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2020年04月28日

日本に残された道は ロックダウンしか無い理由 神戸大・岩田教授が警鐘




 日本に残された道は ロックダウンしか無い理由 

 神戸大・岩田教授が警鐘


           〜ダイヤモンド・オンライン 4/28(火) 6:01配信〜


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                  神戸大・岩田教授

 〜5月6日の期限に向けて、延長するかどうかが議論されて居る緊急事態宣言。感染症の専門家である岩田健太郎・神戸大学教授は「延長か否かでは無く、ソモソモ施策が緩過ぎる事が問題だ」と指摘する。岩田教授が欧米並みの強力なロックダウンをすべきと指摘する理由、そして「集団免疫」や「抗体検査」「ワクチン」に対する考え方を聞いた〜

 ※ 聞き手 ダイヤモンド編集部 津本朋子 *インタビューは4月23日に行いました

 「第1波」すら 抑え込めて居ない
 
 ・・・東京等7都府県に緊急事態宣言が発令されてから今日(4月23日)で16日が経ちました。現状をどう評価して居られますか?

 2週間と少し前、政府は「8割の外出を辞める事で、2週間後には感染者を大きく減らします」と云うプランを発表しました。指数関数的な感染者増加・・・所謂オーバーシュートと云う事態を避け無ければ為ら無いと。しかし、欧米と違って日本は強力なロックダウンと云う方針は取りませんでした。その後の経過を振り返ると、半分は好かった・・・しかし半分はダメだったと私は評価して居ます。
 オーバーシュートは起きて居ません。これは好かったですよね。只、当初の目論見通りに患者数をドンと減らせて居るかと云うとこれは出来て居ない。少し減って来て居ますけれど大きく減っては居ません。詰り「悪いシナリオは回避出来たけれど、良いシナリオにも為ら無かった」と云う事です。

 東京では、新規感染者数は横バイに近い推移ですが、これをどう評価すべきか?私は、拙い状況だと考えます。COVID-19・以下新型コロナは経過が長い病気なんです。軽症者からもナカナカウイルスが無く為ら無いし重症者も呼吸不全のママ、人工呼吸器に繋いで何週間も治療し無ければ為ら無い様な長期戦に為る。
 そんな長期戦の中で、東京だと毎日100人以上の新規感染者が出て入院者も増えて行く。加えて、医者や看護師が感染すると云う院内感染もアチラコチラで起きて居ます。

 すると、患者数は増える一方で医療サイドのマンパワーは減って行く・・・このダブルパンチが医療崩壊を招きますから、東京の「新規感染者数横ばい」と云うのは決して許容出来ません。矢張り大きく減らす必要がある。モッと強力な外出規制を実行しないとダメだと云う事です。
 第2波と云う言葉も出て来て居ますが、日本の場合、第1波すら抑え込めて居ません。コンな状況で、感染者が非常に少ない地域限定なら兎も角、全国一斉に緊急事態宣言を解除する等と云う事は考えられ無いでしょう。しかし「延長する」と云うのも違う。私は「もっと強力なロックダウンをする」と云う方針に転換すべきだと考えます。

 ロックダウンこそが 経済を救う

 ・・・欧米並みのロックダウンは経済を破壊してしまう、と躊躇(ちゅうちょ)する声もあります。

 いえ、私は「強力なロックダウンを短期間集中して行う」事コソが経済を救うと思いますよ。武漢は集中してロックダウンを行い、比較的短期間で感染封じ込めに成功しました。イタリアやスペイン等も感染者数が大きく減って来た。
 しかし、日本の様に「不要不急の外出は極力控えるように・・・」等と云う緩い遣り方をすると延々とそれを続け無ければ為りません。此方の方が余程経済に悪影響を及ぼします。短期間に強いロックダウンを行って、その間は政府が全力で企業や国民に経済支援等を行う・・・コレが一番、経済に取ってはダメージが少ない筈です。

 新型コロナ対策か経済活動か・・・ドチラを取るかと云う話では無いのです。新型コロナを抑え込ま無いと、経済活動は再開何て出来無いんですから。ここを間違わ無い様にしないといけ無い。勿論、或る国や地域で抑え込めても、外から持ち込まれます。これが第2波・第3波と呼ばれるもので、日本でも北海道で今起きて居るのは第2波です。
 一度は抑え込んだのに、又東京等からウイルスが持ち込まれてしまった。だから、ロックダウンは空襲警報の様なものだとイメージすると好いと思います。空襲が来たら警報が鳴って防空壕(ごう)へ入る、そして警報が解除されれば外に出て活動すると云う事です。この繰り返しに為る、と云うシナリオもあると思います。

 ・・・第2波・第3波に備えるべく、集団免疫の獲得(人口の5〜6割程度が免疫を持てば感染は収束する)を期待したり、ワクチンや治療薬の開発が進められて居ます。例えば、日本でも抗体検査の早期実施に向けた動きも出て来て居ます。抗体が出来て居る人は、新型コロナは怖く無いと云う事に為るのでしょうか?

 そう簡単な話では有りません。抗体とは、感染した人の体内で出来る免疫グロブリンと云う・・・微生物を攻撃するタンパク質を指します。しかし、抗体が出来ると云う事と免疫が出来ると云う事は必ずしもイコールでは無く、屡々抗体は出来て居るのに免疫は出来て居ない・・・と云う現象が発生します。

 抗体=免疫では無い 過度な期待は禁物
 
 抗体が有れば「新型コロナに一度罹った事が有る」と云う事はホボ言えますが「もう二度と新型コロナには罹ら無いお墨付きが得られる」と云う事には必ずしも為ら無い。
 これは非常に重要なポイントで、免疫が有るかどうかはもう少し調べ無いと判ら無いのです。例えば、ハシカは抗体が出来たら二度と罹りませんが、HIVは抗体が出来たって体内からウイルスは無く為りません。よって、抗体が出来た人が5〜6割に達すれば必ず集団免疫が獲得出来る・・・と云う話には為ら無いのです。又、免疫が出来た人でも、その状態が3カ月続くのか・1年なのか・一生なのかは未だ判りません。

 ・・・では、集団免疫がズッと出来無い、と云う状況も考えられるんですか?

 スペイン風邪は集団免疫が獲得出来たケースですが、新型コロナもそう為るかどうか現状では判ら無いとしか言えません。運良く集団免疫が出来れば感染は放って置いても収束する。しかし、運悪く出来無かったら同じ事の繰り返しです。実現するかどうかも判らない集団免疫獲得を目標に据えて作戦を立てると云うのは非常に拙いです。

 ・・・ワクチンや治療薬に付いては、どうお考えですか?

 これも「出来たら好いな」と云う話です。好くワクチンを作るのに十数カ月掛かる、と云う様な話が出て居ますが、そもそもワクチンが作れ無い可能性だって有るんです。現に、HIVはもう40年間も研究して居ますが未だに成功して居ない。SARS・重症急性呼吸器症候群のワクチンも有りません。治療薬もパッとし無いものばかり・・・と云う未来だって有り得ます。
 集団免疫獲得やワクチン・治療薬の開発成功と云うのは、飽く迄も「そう為れば好いな」と云う希望であり、現段階では「物語」でしか無い。だって実現するかどうか判ら無いんですから。我々の様な現場の医師は、幾つものシナリオを考え、夫々に対する準備を進めます。楽観的シナリオだけを想定して動いて、もしモッと悪いシナリオが実現したら、身動きが取れ無く為る。最も悲観的なシナリオに対しても準備をして置くべきなのです。
 楽観的シナリオが実現する可能性も勿論有りますよ。僕だってそう為って欲しい。だけど、それだけを念頭に置いて準備をすると云うのでは困るのです。

 「最悪のシナリオ」も 念頭に置いて準備をすべきだ

 ・・・仮に、集団免疫が獲得出来ず、ワクチンも治療薬も無いと云う事に為れば、現状がズッと続くと云う事ですが、そう為ると先程仰った「空襲警報の様にロックダウンを繰り返す」と云うシナリオも現実味を帯びて来ます。

 しかし、今の日本はロックダウンすら出来て居ませんからね。昨日(4月22日)Zoomでテレビ番組に出演しましたが「ヤッパリ外出し無いと云う事が大切なんでしょうか?」何て云う質問をして来る人達は放送局に居る訳です。貴方達が外出して放送局に行くのが、ソモソモ好く無いんですよと。
 スタジオから放送した方が、カラフルなCG何かも使えて見栄えが好いでしょうけれど、今は緊急事態です。多少美しく無くても、内容さえチャンとして居れば好いじゃないですか。結局、不要不急の外出だらけで、満員電車が無く為ら無い。これでは感染者を大きく減らせません。
 厳しくロックダウンを実施すれば、少なくとも自国(地域)内の感染を抑え込む事は出来ると云う事は、既に諸外国のデータが示して居る通りです。但し、世界の何処かで新型コロナが蔓延(まんえん)して居る間は、第2波・第3波は防げ無い。此処がパンデミックの厄介な処です。
 だから、集団免疫もワクチンもダメで、治療薬もイマイチと云う事に為れば、空襲警報の様にロックダウンを繰り返すと云う悲観的なシナリオも有り得ると云う事です。辛いシナリオですが、目を背けるべきではありません。「絶対に大丈夫」と云う様な安心材料は、少なくとも現段階では無いんですから。

 致死率で見ると判断を誤る 新型コロナは「どれ程怖い」病気か?

