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2021年05月05日

AKB48はなぜ凋落したのか #2




 何故J-POPは韓国に完敗した? 「10年代の音楽業界」が依存したAKB商法という“ドーピング”

 AKB48はなぜ凋落したのか #2



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 松谷 創一郎 2020/12/27

 11年連続出場して居たAKB48の『NHK紅白歌合戦』落選 それが、この5年程に生じた4つの要因の結果であることは前編「紅白落選も必然だった…AKB48が急速に『オワコン化』してしまった4つの理由」で解説した。
 広く使われる様に為った @ビルボードチャートは、握手券など特典付きCD販売による“人気錬金術”=“AKB商法”を機能不全とし A指原莉乃などの主要メンバーは卒業・離脱 Bファンがメンバーを襲うNGT48の不祥事が生じ Cそして新型コロナの直撃によって“AKB商法”が吹っ飛んだ・・・それがAKB48凋落のプロセスだ。この後編では、そんなAKB48と日本の音楽業界の未来について考えて行く。

 秋元康は何をハッキングしたのか?
 
 AKB48の前途は多難だ。オンライン握手会等を遣っているグループもあるが、それがどれ程実際の握手会の代替と為るかは見え無い。例えファンがそれで納得してCDを大量購入し続けたとしても、ビルボードチャートではそれが人気の証とは為ら無い。“人気錬金術”は最早機能せず、そのタネも明かされた。 
 結局、秋元康がAKB48で遣ったのは、古いメディア(CD)から新しいメディア(インターネット)に切り替わり行く過渡期に、機能不全と為り行く人気指標(オリコン)をハッキングし、その“人気錬金術”(AKB商法)でギョーカイ(音楽・テレビ・芸能界)を占拠したことだった。

 AKB48は劇場を基盤にインターネットを積極的に活用して居た様に見えたが、結局の所は従来のメディアが弱体化して行く混乱期にその隙を突いたに過ぎない。CDや地上波テレビなどのレガシーメディアが、完全にインターネットに相対化された現在においては同じ手法は機能しない。

 K-POPが人気を拡大し始めた


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 一方、こうした2010年代後半以降に人気を拡大させ続けて来たのがK-POPだ。ガールズグループでは、2017年からのTWICEBLACKPINK、2019年からは秋元康も携わっているIZ*ONE、そして日本で生み出されて今年大ヒットしたNiziUがそうだ。


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 なかでもNiziUは、メンバーの殆どを日本出身者とし、オーディション番組でメンバー個々に親しみを持たせて、日本のマーケットに強く訴求した。加えて、日本のアイドルでは殆ど見られ無い高いパフォーマンス能力を備え、楽曲もグローバル・スタンダードに近いダンスポップを日本で受け入れられる程度のハードルに設定して送り出して来た。


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 AKB48がメンバーのパーソナリティに基盤を置いてファンに訴求して居るのに対し、NiziUは両方の要素を兼ね備えているハイブリッドだ、人気が出るのは当然だ。
 K-POPが遣って来たことはシンプルだ。インターネットにアジャストするのは勿論のこと、最も重点を置いているのは、チャンと音楽を創り確りとしたパフォーマンスが出来るメンバーを揃える事だ。BTSも含めK-POPが続けて来たのは、このシンプルかつ基本的な姿勢・・・“音楽をチャンと遣るアイドル”だ。


    5-5-13.jpg 防弾少年団 BTS

 AKB48やジャニーズなど日本のアイドルは、音楽やパフォーマンスを長らく疎かにして来た。オーディション番組『PRODUCE 48』のファイナリストでもあった高橋朱里(当時AKB48)は、筆者のインタビューに対して『自分はAKB48でこれを遣って来たから、これが出来る』と云う事は何も無かった」と話した(「『PRODUCE 48』最終回でデビューを逃した高橋朱里がいま思うこと」2019年1月21日『現代ビジネス』)当事者が認める程にその差は大きい。

