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2019年11月07日

製造業の利益縮小と賃金低下 日本経済は「縮小局面」に入った




 製造業の利益縮小と賃金低下 日本経済は「縮小局面」に入った


         〜ダイヤモンド・オンライン 11/7(木) 6:01配信〜





 〜アベノミクスの期間に目覚ましく増加した製造業の営業利益が、今減少して居る。又、これ迄はホボ上昇を続けて居た名目賃金が下落して居る。日本経済の様相が大きく変わり始めた〜


 米中貿易戦争の影響で、 日本の輸出も大きく減少

 アベノミクスの期間に、日本企業の利益は顕著な増加を続けた。全産業の営業利益は、第一次安倍政権が発足した2012年10〜12月期の10.6兆円から、19年1〜3月期の19.5兆円迄、ホボ2倍に為った。しかし、製造業の利益には、18年以降、明らかに変調が見られる。営業利益の対前年同期比は、18年7〜9月期以降、マイナスに為って居る。
 19年4〜6月期には、対前年同期比がマイナス22.4%と云う大きな落ち込みに為って居る。この結果、19年4〜6月期における製造業の営業利益(4.2兆円)は、15年前半頃の数字に戻ってしまった。(図表1)

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 何故この様に製造業の利益が減少して居るのか? 第一に考えられるのは、米中貿易戦争の影響で輸出が減少した事だ。そこで輸出の動向を見ると、確かに、落ち込んで居る。対前年同月比の推移を見ると、図表2に示す様に、17年夏頃がピークだった。その後、対前年同月比は低下傾向で、18年10月以降は、マイナスの月が多く為って居る。19年9月の対前年比は、マイナス5.2%だ。

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 輸出額で見ると、18年4〜6月期には20.2兆円だったのが、19年4〜6月期には19.1兆円に為った。従って、1.1兆円の減少だ。尚、中国に対する輸出は、17年には大きく増えたが、19年から対前年比がマイナスに為って居る。
 この様に、米中貿易戦争の影響は、米中間の貿易だけでは無く、日本の輸出にも大きな影響を与えて居るのだ。

 



 輸出の落ち込みと同額だけ 製造業の売り上げと利益が減少

 以上で見た輸出減少と、製造業の売り上げや利益との関係はどうか?図表3は、製造業の売上高の対前年同期比を示す。2018年夏以降、前年同期比が低下し、19年4〜6月期にはマイナスに為って居る。額で見ると、19年4〜6月期では、97.9兆円だ。これは、18年4〜6月期の99.1兆円に比べ、1.2兆円(1.2%)の減少だ。これは、先に見た輸出減とほぼ同額だ。従って、輸出減がそれと同額の売り上げ減を引き起こしたと言える。

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 次に、製造業の営業利益の額の変化を見よう。19年4〜6月期には4.2兆円だ。これは、18年4〜6月期の5.4兆円に比べて1.2兆円の減少だ。従って、対前期比で見て、売り上げとホボ同額だけ営業利益が落ち込んで居る事に為る。
 以上の様に、輸出・売り上げ・利益の減少は、時系列的にも、額でも同じである事から、輸出が減少して製造業の売上高を減少させ、それが営業利益を減少させたと云う事が出来る。

 原油価格上昇も 利益の減少に影響

 しかし、輸出の落ち込みだけが製造業の営業利益減少の原因では無い。何故なら、図表3に見る様に、営業利益の対前年同月比は、2018年7〜9月期からマイナスに為って居るが、売上高が減少する様に為ったのは、図表1に見る様に、19年4〜6月期に為ってからの事だからだ。
 18年後半に売上高が減ら無かったにも関わらず、営業利益が減ったのは、図表4に見る様に、売上原価の伸びが高まったからだ。これは、原油価格上昇の影響である。

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 原油価格は、19年に為ってからは落ち着いたが、今度は、先に見た様に輸出が減少したのだ。これ迄指摘した事をまとめると、18年には原油価格の上昇により、そして、19年に為ってからは輸出の減少による売上高減少の為に、製造業の営業利益が減少した事に為る。

 この様に、世界経済の変動の影響により、日本の製造業の営業利益が減少したのだ。こうした状態は一時的なものでは無く、今後も引き続くものと考えられる。尚、19年4〜6月期には、非製造業の営業利益の対前年比もマイナスに為った。この結果、全産業の営業利益の対前年比もマイナスに為った。

 



 名目賃金の低下続く 世界経済の変動に脆弱な体質

 日本経済が縮小局面に入った事を示すのは製造業の状況だけでは無い。賃金が低下して居る。非製造業では2018年7〜9月期から、製造業では18年10〜12月期から、1人当たり人件費(賃金)の対前年同期比がマイナスに為って居る。(図表5)

  11-7-54.jpg 

 製造業では、19年4〜6月期には、マイナス2.4%と云う大きな落ち込みに為って居る。人件費総額の対前年同期比は、19年4〜6月期には、非製造業と全産業でマイナスに為った。賃金の下落は、図表6の様に、毎月勤労統計調査のデータでも顕著に見られる。
 名目賃金が19年に為ってから低下を始めたのだ。そして、6月を除けば、対前年同月比がマイナスの月が、8月まで継続して居る。

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 14年以降、名目賃金がこれだけの期間に渉って減少を続けた事は無かった。これは、労働市場に大きな変化が生じて居る事を示して居る。これによって、19年7月の名目賃金指数(118.7)は、18年7月(119.9)より約1%低下した。
 これ迄、物価上昇で実質賃金が低下する事はあったが、今は名目賃金が低下し、それが実質賃金を低下させて居るのだ。最近では、失業率や有効求人倍率にも、従来の傾向からの変化が見られる。9月の完全失業率は上昇した。又、有効求人倍率は低下した。

 不況色が強まって来ると、金融緩和や、MMT(現代貨幣理論)の様な財政拡大に頼る無責任な議論が出て来る事が懸念される。世界経済の変動によって、利益が大きく変動してしまう日本経済の体質が問題なのだ。こうした構造を改革して行く事が、経済政策の目標とされ無ければ為ら無い。


  早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問 野口悠紀雄  以上


 




