ファン
検索
<< 2020年05月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
ヨリちゃんさんの画像
ヨリちゃん
プロフィール

2020年05月02日

「緊急事態宣言」延長は国民の所為か 経済的補償無く進んだ政権の責任は




  「緊急事態宣言」延長は国民の所為か 

  経済的補償無く進んだ政権の責任は


           〜47NEWS 尾中香尚里 5/2(土) 6:02配信〜

 新型コロナウイルスへの対応を巡り安倍政権が発令した緊急事態宣言は、当初の目標だった「5月6日解除」を断念せざるを得無く為った。1日の政府専門家会議では「全国で1カ月の延長が必要」との方針で意見が一致したと報じられて居る。
 最初に東京等7都府県に宣言を発令した際に安倍晋三首相が自ら掲げた「2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせる」と云う目標を十分に達成出来ず、結果として宣言延長に追い込まれたのだ。結果を出せ無かった政権自身の責任を、彼等はどう考えて居るのだろうか。

           050204.jpg

             ジャーナリスト 尾中香尚里

 安倍政権は、国民に対して一方的に義務を課し痛みを与え責任を果たす様求めて置きながら、自らが果たすべき責任を果たしたかに付いての評価が極めて甘い。自らの施策が効果を上げられ無かった為に、国民は更に私権を制限され、大きな痛みを背負う事に為るのに、その事への痛切な感情が全く感じられ無いのだ。
 筆者は4月2日付の小欄(法的根拠無き「緊急事態宣言」が脅かす民主主義国家 安倍政権が国民の為に今直ぐ遣るべき事)で、緊急事態宣言に付いて「もうイッソのこと(宣言を)出した方が、未だ『まし』なのではないか」と書いた。
 私権制限を伴う宣言の発令を積極的に求めたい訳では無かった。だが、当時は政府や一部の地方自治体のトップが、外出や大規模イベント開催の自粛の要請を次々と勝手に発出して居た。法律の裏付けも無く議会のチェックも受けずに、行政による恣意(しい)的な「私権制限」が既成事実化して居た。 

 こうした事態に筆者は強い危機感を抱いた。思い付きの様に国民の私権を制限して置きながら、政治はその事への責任を誰も取ろうとしないのではないか。それ為らば、政府が新型インフルエンザ等対策措置法(新型コロナウイルス対策にも使える様、3月に法改正が行われた)に基づく緊急事態宣言を出し、私権制限に対する「国の責任」を明確にした方が未だ「まし」なのでは無いかと考えたのだ。
 ここで言う「国の責任」とは、私権制限で大きな打撃を受ける国民への経済的な補償である。補償に依って将来への安心感が得られれば、外出や店舗の営業等を自粛し易い環境が生まれ感染の拡大を早期に止めることが出来る。自粛要請の期間を短く抑える事が出来、長い目で見れば経済を守る事にも繋がった筈だ。

 処が、安倍首相は「民間事業者や個人の個別の損失を直接補償する事は現実的では無い」と発言し、寧ろ「補償は行わ無い」と云う正反対のメッセージを強く打ち出してしまった。溜り兼ねた一部の地方自治体は、独自に休業補償の施策を用意したが当然財源が足り無い。
 自治体側は、政府が緊急経済対策で自治体向けに創設した総額1兆円の臨時交付金に期待した。すると、今度は西村康稔経済再生担当相が4月13日の参院決算委員会で「休業補償には使え無い」と答弁し、更に追い打ちを掛けた。後に方針転換したが、兎に角「補償」を嫌がる制限の姿勢だけは伝わった。

 一方、コロナ関連予算を盛り込んだ初の予算となる2020年度補正予算案は、政権が目玉に掲げた「減収世帯限定の30万円給付」への世論の反発が高まり「閣議決定後の予算案組み替え」と云う前代未聞の事態に追い込まれた。「給付対象が余りに狭過ぎる」と云うのが反発の理由だった。
 政権は、野党等が主張して居た「全国民への一律10万円給付」を盛り込んで予算案を組み替えた。しかし、麻生太郎財務相は4月17日の記者会見で「手を上げた方に1人10万円」と発言。自己申告制で「受け取るも受け取ら無いも自己責任」と云う姿勢を打ち出し「必要な人に届くのか」と云う不安を抱かせた。
 住民票の世帯主の銀行口座に世帯全員分をまとめて振り込む、と云う方法も「ネットカフェ難民やDV被害者等は確実に受け取れるのか」と云う疑念を呼んだ。