 日本の「アイドル戦国時代」は終わった
 
 松田聖子や中森明菜などが人気だった1980年代中期までは、アイドルにも十分な歌唱力が求められ、それによって人気も決まって居た。しかし80年代中期以降の右肩上がりに成長するドメスティックなマーケットに安住した結果、アイドルには音楽やパフォーマンスの質が左程求められ無い様に為って行く。しかも、その端緒と為ったのは秋元康が手掛けたおニャン子クラブだ。


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 以降、長らくアイドルに必要とされたのは、メンバーたちの人と為りや、バラエティ番組でのトークの能力だった。1989年に『ザ・ベストテン』が終了した後、地上波のプライムタイムでは『ミュージックステーション』(テレビ朝日)や『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ)の様に、芸人がMCをしトークにも重点が置かれた番組しか続か無かったのもその為だ。 しかし、平成とホボ一致するその文脈がソロソロ終わろうとして居る。

 K-POPと云う黒船が怒涛のように押し寄せて居るからだ。既にTWICEやBLACKPINKの人気は、同じく女性ファンをターゲットとして居たフェアリーズとE-girlsを終焉に追い込んだ。
 更にNiziUは、ドメスティックな空間で競い合っていた日本のアイドルシーンを一瞬で変貌させた。内戦状態だった日本の「アイドル戦国時代」は、韓国から来た黒船の大砲一発で吹き飛んでしまった。こうしてローカルな平成は終わり、グローバルな2020年代が幕を開けた・・・

 日韓で別々にプロデュースされているIZ*ONE
 
 K-POPの日本進出は、その存在自体がAKB48等に取っては新たな未来の示唆と為る。答は既に明示されて居る。@グローバルマーケットに適応出来る音楽をチャンと創り Aメンバー達は確りとしたパフォーマンスをすること・・・これだけだ。ソリューションはもう見えている。
 勿論、そのハードルは極めて高い。K-POPが20年掛けて培って来たことを一朝一夕にはクリア出来ないだろう。しかし、現在の打開策はそれしかない。

 韓国と日本のアイドルの音楽における人気を考える際、非常に判り易い指標と為るグループがある。同じメンバーで同一グループでありながらも、日韓で別々のプロデュースをされているIZ*ONEだ。2019年の日本デビュー以降、日本でのプロデュースを手掛けているのは秋元康だ。
 その目安と為るのは、YouTubeにおけるIZ*ONEのミュージックビデオの再生回数だ。それは以下のようになる。発表時期が異なるので新しい曲ほど再生回数は少なく為る筈だが、表を見て判る通り韓国語曲が日本語曲を圧倒している。今月発表されたばかりの韓国語曲「Panorama」は、2年近く前に発表された日本語デビュー曲「好きと言わせたい」を既に追い抜いた。

 K-POPとの圧倒的な差を埋められるか?
 
 この再生回数に、繰り返し聴きたい・観たいと思わせる楽曲(MV)の力が反映しているとシンプルに捉えればその差は歴然としている。日韓のこの違いはIZ*ONEのメンバーにも顕れている。
 HKT48の活動を中断し、2年半の限定で韓国に渡った宮脇咲良は、7月に自身のラジオ番組で「腹筋が出来た」と話した。(bayfm『今夜、咲良の木の下で』2020年7月8日)それ迄7年間もHKT48で活動して居たにも関らず、2年弱の韓国の活動で身体に変化が生じたのである。勿論それはダンスの質や日頃のトレーニングの結果だ。

 AKB48がNiziUやK-POPと音楽的に伍して遣って行くには、楽曲の制作に加え、メンバー達のトレーニングまで確りする体制を整え無ければ為らない。こうした事が出来るかどうかの勝負と為る。それが出来ないのであれば、これ迄通りパーソナリティを軸とし、ローカルアイドルとして小さく細く続けるしかない。勿論それでAKB48の様な大所帯を今後も維持出来るかは判らないが。

 “AKB商法”はドーピングでしか無かった
 
 K-POPの勢いは、AKB48だけで無く他の日本の音楽系プロダクションにもダメージを与えつつある。LDHはE-girlsを解散し、90年代にSPEEDを生んだライジングのフェアリーズは活動停止と為った事は既に触れた。エイベックスは、3年前に竣工したばかりの自社ビルを売却し多くの社員のリストラをする予定だ。
 嵐の活動休止を控え、他グループからも離脱が相次ぐジャニーズは、ネット対応したSixTONESとSnow Manが好調な滑り出しをした事で盛り返す兆しがヤッと見えた辺りだ。