 ・・・「新型コロナは大して怖い病気じゃ無いから、ロックダウンは遣り過ぎだ」と主張する人達も居ます。只、致死率(死亡者数÷感染者数×100)は国に依って大きく違って居て判断に困ります。

 致死率は余り考えるべきではありません。分子分母の数が変われば大きく変動しますから。ドイツとイタリアで、何でアンナに致死率が違うんだと云う話ですが、患者のカウントの仕方などが違えば当然そう為るんです。
 見るべきは、死亡者の実数です。例えば、米国では既に5万人もの人々が亡く為りました。無症状の人も多いけれど実際に何万人もが亡く為る病気なんです。無症状が多いなら感染者が増えたって好いじゃないかと思うかも知れませんが、感染者が増えれば確実に死者も増える。これが怖いのです。

 ・・・死者数で言えば、米国では多い年だと季節性インフルエンザで6万人もが亡く為って居ます。数字だけで見れば、新型コロナは特別に怖い病気なのか?と戸惑います。

 数字だけ見ればそうですよね。しかし、現場で重症者を診て居る我々は、この病気は簡単では無いと痛感させられて居ます。治療法は今の所無いしアッと云う間に悪化するケースが有る。そして若い人でも、一部ですが重症化する人が居る。無症状者が多いと云う点だけ見れば、大した病気じゃ無いとも言えるけれど、その分感染者を隔離し難いから病気がドンドン広がって行く。非常にタチの悪い病気なんです。

 ・・・2009年に流行った新型インフルエンザは、未だに毎年、患者を出して居ます。
 
 第2波・第3波処か、第11波とかそんな状況ですよね。新型インフルエンザは幸い、大した病気では無かったので注目され無く為って、第〇波等と誰も言わ無いですが何度でも波が来る。パンデミックとは、そう云う事なんです。
 新型コロナがタチの悪い病気だと云う事を踏まえると、今回は100年に一度の大災害と云えるでしょう。今後「新型コロナを諦める」と云うか、もう仕方無いから受け入れると云う感じに社会が変わって行くと云うシナリオも有るのかも知れません。現状では日本も含めて、どの国も諦めて無いですけどね。
 だったら、外出自粛何て云う緩い方法では無くて、より強力なロックダウンを遣るしか選択肢は無いと思います。ロックダウンには2つの要素があります。「域内外の移動を制限する」事と「域内での移動を制限する」事。後者だけだと、東京で外出禁止なら茨城迄出て行って遊ぼうと云う話に為ってしまうので意味が無いのです。但し、全国一斉では無く対象地域を絞り込むのは有りでしょう。

 ロックダウンに必要なメッセージは2つだけ

 昨日(4月22日)政府は「人との接触を8割減らす 10のポイント」を発表しましたが、アンナのは複雑で覚えられません。単純に「外出はダメ」そして、どうしても外出が必要な人・・・警察官や医者・看護師・救急隊員等は「人と2メートル以上距離を空ける」ロックダウンに必要なのはこの2つだけで非常にシンプルです。
 兎に角一般の人に対しては「外に出てはいけ無い」と言い続けるべきで、そうすれば新型コロナの患者さんはドンと減ります。そして医療崩壊は免れますから国民だって生き延びられる。医療崩壊が起きたら皆さん本当に大変ですよ。国民が外出さえし無ければ、マスクを配ったりし無くても好い訳で、政府は破産や自殺を防ぐ為の対策を全力で行えば好い。

 外出さえ徹底的に制限してしまえば、そう時間を掛けずに新型コロナを抑え込めますから、経済的損害を抑えると云う意味でも、ダラダラと緩い制限を加えるよりは余程好い。法的に強制力が無い等と言って居る場合では無く、緊急事態なんだから思い切った戦略に転換すべきです。


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      話 岩田健太郎・神戸大学教授 聞き手・構成 ダイヤモンド編集部   以上














 







PCR躊躇し捲くった日本が この先に抱える難題




 PCR 躊躇し捲くった日本が この先に抱える難題


     〜東洋経済オンライン 上 昌広 医療ガバナンス研究所理事長 4/28(火) 16:20配信〜


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新型コロナウイルス対策は ゼロベースで見直す必要が有るのではないか(写真:REUTERS Issei Kato)

 〜新型コロナウイルスの感染拡大が続いて居る。安倍晋三首相は4月7日に7都府県に緊急事態を宣言し、同16日には全国に対象を拡大した。
 私は幾つかのメディアの取材を受け「政府の判断をどう思うか」と質問された。私は「新型コロナウイルスに感染して居るかどうかを判別するPCR検査をして居ないので、国内の状況が判らない。何とも判断出来無い」と回答した〜


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             医療ガバナンス研究所理事長 上 昌広氏

 人口1000人当たりのPCR検査数は1.4

 色々議論は有るだろうが、日本はPCR検査の数を絞って来たと言われる。4月18日現在、日本の人口1,000人当たりのPCR検査数は1.4で、イタリア22.1・ドイツ20.9 (4月12日現在)・韓国10.8・アメリカ11.2・フランス7.1 (4月14日現在)と比べると相対的に見て明らかに少ない。
 PCR検査はウイルス感染の標準的診断方法だ。PCRをし無ければ診断で気無い。最近に為って感染者数が増えたのは、PCRの検査数が増えた事に依って、感染して居ると診断される人の数が増えた事に依る可能性がある。
 東京五輪の延期が決まった3月24日以降、検査数が急増して居る事が判る。特に保健所・国立感染症研究所等の公的機関での検査数が増加して居る。 

 保健所はPCRの検査数を絞って来た事が知られて居る。3月23日、埼玉県は保健医療部長の名前で埼玉県医師会等に「新型コロナウイルス感染症に関する今後のPCR検査の考え方等について」と云う文書を配付し、規制を緩和して居る。これは厚生労働省からの指示だろう。保健所の関係者もこの事を認めて居る。
 西田道弘・さいたま市保健所長は「病院が溢れるのが嫌でPCR検査対象の選定を厳し目に遣って居た」と公言した。この発言を、清水勇人・さいたま市長は問題視し西田氏を注意した。更に、清水市長は「決められた基準に沿って遣って居る」「西田氏が医師としての裁量の有る部分でケース・バイ・ケースで判断した面は有るかも知れ無い」と弁明したが、額面通りには受け取れ無い。西田氏は元厚労省医系技官だからだ。彼等の本音が透けて見える。

 私は、最近の感染者の増加はPCRの検査数を増やした影響が強いと考えている。勿論、それだけが理由では無い。3月後半に大学病院等医療機関の検査数が増加したのは院内感染が増えたからだ。例えば、4月4日現在、東京都では779人の感染が確認されて居たが、この内154人(19.8%)は院内感染だった。
 院内感染と市中感染の対策は全く違う。院内感染を抑制する為に、緊急事態を宣言し都市機能だけを抑制しても意味が無い。緊急事態宣言が有効なのは市中感染が急増して居る場合だ。本当に、今に為って日本で市中感染が急増して居るのだろうか。都市の活動を抑制し無ければ為ら無いのだろうか。

 日本・台湾・韓国の新規感染者数の推移を見ると、韓国と台湾は既にピークアウトして居る事が判る。何れも新型コロナウイルスが生まれた中国に近く、欧米の様な極端な都市封鎖は実施して居ない。韓国は4月15日に国会議員選挙を行った位だ。
 私は、日本でも今、発表されて居る数字よりも遥かに大きな数の新型コロナウイルス感染者が市中に居る可能性が有ると考えて居る。この事を検証する上で参考に為るのは、国立感染症研究所が発表して居るインフルエンザの超過死亡推定データだ。
 下図は国立感染症研究所のホームページから拝借した。東京に於いては、昨年末、更に今年に入り第8・9週で超過死亡を確認して居る。

 超過死亡とは、世界保健機関・WHOが提唱したインフルエンザ流行に依る死亡数を推計する為の指標だ。非流行時の場合に発生すると考えられる死亡数・・・悪性腫瘍や心疾患等による・・・をベースラインとし実際の死者数と比較する。
 超過死亡は、予測死亡数の95%信頼区間の上限値との差で示される。超過死亡が存在すると云う事は、何等かの感染症の流行が無ければ、死亡者の増加は説明出来無い事を意味する。

 インフルエンザの流行を見てみると? 

 昨年末の超過死亡の存在は、インフルエンザの流行で説明が可能だ。下図をご覧いただきたい。東京都感染症情報センターのホームページから借用した。昨年末は例年に無く、インフルエンザが流行した事が判る。処が、今年の1月半ばよりインフルエンザの流行は勢いを失い、2月以降は昨年の4分の1以下だ。処が、8・9週には超過死亡が確認され、例年以上に多くの方が亡く為って居る。
 2月と言えば、4日には、タイ保健省が、1月下旬に日本に旅行した夫婦が新型コロナウイルスに感染して居たと報告した時期だ。この夫婦は日本滞在中に体調が悪く為った。又、WHOは2月12日に発表した「コロナウイルス・シチュエーション・レポート」に於いて、韓国で日本から持ち込まれた感染が在ったと報告している。
 何れも極めて重要な情報だが、日本では殆ど報じられず厚労省も無視したと見られる。この頃から日本国内で感染が蔓延し始めて居たと私は推測して居る。

 その後、厚労省は一貫してPCR検査を抑制して来た。当初から政府の専門家会議は「全ての感染者を見付けるのでは無く、クラスターさえ見付けて居れば、或る程度の制御が出来る」「PCRの検査を抑えて居る事から日本は踏み留まって居る」と云う認識を示して来た。
 しかし、偶然見付かった患者に接触した人を幾ら検査しても、そこから一般化して流行状況を推測する事は出来無いし「本当に全ての感染者を見付け様」等と誰も求めて居ない。ソモソモ、そんな事は無理だ。

 多くの医師は「発熱して、新型コロナウイルスの感染の可能性が有る人は検査をさせて欲しい」と希望しただけだ。院内感染が起こってからは「全ての医療スタッフと患者に検査を受けさせて欲しい」と希望が拡大した。これは可笑しな事では無い。感染症対策の基本は検査と隔離だからだ。3月16日、WHOが「疑わしい全てのケースを検査する事。それがWHOのメッセージだ」と発信したのはこの様な背景がある。一方、厚労省や専門家会議は「クラスター戦略」と云う自らの主義主張に拘った。