 補正予算は4月30日に成立した。しかし、組み替えも有り成立が大幅に遅れた事で「この規模ではとても間に合わ無い」と云う声が公然と出て居る。 「支援策」に付いて、安倍首相は、事有る毎に「これ迄に無い規模」を繰り返す。だが、その言葉とは裏腹に、政権から聞こえて来たのは「出来るだけ給付を抑えたい」と云うメッセージばかりだった。
 こうした政権の姿勢は、国民が安心して外出自粛や休業要請に応じる事を難しくした。その結果が「既に医療崩壊では」と専門家に言わしめる現在の状況である。

 緊急事態宣言の延長とは、即ち感染拡大防止に向けた政権の取り組みが失敗した結果だと云う事に他なら無い。確かに今回の新型コロナウイルスの感染拡大は過つて無い規模の世界的な危機だ。全てを政治の力で制御するのが無理な事は誰にでも分かる。安倍首相が「ババを引いた」と云う思いを密かに抱いて居たとしても、そう云う思いを持つ事を否定はしないし或る意味同情もする。
 だが、それを言い出せば、例えば東日本大震災と東京電力福島第1原発事故も、政治の力だけでは背負い切れ無い大きな危機だった。明らかに自らの手に余る「国難」級の危機で在っても、逃げずに立ち向かい、結果を出せず理不尽な批判を受けても、それを受け止め耐えるのが国民に選ばれた政治家の責務だと考える。

 増して今回の危機に於いて、安倍政権が国民の生命と暮らしを守る為に、遣るべき事を遣り尽くしたと信じられる人は一体どれだけ居るのだろう。これ迄の国内政治と違い、今私達は、世界の為政者達が新型コロナウイルスと云う同じ課題にどう対応して居るかを目の当たりにして居る。比較対象が幾らでも有るのだ。
 政治は結果責任を伴う。緊急事態宣言の発令と云う大きな政治判断に依って、全国民の私権を此処迄強く制限した以上「国民に痛みを強いる分、私自身も結果を出す」と宣言し汗を掻くべきだった。自らが定めた「5月6日まで」と云う期間内に、何らかの目に見える結果を出すべきだった。結果を出せ無かったのは「要請を守ら無い国民の所為」では無い。国民が要請を守れる様な施策を準備出来無かった政権の側により大きな責任が有るのだ。

 処がこの政権は、自らの失敗を省みる処か、その責任を平気で国民に転嫁する。湘南の海に集まる人々や、営業を続けるパチンコ店に焦点を当てて「自粛に応じ無い」と嘆いてみせる。自省的では無く常に他罰的なのだ。
 為る程、パチンコ店が現在の状況で営業を続ける事に疑問を抱く人は少なからず居るだろう。だが、繰り返すが、この問題は「営業を続けるパチンコ店」以上に「パチンコ店が安心して休業出来る環境を作れ無かった政権」の側が責任を負うべきものだ。そうした自省の心は、この政権の誰からも全く感じられ無い。
 安倍首相は4月30日「或る程度の持久戦は覚悟し無ければ為ら無い」と記者団に語ったが敢えて問いたい。誰の所為で持久戦に為ってしまったのか。自ら決めた「6日迄」を守れず、国民に更なる痛みを与える事へのお詫びの言葉はないのか。

 緊急事態宣言は安倍政権に取って、鼻から「国民を統制する手段」でしか無かった節がある。だから「医療崩壊を防ぐ為にPCR検査の件数を増やす」等の「政権が遣るべき事」で無く「外出自粛要請」等の「国民が遣るべき事」ばかりが矢鱈と強調された。
 ろくな「見返り」も用意せず、一方的に国民に義務と負担を求め、目標が達成出来無ければ「国民の所為」と言わんばかり。営業を自粛しないパチンコ店の店名公表(公表の権限は知事に有るが、各知事は政権と緊密に連携を取って居る)等は、その最も分かり易い例だろう。実際、西村経済再生担当相が4月27日の記者会見で、休業に応じ無いパチンコ店の事例に触れて「罰則を伴う強制力の有る仕組みの導入」を検討する考えを示している。

 対応の稚拙さ以上に、この政権の「心根」が遣る瀬無い。国民の側が感染の恐怖や将来の生活への不安に怯えて居るのに、その国民の生命に責任を持つべき政権の側が、自ら掲げた目標を守れ無くてもその総括すらせず、自分達は無傷のママ、国民には引き続き痛みを強いる。それが「緊急事態宣言延長」にみる政権の本質だ。この政権が今後も「緊急事態」の名の基に国民の生殺与奪を握り続けるのかと思うと、只暗澹(あんたん)たる思いしか無い。