 握手会が当面出来ず、CDが今以上に売れる事が無い中で、音楽系プロダクションやレコード会社は業態の根本的な転換を求められている。しかし、AKB商法の反動は恐らくとても大きい。ビジネスモデルをナカナカ転換出来なかった音楽業界は、未だに売上の7割程をCD・DVD販売(フィジカル)に依存している。音楽売上の半分以上をフィジカルが占めるのは4年前から最早日本だけだ。
 何時かは終わりを迎えるにも関らずCD販売に依存して来た日本の音楽業界に取って、握手券を着けてCDを延命させた“AKB商法”は結局の処ドーピングでしか無かった。20年代の日本の音楽業界とは、10年代にキメ続けたドーピングの副作用と闘う時代だ。


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 ソニーミュージックは、坂道グループを手掛けながらもK-POP大手のJYPエンタとも手を組んでNiziUを大成功させつつある。吉本興業は、韓国大手の制作会社CJ ENM傘下のMnetと組んでJO1人差し指サインを成功させて居る。K-POPに助けて貰うレコード会社や制作会社コソが、20年代に生き残れるのかも知れない。

                  以上


 〜管理人のひとこと〜

 別段音楽に特定することも無いのだが、韓国でタレントとしてデビューし、それなりに実力と人気を得て日本に来て(戻り)、日本の芸能界でも活躍する人達が何人か存在している。笛木優子さん(韓国での芸名はユミン)やモデル・タレントの大谷亮平氏を思い浮かべる人も居られよう。
 日本や韓国だけでは芸能の世界ではマーケットとしては狭すぎる。責めてこの二国にアメリカや中国が加わると大きな世界的事業として展開可能だろう。詰り、アメリカの芸能界に匹敵する新たな発信源を「KOREA-JAPAN」のブランドとして立ち上げてもよいのでは無かろうか。
 最近韓国映画でも何本かはオスカーを捕る作品が生まれている。無論我が国の映画も昔から評価は低くは無い筈だ。言葉の問題があるが、何とかして韓国語を広めたいものだがどうだろう・・・韓国と日本の芸術的感性の違いが新たな感性を生みはしないだろうか。欧米に比するキメ細かな感性も多くの人に訴えるのではなかろうか・・・言葉が通じなくても感情が通じるのは音楽や映像・絵画・・・その部分から出発したらどうだろう・・・以上
















紅白落選も必然だった・・・AKB48が急速に「オワコン化」してしまった4つの理由




 紅白落選も必然だった・・・AKB48が急速に「オワコン化」してしまった4つの理由

 AKB48は 何故凋落したのか?  #1



 松谷 創一郎 2020/12/27


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 松谷創一郎 ジャーナリスト official site portfolio of MATSUTANI Soichiro(プロフィール・過去の仕事・連絡先)広島市出身 1974年生まれ 専門は文化社会学・社会情報学 流行や社会現象・社会調査・映画やマンガ・テレビ・インターネットメディアなど文化全般について 商業誌から論文まで幅広く執筆
 著書に『ギャルと不思議ちゃん論:女の子たちの三十年戦争』(2012年)『SMAPはなぜ解散したのか』(2017年)共著に『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学』(2017年)『文化社会学の視座』(2008年)『どこか〈問題化〉される若者たち』(2008年)など  現在NHKラジオ第1『Nらじ』にレギュラー出演中 社会情報学修士 連絡先  trickflesh@gmail.com

 
 2020年11月16日 発表された『NHK紅白歌合戦』の出場者の中にAKB48の名前は無かった。2009年から11年連続で出場して居た事もありその落選は大きく驚かれた。AKB48がブレイクしたのは2009年頃からだ。そこから10年以上も一線で活躍し続けて来た。アイドルでここ迄長期に渡って人気を維持し続けて来たのは極めて異例だ。 
 この2010年代は、インターネットによってメディアが大きな変化を遂げた10年間でもあった。スマートフォンの普及により、人々は日常的にネットから情報を得て、SNSでコミュニケーションを取る様になった。