 【管理人のひとこと】

 米中経済対立の影響で世界の経済は総じて縮小傾向に向かって居た。更に我が国では、東京オリンピックの第一次土建業関係の需要が一巡し、経済はオリンピック後の対策へと向かうべき処で消費増税を迎える。この様な事はトウに判り切って居た事だった。全ては政治の愚かさで生じた無策故の事態だ。
 それで無くとも無策の政治で、経済はデフレを脱却出来ず青息吐息の状態の中で増税と云う禁じ手を打ったのは誰が考えても不可解な政策だった。更に相次ぐ自然災害が発生し、多くの被災者が新たに増加する・・・政府は色々な救援策を用意したが、それが実行へと向かうまでには或る程度の時間を必要とする。
 内外困難な状況で、政治は徒な不祥事が続き年内の衆院解散も噂される事態へと進んで居る。政治を変革し新たな政府で根本的な改革が求められる状況にあるのは衆人が認める処だろう。政府が出来るのは、輸出を増やす環境では無く、国外に対策を求めるのでは無く、困窮する国民への消費還元の為の数ある諸政策しか無い。緊急的な国内インフラ整備や被災者住宅建設・越冬資金の供与等の即効性のある措置しか無い。総じて国民の活発な消費でもう一度日本経済にカンフル剤を打つしか無いだろう。



 



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ソフトバンクグループが1兆円規模の大赤字 孫会長「反省はして居るけれど……」




 ソフトバンクグループが1兆円規模の大赤字

 孫会長「反省はして居るけれど……」


             〜マイナビニュース 11/7(木) 12:21配信〜

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 決算発表に登壇したソフトバンクグループ代表取締役会長 兼 社長の孫正義氏(写真マイナビニュース)

 



 ソフトバンクグループは11月6日に、2020年3月期 第2四半期の決算を発表しました。登壇した孫正義氏は「今期の決算は、創業以来と為る1兆円規模の大赤字で御座います。今日は言い訳抜きで、事実をお伝えして行こうと思います」と神妙な面持ちで決算発表会をスタートさせました。

 創業以来、ボロボロの決算

 ソフトバンクグループの上期の連結業績は、営業利益が1兆4,363億円のマイナスと為りました。前年同期の営業利益が1兆4,207億円のプラスだった事を踏まえて「前年上期の利益をフッ飛ばしてボロボロでした」と孫氏。プレゼンの声にも活力が感じられません。

 「大赤字の原因は、アメリカのシェアオフィス大手「WeWork」の業績不振。既にSVF(ソフトバンク・ビジョンファンド)が3ビリオンドル約3,000億円の、ソフトバンクグループが4.5ビリオンドルの投資を行って居ますが、残念ながら業績が上向きません。
 そこで、来年の4月迄に1.5ビリオンドルの追加投資を行う事も決定。この影響を受け、営業利益がマイナス計上と為りました」


  「私の投資判断が、色々な意味で拙かった。大いに反省して居る」「取締役会等を通じて、社内外の役員から、ホトホト疲れ果ててしまう位責め立てられました。小さく為って居る、今日現在の私であります」
 と元気がありません。しかし孫氏は、
 「ここで2つの事実があります」と切り出します。
 「1つは、最悪の赤字を計上しながらも株主価値は1.4兆円も増えて居る事。もう1は、SVFの累計投資成果が1.2兆円の利益を出した事です。
 株主価値が1.4兆円増えた背景には、ソフトバンクグループが保有して居る中国のアリババグループの株式が11.3兆円から13.4兆円まで増えた事が挙げられます。確かにSVFの保有株式は3.5兆円から3.2兆円に目減りしましたが、これを補って余りある状況です」


 加えて、SVFによる他の投資が利益を出して居る事も紹介しました。

 「投資した約90社の中で、価値が増した企業は37社(1.8兆円増)評価減と為った企業は22社(6,000億円減)」これを踏まえ、孫氏は「金額ベースで考えると3勝1敗。実は、利益の方が大きいんです。どんな企業だって10勝0敗と云う事は無い。世の中に5,000社あると言われているベンチャーキャピタルの年間の評価益は13%程度だそうですが、我々のSVFはその倍近いIRRを出して居るんです」として、何時もの前向きな(?)孫正義節が、要約復活します。

 



  熟せば儲かる? WeWorkの今後は

 では、大きなブレーキと為ってしまったWeWorkは、今後どうするのか。これに付いては、更にサポートして行く方針を明らかにしました。

 「一部のメディアでは、沈み行くWeWorkを救済に行って泥沼に嵌った、と報じる向きもありました。でも現実は違います。りんごで言えば青りんごで、未だ熟して居ないだけ。熟せば儲かるんです。WeWorkは、世界に約700あるビルで事業を展開して居ます。只、全体の半分が未だ新しいビル。建設中のものも多い。新しいビルでは、最初の半年間は赤字に為ってしまいますが、時間と共に稼働率は改善して生きます」(孫氏)
 
 「ソフトバンクではこれ迄、ヤフージャパン・Vodafone Japan・Sprint等、再建が難しいと思われて居た企業の経営を幾つも立て直して来た自負があります。WeWorkも我々が大株主として経営に参画しました。今、マルセロ・クラウレ氏が企業統治の適正化に取り組んで居ます。
 新規ビルの増加を一時停止し、同時に経費削減も進める方針です。そうすれば、殆どのビルで稼働率が上がって、収益を稼ぐ様に為るでしょう。後は時間が解決して呉れる。青いりんごが、真っ赤に為る。ア、色の例が相応しく無いですけどね」
と孫氏。

  「只、WeWorkの株式を高く買い過ぎたのは事実。今回の件では、株主の皆様、貸付のレーティングエージェンシー、銀行の皆様にご心配をお掛けしました。損切りすれば好いじゃないかとのご批判もありました。でも、泥沼に手も足も突っ込んでしまった訳では無いんです」(孫氏)
 プレゼン中、何度と無く「多くの事を学んだ」「深く反省した」と繰り返した孫氏でしたが、最後には「反省はしましたが、萎縮する程ではありません。大波では無く、サザ波位。だから記者の皆さんも、記事のタイトルを『反省はして居るけれど萎縮はして居ない』にしたら良いのではないでしょうか。ナカナカ好いタイトルですね」と笑顔を見せる等、生まれながらのプラス思考をスッカリ取り戻した様子でした。