                   以上


















「女性リーダーの国」がコロナを抑え込む理由




  「女性リーダーの国」が コロナを抑え込む理由

             〜東洋経済オンライン 5/2(土) 5:40配信〜


     050205.jpg

 正確なデータを持って語り国民を納得させたドイツのメルケル首相 / ニュージーランドのアーダーン首相 は死者の居ない段階でロックダウンを敢行し感染の抑え込みに成功した(写真ロイター)

 〜巨大クライシスを乗り越えた後の世界の秩序や常識はどう為るのか・・・ポストコロナの「ニューノーマル」・新常態に付いて、様々な予測・提言・議論がされて居るが、リーダーシップとコミュニケーションに付いて長年、研究して来た筆者が予言、いや期待する「ニューノーマル」は「女性リーダーと新世代リーダーの台頭と活躍」だ。
 ニュージーランド・台湾・ドイツ・フィンランド・デンマーク・・・世界的に見て、このコロナ危機に上手に対処して居る国のリーダーに女性が多いと云う事が話題に為って居る。こうした非常事態時には、力強さを体現する男性の方が向いて居るのではないかと云う思い込みもあるが、何故、この未曽有の危機に女性リーダーが真価を発揮出来るのか。その理由と女性リーダーの強みに付いて考えてみよう〜


 成功する女性リーダーは「カメレオンタイプ」

 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(39歳) 今回のコロナ危機では死者の居ない段階でロックダウンを敢行する等、迅速で的確な対応と人々の琴線に触れるコミュニケーションで、感染の抑え込みに成功、全世界から注目を集めて居る。
 実は筆者は、昨年9月、とある仕事で彼女と直接会う機会が在った。ニュージーランドから到着したばかりだと云う彼女だったが、印象に残ったのは、確りとカールされた髪・発色の好いルージュの口紅・ピンヒールと云うフェミニンな井出達だ。一方で、カッチリとしたパンツスーツを着熟し、ロジカルで明快・熱量と勢いの有る話し方等・・・柔らかさや優しさと強さやカッコ好さの絶妙なバランスを醸し出して居た。

 女性のリーダーとしてのスキルや才能は、男性と比べて全く遜色は無い。寧ろ、優れて居る面も多い。しかし、政治、経済のリーダーの中での女性比率はマダマダ低く、特に日本は男女平等度を示すジェンダーギャップ指数が153カ国中121位と云う「女性活躍劣等国」である。
 女性がリーダーに為る為には数々の障壁と「ガラスの天井」が有る訳だが、その中の1つに「ダブルバインド」・二重拘束と云うものがある。女性がコミュニケーションをする上で、強い態度を見せる・・・例えば怒ったりすると「ヒステリック」「冷たい」と言われ、柔らかく優しい態度を見せると「弱々しい」と批判されると云うものだ。

 だから、アメリカの大統領候補だったヒラリー・クリントン氏や立憲民主党の蓮舫氏の様に、怒り・叫ぶ女性は殊更に批判を浴び易い・・・参考記事「怒りながら叫ぶ女」はどうして嫌われるのか。詰り、強過ぎても弱過ぎてもいけ無い・・・と云う非常に微妙なバランスを要求されると云う訳だ。スタンフォード大学の研究では、最も成功する女性リーダーは「男性的特質と女性的特質を上手に使い分けるカメレオンタイプ」であると結論付けて居る。
 女性らしさ、男性らしさと云った言葉は好きでは無いが、ジェンダーの枠を超えて、強さと優しさをベストマッチした女性リーダーが成功すると云う事で有ろう。

 そう云った視点で見て行くと、コロナ対策に成功して居ると云われるニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(39歳)台湾の蔡英文総統(63歳)ドイツのアンゲラ・メルケル首相(65歳)フィンランドのサンナ・マリン首相(34歳)アイスランドのカトリーン・ヤコブスドッティル首相(44歳)ノルウェーのアンナ・ソールバルグ首相(59歳)デンマークのメッテ・フレデリクセン首相(42歳)・・・全てが、マサにこの資質を満たして居る事が判る。