 院内感染の致死率はケタ違いに高い

 PCRを抑制した事で、少なからぬ人達が命を落とした。4月11日現在、東京の永寿総合病院(東京都台東区)で感染した入院患者20人が死亡して居る。院内感染の致死率は20%を超える。今後も院内感染に端を発した感染者の死亡は相次ぐ可能性がある。益々、致死率は高まってしまい兼ねない。
 市中で若者が感染した時の致死率は1%以下。これでも決して低いとは言えず、死者も一定数出てしまうので市中の感染対策も勿論不可欠だが、遥かに致死率の高い院内感染対策が如何に重要か判るだろう。ちなみに4月14日時点の国内の死者数は162人。院内感染の死者は36人で、高齢者施設を入れると64人と為る。実に死者の4割にも及んで居る。日本の致死率を減らすのは高齢者施設を含む院内感染対策に懸かって居ると言っても過言では無い。

 超過死亡の数字を見れば、この様な形での死亡は、2月から起こって居た可能性がある。
 専門家会議は院内感染には関心が無い様に見受けられる。4月15日の記者会見で、対策が無ければ最悪の場合、40万人以上が死亡すると云うシミュレーション結果を発表し「感染拡大の防止には人との接触を減らすことが有効だ。外出を極力控えて人との接触を出来る限り避けて欲しい」と求めた。

 彼等は感染者数から重篤化する患者数、及び死者を推計して居る。その際「人工呼吸器が足りず、必要な治療が受けられ無く為り、中国でも重篤患者の半数が死亡して居ると云う研究」の存在を考慮した様だが、都市機能が崩壊した湖北省と日本を同列に議論するのは適切だろうか。
 又、院内での高齢者の感染市中の若者の感染を一緒クタにして居る点にも疑問が有る。4月24日現在の中国の感染者数は8万4338人で、死者数は4,642人。人口規模が10分の1の日本でどう遣ったら40万人の死者が出るのだろう。私は医学的な見地から大いに問題が有る解析と考える。本来、1つの仮説として医学会で議論すべきレベルのものだ。
 処が、この様なレベルの推計が国策を決める根拠と為って居る。感染状況に関する前提条件が曖昧な中、緊急事態が宣言され飲食店経営者等多くの国民が塗炭の苦しみを味わって居る。

 では、どうすれば好いのだろうか。ポイントは感染症法の解釈だ。新型コロナウイルス対策は、感染症法に基づき実施されて来た。この法律を従来通り新型コロナウイルスに当て嵌めた。
 専門家会議が認識を示して居る様に、新型コロナウイルスの特徴は無症状の人が多く、彼等が周囲に感染させる事だ。致死率は低いが感染者が多い為死者数は増える。過つて、日本は、この様な感染症と対峙したことが無い。鎖国を続けて来た日本が本格的に伝染病対策に乗り出したのは、明治時代に為ってからだ。明治30(1897)年に制定された伝染病予防法がその基本である。感染症法は平成10(1998)年に伝染病予防法が廃止されその後を継いだものだ。

 「クラスター対策」で対応出来た過去の伝染病と違う

 この様な法律が念頭に置いて来たのは、コレラやチフス等古典的な感染症だ。この様な伝染病は潜伏期が短く下痢等特徴的な症状を呈する。患者の診断は容易で見落とす事は少ない。感染者を隔離し周囲をスクリーニングすると云う「クラスター対策」で対応出来た。
 この方法は新型コロナウイルスには通用しない。クラスターを幾ら探しても、全ての患者を網羅する事等出来無いからだ。

 厚労省は1月28日に新型コロナウイルスを感染症法の「2類感染症並み」に指定した。感染症は、感染力と罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点から見た危険性に依って「1類感染症」から「5類感染症」迄の5段階に分類される。「1類感染症」と「2類感染症」は入院(都道府県知事等が必要と認めるとき)し無ければ為ら無い。「3類感染症」以下は就業制限等の措置が取られる。
 新型コロナウイルスはSARS・重症急性呼吸器症候群と同じ2類感染症に分類された。新型コロナウイルスは感染力が強く、感染者の2割前後が重症化する為、隔離するのが望ましいとの判断からだろう。

 一方で、厄介な事に8割が軽症・中等症或いは無症状とされる。その点に付いて1月24日には、香港大学の研究者達が英『ランセット』誌に、無症状の感染者の存在を報告して居たが、厚労省が明確な認識を表明したのは1月30日。武漢からの帰国者の中に無症状の感染者が居る事が報告されたのを受けて、緊急記者会見を開き「新たな事態だ。潜伏期間に他の人に感染させる事も念頭に置いて、対策を執らねば為ら無い」と説明した。
 にも関わらず、従来の法的措置を杓子定規に当て嵌めた事で、感染症法で規定して居ないPCR検査の拡大や自宅やホテルでの療養のハードルを上げた。例え無症状で有っても、PCR検査で感染が判明すれば強制的に入院させるしか無く為る。それ自体は好いが無症状者・軽症者で病床が埋まってしまうと、重症者・重篤者への対応が難しく為る。
 専門家会議が「PCRの検査を抑えて居ると云う事が、日本がこう云う状態で踏み留まって居る」と主張するのは、この様な背景が有るからだ。ただ、これは飽く迄厚労省の都合だ。

 当初の判断には疑念が残る。処が、この事は殆ど議論され無い。日本の経験不足によるものだがこれを糧にし無ければ又同じ事を繰り返す。韓国が早期からPCR検査を実施したのは、同じコロナウイルスであるMERS・中東呼吸器症候群の感染を経験して居るからだ。知人の韓国政府関係者は「PCR検査をしないと対応出来無く為る」と早期から言って居た。
 では、どうすれば好いのか。新型コロナウイルスに対応するには、病院や介護施設を守りながら、一般人が免疫を獲得するのを待つ「集団免疫」作戦か、緊急事態宣言を出し早期に感染を収束し、ワクチンの開発を待つ「ロックダウン」作戦しか無い。

 民主主義の伝統が根付く北欧で「集団免疫」作戦が採択され、当初、イギリスやドイツもこの方針を採ったのは、欧州の歴史が影響して居るのだろう。一方、共産党一党独裁の中国は「ロックダウン」作戦を採り易かった。
 日本の対応はどうか。クラスター対策に固執しPCR検査を抑制して、病院や高齢者施設を守ら無かった為市中に新型コロナウイルスを蔓延させてしまった。

 これ迄の感染者数の推移も何処迄正確なのか

 問題は、これだけでは無い。PCR検査を十分に実施出来て居ないので、これ迄の感染者数の推移も正確には判ら無い。クラスター対策班のシミュレーションは、もし、前提が間違って居れば全く意味が無く為ってしまう。この様な推計を基に、緊急事態を宣言するのは危険では無かったか。又、検査が十分では無いのだから、緊急事態の効果の評価に付いても、額面通りに受け止めて好いのか疑問は残る。
 新型インフルエンザ等対策特措法が改正され、新型コロナウイルス対策の司令塔が官邸と厚労省の二頭立てに為ると、メディアの関心は官邸へと移った。厚労省は、それ迄否定して来た抗体検査ドライブスルーPCR等を推し進めて居る。

 この様な対応は国民に取って結構な事だ。只、改正特措法以降感染者が急増し緊急事態宣言と為った。これが本当の患者増なのか見掛け上なのか、或いは両方の影響が有るのかは、最早誰も判断出来無い。処が、このような議論は誰もしない。新型コロナウイルスの蔓延を声高に叫ぶ事で、官邸は権限を強化出来、厚労省にも予算が着く。割を食うのは失業する国民だ。これで好いのだろうか。


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         上 昌広 医療ガバナンス研究所理事長    以上









 【管理人のひとこと】

 上 昌広氏のご指摘は、可成り大きな意味での含蓄が感じられる。出来れば2〜3度は読み直しその意味を理解とて頂きたい。
 先ずは誰でも困るのが・・・全ての人を検査して無いのに・・・毎日発表される感染者数の意味である。発表の仕方も不親切で、例えば具合が悪いと自覚して検査を希望した人が何人居て、その中で幸運にもPCR検査を受けられたのが何人で、その中の何人が陽性で何人が陰性・・・更に陽性で発症した人は何人で・・・無症・軽症・重症・・・とが判別しないと全体的に感染が拡大して居るのかさえも判断出来無いではないか。
 この当たり前の事を差し置いて、海外の例に比べたり殆どが推測の上の数字を並べ、増えた減った・マダマダ外出は避け無ければ企業は休業し続けなくては・・・と騒いでいるのに等しい。この分だと、コロナに依る死亡者数が少ないと自画自賛して居るが、このデーターにも大いに疑問が残る。
 詰り、上 昌広氏の報告に在る様に、今の状況では全員検査も全員隔離も不可能なのだから、自覚・検査・対症に関する一貫した対策思想が無く、政府や厚労省の都合一つで国民の生命などは如何様にも意味も無く片付けられてしまうだろう・・・と云う不安しか残らない。今日の国会を見ても、質問者をハグラカシ相変わらずの自分の都合の好い答弁を繰り返す、何等のヤル気も成果も向上も無いものだった。























「日本最強ジャーナリスト」田崎史郎氏の鋭すぎる発言 その源泉を辿る




 「日本最強ジャーナリスト」田崎史郎氏の鋭過ぎる発言 その源泉を辿る


    〜プレジデントオンライン フリーランスライター  梁 観児 4/28(火) 11:15配信〜

 安倍首相に直接話せる敏腕ジャーナリスト

 元・時事通信社特別解説委員で政治ジャーナリストの田崎史郎氏は安倍首相や政権と近しく、予てからテレビ番組等で政権の内実や政策の真意を明かして来た。番組出演の前夜には必ず、国会議員や官僚、時には安倍首相や政権の中枢に居る当人に電話して最新の情報を入手して居るのだと云う。しかし「政権の代弁者」とも批判されるが、実態はどうなのだろうか。

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              政治ジャーナリストの田崎史郎氏

 新型コロナウイルスに世界全体が苦しめられて居るこの数カ月の間にも、田崎氏は度々ワイドショー等に出演し国の新型コロナウイルス対策に付いて彼ならではの視点から発言して来た。
 2月下旬、千葉県で新型コロナウイルス陽性が発覚した患者が発熱後も旅行したり複数の医療機関を受診したりして居た事が話題と為って居た。2月14日に発熱しPCR検査を受け陽性だと判明した20日迄の間に、移動や異なる医療機関への再受診を行って居た為、新たな感染を招いた可能性があったのだ。
 患者は15日の最初の受診でインフルエンザ検査を受け、陰性。その後岐阜県等へのツアーに参加し、18日には別の医療機関で気管支炎と診断されて居た。PCR検査を受ける事に為ったのは、翌日更に別の医療機関を受診した後の事である。