 そして発表会後、孫氏は記者団による質問に回答して行きました。WeWorkが遣って居る事は不動産業に過ぎず、今後も大きな利益は期待出来無い、ここに投資する価値はあるのか、と云う指摘に対して孫氏は 
 「今後、ソフトバンクグループやSVFが総力戦でAIの技術、ノウハウを注入して行きます。当初、WeWorkの経営陣ともその事に付いて大いに語り合いました。だから期待値が高かった。でも、彼等は未だそれを実行出来ずに居る。そこで経営に参画して、先ずは赤字を止める事から始めます。大儲けは出来無いかも知れないけれど、回収の目処は立つ。
 その後、時間を置いてから少しずつテクノロジーを組み入れて行きます。社内では、5〜6年の内に年間で1ビリオンドル位のEBITDAを出せる、そんな予測も立てて居る処です」
と答えます。

 



 続いて、孫氏は人に惚れ易い処があるが、WeWorkの創業者アダム・ニューマンを見る目が無かったのではないか、との指摘には 

 「彼には、良い部分と悪い部分が混在して居ました。でもマイナスの多くに目を瞑り、プラスの面を過大評価してしまったのかも知れません。WeWorkのプロダクトそのものは素晴らしく、彼の攻めの姿勢、アーティスティックな側面を評価して居た。反省して居ます。ガバナンスに問題があったので、筆頭株主として10名の役員の内5名をソフトバンク、SVFのメンバーで固め、彼の権利の多くを剥奪しました」と説明しました。 
 そして、予てから人生50か年計画として、60代で次の経営陣にバトンを渡す、と人生設計を語って来た事に対して、その考えに修正はあるのか、と聞かれると

 「19歳の時から、そう公言して来ました。その方針に変わりはありません。只、69歳に為った時に、もう一寸遣りたいと思うかも知れません。今、事業経営が面白くて仕方無い。そして、このAI革命を追い求めて行きたい気持ちで一杯です。只、時間の問題はあります。後継者を育成して行かないといけ無いのも事実。並行して準備を進めて行きたいと思います」と答えて居ました。


              近藤謙太郎   以上


 




 【管理人のひとこと】

 ソフトバンクグループの上期の連結業績は、営業利益が1兆4,363億円のマイナスと為りました。前年同期の営業利益が1兆4,207億円のプラスだった事を踏まえて「前年上期の利益をフッ飛ばしてボロボロでした」・・・と、全て自分の過ちだと公表。しかし、次々と回復の手を打ち、その目途も建てて居るとし、時間と共に解決すると断言。事業経営が面白くて仕方無い・・・と次への事業意欲も旺盛な処を披露した。
 何処かの大企業の社長と異なり、自らの非を認め公表し善処した姿は「世界の投資家・・・孫」の偉大さを広しめたものだと感じます。確かに投資先の全てが利益を出すのは不自然なのです。リスクがあってこそのリターンなのですから。それが本当の世界の投資家なのでしょう。
 本ブログでは、何回かに渉りこの問題を取り上げました。赤字を正直に報告するのは、失敗を認めるのは辛い事でしょうが、この難局を乗り越えて更なる挑戦に期待したと思います。孫氏が躓くと日本経済の夢も儚く為ります。


 

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米中二極化リスクと日本の課題 ビル・エモット氏インタビュー




 米中二極化リスクと日本の課題 ビル・エモット氏インタビュー


              〜Wedge 11/7(木) 12:22配信〜

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 ビル・エモット氏 ロンドン生まれ 英『エコノミスト』特派員として1983年東京赴任 1993〜2006年同誌編集長 英シンクタンク・国際戦略研究所(IISS)理事会やジャパン・ソサエティー(日本協会)の会長を務める(撮影MASATO KIMURA)


 〜べルリンの壁が崩壊した1989年に著書『日はまた沈むージャパン・パワーの限界』で金融バブル崩壊を予測したビル・エモット英『エコノミスト』元編集長。その後も低迷する日本をウォッチし続けるエモット氏は冷戦後の30年をどう評価して居るのか、インタビューした〜

 




 木村(以下──)この30年をどう振り返るか。

 冷戦後の30年は世界に取ってまさに前進の時代だった。多くの人々はロシアと欧米諸国の関係に付いて失望して居るが、世界を見渡すと民主主義が広がり、オープンな人の移動が進み、国家間の紛争は遥かに少なく為った。
 中国、インド、その他の国々で何億人もの人々が貧困から抜け出した。勿論失望する部分もあるが、後代の歴史家は冷戦の終結を世界史におけるターニングポイントと見るだろう。

 ──フランスの国際政治学者ドミニク・モイジ氏は、希望・恐れ・屈辱によって世界が形作られる「感情の地政学」を語った。文化や感情が世界の変化に与える影響をどう見るか。

 私ならソコに国家としてのアイデンティティーを追加する。それは政治的にも社会的にも新しいものでは無い。冷戦中は旧ソ連の共産主義圏と欧米の資本主義圏との分断によって、国民的アイデンティティーや、歴史・領土問題、ナショナルプライドやその国固有の文化と言ったより感情的な問題に向かう自然な傾向が抑制されて居た。冷戦の終結によってアイデンティティーが解放され、フラストレーションが高まり、歴史的な失敗により屈辱感を抱く様に為った。
 こうした感情は特にロシアに当て嵌まる。一方、バルト三国やポーランド等、ナチスやソ連から解放された国は新しく獲得した自由に希望を抱いた。この30年で感情が大きく変動し、アイデンティティーやナショナリズムの形に回帰したと思う。近年では、国家のアイデンティティーだけで無く宗教的なアイデンティティーも重要に為って来て居り、状況がより複雑に為って居る。