 彼女達の的確な対応の要因の1つに、リスクに対する捉え方が挙げられる。例えば、ニュージーランドのアーダーン首相は「We must go hard and go early・厳しく早く」有るべきと唱え、断固たる処置を一刻も早く執ると云う姿勢を堅持して来た。ドイツのメルケル首相も、物理学者の経験を生かして「科学の声」に耳を傾け、徹底した検査と行動制限で感染者数の抑え込みに成功して居る。
 男性の方が女性よりリスクの高い行動に出易いと云われるが、このコロナ問題に付いても、女性の方が男性より遥かに心配をし、予防行動に出て居る事が判って居る。男性の中には「男らしさ」とはウイルスと云う敵を恐れず戦い抜く事で、外出しないと云う選択肢は負けを認めること、と捉えるマッチョな人も極一部に居る。

 初期対応を誤り「消毒薬を注射すれば好い」等数々の虚言・妄言をはき続けるアメリカのドナルド・トランプ大統領や外出制限にデモ活動を行う人々・一切の対策を拒否するブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領等、特に強硬な保守層程、リスクを軽視し科学を無視する傾向も有る。リスクの受容度の違いが感染抑止の取り組みに影響を与える側面は有るだろう。

 コロナ禍で発揮された女性リーダー達の共感力

 更に、女性リーダーに共通して居るのは際立ったコミュニケーション力だ。男女のコミュニケーションの特質的な違いに付いては、拙著『世界一孤独な日本のオジサン』に詳述して居るが、特に大きく異なるのが共感力だ。
 数々の研究から、女性の方が人の感情を読み取る・感情を表現する力が高いと云う結果が出て居るが、人の気持ちを察し同情する、悲しみや不安に寄り添うと云った言動に躊躇いが無い。彼女達は軒並み70%・80%台の高い支持率を得て居るが、コレだけの信頼を得て居る理由として、この危機の特殊性も有るだろう。仮想敵国を叩く事で「ゼロサムゲームを勝ち抜くのだ」と奮い立たせる様なレトリックはこのウイルスとの戦いでは役に立た無い。

 敵は見え無いウイルスだけでは無く、人々の恐怖や孤独・不安と云う内なる感情でも有る。その痛みを感じる想像力・寄り添い・勇気付け・称え・励ます共感力が求められると云う事だ。繋がりを渇望する国民は女性リーダーの優しく力強い言葉に「そうそう」「それそれ」と背中の痒い所を掻いて貰うが如く、感情のツボを刺激されてしまう。
 例えば、デンマークのフレデリクセン首相やノルウェーのソールバルグ首相、フィンランドのマリン首相は、テレビを通じて子供向け記者会見を開催、質問に丁寧に答え共感を集めた。フレデリクセン首相はロックダウンの最中に、歌を歌いながら皿洗いをする映像をFacebookにアップしたが、炎上する事も無くそのユーモアが評価されて居る。
 アーダーン首相は、子供を寝かし着けた後、部屋着姿で国民にライブ中継でメッセージを送り、国民を励まし続けて居る。助け合いや支え合い、連帯を訴え人間の根源的な「力」や「愛」を想起させるメッセージは不安で寂しい国民の心を打つのだ。

 勿論エモーショナルなサポートだけでは無い、極めてロジカルに説明する力も有る。メルケル首相は、1人の感染者が新たに何人を感染させるかを示す「再生産数」に付いて「再生産数が1.1に上昇すれば10月、1.2に為れば7月、1.3に為れば6月に医療システムが限界を迎えてしまう」と、正確なデータを持って語り、国民を納得させた。
 足った2つしかICUベッドが無い人口4万1500人のカリブ海のオランダ領シント・マールテンのシルベリア・ヤコブス首相は危機的状況に「シンプルに言います。動か無いで。貴方の家にパンが無いなら、クラッカーを食べてシリアルを食べてオーツ麦を食べて、イワシを食べて」と呼び掛け、単刀直入で迫力有る語り口がネット上で大きな話題に為った。

 日本を根本から変える好機に

 「女は感情的だから、難局等乗り切れる訳が無い」そんな偏見は未だに在るが、こうした極めて冷静沈着で肝が据わった女性リーダーと、メディアの質問に暴言をブチ撒けたり、キレて嫌味を言ったり、野党の質問にヤジを飛ばしたりする男性リーダー達を比べると、果たして「感情的な性はドチラなのか」と問いたく為る。
 そして「女の嫉妬より男の嫉妬の方が怖いですよ。男同士の嫉妬は国だって滅ぼす程だから。嫉妬を女偏にし無いで欲しい」と我が国の「緑のカメレオン」小池都知事も形容して居たが、多分、男の嫉妬の方が女の嫉妬より余程質が悪い。