 医療現場の不手際を痛烈に批判
 
 2月16日迄厚労省は帰国者・接触者相談センターに相談する目安を「37.5度以上の発熱や咳などがあり、2週間以内に中国の湖北省・浙江省に滞在したか、滞在した人と濃厚接触した人」と極限定して居た。
 田崎氏は2月21日に出演した番組で「これは最初に懸かったお医者さんが、インフルエンザ陰性為らば、この段階で新型コロナウイルスの疑いを掛けなきゃいけ無い」と患者が受診した医療機関の医師を非難。制度上当初からPCR検査を受ける事は不可能で在った筈だが「町のお医者さんが、一寸新型コロナウイルスの可能性有るから調べてみようか・・・って事は言え無かったのかなと思うんですね」と重ねて医師の診断の至ら無さを指摘して居た。

 PCR検査の実施数に付いて「なるほど!」な見解

 諸外国がPCR検査数を増やし感染者が多く出た地域は速やかに往来や外出を禁ずる等の「ロックダウン」を行って来たのに対し、日本では新型コロナウイルスの感染拡大が問題と為ってから一貫してPCR検査の実施数を抑え、感染者が接触して居た人々を「クラスター・集団」として把握・管理する事に努めて来た。
 結果として、日本国内でのPCR検査の実施数と新型コロナウイルスに依る死者数は諸外国に比べて非常に少ない数に留まって居た。

 4月6日、田崎氏の出演したワイドショーでは日本の検査数および死者数の少なさをテーマに議論が行われて居た。この時共演者の一人は、検査数を抑えて居る為に正確な感染者数は判ら無いのでは無いかと疑問の声を上げて居る。
 これに対し田崎氏は「肺炎で亡く為った人の事を後でCT検査をして、これでコロナかどうかイチイチ判断して居るんですよ」と反論「その結果として、今の死者数が出て来て居る」と鋭く主張した。

 PCRは遣って貰いたいけど、政治が耐えられるか・・・

 只、新型コロナウイルスの影響に関しては、感染者数が増大して居る事は勿論、政府や自治体からの「自粛要請」や緊急事態宣言を受けての勤め先の休業等に依る人々の減収も大きな問題でもある。人の命と経済をどの様にして守るか、適切な対策を取る事が政府には求められて居る。
 4月14日に放送されたワイドショーでは、新型コロナウイルス感染症を特集。番組内ではノーベル医学・生理学賞の受賞者で京都大学特別教授の本庶佑氏が、PCR検査の拡大を提言した事等が取り上げられた。

 この番組に出演していた田崎氏は「PCR検査をウンと遣った方が好い」と率直に発言。一方で「只実現可能性の問題と、90%経済を止めた時にどう為るんだろうなって云うのがね。政治が耐えられるかってのがね」と政権を慮った。確かに政府が倒れてしまったら国民も露頭に迷ってしまうだろう。

 緊急事態宣言は「普通のペースで出された」納得の理由

 独自の感染対策も虚しく安倍首相が4月7日に発令した緊急事態宣言の対象は、関東の1都3県、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県、関西の大阪府・兵庫県、そして九州の福岡県と云う一部地域に留められて居た。この緊急事態宣言を受け、10日以降対象と為ら無かった愛知県・岐阜県・石川県・福井県・香川県が次々に独自の「緊急事態宣言」を出している。4月16日には安倍首相が先に発令した緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大すると発表する事に為る。

 共同通信社が10〜13日に行い、13日に結果を発表した全国電話世論調査では、安倍首相の発令した緊急事態宣言のタイミングについて「遅すぎた」と回答した人が80% を超えた。しかし、16日に出演した番組の中で田崎氏は、緊急事態宣言は「普通のペース」だったと指摘「小池都知事が早く出せ、早く出せ、早く出せって急かしたので、何か遅れてるって印象に為ってしまうんです」と解説した。

 緊急事態宣言、一部地域全国の方が国民に理解を得易い

 又、17日に出演した番組では、7日の時点で全国に発令すべきだとして居た人間を「僕は知らない」と発言。新型コロナウイルスの最大2週間と云う長い潜伏期間によるタイムラグの後に起こる事態を予測する事に付いては「多分、出来無い。だから起きた事に対して、直ぐに対応して行く以外、方法は無いと思うんです」と対策の難しさを指摘して居た。確かに未知のウイルスとの闘いなのだから、どんな事が起きるかなんて判る筈が無い。
 更に、翌18日に別の番組に出演した際には「緊急事態宣言を最初から全国で遣りますと恐らく反発が強かったと思います」とし、地域を限って発令した後に全国へ拡大した事で国民の理解が得易かったのだと語った。確かに4月22日現在で未だに感染者が出て居ない県は在る。一斉に全国に発令していたら、困る人も出たのかも知れない。

 批判も多いが、休業補償実は「過去にない手厚さ」

 田崎氏は、新型コロナウイルスによる休業への補償や、現金の給付に付いても安倍首相や政権に近しい立場から発言して居る。
 3月2日から休校要請に遅れて3月10日、休校に依って自宅待機中の子供の面倒を見る為、仕事を休まざるを得なかった保護者への休業補償が発表された。企業勤めの場合は1日最大8,330円が助成されるのに対し、フリーランスや自営業者への休業補償は1日一律4,100円と半額以下の金額が設定されて居た。翌11日に田崎氏が出演したワイドショーでもこの休業補償に付いて取り上げ、会社員とフリーランス・自営業者の間の大きな差が指摘された。

 これに付いて田崎氏は「働いて居る方でも、フリーターの方に対する補助と云うのは、恐らく過去して無かったと思うんですね。しかし今回は、フリーターの人でも休まざるをえ無く為った人に対して、国が補助しましょうと云う事で」と発言。この補償をこれ迄に無い手厚いものだと評価した。
 続けて田崎氏は、半額以下の根拠として「最低賃金と云うものがありまして」と、都道府県別に設定されている時間給の最低額を持ち出した。フリーランスの休業補償額は「高い方の東京で1,000円チョット」の最低賃金で働いた場合の4時間分を想定したものだと解説した。

 補正予算案から削除された「30万円支給」の是非

 一律現金給付に付いて、安倍首相は4月7日の会見で「この状況でも全然影響を受けて居ない、収入には影響を受けて居ない」人達へ給付する必要は無いとして、減収世帯に30万円の給付を行うとして居た。
 田崎氏は翌8日放送の番組に出演。番組内ではこの30万円支給の条件に付いて具体例を挙げ解説した。僅かな差で30万円の支給が受けられるか受けられ無いかの明暗が分かれると云う指摘に対し、田崎氏は大学受験に準え「確かに一寸した差で出て来るんですが、一定のラインは引かざるを得ないんです」と解説して居た。だが国民や与野党の反発を受け結局条件付きの30万円給付は補正予算案から削除された。
 4月15日、公明党の山口代表が安倍首相に対して、所得制限を設けずに一人当たり現金10万円を給付するように要求。これを受けて安倍首相は「方向性を持って検討する」と回答したと報じられて居た。翌16日にも山口代表は現金一律給付に付いて再度要請を行って居た。

 公明党・山口の一律給付の「非常に無理な要求」を受けた安倍首相を評価

 17日昼に出演したワイドショーの中で、田崎氏は山口代表の要求に付いて「これは非常に無理な要求。『無理が通れば道理引っ込む』と云う言葉も在る」と発言。山口代表の要求は「通ってはいけ無いと思います」「筋が通ら無いんですけど、でもそれが通ってしまった」と公明党を激しく非難した。
 田崎氏は続けて「これ政権がガタガタに為るんじゃないかとか、色んな事を思いました」と心配。「まさに前代未聞」と驚きを露わにして居たのだ。しかし、安倍首相はその夜の会見で、国民一人当たり10万円の現金給付を「決断」したと発表する。

 18日に別の番組に出演した田崎氏は、国民や与野党からの批判・要求を受けて遂に10万円の一律給付に踏み切った安倍首相を支持する旨の発言をする事に為る。田崎氏は番組内で、自粛要請によって国民に我慢を強いて来た事が招いた国民感情が非常にササクレだった不安が強い状況を「癒やす効果が有ったと思います」と一律現金給付を評価した。

 スシローでは無い! 西新橋「しまだ鮨」だ! 