 ──次の10〜30年、世界の新しい秩序はどう為るか。

 現在は、米外交誌『フォーリン・アフェアーズ』の元編集長ファリード・ザカリア氏が2008年の著書『アメリカ後の世界』で説明して居る世界だと思う。米国は依然として世界で最も強力な国だが、他の国々、特に中国のパワーが急成長して居る。
 世界は米ソ冷戦時代の様に、紛争・冷戦・協力の何れかの形で米中と云う二つの大国によって再び支配されるのか。それとも、インド・ブラジル・日本・アフリカの国々も大きな存在感を持ち、超大国による強力な覇権が存在せず、パワーが分散して行く傾向が強まるのか。私は後者のパワーが分散した多極型の世界を望んで居る。

 ──どちらの可能性の方が高いのか。

 多極型システムが形成される可能性の方が高いが、米中を中心に別々の同盟が形成された場合、二極型システムを推し進める事が可能に為る。恐らく、それはドナルド・トランプ米大統領が行う様な政策によって導かれる世界だ。
 しかし、もっと先見性に富んだ対応は、単純な二極型システムを回避する為、米国と欧州で遥かに広範な同盟と友好のネットワークを形成する事だ。非常に広範囲の国々の間で力のバランスを取るべきだが、二極型システムに為る可能性は排除出来無い。

 ──二度の大戦を経て英国から米国に覇権が移り、基軸通貨も英ポンドから米ドルに変わった。今後、基軸通貨はどう為るか。

 米国が世界最大の経済大国に為り、ポンドからドルに基軸通貨が交代する前に大きな一連のポンド危機(第二次世界大戦の戦費調達の影響等で英国の財政不安が強まる等)が発生した。米国がドル資産の流動性を低下させ、ドルを使ったビジネスのし易さを減じる等、通貨としての信頼性を損なう劇的な危機を経無い限り、ドルは基軸通貨のママだろう。
 今の処、欧州単一通貨ユーロにも中国の人民元にもドルの地位を脅かそうと云う政治的な意思は見られ無い。

 



 ──トランプは武力行使を嫌がって居る様に見える。

 トランプは米史上最長と為ったアフガニスタンや、イラクとの戦争に対する米国内の反応を見て居る。イランと戦争に為る恐れは残るものの、彼の戦争への躊躇いは後継者にも引き継がれると思う。トランプ時代は後から振り返ると、米外交の期であり、タカ派よりもハト派が多かったと見られる事に為るだろう。

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   電車に乗り切れず、走って居る車両に必死にしがみつくインドの乗客達 (AFP/AFLO)

 ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官の解任は、それを反映して居る。トランプは軍隊では無く貿易を使って戦争するのを好む。米国史上初めての敗北と為ったベトナム戦争が米国の外交政策に影響を与えた様に、米国は戦争を避ける期間に入って居る。

 ──中国支配が強まるのに反対して香港で大規模デモが起きた。中国はリベラルな民主国家への道を進むのか。

 中国は、権力を法の支配にもっと幅広く従わせ、中国共産党による一党支配を脱却し、公的な説明責任を求めるシステムに変えて行か無ければ為ら無く為るだろう。豊かに為るに連れ、習近平国家主席が支配を再確立しようとする手法は失敗に終わる可能性が高く為る。
 習近平の後、より権力が分散し、より説明責任を求められる新しい動きが出て来る。それが西洋流の自由民主主義かどうかは分から無いが。

 ──インドは第二の中国に為るのか。

 インドは今後も強力に発展し、世界に取って大きな利益に為るが、中国程速く成長するとは思わ無い。中国経済は5〜7年毎に経済規模が2倍に拡大したが、インドは10〜12年程掛かって居る。インドが経済大国の地位に達し、政治的な帰結によって国際社会で支配的な経済を持つ様に為るまでには長く時間が掛かる。
 インドは中央集権的では無い。それが中国の様な速度で成長しない理由の一つだ。インドの一部地域は急速に成長して居るが、他の地域は遅れて居る。第二に、官僚主義や部族主義等、市場の自由化を阻む強い既得権がある。識字率と高校教育のレベルは非常に不均一で社会が不平等だ。インドは、教育で大きな成功を収められ無ければ日本や韓国、中国の後に続く事は出来無い。

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       イタリアのサレルノ港に上陸する1000人以上のアフリカ系移民を乗せた船
            (ANTONIO MASIELLO/GETTYIMAGES)


 ──アフリカで人口が増え続け、アフリカ系移民の増加が欧州を脅かして居る。

 今後30年で非常に重要な問題と為るのは、アフリカでどの様な経済発展が起こるかだ。急成長するアフリカは、出生率が非常に高く、人口が急速に増加して居る最後の大陸だ。アフリカの闘いは、アジアの成長を実現させたのと同じ教育の発展を、経済成長と税収によって確立出来るかに掛かって居る。
 そうすれば近代的な経済成長と出生率の低下に繋がる可能性がある。欧州にトッテモアフリカの人口抑制が最大の課題に為る。僅かな割合のアフリカ系移民が欧州に流入しただけで大問題に為るからだ。深刻な貧困問題を抱えるサハラ砂漠より南のアフリカにおける教育と経済の発展がカギを握る。

 ──ロシアは経済が衰退しながらも、プーチン大統領がハイブリッド戦争や資源外交を駆使して国際社会への影響力を維持して居る。

 ロシアは限られた経済力、軍事力の中で国際的な影響力を維持するのに長(た)けて居るが、石油・天然ガス、その他の資源価格に大きく依存して居る。ロシアに取って最大の脅威は化石燃料経済なのだ。私がロシアの指導者なら、輸出と政府収入の源泉である石油・天然ガスの重要性を減らす脱炭素経済の到来を恐れる。

 



 ──資本主義と自由民主主義に基づく秩序の未来をどう見るか。

 資本主義が生き残るのは間違い無い。結局の処企業は本質的に社会的実体であり社会的創造物だ。そして企業は変化する環境・金融・政治・技術に適応出来る。予測出来無いのは、将来どの様な種類の資本主義が支配的に為るかだ。
 自由民主主義も繁栄するが、自由民主主義に基づく秩序が世界に広がるかと云うと話は別だ。自由民主主義国家では無い中国がルール設定の重要な部分を担う様に為って来るからだ。中国がどんな形にせよ自由民主主義国として発展しない限り、自由民主主義に基づく秩序が世界に広がるとは思わ無い。

