を住民は好く理解し納得しているのです」(湯元氏)


 ひるがえって日本の場合は、医療保険制度があるので保険料を徴収し、それでも足りない部分を税金で補っており、カネの流れが複雑だ。財務省は社会保障を充実させる為に消費税を引き上げると説明しているが、具体的にどんなサービスが拡充されているのか好く分からない。
 だから増税の議論に為ると、国民は反対せざるを得ない。払った税金が汚職で消えたり利権まみれの政治家や官僚のポケットに入っているかも知れず、結果として日本人は、負担にふさわしい福祉を受けていると云う満足感がまったく得られないのだ。


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 皆一緒に森へ還る

 スウェーデンの政治の面白い点は、ランスティングやコミューンの議会の議員の大部分が、政治家とは別に本業を持つ兼業議員であるという点だ。

 「彼等は議員職を通じて、歳費を貰っている訳では無く、会議に出席した時間に応じて時間給を貰っています。本職は会社員・医師・看護師・大学教員・農家だったり様々で、いわばパートタイムの政治家達なのです。議会は月に一度、議員たちが本業の仕事を終えた17時頃から開かれます」(湯元氏)

 中には執行委員会のメンバーの一部に専業の議員もいるが、訳の分からない出張を繰り返し、釈明の会見で涙交じりにわめき散らすようなダメ議員が皆無であることは言うまでもない。

 近国や中東等からの移民を受け入れ

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 若年労働者不足は老人の多いスウエーデンでも日本と同じ。永住する移民を受け入れている。

 個人の墓から匿名性の共同墓地へ

 徹底した合理性を求めるスウェーデン人の国民性は、墓の形態にも表れている。以前は、スウェーデンでも日本と同様、個人の墓が一般的だった。しかし、最近急速に増えて来ているのがミンネスルンドと呼ばれる匿名の共同墓地だ。スウェーデン人の死生観に詳しい中京大学の大岡頼光准教授は語る。

 「ストックホルムの郊外には『森の墓地』と云う世界遺産にもなっている最大の共同墓地があります。遺骨は完全に灰になるまで焼かれ墓の管理人が林に撒きます。匿名性が重視されるので、何処に灰が撒かれたか判ら無い様に、家族は散骨に立ち会うことは出来ません。
 先祖を崇拝する日本の価値観とはことなり、死んだらそれで終わりと云う価値観が根底にあるのでしょう。気を付けてみると、骨の破片が林に転がっていることもあります」


 充実した信頼出来る福祉制度の元、安心して人生を送り死んだら森に還る・・・北欧の楽園には、日本人が学ぶべき幸せのヒントが無数に転がっている。


 「週刊現代」2015年9月26日・10月6日合併号より


 


2018年12月08日

【誌面の片隅から】高齢化時代における共生の在り方について・・・


 【誌面の片隅から】高齢化時代における共生の在り方について・・・ 某宗教新聞の記事より







 現代社会の課題を見つめる「グローバルウオッチ」



 高齢化時代における共生の在り方について、スウエーデンの医科大学カロリンスカ研究所のベント・ビンブラッド教授に聞いた。(聞き手=荻元秀樹)


  グローバルウオッチ 共生の未来へ


 インタービュ  スウエーデン・カロリンスカ研究所 ベント・ビンブラッド教授


 Q 多様な背景の人々が生き生きと暮らせる「共生の未来」を考える時、目を向けるべき課題の一つは高齢者の支援であろう。世界有数の長寿国である日本では近年、高齢化が一段と進み、100歳以上の人口は7万人に迫る。こうした時代にどう適応して行くべきなのか?


  A 日本と同様、スウエーデンでも高齢化は大きな問題です。しかし我が国は多くの移民を受け入れ、その中の若い人達が高齢者を支える力になる一方で、少子化が特徴的な日本では、そうした人手が減って居るのが現実です。
 スウエーデンは200年以上にわたり戦争に参加しておらず、大規模な人口減少を経験しなかったことから、他の国々よりも早く高齢化を迎えました。そうした意味で、今日の課題にいち早く取り組んで来たと言えます。
 高水準で安定した経済にも助けられ、特に1970年代以降は高齢者のナーシングホーム(長期療養病庄)を多く設立しました。当時は未だ、高齢に為った人の子供達・・・特に年長女性が施設に居る両親の元に通い世話するのが一般的でした。しかし、現代は男性も女性も共に働くのが当たり前に為りました。一日に何度も施設へ通うのは現実的な選択肢では無いのです。加えて、過っての様に新しい施設を設立する財政基盤が無くなって来ている一方で、サポートを必要とする高齢者は増え続けています。