 さて、田崎氏は一緒に寿司を食べられる程安倍首相に接近出来るジャーナリストとして、インターネットでは「スシロー」等と揶揄されて居る。しかし2014年4月17日の毎日新聞によれば、田崎氏は4月16日に安倍首相と「東京・西新橋のすし店『しまだ鮨』」で会食して居た。回転寿司チェーンでは無かった。


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          フリーランスライター 梁 観児    以上










安倍政権の「鎖国政策」最早自殺行為に等しいと言えるワケ




 安倍政権の 「鎖国政策」最早自殺行為に等しいと言えるワケ

           〜現代ビジネス 町田 徹 4/28(火) 8:01配信〜


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              経済ジャーナリスト 町田 徹氏

              外資系企業から守ると言うが・・・

 安倍政権は、悪法・改正外為法の適用対象に医薬品と医療機器のメーカーを加えて、外資に依る買収を厳しく規制する方針・・・と報じられて居る。
 新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行に乗じて、欧州等で企業買収攻勢を掛けて居るとされる中国の影に怯えたらしい。しかし、ソモソモ日本に守るべき医薬品メーカーや医療機器メーカーが存在するのかさえ疑問だ。

 一方で、新型コロナウイルス感染症危機は、2030年代に為っても日本の経済成長を5%程度引き下げる履歴効果を残すとの予測も出る程、日本経済に深刻な影響を及ぼして居る。2030年代には日本経済はマイナス成長に転落すると云う。
 そんな時に、貿易や自由な資本取引を経済の立て直しに活用せずに、江戸時代の様な鎖国を目指す安倍政権の改正外為法政策は、国民経済と暮らしに取って自殺行為に為り兼ねない。

 事実上の安倍政権・鎖国政策強化を伝えたのは、4月23日(木曜日)付の日本経済新聞朝刊1面の「外資買収規制、医薬品・医療機器を対象に」と云う記事である。それに依ると、安倍政権は、医薬品・医療機器メーカーを、5月に施行する改正外為法の規制対象に加えて、外資系企業による買収から厳格に保護すると云う。
 感染症に関わるワクチンや医薬品・人工呼吸器等の高度医療機器を改正外為法の「安全保障上、特に重要な業種」に追加して、中国企業等による買収を事実上阻止すると云うもので、世界的な争奪戦が懸念される医薬品・医療機器の国内への安定供給を確保する狙いがあると云うのである。

 これは「令和の鎖国」だ

 この記事にある「5月に施行する改正外為法」は曲者だ。保護主義的で「令和の鎖国」に繋がると言わざるを得ないのだ。改正外為法が可決・成立したのは、昨年11月の事。原子力・電力・通信等安全保障分野に関わるインフラ企業への外国資本による出資の規制を強化すると云う触れ込みで、従来10%以上出資する場合に必要だった「事前届け出」の対象を1%以上に引き下げるものだ。
 又、既に出資した日本企業に、重要な事業の売却や役員の選任を提案する時も、今後は「事前届け出」の対象にすると云うものだ。

 その後、所管官庁のひとつ財務省は、3月半ばに改正外為法の政省令案を発表。外国金融機関等規制の例外を示す一方で、一般の外国人投資家が1%以上の出資を計画して居る場合に国への事前届け出が必要に為る業種として、武器・航空機・宇宙・原子力・軍事転用可能な汎用品の製造・サイバーセキュリティー・電力・ガス・通信・上下水道・鉄道・石油の12業種を定める方針を明らかにした。実際には、上場企業400〜500社が対象に為ると観られ、政府は社名リストを公表するとして居る。
 そして、報道に依ると、新型コロナウイルス感染症のまん延の結果、政府は医薬品や医療機器の重要性が高まって居るとして、12業種に上乗せする方針を固めた様だ。
 安倍内閣は4月24日(先週金曜日)、外為法改正に伴う政省令や告示に付いて閣議決定を行い、同法を5月8日に施行し、6月7日から全面適用する事を最終決定した。只、上場企業の内どの会社が規制に当て嵌るかのリスト公表に付いては、当初予定の4月中から5月8日に延期した。

 世界各国で外資規制の流れ

 規制強化の背景とされるのが、EU(欧州連合)や米国の動きだ。何れも、中国企業の買収攻勢等を警戒したもので、EUは昨年、安全保障を害する投資を規制する新規則を承認、これを受けてフランスが既に規制強化を決めた他、イタリアとスペインも独自の外資規制導入を検討中だ。
 アメリカも今年2月、外資によるアメリカ企業への投資案件を審査するCFIUS・対米外国投資委員会の権限を強化する最終規則を施行した。その際、イギリス・カナダ・オーストラリアの3ヵ国企業による重要インフラを保有する米企業の投資に付いては一部規制を免除した。

 一方、日本企業はそうした特例措置の対象に為らず、経済外交筋が苛立って居るのは事実らしい。しかし、そう云った風潮に便乗して、日本も外資規制を強化する必要が本当に有るのだろうか。ソモソモ外為法は、対外取引や国内の外貨建て取引等を必要最低限の範囲で管理する為の法律だ。正式名称は「外国為替及び外国貿易法」と云う。
 安全保障が主な目的で、財務省・経済産業省・日銀等の所管だが、各産業を扱う経済官庁も共管と為って居る。重要なのは、現在の外為法が長年に渉って、原則として「投資の自由」を掲げて来た事だ。戦後間も無い時期には、国内産業を守りつつ貴重な外貨を日本企業の設備投資に回す為対外取引が制限されて居た。1980年代に掛けて自由化に舵を切って以降は、日本企業への出資等を原則自由とする今の法規制が形作られた。
 今回の改正外為法に付いても、財務省は「投資自由の大原則は不変」としつつ、国の安全等を損なう恐れのある投資に適切に対応する為「メリハリのある対内直接投資制度を目指す」と主張して居る。

 過剰規制が及ぼす影響
 
 これに対して、外国金融機関やソブリン・ウェルス・ファンドから投資が困難に為るとの懸念が続出。外国金融機関に付いて「外国投資家」自らや改正外為法上の「密接関係者」が役員に就任しない等の免除基準を順守すれば、事前届け出を免除する仕組み等を、政府は受け入れざるを得なかった経緯がある。
 財務省は同様の趣旨から、ソブリン・ウェルス・ファンドと公的年金基金に付いても、取締役会等に参加しない等の上乗せ基準を満たせば、コア業種の10%未満の株式取得に付いて事前届け出を免除する仕組みを設けざるを得なかった。

 だが、こうした措置で、海外投資家の日本企業に対する投資意欲の低下懸念が完全に払しょくされる訳では無い。歴史的に見ても、12年前の2008年5月、英投資ファンドの「ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド」TCIが、Jパワー・電源開発株式の買い増しを進めた際に、日本政府が中止を命令した実績がある。
 筆者は当時、本州と北海道を結ぶ送電線を持つ唯一の電力会社であるJパワーが外資系ファンドのマネーゲームの対象に為る事のリスクを指摘して、この外為法に基づく指示を支持した。が、日本の証券会社も含めて資本市場サイドの日本政府に対する反発は激しかった。裏返せば、外国投資家の受けた衝撃はそれ以上に大きかったと云う事だ。およそ5カ月後、TCIは保有株をJパワーに売却してこの案件から撤退した。

 外国人労働者が消える?

 詰り、改正前の外為法は十分なパワーを持って居た。にも関わらず改正した事で、過剰規制が可能に為るのは明らかだ。その過剰規制が招くのは、極端な場合が江戸時代の様な「鎖国」であり、例えば中国企業に厳しく運用して、欧米諸国の企業には甘く運用すれば「ブロック経済体制」である。
 安倍政権が鎖国やブロック経済体制を視野に入れて居ると見做さざるを得無い、もう一つの政策が、既に閣議決定を終えて居り、月内にも国会に提出する予定の「令和2年度補正予算案」に盛り込まれた「サプライチェーン対策の為の国内投資促進事業補助金」である。

 中国等に流出した自動車や電機・機械等のメーカーの製造拠点を呼び戻し、サプライチェーンを国内に再構築しようと云うもので、今回の補正には2,200億円の予算が計上されている。更に、近い将来導入される可能性があるのが、外国人労働者を排斥する措置だ。
 アメリカではトランプ大統領が4月21日の記者会見で、米国の永住権・グリーンカード取得を目指す外国人の入国を60日間停止する政策を打ち出した。同大統領は「コロナウイルスの為に解雇された米国民が、海外から流入した新たな移民労働者に職を奪われるのは間違って居る」と強調したが、日本でも失業が急増の兆しを見せて居り、同様の措置が執られても可笑しくない。

 同じ過ちを繰り返すのか
 
 だが、これら3つ・・・外資による日本企業への投資・海外に流出したサプライチェーンの国内再編成・そして外国人労働者の排斥、即ち鎖国やブロック経済体制作りに依って、新型コロナ感染症の収束後の経済立て直しを図ろうと云うほど矛盾に満ちた戦略は無い。
 ソモソモ、戦前の先進各国のブロック経済体制指向が、日本やドイツを窮地に追い込み、第2次世界大戦の戦端が開かれる大きな切っ掛けだった事は幅広く知られた話である。加えて、今回の新型コロナ感染症の流行に伴う日本経済の落ち込みは、既に戦後最悪の事態を迎えつつある。

 老舗シンクタンクの日本経済研究センターが4月24日に公表した短期経済予測の改定を見ると、年内に外出自粛が解除されても、2020年度の日本経済の実質GDP成長率は「マイナス8%」と云う悲惨さなのだ。同シンクタンクは、一旦下がった成長軌道を「V字回復」させるのは至難の業で、2030年に為っても経済成長率を5%程度下方に引っ張る履歴効果が残ると云う。
 こんな異常事態に、鎖国やブロック経済体制が我々の取るべき選択肢と云う事は有り得ない。寧ろ、自由貿易体制下での輸出拡大等で弱り切った経済を下支えしないと、日本経済も我々日本人の暮らしも成り立た無く為るだろう。


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            町田 徹 経済ジャーナリスト   以上












安倍政権の「鎖国政策」最早自殺行為に等しいと言えるワケ




 安倍政権の 「鎖国政策」最早自殺行為に等しいと言えるワケ

           〜現代ビジネス 町田 徹 4/28(火) 8:01配信〜


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              経済ジャーナリスト 町田 徹氏

              外資系企業から守ると言うが・・・

 安倍政権は、悪法・改正外為法の適用対象に医薬品と医療機器のメーカーを加えて、外資に依る買収を厳しく規制する方針・・・と報じられて居る。
 新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行に乗じて、欧州等で企業買収攻勢を掛けて居るとされる中国の影に怯えたらしい。しかし、ソモソモ日本に守るべき医薬品メーカーや医療機器メーカーが存在するのかさえ疑問だ。

 一方で、新型コロナウイルス感染症危機は、2030年代に為っても日本の経済成長を5%程度引き下げる履歴効果を残すとの予測も出る程、日本経済に深刻な影響を及ぼして居る。2030年代には日本経済はマイナス成長に転落すると云う。
 そんな時に、貿易や自由な資本取引を経済の立て直しに活用せずに、江戸時代の様な鎖国を目指す安倍政権の改正外為法政策は、国民経済と暮らしに取って自殺行為に為り兼ねない。