 ──ロボット・人口知能(AI)・ビッグデータの開発競争が経済的な地政学に与える影響をどう見るか。

 技術開発の競争は世界に取ってプラスだが、米中が競争に背を向け、夫々別個の開発に向かう恐れがある事を懸念する。例えば、米中、その他の国が別々の規制を持ち、完全に分離されたインターネットを持つ様な世界だ。米中間の不信と摩擦により完全に分離された技術発展が起きると、ガラパゴスの世界が出現する危険性がある。

 ──モノや資本、人の自由移動の未来はどう為るか。

 米中貿易戦争や日韓貿易摩擦等モノの移動を損なう保護主義が見られるが、一時的なもので自由移動に戻る。資本の自由移動も次の金融危機が起きる迄残る。しかし、人の自由移動は移民への政治的反発がある為、既に米国と英国で起きて居る様に制限される段階に入り後退するだろう。

 ──日本の課題は。

 日本が抱える主な問題は人的資本だ。人口減少と高齢化に加えて、非正規社員、特に女性の非正規が訓練されずに雇用されて居る。日本の資源は人材しか無い。テクノロジーを活用して生産性を上げ無ければ為ら無い。もっと多くの資源、私的資金、特に公的資金を大学に投入する必要がある。
 具体的には、大学を合併してより大きな大学を作り、効率的に運用する必要がある。世界中のアイデアに自由にアクセスする為大学の国際化を進め、研究に力を入れる。それが優先課題だ。


   インタビュア 木村正人 ジャーナリスト    以上

 



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お友達閣僚ドミノ辞任 次の標的は・・・萩生田文科相か北村地方創生相?




 お友達閣僚ドミノ辞任 次の標的は・・・萩生田文科相か北村地方創生相?

           〜AERA dot.週刊朝日 11/7(木) 11:30配信〜


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             萩生田文科相 (c)朝日新聞社

 〜9月の内閣改造で、菅義偉官房長官が推薦して大臣にしたとされる菅原一秀経済産業相と河井克行法務相が、週刊文春の報道を切っ掛けに辞任した。一連の動きは自民党内での「菅潰し」なのか?〜





 「特に菅グループが狙われた訳では無いです。結果として2人がダメだったと云うだけ。菅グループを見渡しても人材が居ないんですよ。他に入閣適齢期が居なくて、菅さんがこの2人を押し込んだらこう為った」(政治部記者)

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                  河井克行前法務相

 河井氏に付いては、7月の参院選挙(広島選挙区)で、妻の案里氏陣営がウグイス嬢に対し、法律で定められている一日に付き上限1万5千円を上回る3万円の報酬を支払って居たのではないかと云う疑惑が持ち上がっている。広島県の地元議員によると、この話は選挙直後から出て居たと云う。

「ウグイスは地元の人で、アソコの陣営は幾ら出したとか噂(うわさ)に為る。案里氏の事務所は3万円だったと云う話は広がって居た。事実、ウグイスは『案里氏の処は景気が好い』と言って居た」
 
 選挙後、案里氏はこの議員の処に挨拶に来たと云う。

「如何にも安倍さんのお墨付きで通ったと居う横柄な態度だったね。ヤッパリ夫婦で衆参の席を取ると云うのはハレーションがあるよ。オマケに夫は直ぐに大臣。官邸の威光を傘に着て、との批判は強かったからね」

 河井氏と安倍首相の関係も親密だった様だ。

「河井さんは菅さんの側近と言われて居ますが、本当は安倍首相の『お友達』でもあるんです。2012年の総裁選の時、自民党の派閥横断勉強会『きさらぎ会』で鳩山邦夫元総務相を説得し、安倍支持でマトメたのが河井さんでした。それ以来、安倍首相は河井さんの事を大事にして来たんです」(前出の政治部記者)

 河井氏は安倍首相の補佐官を務めた後、自民党の党総裁外交特別補佐と云う初めて出来たポストに就き、安倍首相を支えた。それにしては、アッサリと河井氏を辞めさせたのは何故なのか。内閣官房関係者はこう言う。

 「参院選では、安倍事務所の秘書等が案里さんの陣営に入って居る。安倍さんの許可無く選挙の応援には行けませんから、当然、安倍さんも知って居た。菅さんも応援に入ったし、官邸マル抱えの選挙だった。だから今回は菅さんだけでは無く、安倍さんの失敗にも繋がり兼ね無いので、直ぐに辞めさせたのではないか、との見方が出て居ます」

 2閣僚の辞任は次期総理を巡る動きにも影響しそうだ。

             11-7-13.jpg 河井案里氏

「参院選では、広島で河井案里さんが勝ち、岸田派の溝手(顕正)さんが落選。岸田派は山形等でも落とした。菅さんは次の総理を意識したのか、自身に近い人を内閣に入れて岸田(文雄)さんを潰す魂胆だったんだろうけど、遣り過ぎたんだよ。今回の辞任は菅さんには大きなダメージ。これで岸田さんも一気に復活するからね」(自民党幹部)

 気に為るのは今後だ。「辞任ドミノ」は未だ続くのか。次の「標的」に挙げられて居るのは萩生田光一文部科学相。英語の民間試験を巡る「身の丈」発言が火ダネに為った。政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。

 「英語試験の『検討・準備グループ』の議事録は非公開だから出さ無いと文科省は言ってますが、これが出て来る様だと更にスキャンダルが広がる可能性がある。試験は延期と為りましたが、受験の準備をして居た生徒達はどう為るのか。萩生田氏の責任を追及する動きは続くでしょう」

      11-7-14.png 北村誠吾地方創生担当相

 北村誠吾地方創生担当相にも、国民民主党の森ゆうこ参院議員の国会での質問通告が、事前に所管の内閣府から漏れて居たのではとの問題が浮上した。

「北村さんは、内閣府からの漏洩(ろうえい)だった場合『責任を取る』と言って居たが、その後『アレは一般論です』と逃げ始めた。それでも、十分、追及は出来ますよ」(角谷氏)