 こうした状況にあって、我が国ではナーシングホームの規模を縮小し、在宅ケアに比重を置くことでコストの削減に挑みました。夫々のコミュニティー(地域社会)で、介護スタッフが自宅を訪問し高齢者のケアにあたります。スタッフと家族や近隣の人々の総合力でサポートが出来ます。
 こうした変化の背景には、高齢者の支援を一つの”型にはめる”のでは無く"一人一人の状況に併せ、その人に 取って最適な支援を提供して行く”と云う考え方が柱にあります。その為にも、医師からコミュニティーの人達、そして家族まであらゆるレベルの人々が高齢者を守ると云う責任に立つことが重要です。そして、それに役立つ具体的な教育を施して行くことが現代には求められています。


 




  Q 一人一人が高齢者支援の「主体者」の自覚に立つ社会を作る為に、大切なことは何だろうか?


 A 先のスウエーデンの例で言えば、ケア施設を減らす以上、それに代わって高齢者に関わる人達が充分な心構えを持つことが必要でした。医薬品の有効性や安全性を学び、どんなリハリビリが可能かを知る事などです。私が全ての人達の「教育」が重要と言ったのもこの意味においてです。
 そして、支援を必要とする高齢者を人間として深く知る事が大切です。一人一人が尊重され、その人に合ったケアが施されることにより、医療や福祉はパーソナル(個人のもの)に為ります。我が国に寝たきりの老人が少ないのは、こうしたケアの「パーソナル化」が進んだ結果の一側面であるとも言えるでしょう。
 また、周囲の人が視点を変えて行く必要もあります。”年を重ねたから働けない”と固定的に考えるのでは無く"高齢になっても活動的な日常を遅れる筈”と捉え直すことで、実際にはベッドに横に為るだけでは無く、外出したり体を動かしたり出来る場合があることに気付くのです。そうした周囲の「気づき」によって、老後の人生に新たな可能性が開かれて行きます。
 関わる人達が相手について学ぶことを怠り、何が出来るかを考えようとしない「型通り」のケアでは、高齢者の身体は衰え、寝た切りの人が増えて行く一方です。


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 Q フランス語で「人間らしさ」を意味する「ユマニチュード」と云う言葉が、認知症などの高齢者に向けたケアの哲学・技法として注目を浴びている。相手を掛け替えのない価値のある存在と認める事で、人間らしさを輝かせようとするもの(注)。ビンブラッド教授の云う「ケアのパーソナル化」にも通じると言え様・・・


 A 個を尊重し可能性を開いて行くケアの在り方は、近年、その重要度を増していると実感します。実際に介護においては「パーソナル化」は経済的にも最も効果が好く健康面でも効果があることが判って居ます。
 これまで医師が認知症に対して示していた態度はとても限定的なものでした。認知症の症状は悪化するだけで、医師に出来ることは殆どないと考えて居たからです。しかし今、治療する薬は未だ開発されて居なくても、認知症患者を様々な面でサポートすることが出来ます。
 異なる立場の人による、多様なケアを組み合わせる手法を、私は「ストックホルム・モデル」として提唱しました。

 例えば、デイケア施設を普及し家族やケアスタッフやボランティアなどが協力し、介護に当たれる環境を作りました。又、医師や看護師の認知症に関する知識を深める様促し、複雑な問題が起こった場合には、緊急搬送するだけで無く自分達の現場で判断し対処出来る状況へと変えて行きました。
 幸いにも、認知症への認識は深まっており、カロリンスカ大学病院の中でも認知症に関する施設が最大規模を誇ります。忘れていけないのは、高齢者や認知症患者に対するケアは「チェーン(鎖)のようである」と云う事です。チェーンは、一部が弱まればそれが全体の強度にも反映します。そう考える為らば、在宅ケアやデイケアやリハビリなどで介護に関わるあらゆる立場の人が常に改善を目指して努力することが重要です。/span>

 




 Q スウエーデンを初めとする北欧諸国は、国連などの幸福度調査で毎年の様に上位に入る国々である。高齢者が幸せに生きられる社会とはどんな社会だろうか?