 事実上の安倍政権・鎖国政策強化を伝えたのは、4月23日(木曜日)付の日本経済新聞朝刊1面の「外資買収規制、医薬品・医療機器を対象に」と云う記事である。それに依ると、安倍政権は、医薬品・医療機器メーカーを、5月に施行する改正外為法の規制対象に加えて、外資系企業による買収から厳格に保護すると云う。
 感染症に関わるワクチンや医薬品・人工呼吸器等の高度医療機器を改正外為法の「安全保障上、特に重要な業種」に追加して、中国企業等による買収を事実上阻止すると云うもので、世界的な争奪戦が懸念される医薬品・医療機器の国内への安定供給を確保する狙いがあると云うのである。

 これは「令和の鎖国」だ

 この記事にある「5月に施行する改正外為法」は曲者だ。保護主義的で「令和の鎖国」に繋がると言わざるを得ないのだ。改正外為法が可決・成立したのは、昨年11月の事。原子力・電力・通信等安全保障分野に関わるインフラ企業への外国資本による出資の規制を強化すると云う触れ込みで、従来10%以上出資する場合に必要だった「事前届け出」の対象を1%以上に引き下げるものだ。
 又、既に出資した日本企業に、重要な事業の売却や役員の選任を提案する時も、今後は「事前届け出」の対象にすると云うものだ。

 その後、所管官庁のひとつ財務省は、3月半ばに改正外為法の政省令案を発表。外国金融機関等規制の例外を示す一方で、一般の外国人投資家が1%以上の出資を計画して居る場合に国への事前届け出が必要に為る業種として、武器・航空機・宇宙・原子力・軍事転用可能な汎用品の製造・サイバーセキュリティー・電力・ガス・通信・上下水道・鉄道・石油の12業種を定める方針を明らかにした。実際には、上場企業400〜500社が対象に為ると観られ、政府は社名リストを公表するとして居る。
 そして、報道に依ると、新型コロナウイルス感染症のまん延の結果、政府は医薬品や医療機器の重要性が高まって居るとして、12業種に上乗せする方針を固めた様だ。
 安倍内閣は4月24日(先週金曜日)、外為法改正に伴う政省令や告示に付いて閣議決定を行い、同法を5月8日に施行し、6月7日から全面適用する事を最終決定した。只、上場企業の内どの会社が規制に当て嵌るかのリスト公表に付いては、当初予定の4月中から5月8日に延期した。

 世界各国で外資規制の流れ

 規制強化の背景とされるのが、EU(欧州連合)や米国の動きだ。何れも、中国企業の買収攻勢等を警戒したもので、EUは昨年、安全保障を害する投資を規制する新規則を承認、これを受けてフランスが既に規制強化を決めた他、イタリアとスペインも独自の外資規制導入を検討中だ。
 アメリカも今年2月、外資によるアメリカ企業への投資案件を審査するCFIUS・対米外国投資委員会の権限を強化する最終規則を施行した。その際、イギリス・カナダ・オーストラリアの3ヵ国企業による重要インフラを保有する米企業の投資に付いては一部規制を免除した。

 一方、日本企業はそうした特例措置の対象に為らず、経済外交筋が苛立って居るのは事実らしい。しかし、そう云った風潮に便乗して、日本も外資規制を強化する必要が本当に有るのだろうか。ソモソモ外為法は、対外取引や国内の外貨建て取引等を必要最低限の範囲で管理する為の法律だ。正式名称は「外国為替及び外国貿易法」と云う。
 安全保障が主な目的で、財務省・経済産業省・日銀等の所管だが、各産業を扱う経済官庁も共管と為って居る。重要なのは、現在の外為法が長年に渉って、原則として「投資の自由」を掲げて来た事だ。戦後間も無い時期には、国内産業を守りつつ貴重な外貨を日本企業の設備投資に回す為対外取引が制限されて居た。1980年代に掛けて自由化に舵を切って以降は、日本企業への出資等を原則自由とする今の法規制が形作られた。
 今回の改正外為法に付いても、財務省は「投資自由の大原則は不変」としつつ、国の安全等を損なう恐れのある投資に適切に対応する為「メリハリのある対内直接投資制度を目指す」と主張して居る。

 過剰規制が及ぼす影響
 
 これに対して、外国金融機関やソブリン・ウェルス・ファンドから投資が困難に為るとの懸念が続出。外国金融機関に付いて「外国投資家」自らや改正外為法上の「密接関係者」が役員に就任しない等の免除基準を順守すれば、事前届け出を免除する仕組み等を、政府は受け入れざるを得なかった経緯がある。
 財務省は同様の趣旨から、ソブリン・ウェルス・ファンドと公的年金基金に付いても、取締役会等に参加しない等の上乗せ基準を満たせば、コア業種の10%未満の株式取得に付いて事前届け出を免除する仕組みを設けざるを得なかった。

 だが、こうした措置で、海外投資家の日本企業に対する投資意欲の低下懸念が完全に払しょくされる訳では無い。歴史的に見ても、12年前の2008年5月、英投資ファンドの「ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド」TCIが、Jパワー・電源開発株式の買い増しを進めた際に、日本政府が中止を命令した実績がある。
 筆者は当時、本州と北海道を結ぶ送電線を持つ唯一の電力会社であるJパワーが外資系ファンドのマネーゲームの対象に為る事のリスクを指摘して、この外為法に基づく指示を支持した。が、日本の証券会社も含めて資本市場サイドの日本政府に対する反発は激しかった。裏返せば、外国投資家の受けた衝撃はそれ以上に大きかったと云う事だ。およそ5カ月後、TCIは保有株をJパワーに売却してこの案件から撤退した。

 外国人労働者が消える?

 詰り、改正前の外為法は十分なパワーを持って居た。にも関わらず改正した事で、過剰規制が可能に為るのは明らかだ。その過剰規制が招くのは、極端な場合が江戸時代の様な「鎖国」であり、例えば中国企業に厳しく運用して、欧米諸国の企業には甘く運用すれば「ブロック経済体制」である。
 安倍政権が鎖国やブロック経済体制を視野に入れて居ると見做さざるを得無い、もう一つの政策が、既に閣議決定を終えて居り、月内にも国会に提出する予定の「令和2年度補正予算案」に盛り込まれた「サプライチェーン対策の為の国内投資促進事業補助金」である。

 中国等に流出した自動車や電機・機械等のメーカーの製造拠点を呼び戻し、サプライチェーンを国内に再構築しようと云うもので、今回の補正には2,200億円の予算が計上されている。更に、近い将来導入される可能性があるのが、外国人労働者を排斥する措置だ。
 アメリカではトランプ大統領が4月21日の記者会見で、米国の永住権・グリーンカード取得を目指す外国人の入国を60日間停止する政策を打ち出した。同大統領は「コロナウイルスの為に解雇された米国民が、海外から流入した新たな移民労働者に職を奪われるのは間違って居る」と強調したが、日本でも失業が急増の兆しを見せて居り、同様の措置が執られても可笑しくない。

 同じ過ちを繰り返すのか
 
 だが、これら3つ・・・外資による日本企業への投資・海外に流出したサプライチェーンの国内再編成・そして外国人労働者の排斥、即ち鎖国やブロック経済体制作りに依って、新型コロナ感染症の収束後の経済立て直しを図ろうと云うほど矛盾に満ちた戦略は無い。
 ソモソモ、戦前の先進各国のブロック経済体制指向が、日本やドイツを窮地に追い込み、第2次世界大戦の戦端が開かれる大きな切っ掛けだった事は幅広く知られた話である。加えて、今回の新型コロナ感染症の流行に伴う日本経済の落ち込みは、既に戦後最悪の事態を迎えつつある。

 老舗シンクタンクの日本経済研究センターが4月24日に公表した短期経済予測の改定を見ると、年内に外出自粛が解除されても、2020年度の日本経済の実質GDP成長率は「マイナス8%」と云う悲惨さなのだ。同シンクタンクは、一旦下がった成長軌道を「V字回復」させるのは至難の業で、2030年に為っても経済成長率を5%程度下方に引っ張る履歴効果が残ると云う。
 こんな異常事態に、鎖国やブロック経済体制が我々の取るべき選択肢と云う事は有り得ない。寧ろ、自由貿易体制下での輸出拡大等で弱り切った経済を下支えしないと、日本経済も我々日本人の暮らしも成り立た無く為るだろう。


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            町田 徹 経済ジャーナリスト   以上












絶望 安倍晋三のコロナ経済対策は「大大失敗」に終わる




  絶望 安倍晋三の コロナ経済対策は

 「大大失敗」に終わる


        〜プレジデントオンライン 渡瀬 裕哉 4/28(火) 9:15配信〜


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       早稲田大学招聘研究員 渡瀬 裕哉(わたせ・ゆうや)氏

 矢継ぎ早に経済対策を打ち出す 米トランプ大統領

 新型コロナウイルスに関連した経済対策として、ドナルド・トランプ米大統領と米連邦議会による「第4弾」の財政支出の調整が着き、米国政府は巨額の経済対策を矢継ぎ早に打ち出して来た。
 米国政府は3月6日の第1弾、3月18日の第2弾、3月末に成立した第3弾・約220兆円の追加予算に加えて、第4弾の主な内容は中小企業の給与肩代わりをメインとした予算を組み上げた。これらの追加予算には企業存続・雇用維持に全力を注ぎ、米国の産業競争力を保ってV字回復を狙う、と云うトランプ政権の強い意志が色濃く反映されて居る。

 第1弾から第4弾の合計予算額は約300兆円に迫る超大型の補正予算群となっており、金額面からもその本気度を推し量ることが可能だ。
 トランプ大統領は公約である200兆円の巨額のインフラ投資予算を上記の第4弾に盛り込もうとしていたフシもあり、今後第5弾の財政支出を検討する段階では巨額のインフラ投資が組み込まれてくる可能性がある。また、11月の大統領選挙の結果として、仮に民主党大統領・連邦議会が誕生したとしても、このインフラ投資政策に対する政権の意欲は変わらないことが予測される。
 そのため、インフラ投資による巨額支出は、米国政府内で既に立案されており、遅かれ早かれ公表されることになると看做すことが妥当だ。