 もし3人目が辞める様な事に為ると、政権運営は一気に厳しく為りそうだ。


     ※週刊朝日  本誌・上田耕司 2019年11月15日号   以上

 




 【管理人のひとこと】

 安倍氏は、我が国の総理大臣として一体どの様な仕事をして来たのか・・・幾ら振り返っても一つも浮かんで来ない。その様な体たらくな首相なのだが、選挙には滅法強く負けた事は無い。詰まり、内政・外交の仕事は何も出来無くとも総裁としての党運営には他に及ぶ者が無い優秀な人の様だ。しかし、余りにも永く一国の首相を続けたので、各国首脳の間ではリーダー的存在として認められては居る様だ。
 その程度の人間なのだが、ソロソロそのツケ刃も綻びそうだ。最近の彼には覇気が無く朦朧とした風情が見え隠れする・・・死に体に向かってるのだろう。国会での発言を観ても判る通り、嘘だと判る言葉を無意識に出し廻りも誰も信用しない。無駄な時間潰しに野党も呆れ果てて居る・・・もう一人の閣僚辞任に追い込まれると、彼は簡単に解散を決意する事も考えられる・・・そんな感じだ。年内の衆院解散で果たしてその結果は?又もや彼が勝利するのか、仏の顔も三度迄と今度は国民も目を覚ますだろうか。
 それにしても野党の不甲斐無さには呆れ果てる。彼等には政権奪回の意図は持て無いのだろうか、政権運営に自信が無いのだろうか。与党が負けても、野党の連立政権は可能なのだろうか・・・その覇気が有るとも思えない。折角チャンスが巡って居るのに・・・山本太郎さん何とかしてください。
 その気があるなら、ソロソロ次期政権のシャドー・キャビネット構想を建て、大きな目標を発表し国民に披露する段階まで進まなくては間に合いません。立民・国民・社民・共産が挙げて山本氏を担ぐ程の大英断で無ければ、国民を動かせ無いと思いますが。







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「身の丈」発言だけじゃ無い 萩生田文科相と認可再申請中の「幸福の科学大学」の危うい関係


 

 「身の丈」発言だけじゃ無い 

 萩生田文科相と認可再申請中の「幸福の科学大学」の危うい関係


          〜HARBOR BUSINESS Online 11/7(木) 8:33配信〜


       11-7-10.jpg

     萩生田光一文科相 11月6日衆院予算委員会(衆院インターネット中継より)


 幸福の科学学園、再び大学の設置認可申請

 学校法人幸福の科学学園が10月25日、同日に文部科学省に対して「幸福の科学大学(仮称)」の設置認可を申請したと発表した。同大学の認可申請は、前回〈科学的合理性が立証出来て居無い「霊言(霊言集)」を本大学における教育の根底に据えると云う事は(略)認められ無い〉(文科省発表資料)として不認可とされて以来、5年振り2度目。

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         幸福の科学大学(予定 現HSU)の校舎

 前回の申請時は3学部の予定だったが、今回の再申請では4学部に大学院1を加えての申請と為った。1年半後の2021年4月開学予定として、文科相の諮問機関である大学設置・学校法人審議会大学設置分科会(以下、審議会)の審査を受ける。

 同大学に付いては、再申請前に日刊ゲンダイ(2019年10月5日発売号)が一早く察知し「萩生田文科相の後押しで「幸福の科学大学」遂に開学か」と報じた。別ページとは言え広告絡みと思われる幸福の科学の映画紹介記事が載った紙面だった。
 教団と広告での付き合いは在っても報道に於いては忖度しない、日刊ゲンダイならではの気骨ある単独報道だった。日刊ゲンダイが報じた萩生田光一文科相の関係を補足しながら整理してみたい。

 



 幸福の科学大学は前回なぜ不認可になったか

 幸福の科学大学は「学校法人幸福の科学学園」が開学を計画して居るもの。学校法人は2010年に幸福の科学学園那須校(栃木県那須町)2013年に同関西校(滋賀県大津市)と云う2つの中高併設校を開校させて居り、大学は未だ無い。
 2014年に大学の設置認可を申請したが不認可とされ、無認可の言わば私塾と言えば聞こえが好いが、実質、信者養成の宗教施設として「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ」(HSU)との名称で2015年に「開学」させた。「ユニバーシティ」と名乗って居るが大学は愚か各種学校としての認可も無い為、ここに「入学」しても学歴には為ら無い。しかし、前述の2つの幸福の科学学園(高校)の卒業生の大半が、進学や就職を放棄してHSUに入ると云う状態が現在も続いて居る。

 前回、同大学の設置が不認可とされた理由は単純だ。大川総裁が霊を呼び出したと称して語る「霊言」を科学的根拠があるもので有るかの様に扱う教育内容を予定して居たからである。審議会は、全学部共通の科目の中で扱われる予定だった大川総裁の著作に付いて〈「霊言(霊言集)」を科学的根拠として取り扱う旨の記述が為されて居る〉(文科省発表資料より)と指摘。以下の様に結論付けた。

〈この様な科学的合理性が立証出来て居ない「霊言(霊言集)」を本大学に於ける教育の根底に据えると云う事は、学校教育法第83条第1項の「学術の中心」としての大学の目的を達成出来るものとは認められ無い。又、大学設置基準第19条第1項の「体系的に教育課程を編成する」及び同条第2項の「専門の学芸を教授し、幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養する様適切に配慮」の各要件を満たして居るものとは認められ無い。
 尚、念の為付言すると、本指摘は、宗教活動に於ける「霊言(霊言集)」の意味や妥当性に言及して居るものでは無く、飽く迄学問的な見地からの指摘である〉(文科省発表資料より)


 宗教系の大学を認め無いと云う訳では無いし、大学に於ける宗教教育も否定して居無い。大学は学生の総合的な判断力を養う事を目指すべきであり、科学や学問と教義とを混同する大学は認められ無い・・・と云う理屈だ。宗教の教義を教えたいなら宗教団体で遣れば好い。大学にしたいなら、大学ではチャンとした学問を教えろと云う・・・極当然の話だろう。

 