 A 先ず、多くの人に囲まれて暮らすことが老後の世界に欠かせ無い条件です。高齢者がコミニュティーの一員であると感じられる様、日常的な訪問や活動を通して交流を増やすことが大切です。
 又、有人、知人が居ることがどれ程大きいか・・・勿論高齢に為れば為る程元気でいる同年代の人は少なく為ります。それでも自分を信頼しい呉れる人が周りに居ることが高齢者の元気と活力の源となるのです。言い換えれば、周りの人々やコミュニティーの関りによって、高齢者がいかに「通常の生活」を送れるかどうかなのです。同年代の高齢者とだけ時間を過ごすよりよりも、可能な限り様々な世代の人と交流を持つことが理想的であると云えるでしょう。
 私は80歳を過ぎても30、40代の時と同じ趣味を持ち続けています。今でもサッカーを鑑賞しアイスホッケーをします。人生を豊かにするそうした趣味は、人によって様々であるとことを認識した上で、必要な時に提供して行くことが高齢者ま支えと為ります。


 




 Q 自分を信頼してくれる人との交流・・・それが障害の元気と活力の源となる・・・


 A その為にも、自分を好く知り信頼して呉れる人の存在は、幸せに生きる為にはとても重要です。高齢者は孤独を感じ易い環境に居ますから、様々な形でソーシャル・キャピタル(人と人の繋がりを感じて得られる資源)が役割を果たします。
 スウェーデンでは、1940〜50年代以降、近隣のフィンランドに始まり、イタリア・ハンガリー・チェコ等から移民を受け入れ、近年は中東やアフリカからの移民が増えています。そうした移民の多くが、今、老後生活を送る時代と為りました。異なる宗教や価値観を持つ人達の生活を、いかに守れるか。ここには、我が国の倫理観が問われていると言えます。
 加えて彼等の中には、スウェーデン語を話せ無い人も多く居るのです。そうした人達に質の高いサポートを行う事は高齢社会の大きな課題です。移民の母国語とスウェーデン語を習得したバイリンガルの若いスタッフをケア施設などに配置するのが理想ですが、そうした人材は未だ十分には居ません。言語と共に文化や宗教について理解を深めることも重要です。こうした課題は、世界有数の長寿国である日本でも、無私できないものであると理解しています。







 Q 私達は日々、世代を超えて交流し励ましを送り合う。そこでは高齢者の豊かな経験と知恵が周囲の”鑑(かがみ)”となる。高齢期における宗教活動の意義を、教授はどう考えて居るのか?


 A 先ず、脳科学の分野では、祈ることが脳に働きポジティブな効果をもたらすことが様々な研究から判って居ます。その上で私の経験から、人は年齢を重ねれば重ねる程、より宗教的に為ると言えます。人生の最期が近づけば、死と自分について思索を深めて行くからです。
 しかし私達医学関係者は、死に関する宗教的な問いに充分に答えらる立場にはありません。その意味で、皆さん達から学ぶべき点は多いのです。老後を迎えた人達は、大切な人や大切なものについて考える様になります。ですから彼等が祈る行為や宗教活動を必要として要れば、その求めに真摯に応じて行く事が最も大切なサポートです。
 彼等の宗教や価値観が、支える人のそれとは相容れ無いものであることもあります。それでもなお、恐れを克服して向き合って行く姿勢を、特に若い人には身に着けて欲しい。

 私の専門は認知症ですが、多くの人が認知症患者に対するネガティブなイメージを持っているのが現実です。”彼等は社会に有益では無い”といった見解です。しかし、それは異なる例として中国を挙げたいと思います。
 中国人は認知症の人に対して、こう考えるそうです。”この人は、これまで善行を為す為に脳を沢山使って来た。だから少しの間休息しているのだ”と。この様に個人を尊重する姿勢を根幹にした時、認知症の人でも通常の生活を送れることや、様々な趣味や特技があることに気付くことが出来ます。
 高齢者の姿に学び、彼等が最も輝ける人生を過ごし方を、共に考え、それをサポートしたいと云う愛情のメッセージを、発信し続けて行く。そうした人が増え云行くことが、多様な世代が生き生きと暮らす「共生の社会」を開く鍵と為ると確信します。



  イブ・ジネスト/ロゼット・マレスコッティ署【「ユニチュード」と云う革命】日本語監修・本田美和子(誠文堂新光舎)

 まずはうるおい感をお試しください



 素敵な「自転車と家庭水族館」 http://fanblogs.jp/yorionet5000/ 管理人


 福祉国家で名高いスウェーデンの「老人福祉・介護」の現状は、ナーシングホームと呼ばれる施設での集団的管理から、在宅型の個人ケアへと変わっている様です。コスト的に考え、施設運営よりは、高齢者の個人宅での家族と医師やボランティア達の総合力のコミニュテイで介護する方法へと切り替わって居るのです。集団管理から個を受け入れて個人介護へと変遷しているのですね。
 しかし日本との違いは、老人介護をコミニュティーや個人・医師に丸投げするのでは無く、そのバックに確りとした国の政策と国民の多くの合意がある様に感じられます。この記事を読んで、もう少しスウェーデンや他の国の老人介護の福祉政策を勉強したいと考えました。次回はスウェーデンの介護を学びたいと存じます。


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