 日本の経済対策は「Too little, Too Late, Too Fake」

 米国が巨額の追加予算を次々と組み続ける理由は、間もなく未曽有の経済不況が各国経済を直撃することを理解していることにある。IMFが4月15日に発表した「World Economic Outlook」によると、2020年の世界経済はマイナス3%と急激に縮小することが予測されており、米国のGDP見通しはマイナス5.9%の大幅減という数字となっている。
 失業者数も歴史上の最大に達することが予想されるため、今このタイミングで適切な経済対策を断行しなければ、米国の経済・社会が大混乱に陥ることは想像に難くない。

 同レポートでは来年には各国ともにV字回復が予想されているものの、それも年内で新型コロナウイルス問題が収束し、金融機関のシステミックリスクなどが起きず、その産業競争力が維持されている、という希望的観測を前提としたものに過ぎない。したがって、トランプ政権と米連邦議会が尋常ならざる覚悟を持って経済対策に臨んでいることは必然的なことだ。
 一方、米国と比べて日本の経済対策は「Too little, Too Late(少なすぎる、遅すぎる)」の典型と言ってもいいだろう。さらに「Too Fake(偽物すぎる)」を付け加えたほうがより適切かもしれない。

 与党内の事前調整すらママ為ら無い政権運営のグダグダぶり

 米国は国内でパンデミックが発生している大混乱の中、連日のようにホワイトハウス・共和党・民主党が必死になって予算折衝を実施し、前述のような補正予算を次々と組み上げてきた。
 日本は米国のようなパンデミックによる混乱状態に陥っていないにも関わらず、4月末になって第1次補正予算が要約組み上がりそうと云う有様だ。IMFのレポートによると、2020年の日本のGDP見通しもマイナス5.2%と為って居り、安倍政権の危機感の無さは余りに異常過ぎる。その上、閣議決定された補正予算が公明党からの一喝で組み直しになる等、与党内の事前調整すらママ為ら無い政権運営のグダグダぶりは尋常ではない。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う補正予算の事業規模は約117兆1000億円とされている。政府はこの事業規模の数字を強調して説明するが、一般会計からの歳出(真水)は26兆円前後だと推量される。
 当初の補正予算案で16兆円前後とされていた真水の金額に比べれば一律給付金の追加分が上乗せされたことで若干増額したものの、第2四半期でマイナス25%(前年比)とされる日本経済を下支えする経済対策としていかにも心もとない。安倍政権は日本経済に襲い掛かる経済危機の波を正確に認識できていないのではないかとさえ心配になる。

 政府の対応が輪を掛けて経済的な問題を引き起こす

 又、修正された補正予算では国民の大半の人が受給できない30万円給付金は削除されることになり、全員が一律10万円の給付を受けられる形と為った。これ自体は評価したい処であるが、米国ではすでに国民一人頭12万円の給付金が既に4月12日から配布され始めている。
 日本では早くても給付金の受け取りは5月中とされているのに比べ、日米では給付金を人々の元に支給するスピードも雲泥の差だ。経済対策は必要な時期を逸すれば途端に有効性が落ちてしまうものだ。日本政府の政策は、一事が万事、少なすぎる・遅すぎる・偽物すぎる・・・を地で行く状況と為って仕舞って居る。

 では、日本を未曽有の大不況に突き落とす原因は一体何であろうか。もちろん、新型コロナウイルスの存在が問題であることは言うまでもない。しかし、政府の対応自体が輪をかけて経済的な問題を引き起こしている。
 日本の緊急事態宣言は、欧米のような強制力を持った都市封鎖を行うものではなく、国民に自粛を求める仕様となっている。しかし、それでもメディアによる私刑と組み合わさった政府の「要請」は、事実上の強制力を持っていることは自明のことだ。例えば、大手企業であれば自らのブランドイメージを保つため、政府に率先して協力せざるをえないことは大人なら誰でも判る。

 無能ぶりを世間に晒し続けている安倍晋三
 
 一方、資金繰りに余裕がない中小の店舗では営業を継続するところもあるかもしれないが、こちらは政府に大義名分を与えられた“正義マン”による事実上の摘発活動が盛んになっている。
 たとえば、4月20日まで大阪府ではコールセンターに、特措法の休業要請の対象となっている店が営業しているという通報が500件以上寄せられており、テレビメディアも自粛に必ずしも十分に応じていない商店街や行楽地などを槍玉にあげる報道を継続している。このような動きによって自治体が「要請」に従わない施設の名称を公表し、SNSなどでの私刑を実質的に推奨する結果を招きかねない状況も生まれている。

 東京都などが独自の補償措置に動き始める中、安倍政権は補正予算の一部を地方自治体が補償に使用することを渋々認めた。しかし、家賃の補填については、いまだに政府案を作るのか、与党案を作るかさえも定まらず、その無能ぶりを世間に晒し続けている。危機に際して民間に責任をほぼ丸投げにするなら、政府に支払う税金など溝に捨てるのと同義だ。

 今のままでは民間企業の負荷があまりに重すぎる

 本来、政府が実施するべきことは、民間企業が営業活動を再開・継続していくためのガイドラインを示し、可能な限り平時の環境に近い状況を維持することだ。
 現在の環境下で個々の民間企業が世間の批判にさらされることを覚悟し、その営業活動を再開・継続する負荷はあまりにも大きすぎる。したがって、政府が身体を張ってその責任を引き受けることは当たり前のことだと言えるだろう。

 安倍政権はいつ終わるとも知れない戦いに国民を巻き込んでいる。仮に緊急事態宣言が成功裏に解除されたとしても「はい、今から通常通りの営業活動に戻ってください」と言った処で、失われた産業や雇用が簡単に元通りになる筈が無い。
 米国では既にトランプ政権がロックダウンを継続する州知事に対し、ロックダウンの解除を要請し、社会機能を復帰させる為の経済人の会議を招集し、その復帰プロセスについてのガイドラインを示している。政府としての能力だけでなく、その意思決定の責任を取るという覚悟の差は著しい。

 安倍晋三が日本経済のためにやるべきこと
 
 したがって、筆者はすでに安倍政権の新型コロナウイルス問題に対する経済対策について、危機意識、能力、覚悟の全ての面で期待することを半ば諦めている。しかし、安倍政権には日本経済のためにやるべきことがまだ1つだけ残っている。
 それは同政権が5%から10%まで2回の増税を通じて引き上げてきた消費税率を元通りに戻すことだ。この際、百歩譲って新型コロナウイルスは予期することができなかったアクシデントで対応ができなかったとしても良い。但し、消費税増税によって昨年10〜12月期に記録したマイナス7%超のGDPマイナスは、安倍政権自体の経済運営の失政そのものだ。新型コロナウイルス問題で曖昧になっている感もあるが、消費税増税が日本経済に与えた影響は大きく、確実にその回復に向けた動きの足枷となるだろう。

 安倍政権の新型コロナウイルスに関する経済対策への期待は既になくなった。ただし、最低限のこととして、消費税減税を実現することで自らの政権が日本経済に与えたダメージの尻ぬぐいをしてから政権を退陣するべきだろう。


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 渡瀬 裕哉(わたせ・ゆうや) 早稲田大学招聘研究員  国内外のヘッジファンド・金融機関に対するトランプ政権分析のアドバイザー 米国共和党保守派やトランプ政権と深い関係を有する

         早稲田大学招聘研究員  渡瀬 裕哉    以上














『板門店宣言』二周年 文大統領は「コロナ危機が新たな機会」と南北協力に強い意欲




 『板門店宣言』二周年 

 文大統領は「コロナ危機が新たな機会」と南北協力に強い意欲


        〜徐台教「二ュースタンス」編集長 4/27(月) 20:34 〜


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 今日27日で南北首脳による『板門店宣言』採択から二周年を迎えた。南北関係改善が暗礁に乗り上げて居る中、文大統領は新型コロナ危機を境に状況を突破して行く意志を大々的に明かした。

 「当時の感動と記憶が鮮やかに蘇る」

 南北の首脳が歴史的な板門店宣言をしてから2年に為りました。当時の感動と記憶が鮮やかに蘇ります。 私と金正恩委員長が手を取り合い共に軍事境界線を行き来する場面は、8千万同胞と全世界に胸一杯の感動を与え、二人の首脳が合意した板門店宣言は戦争の無い平和に向かう新たな朝鮮半島時代の序幕を開きました。

 韓国の文在寅大統領は27日、青瓦台(大統領府)で開催した主席補佐官会議の冒頭でこう発言し、当時を振り返った。2018年4月27日、11年振りの、そして金正恩委員長が朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の指導者と為って以降、初めて行われた南北首脳会談は世界中の注目を浴びた。
 会場と為った板門店は・・・実際の場所は南側の「平和の家」・・・1953年7月に朝鮮戦争の停戦協定が締結された場所だ。その後も度々南北で小競り合いが起き、今も南北が向き合う世界で唯一残る冷戦の最前線だ。

 当時採択された『板門店宣言』には3度目の南北首脳会談で初めて「朝鮮半島の非核化」と云う文字が入った事で注目された。2000年・2007年の会談には無かった内容だ。これが正確に何を指すのか実は2020年の今も明らかでは無い。だが2017年11月に「核武力の完成」を宣言した北朝鮮側が、首脳宣言に「非核化」を明記した事は確かな前進と評価された。又「過去の南北宣言とアラユル合意の徹底的な履行」が確認された点も大きかった。
 これは過去、李明博(イ・ミョンバク)朴槿惠(パク・クネ)政権の9年で断絶した南北関係に於ける「我が民族同士」や「平和統一」と云った原則を回復させる意味合いも在った。

 2018年は順風 2019年は停滞

 それから2年。現在の南北関係は「視界ゼロ」と言っても過言では無い。

 ○南北⇒米朝の流れ

 2018年はとても順調だった。南北首脳会談後の6月12日には、シンガポールで史上初めて米朝首脳会談が行われた。この場で金正恩委員長による「朝鮮半島の非核化」とトランプ大統領に依る「安全保障(平和体制への転換)」が明記され、この二つの完成を同時ゴールとする「平和と繁栄」の朝鮮半島の未来像が世界に向けて掲げられた。
 その後9月に南北首脳はこの年3度目と為る首脳会談を平壌で行い、二つの重要な合意を行った。先ずは『平壌共同宣言』で南北交流の拡大を唄うと共に、非核化措置に於いて「米国が相応措置を採る場合、寧辺核施設の永久的な廃棄」と云う重大な決断を明記した。