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 “AKB商法”で2010年代を駆け抜けた
 
 AKB48はそんな10年代に見事に適合した。ファン達の盛り上がりはネットでヴァイラルに拡がり、レガシーメディアはその盛り上がりを過剰に評価した。加えて、握手券や総選挙の投票券が封入されて販売されたCDは、ファンの複数枚購入を常態化させオリコンランキングをハッキングした。
 ファン達は、彼女達とコミュニケーションする機会(握手券)や応援(投票券)の為にCDを買って居た。これが所謂“AKB商法”と呼ばれるものだ。

 それによって2010年から2019年までの10年間、AKB48は年間シングルランキングのトップに君臨し続けた。「会いに行けるアイドル」のファン達の熱意をCD売上に結び着け、音楽の人気へと変換した。
 旧態依然としたオリコンのシステムを使うことで、コアファンによる人気を一般化したのである。詰り“AKB商法”“人気錬金術”のシステムでもあった。
 “AKB商法”は見事に機能して、AKB48は10年代前半に“大ヒット”を続けた。だが、10年代中期を過ぎた辺りから風向きが変わる。そのポイントは4つある。

 1 オリコンランキングの終焉
 
 ひとつは、音楽人気を計る基準がビルボードチャートに変わった事だ。オリコンが2018年末迄CD売上のみのランキングだったのに対し、ビルボードはCD販売だけで無く、音源ダウンロード販売やストリーミングサービス・動画再生数等複合的な指標を用いて曲単位でチャートを構成する。現在は8項目の指標から為り、その比重は毎年変えられて居る。
 この中には、PCへのCD読み取り数を意味するルックアップもある。複数枚購入を促進させる“AKB商法”等からの影響を抑制し、音楽が実質的に聴かれた程度を計る為の指標だ。

 地上波テレビを初めとする多くのメディアは、10年代中期頃からオリコンからビルボードに切り替え始めた。オリコンでは上位に来るのがAKB48やジャニーズ、アニメソングばかりと為ってしまったからだ。
 特典目当てにCDを購入するコアなファンの熱意がランキングに強く反映されるオリコンは、音楽メディアが多様化する中で楽曲の人気を計る基準としては機能不全と為って居たのだ。

 AKB48は、2016年まではビルボードでも上位を占めて居た。しかし、2017年以降にランクが徐々に落ちて行く。ビルボードがチャート指標の比重を変えたからだ。実際、この3年で音楽需要はCDからストリーミングへ可成りシフトしている。ビルボードはリスナーの音楽環境に適応して居るのだ。
 結果、AKB48グループは発売初週こそビルボードではトップに為っても、翌週以降は大幅に順位を下げる様に為る。(これは一部を除いてネット対応して居ないジャニーズの多くも同様だ)この音楽ランキングのルール変更によって、AKB48は“人気錬金術”が出来なくなった。


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 2 “ポスト指原”を生み出せなかった

 次に、AKB48人気の退潮要因として挙げられるのは、指原莉乃など中心メンバーの相次ぐ卒業・離脱だ。指原は、2009年から2018年まで10回行われた選抜総選挙で4回もトップに立つ程の人気だった。前田敦子や大島優子を中心とした初期の人気メンバーが卒業して行った後に、AKB48を支えた存在だった。そんな指原が2019年4月に卒業した。2018年の総選挙にも参加せず卒業は既定路線だった。
 残されたメンバーに、指原の穴を埋める存在は居なかった。2018年の総選挙で1位と為ったSKE48の松井珠理奈の人気は一般化せず、韓国のオーディション番組『PRODUCE 48』を途中降板した後に、体調不良で活動を休むことが増えて行った。