 結局の所「女性がリーダーに為る為には、男性より優れて居なければ為ら無い。男性の半分でも真剣に受け止めて貰う為に、2倍働か無ければ為ら無い」英The Guardianと云う様に、男性社会の中で上り詰める女性は超優秀で有ると云う事だ。その当たりは、オジサン達への媚びが評価される我が国の一部の女性政治家とはスペックが随分と違う。
 勿論、女性だけでは無い。例えばギリシャでは、ハーバード大学卒業、マッキンゼーの元コンサルタントと云う52歳のキリアコス・ミツォタキス首相が、混乱するヨーロッパの中で大健闘し評価を高めて居る。日本でも、地方自治体の若手首長が実力を発揮し、注目を集めて居る。国政に於いても、柵の無い女性や次世代のリーダーにバトンを渡し、日本を根本から変える好機とするべきではないだろうか。


       岡本 純子  コミュニケーション・ストラテジスト  以上


















コロナ感染爆発は必然?日本の常識で照らすと見え無い アメリカの悲惨な現状とは




 コロナ感染爆発は必然? 

 日本の常識で照らすと見え無い アメリカの悲惨な現状とは
 

              〜〈dot.〉AERA dot. 5/1(金) 17:00配信〜

      050201.jpg

 アメリカ社会は10の地域に分けられる 夫々の地域の特徴を見れば アメリカ社会が見えて来る『地図で読むアメリカ』より

 〜現在、アメリカは世界一のコロナ感染大国と為って居る。日本から見ると、都市部は完全にロックダウンして居る様に見えるアメリカで、どうして日本より急速で大規模な感染爆発が起きて居るのか不思議に思う人が多いだろう。
 その理由に付いて『地図で読むアメリカ』の著者で、アメリカ社会の歴史と文化に詳しい早稲田大学名誉教授のジェームス・M・バーダマン氏が語って呉れた。日本社会の常識に照らしてアメリカを見ると、事実を見誤ってしまう可能性が有る。アメリカ社会は、ソモソモの前提が日本とは全く違うからである〜


           050202.jpg

 「ロックダウン何て辞めて呉れよ。俺は散髪がしたいんだよ」とニューヨークの白人男性が不満を言う。「私達には、公共のビーチで日光浴をし、子供達やペットに砂遊びをさせる権利が有る」とカリフォルニアやフロリダの住民は訴える。
 彼等は3つの密(アメリカではClose Contact・ Close Space・ Close Conversation)の危険性を理解して居無いのだろうか?一方、ミシガン州では、経済活動再開を求めて地元住民が州政府にデモを行った・・・早期の経済活動再開をしたいトランプ陣営が仕掛けたと云う報道もあるが。彼等は矢張りコロナウイルスを軽んじ過ぎて居ると考える事も出来るが、一方で働か無いと家族を養え無いと云う事実もある。

 こう云ったアメリカの報道を観て、日本と重ねて見てしまう人も居るだろう。巣鴨の地蔵通りで「年寄りだから体を動かさ無い事にはネエ」と言って居る老人や、自粛要請が出た都内から、未だ自粛要請が出て居ない近郊県のパチンコ店に遠征に行く人々のコメント・少しでも生活の足しに為ればと居酒屋を開いて居る店主の話等である。
 アメリカの状況を伝える報道を、日本社会に育ち日本社会で暮らして居る感覚で理解しようとすると、画面に映って居ないその奥に広がる現実を見過ごしてしまうだろう。

 日本とアメリカでは、前提と為る社会事情が全く異なる。先ず第一に、アメリカには日本の様な国民健康保険が無い。勿論、アメリカでも健康保険に加入出来て居る会社員は多い。しかし、パートワーカーや非正規雇用労働者・フリーランサーの少なく無い人数が健康保険に未加入だ・・・アメリカ先住民・ヒスパニック系は30パーセント以上、アフリカ系・・・以後、黒人と表記するは、18パーセントが未加入である。白人でも13パーセントの未加入者が居る。
 医療保険が無いと、病院に懸かるのはとても高額に為る。その様な人々はどうしようも無く為る迄医者には懸かろうとしない。ソコでコロナ感染者の早期治療の機会は失われ重症化してしまう道を辿り易い。しかも、彼等は倒れる寸前迄働きウイルスを拡散してしまう。