 そして同じ日に締結した『歴史的な「板門店宣言」履行の為の軍事分野合意書(以下、南北軍事合意書)』では、軍事境界線を挟んで多数の戦力が対峙する南北が「相手方に対する一切の敵対以降意を全面中止する」と明記された。
 これ等を踏まえ当時、文在寅大統領は金正恩委員長の隣で「戦争の無い朝鮮半島が始まった。南と北は今日、朝鮮半島の全地域で戦争が起こし得る全ての危険を無くす事に合意した」と述べる歴史的な瞬間を演出した。振り返ると2018年は南北関係の改善が米朝関係を引っ張ると云う、韓国の進歩派政権に取って金大中(キム・デジュン)政権以来の好循環が実現した時期だった。
 朝鮮半島問題とは南北だけ解決出来るもので無く、世界に於ける冷戦構造の最終的な解体を意味する国際的な問題で有る事を熟知した韓国政府による「リード」は上手く行くかの様に見えた。

 ○「ハノイ決裂」が尾を引いた2019年

 制裁緩和の為に会談がこう・・・決裂と為った。北朝鮮は制裁緩和・完全な制裁解除を求めた。しかし米国はその要求を聞き入れる事は出来無かった。 2019年2月28日午後、ベトナム・ハノイでトランプ大統領は記者団を前にこう述べた。前日から行われて居た米朝首脳会談の決裂を知らせる一声だった。 当時の焦点は「米朝がどの線で合意するか」に在った。
 北朝鮮が完全な非核化へのロードマップを提示する代わりに米国も平和協定締結のスケジュールを出すのか、若しくは段階的な非核化で双方が合意するのかと云ったものだ。 ヒントは昨年9月の「平壌南北首脳宣言」にあった。

 北朝鮮はこれに明記した様に「寧辺核施設の廃棄」を念頭に交渉に臨んだが、米国はそれで好しとし中ッた。北朝鮮は先に引用した「完全な制裁解除」を求めた訳では無かったが、いずれにせよ米国との思惑は異なった。 この結果は、金正恩氏の体面を大きく傷着けると共に「『寧辺核施設で行ける』筈だったのに話が違う」と云う、文在寅大統領への不信へと繋がって行く。
 背景には「南北軍事合意書」の様な南北単独の関係改善にブレーキを掛けたい米国の思惑も在った。更に、韓国政府も此処が勝負とばかりにトランプ大統領を説得する事が出来無かった。(し無かったと云う説もある)

 結局、この構図が今日迄残って居る。 米国は交渉条件で譲歩する気が無い上に、北朝鮮は韓国との対話の窓口を最小化しながら韓国政府への批判の視線を向ける。韓国はこの構図を突破する為には「無茶」をしなければ為ら無いが、そのタイミングが掴めない状況だ。2019年6月には板門店で南北米の三首脳が会合を持つ大きなイベントがあったが、成果には繋がら無かった。

 コロナ危機をどう生かすか

 去る2年は平和が一晩で達成されるものでは無い事を、もう一度切実に感じる期間でした。期待と失望が繰り返され、その都度コレに耐え、ユックリとした歩みかも知れませんが、平和プロセスを進展させる為努力して来た期間でした。
 今日の文大統領のこうした発言は、上で長々と書いて来た2年の時間の流れの上に位置付けられる。南北関係は現在、連絡を取り合え無い状況が続いて居るが、かと云って「南北軍事合意書」が破棄された訳でも無い。 北朝鮮は昨年5月から断続的に短距離弾道ミサイルや新型高射砲の発射実験を行って居るが、北朝鮮に対する大規模な追加制裁が課される事は無い。

 識者が「ローキー」と表現する様に、緊張を低く維持したママ小康状態が続いて居る。これを維持出来たのだけでも成果だろう。この日の文大統領の発言は意欲的だった。

 「朝鮮半島の運命の主人は私達自身と云う事実を私達が忘れ無い限り、道は開く筈だし、狭い道も少しずつ広い道にして行く事が出来る」としながら「最も現実的なアイディア」として「新型コロナウイルス(COVID-19)の危機が南北協力の新たな機会に為り得る」との見方を示した。
 その根拠としたのは今年3月に金正恩氏と行った「親書交換」だった。韓国が大邱(テグ)市での感染爆発を前に死闘を繰り広げて居た3月4日、金正恩氏は親書で「必ず勝つと信じて居る。南側の同胞の大切な健康が守られる事を願う」とエールを送った。

 当時、青瓦台が明かした処に依ると親書には「朝鮮半島を巡る情勢に対する率直な思いと立場も込められて居た」と云う。これに対し、文大統領も感謝の意を込めた返信を送った。 文大統領はこの日、具体的なアイディアも挙げた。

 「新型コロナに共同で対処する協力から始まり、家畜の伝染病と接境地域(軍事境界線に近い地域)での災害災難、そして気候環境変化に共同で対応する」と云うのがそれだ。更に「南北間の鉄道連結」「南北共同遺骸発掘事業」「離散家族再会事業」等の事業にも言及した。

 総選挙での与党勝利が後押し

 それでは具体的にはそんな動きがあるのか。 韓国の金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官は24日、今年の6月15日に『南北共同宣言(2000年)』20周年を迎え南北共同行事を行う計画を明かした。この中には離散家族再会事業が含まれて居る。実現するとすれば急ピッチでの準備が始まる事に為る。
 そして今日27日には、江原道の江陵(カンヌン)⇔猪津(チェジン)区間を結ぶ鉄道連結事業の着工式が行われた。これは韓国東部の鉄道路線を整備し、行く行くは軍事境界線を越えて東海岸の鉄道を南北で繋ぐ事業だ。 又、新型コロナにマツワル人道支援も積極化される見通しだ。

 矢張り統一部は、3月と4月に夫々一件ずつ北朝鮮への支援許可を出したと明かして居る。これは北朝鮮側に受け入れ先があると云う事で、現実的な支援が軌道に乗り始めて居る事を如実に示して居る。
 これに関し米財務部では北朝鮮に対し、新型コロナウイルス診断キット・マスクや防護服等の装備・酸素呼吸器や医薬品を制裁対象外とする措置を今月に入り行って居る。この為、民間人道支援団体に依る北朝鮮への支援の動きは今後拡大すると思われる。
 統一部は他にも、金剛山観光・開城工業団地の再開と云う宿願作業も今年の計画に含めて居る。又「統一経済特区法」等の法整備も進めるものと見られる。

 4月15日に行われた総選挙の結果、与党・共に民主党は議席の6割180議席を占め、アラユル法案を一定の期間が過ぎれば単独で通せる様に為った。この為、南北関係改善を支える法整備は進むものと見られる。 実際、金統一部長官は『板門店宣言』を6月から始まる新たな国会で批准する事に言及して居る。
 「南北軍事合意書」の結果、板門店でも非武装化が進んだ・・・非武装のママ北朝鮮側に背を向けて立つ兵士も。

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 文政権下での南北関係改善はラストチャンス

 それでは現状をどう評価すれば好いのか。 朝鮮半島情勢や南北関係に詳しい統一研究院の趙漢凡(チョ・ハンボム)先任研究員は27日、筆者の電話インタビューに対し「今年に為って文大統領は南北関係改善にずっと意欲を見せて来た。今年は大統領選挙のスケジュール(22年5月)を考えても文大統領が南北関係で何か成果を残すラストチャンス」と述べた。
 更にその可能性に着いて「北朝鮮側が返事をしない状況はそのママだが、米国が動か無い為金正恩氏の立場では南北関係から突破口を探す可能性がある。総選挙の結果もあり、韓国国内の状況も悪く無い」と見立てた。

 文大統領はこの日、新型コロナウイルス拡散後、詰り「ポストコロナ時代」の精神として「連帯と協力」を挙げた。そして「板門店宣言の基本精神」も同様なものであると述べた。 今年6月には南北共同宣言から20周年、そして朝鮮戦争勃発から70周年を迎える。
 韓国政府に取っては、2019年に見る影も無く為った朝鮮半島の未来を切り拓く「勇気」を、再び発揮する時が来たと云える。何処迄進めるのか、今後6月15日までの動きに俄然注目が集まる。


                  以上









【管理人のひとこと】

 このレポートで窺い知るのは、既に韓国はポストコロナへと人々の関心が移って居る・・・と云う事なのだろうか。とても羨ましい限りだ。しかし、日本と比較はしない・・・比較も出来無い程の国情の違いもある。韓国・北朝鮮は、同じ民族・家族が未だに分裂する・・・何とも言い様の無い半島国家なのだ。この感情は、私達には簡単に想像出来無い。深い悲しみと互いに憤りを持ち合う隣同士・同じ民族でもある訳だから。
 両分裂国家は、未だに交戦中であり今は瞬時の休戦をして居る状況である。遂何年か前は、北朝鮮が一方的に或る島へ攻撃したばかりでもある。両国は戦争中であり、韓国の若者には一定期間の徴兵制度もあり、日本とは単純には比べるのは無意味だろう。
 隣国の我々には、ドイツの様に過去を捨て去り早く南北が統一して新たな国へと発展する事を願うばかりだが、日本は何一つの貢献も出来ず、拉致問題も一向に進展しない哀れな存在に為って仕舞って居る。我が国は只管国力を下げ続け、国としての価値の暴落に邁進している・・・誠に哀れな国家である。隣国から見ると「戦争も無い平和な国家なのに、どうして可笑しな政権を甘受して亡国へと向かっているのだろう・・・」と訝し気に見て居る事だろうか。私は最近、子供達の未来を考え、心が寒ーく為って来るのに耐えられ無く為って居る。
 もし、両国の思惑が一致すると、今後朝鮮半島に世界の目が集中する事も有り得、ポストコロナの世界の希望の星とも為らぬとも限ら無い。















 



 




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