 『PRODUCE 48』で人材が流出


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 人気メンバーとして期待されていた宮脇咲良人差し指サインは、同じく『PRODUCE 48』を機に韓国に渡り、IZ*ONEのメンバーと為ってK-POPの世界で大活躍をしている。2021年4月までの期間限定での活動ではあるが、IZ*ONEはK-POPのガールズグループの中ではBLACKPINKとTWICEに次ぐ人気を維持している。
 また、同じ番組でファイナル迄残った高橋朱里も卒業して韓国に渡り、Rocket Punchの一員としてデビューした。高橋は、次期総監督との呼び声も高かった存在だ。秋元康がプロデューサーのひとりに名を連ねた『PRODUCE 48』は、結果的に人材の流出に繋がった。


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                IZ*ONE(アイズワン) 韓国


 2019年9月には、新たなスター候補として当時17歳の矢作萌夏をセンターに抜擢する。が、その1ヶ月後に矢作は卒業を表明。大きな期待を背負った彼女がセンターを務めた曲が「サステナブル」だったのは、最早皮肉のようですらあった。尚、現在芸能界から姿を消した矢作は、大手プロダクションに移り再デビューの準備をして居ると云う噂が後を絶た無い。


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 この様に主要メンバーの離脱で人気が減退するAKB48に対し、人気が上がって行ったのは乃木坂46や欅坂46等の坂道グループだ。そもそもAKB48のライバルとして誕生した坂道グループだったが、違いも多くあった。
 各グループのコンセプトが明確であり、メンバー同士が総選挙などで競い合うことは無く、そしてルックスが重視されてメンバーは選ばれた。同じなのは握手会を行いCDの複数枚購入を促進するビジネスモデルだ。若いファンはAKB48から坂道グループに移って行った。
 乃木坂46の清楚さに惹かれるファンも居れば、欅坂46の思春期的なコンセプトに共感するファンも居た。AKB48グループが見せて来た競争よりも、よりシンプルなグループをファンは求めた。

 3 “雑な運営”が明らかに為ったNGT事件
 
 3つ目は、2019年1月に発覚したNGT48の不祥事だ。メンバーのひとりがファンに襲われた事件は、運営会社・AKS(現ヴァーナロッサム)の事後処理の不手際によって状況が酷く悪化した。
この一件は、AKB48グループの社会的信頼を失墜させた。明るくて楽しいエンタテインメントを提供して来た日本トップのアイドルグループが、極めて雑に運営されて居る事が明らかに為ってしまったからだ。
 
 AKS社の記者会見中に被害を受けたメンバーがTwitterでリアルタイムに反論したり、第三者委員会による調査報告の会見が行われ無かったりする等、AKSの対応は極めて杜撰だった。そうした姿勢が更にメンバー同士の亀裂を大きくし、ファン達の疑心暗鬼や離反を招いた。
 春には、10年続いていた夏の総選挙の開催が見送られた。この不祥事だけで無く、前年までにテレビ視聴率は低落傾向にあり、スポンサードは簡単では無い状況だった。それに加え、ファン達の投票が運営側の期待とは異なる結果(被害を受けたメンバーが上位に来る可能性など)を導く可能性もあったからだと推察される。この春(3月一杯)には、冠番組の終了も相次いだ。

 「会いに行けるアイドル」の欠陥
 
 だが、この事件は「会いに行けるアイドル」と云う特有のコンセプトが生じさせてしまった事でもある。ファンがメンバーの住むマンションに迄押し掛けたのは、直接コミュニケーションを取る事が生じさせた勘違いに端を発する。詰り、AKB48の基本的なコンセプトの欠陥が露わに為ってしまったのだ。 
 勿論、当初このコンセプトは大いなるアドバンテージだった。アイドルとの直接的なコミュニケーションが引き起こす一部のファンの熱狂が、大きな渦を描いて拡がって行く・・・2000年代後半から2010年代前半に掛けて、それはSNSなどネットでのコミュニケーションによって増幅されて行った。


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  プロデューサーの秋元康人差し指サインは、AKB48グループを学校の様なものと見立てて居た。運営側が強く指示を出す事無く、メンバー達の自主性に任せる。放任的なその自由度こそが人気に繋がると読んでおり、実際に10年代前半迄はそうだった。
 フジテレビの『テラスハウス』がヒットする迄は、AKB48は高校野球と並んで日本を代表するリアリティーショーだったからだ。