 「不可」答申の半年前から教団は〈戦闘モード〉に

 同大学は、只不認可に為っただけでは無い。以降5年間は認可し無いとするペナルティも付け加えられた。審議会は「不可」の答申を行う半年程前、幸福の科学学園側に「是正意見」を出して居る。40カ所に及んだ是正意見の内、特に以下の3点が教団の逆鱗に触れた。

 (1) 学部名に前例が無い
 (2) 大学で幸福の科学の教義を教える事に疑義がある
 (3) 教団職員を長く務めて来た人物は学長として認められ無い


 同年6月に大川総裁は、下村博文文科相(当時)の守護霊を呼び出したと称する「霊言」を収録し、書籍『文部科学大臣・下村博文守護霊インタビュー』として発刊した。8月にも第2弾として『文部科学大臣・下村博文守護霊インタビュー(2) 大学設置・学校法人審議会の是非を問う』を発刊した。
 信者向けの映像メッセージとして、教団幹部がこう言い放つ場面もあった。 「私達は、この修正は到底受け入れられ無いものとして、信仰を懸けて闘う予定」
 
 1冊目の霊言本には下村氏の他、崇教真光と云う別の宗教団体の教祖・岡田光玉(故人)の霊を呼び出したと称する内容も収録されて居た。内容を総合すると「邪教」である崇教真光の教祖が下村氏を操って、幸福の科学の妨害をして居るかの様に印象付ける内容だった。しかも、この書籍を教団側は審議会関係者達に送り着けた。
 審議会は同年10月に同大学を「不可」とする答申。その際、別途〈幸福の科学大学(仮称)の審査過程における申請者の不適切な行為に付いて(報告)〉を行い、文科省はこれも同時に公表した。そこには、幸福の科学による霊言本発刊や審議会関係者への送付に付いて、こう書かれて居る。

〈通常の審査プロセスを無視して、認可の強要を意図すると思われる様な不適切な行為が行われた事は、極めて遺憾である。本審議会としては、学校法人幸福の科学学園による上記の行為は、大学設置認可制度の根幹を揺るがす恐れのある問題であると考えて居り、大学設置認可に係る公正な審査を期す為にも、文部科学大臣に上記事項を報告するものである〉

 「脅す様な言動」にも反省無し

 この時点で、文科省の担当者は私の取材にこう説明した。

「彼等(幸福の科学)は、文科省の職員に対して、認可を求めて脅す様な言動も取って居ました。こうした事から、大臣による不認可決定の際には、同学校法人が大学の設置認可を再申請しても最長で5年間は認可しないとするペナルティの対象とする事も決定される見通しです。その期間が何年に為るのかは、学校法人側への聞き取り等を行いながら、追って決定します」
 
 文科省は「脅す様な言動」の具体的な内容は明かさ無かった。処が、幸福の科学自身がこれを公表した。幸福の科学側は審議会の答申やこの報告に反発し、文科大臣だけでは無く審議会関係者の守護霊まで呼び出し(たと称して)文科省側を詰る霊言を連発。私が把握出来ただけでも、下村大臣(当時)の霊言は審議会による是正意見が為されてから同年10月末までに少なくとも8回も収録されて居る。
 又幸福の科学は不認可と為った後、文科省に対して異議申し立て等の文書も繰り返し送付。「幸福の科学大学(仮称)」のウェブサイトに逐一掲載した(現在は全て削除)その中に、文科省側の言い分を引用する形で、「脅すような言動」に関する説明が含まれて居た。

〈本件処分に於いては「8月L日(水)及び8月20日(水)の申請者側からの事務相談に於いて、申請者(学校法人理事長)から文部科学省担当者に対して「宗教法人の連中は過激な奴が多く、それを私が抑えて居る」と行った趣旨の発言があった」この行為は「直接的な物理的危害を連想させる様な発言」で「設置の可否の判断に当たって心的圧力を掛ける意図があるものと認められる」等とされて居る〉(同年12月9日付『下村博文文部科学大臣の処分の不正を明らかにする弁明書』)

 ここから、文科省側が学校法人理事長(当時は木村智重氏)による「宗教法人の連中は過激な奴が多く、それを私が抑えて居る」と言った趣旨の発言を問題視して居た事が判る。幸福の科学側は同じ文書の中で、文科省が指摘する様な発言は無かったと主張して居るが、その内容はこうだ。

〈本学園が保有している詳細な記録によれば、理事長のココでの発言は「幸福の科学教学」は、宗教法人に取って最も大切な部分であるから、文部科学省が従前認められる様な発言をして居たにも関わらず、認められ無いのであれば、宗教法人は納得しない、宗教法人にはデモ行進等を行いたいと考えて居る人も一部居ると云う趣旨のヤリ取りにす議ない。
 客観的事実として、理事長が「宗教法人の連中は過激な奴が多く、それを私が抑えて居る」等とは述べて居らず、事実としても全くねじ曲げられて居る。更に、その言い方も、冗談交じりの極めて穏当な調子の表現に過ぎないものだったのである〉(同)

 
 木村理事長の発言内容に付いては、双方の主張が食い違って居る。しかしどの道、教団側が文科省職員を脅した事に変わりが無い様に見える。デモをするのは自由だろうが、事前にデモを予告する事によって文科省側の対応を変えさせ様とするのは、審議会が報告書で書いた通り「通常の審査プロセスを無視して、認可の強要を意図すると思われるような不適切な行為」と言われても仕方無いだろう。

 第三者からは問題行為にしか見え無い内容だが、教団側は自ら堂々と発表し正当性を主張して居る。これを問題のある行為だとは全く認識出来て居ない様だ。寧ろ自分達が何も間違って居ないことを示す根拠だと信じ込んで居る事が見て取れる。当然、反省もして居ない。
 後に、下村文科相による「不認可」決定が為され、以降認可しないペナルティの期間は最長の「5年間」と確定された。当たり前だ。

 