 第二に、アメリカでは体調不良を理由に仕事を休む行為は、生活を危険に晒す事に為り兼ね無い。労働者は仕事を休むと解雇されるのでは無いかと云う恐れを常に抱えて居る。10人の労働力を必要とする雇用主が「休んだ1人を違う誰か1人に永遠に入れ替えてしまう」殊は、日本よりズッと簡単に起きるのだ。だから労働者は、咳が有っても熱が有っても吐き気がしても仕事を休みたがら無い。
 又、日雇いや期間払いの労働者も多い。これは都市部に限った事では無く、今ならトマト・豆・ジャガイモと云った夏野菜の収穫に募集される労働者もそうだ。彼等は、その日その日の稼ぎを糧として生きて居る。そのような仕事では、密集して働く事も多く、提供される食事も簡素な事が多い。労働環境は良いとは言え無い。しかし、それ以外に仕事が無い彼等は、体調不良でも働く事を選ぶ。

 第三に、忘れては為ら無いのが、アメリカは移民大国であると云う事だ。移民労働者の中には、違法状態で働いて居る者も少なく無い。彼等の後ろには、祖国で彼等からの支援を待って居る家族が居る。だから彼等は、警察・役所は勿論、病院にも行きたがら無い。公的な場所に行くと捕まってしまう恐れが有るからだ。
 そして第四に人種差別或いは人種格差と云う大きな問題が有る。コロナウイルスでは、黒人とヒスパニック系アメリカ人がより苦しめられて居ると云う報告が有る。実際、アメリカの人口の13パーセントで有る黒人が、コロナ感染者の30パーセントを占めると云う報告が在った。

 ピュー研究センターに依ると、コロナウイルスへの感染を恐れて居る人の割合は、白人で18パーセント・黒人で31パーセントと云う事である。その理由は、黒人の27パーセントが、コロナで入院したり亡く為ったりして居る身近な人が居る為だと云う。ソモソモ、何故白人よりも黒人やヒスパニックに感染者が多いのか?
 彼等が、サービス産業・物流・配送・ホテルのメイド・清掃員・スーパーのレジ打ち等、常に接触に晒されて居る職業に多く就いて居るからだ。例えばニューヨーク公共交通の労働者・・・バスの運転手・地下鉄職員等の60パーセントは、黒人とヒスパニックである。それ等の仕事は、リモートワーク出来無い最前線の仕事である。

 そして、黒人社会に連綿と続く負の継承が有る事も否定出来無い。貧困・不衛生な住環境・ジャンクフード中心の食生活等である。通勤にも長い時間が掛かり、パートワークの掛け持ちをする人も多い。疲れ果てて家に帰り、1日の終わりに健康的な食事を作る時間も余裕も無い。感染症が流行して居るからと云って、狭い住居スペースでは個人が家族と距離を保てるスペース等無いのだ。
 アメリカ疾病予防管理センターに依ると、ウイルス問題が無い平時に於いてさえ、黒人は白人よりも50パーセント以上心臓病に為り易く、40パーセント以上若くして亡く為り易いと云う。

 ネイティブアメリカン保留地に暮らすナバホ族は、慢性的に水不足の問題を抱えて居る。水道も電気も通って居ない手洗いさえ出来無い世帯も在る。近くに病院も無く、緊急時には救急車で保留地の外の病院に搬送される。仕事も保留地の外に行き、ソコでコロナに感染すると家に持ち帰って感染が蔓延する事に為る。この様な状況は、程度の違いは有れ、黒人やヒスパニックも同じである。
 アメリカに根強く残って居る差別意識からのストレスや、上に示した様な様々な要因が複合的に重なり、白人よりも黒人やヒスパニックの人達がコロナに感染し重篤化して居るのである。

 アメリカ社会に於いて、コロナウイルスは、誰にでも等しく降り掛かるイコライザーでは無い。残念ながら、コロナウイルスは社会の弱い部分から広がり人種や階層の格差を拡大させて居る。勿論日本社会にも格差は存在する。だが、アメリカのそれとは程度が違う。今から、そしてコレからも、日本に於ける格差が増幅し無い事を心から願って居る。私はコレからも日本で暮らしたいと心から願って居る。

     
           050203.jpg

 早稲田大学名誉教授 ジェームス・M・バーダマン 1947年 アメリカ・テネシー州生まれ プリンストン神学校教育専攻 修士 ハワイ大学大学院アジア研究専攻 修士 早稲田大名誉教授 専門はアメリカ文化史 特にアメリカ南部の文化 アメリカ黒人の文化

                   以上