 人手不足は予(かね)てから指摘されて居た
 
 しかし、10年代中期以降はSNSやネットがマイナスに働く事に為る。ファン達は表には見え無い処で独自の情報網を築き、メンバー個々人の情報を遣り取りする様に為る。NGT48メンバーが襲われた事件は、その末に起きたことだ。
 AKS社は、そうしたファン達のコミュニケーション状況の変化に対応出来なかった。運営側の人手不足は予てからファンにも指摘されて居たにも関わらず、マネージャーを増やす事は無く、ケア体制も整える事無く事件が起きてしまった。
 
 最終的にこの一件は、事実関係が極めて不明瞭なママ、AKS社が加害者のファン二人に民事訴訟を起こし、今年4月に和解する事で決着した。そしてこの4月には、AKSは社名をヴァーナロッサムに変え、AKB・HKT・NGTの各グループの運営から撤退。海外の48グループとIZ*ONEの国内活動のみに専念する事に為った。
 NGT48の不祥事は、総選挙の中止だけで無く社名変更やグループ運営からの撤退等、大きなダメージをAKSに残したのだった。

 4 新型コロナウイルスの直撃・・・2020年に発売されたCDは1枚だけ
 
 そして最後は、新型コロナウイルスの直撃だ。勿論これはアイドルグループだけで無く多くの業界に打撃を与えて居るが、AKB48グループに取ってはより大きなダメージと為っている。「会いに行けるアイドル」に取って、握手会やライブは感染リスクと為るからだ。
 メジャーデビューした翌年の2007年から2018年まで、AKB48は年に4〜5枚のペースでCDシングルを発表して来た。前述した様に、それ等には握手券や総選挙の投票券が封入されて発売された。しかし、2019年は総選挙開催が見送られたこともあり2枚のみ、そして2020年は3月の「失恋、ありがとう」だけと為った。


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 コロナ禍で握手会を再開出来ないママ、2020年を終える事と為った。新型コロナの拡がりは、誰に取っても不運である事に違い無い。だが、AKB48を初めとする、メンバーのパーソナリティに重心を置く日本のアイドルグループに取っては、より大きなダメージと為っている。
 坂道グループも例外では無い。乃木坂46も2020年に発売したCDシングルは1枚のみだ。配信のみのデジタルシングルは6月と7月に2作発表したが、ビルボードチャートでは「世界中の隣人よ」が最高23位、小室哲哉作曲の「Route 246」は最高10位と伸び悩んだ。音楽の人気としては、乃木坂46もこの程度だった。 
 結果、乃木坂は昨年9位だったビルボードチャートの年間トップアーティスト20位圏内からも落ちてしまった。(AKB48は昨年既に20位圏内から落ちている)


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 冒頭で指摘したように、AKB商法とは一部のファンの熱意をCD売上によって一般化する“人気錬金術”を指して居た。それは、乃木坂46でも同様だったと云う事だ。もし本当に音楽の人気で勝負出来る為らば、コロナ禍でライブ活動や握手会が出来なくとも、大きなダメージには為ら無いからだ。
 @オリコンからビルボードへ A主要メンバーの卒業・離脱 BNGT48の不祥事 Cそして新型コロナの直撃・・・その延長線上にあるのが『紅白』落選だ。それは、必然的に訪れた展開だった。

 ♯2へつづく


 〜管理人のことこと〜

 普段から音楽から縁の無い管理人としても、往年のAKB48の総選挙における指原氏のクライマックスの模様や「恋するフォーチュンクッキー」を歌い踊る姿を忘れてはいない。TVを点けると殆ど毎日、彼女達の学芸会が放映され、その素人臭い新鮮なムードが堪らなく共感を呼んだものだった。
 長期腐敗政治の醜い姿を曝け出す安倍政治にイライラしどうしの国民に取っては、唯一の楽しいひと時でもあった。そんな彼女たちの時代が終わろうとしている・・・作者・松谷 創一郎氏の深い洞察力に敬意を表し、♯2への興味が尽きない。

                 以上



















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