 「ゴールデンエイジ」に向けたスケジュールが破綻

 大川総裁は2020年に日本は黄金期を迎えると予言して居る。これを「ゴールデンエイジ」と呼び、その担い手として若い信者を養成する為に教団が取り組んで来たのが幸福の科学学園や幸福の科学大学と言った教育事業だ。
 ゴールデンエイジとは事実上、地球至高神エル・カンターレである大川総裁を頂点とした教勢の拡大を意味して居る。その中で幸福の科学大学は、幸福の科学が育成した人材を世に送り出す「エル・カンターレ文明」の発信基地と位置付けられて居た。当初2015年の開学を目指して居り「ゴールデンエイジ」が実現する2020年に一期生が卒業し社会に羽ばたく筈だった。

 国会議員を利用し文科省職員を脅して迄認可に漕ぎ着け様とした必死さは、こうした宗教的な背景も関係して居るのだろう。しかし不認可に。そして5年間認可しないとのペナルティが加わった事で「ゴールデンエイジ」が始まる年に幸福の科学大学の一期生を世に送り出す「神の計画」は絶望的と為った。
 長く為ったが、前回の同大学の設置申請が如何に無茶苦茶なものだったか、お判り頂けただろうか。この大学申請劇の中で、幸福の科学側に立って「仲介役」として立ち回ったのが、当時は閣僚でも何でも無い衆院議員だった萩生田光一・現文科相である。

 学長の「名義貸し」まで教団に指南した萩生田文科相

 萩生田氏の関わりも、前述の経緯の中で教団が自ら「幸福の科学大学(仮称)」のウェブサイト上で公表した。この点に付いても、教団側は問題のある内容だと云う認識が無かったのだろう。

 〈6月10日の面談に於いて、今泉前室長(文科省大学設置室長・当時)は、自由民主党総裁特別補佐である萩生田光一衆議院議員の仲介による調整に依って「幸福の科学大学」の学長候補者を九鬼副理事長から別の人物に替えて、九鬼副理事長は「総長」として置く事とすれば、細かい問題はあっても工夫によって大学設置認可が可能であるとの趣旨の発言をして居た〉(同年11月26日付文部科学大臣の不正行為に関する弁明請求書)

 同大学は学長を九鬼一氏に予定し申請して居た。HSUウェブサイトにあるプロフィールによると、九鬼氏は大学卒業後に大手石油会社に入社後、1993年に幸福の科学に「奉職」とある。幸福の科学の職員(出家者)と為ったと云う意味だ。その後、教団の研修指導局長や幸福の科学出版社長を歴任し、2012年から学校法人幸福の科学学園理事長。大学申請時には副理事長(大学設置構想担当)だった。
 多少の一般社会人経験はあるにしても、大学運営や大学での教育・研究に関わった経験は無い。審議会側は、この九鬼氏を学長とする同大学の計画に是正を求めて居たと思われる。この点に付いて、萩生田氏が行ったとされる助言を、幸福の科学はこう説明して居る。

〈それと同様の発言として、5月27日に行った大学関係者と萩生田議員との話し合いの中でも「学長を変えると云うのは九鬼さんの人格を否定して居る訳で無く、正直言って、今後暫く我慢した方が得なんじゃないかと。これはもう、役所がそう云うアドバイスしたって事に為ると大変なんだけど、今までの例を見ても、ヤッパリそこは経験のある、正直言うと名前だけ借りてスタートして、それで一年間の内に、九鬼さんが副学長とか、そう云う経験を積んで、その間に一つ論文でも出して置けば、2年目からは堂々と学長遣れるから、そこではもう、介入出来無いから」と、萩生田議員からも学長を変えれば開設出来ると云う旨のアドバイスがあった〉(同)

 誤魔化して申請を通す為の、事実上の名義貸し指南である。大川総裁が審議会の是正意見に反発して下村文科相の霊言を公表した際には、書籍発刊直前に下村氏自身が幸福の科学関係者に電話をして来たと云う。

〈本をストップする事で、遣り様は未だある。未だ、間に合うから。役人がコピーを持って来た。それを見て驚いた。罵詈雑言が書いてあるではないか。これ迄、萩生田から電話があって、一生懸命遣って居るとは聞いて居た。学部名はクリアして、後は九鬼と云う人が学長で無ければ為ら無いと云う処を、一年我慢してバトンタッチするヤリ方はあると提案して居たが・・・兎に角、誹謗中傷の内容である。今だったら、対応の仕方がある。本部のしかるべき人に話をして呉れないか。本(霊言書籍)のストップ(出版中止)は当然の事だ。(中略)今だったら対応の仕方がある〉(同)

 下村氏のこの電話の内容が事実なら、萩生田氏は下村文科相にも進捗を報告し、下村文科相自身も幸福の科学側と交渉して居た事に為る。申し訳無い事に、萩生田氏が何故幸福の科学の為に奔走したのかは判ら無い。元々幸福の科学と付き合いがあった事が窺えるのは、下村氏の方だ。
 幸福の科学側は一連の下村霊言の中で、下村氏が都議時代に幸福の科学に入信して居たと公言して居る。「霊」の言葉では無い。霊にインタビューして居た教団職員の言葉として記録されて居る。

 しかし下村氏が殊更に幸福の科学に入れ込んで居る印象も無い。元々複数の宗教、スピリチュアル関係者、ニセ科学関係者との付き合いが指摘され、文科省時代には「文部疑似科学大臣」等と揶揄された下村氏だ。付き合いのある宗教団体の一つとして幸福の科学の行事に参加した際に、入信した事にされてしまって居ただけと云う可能性も考えられる。
 その下村氏に付いて幸福の科学は、前述の通り激しく非難した。大学を不認可にされた直後、2014年11月に行われた衆院選では、幸福実現党が下村文科相の選挙区である東京11区に「下村めい」と云う同姓候補者を「刺客」として送り込んだ。勿論落選したが、ここまで遣ってしまった以上、既に幸福の科学と下村氏との友好関係はぶち壊しだろう。

 しかし前回の申請時に仲介役として立ち回って呉れた萩生田氏に付いては、幸福の科学は非難して居ないし「霊言攻撃」もして居ない。萩生田氏が絡んだ前回の申請の経緯を記載した書面は、萩生田氏が文科相に就任後に全てウェブサイト上から削除された。伝聞ではあるが、信者達の間では大学の認可に向けて萩生田氏に期待する声があるとも聞く。

 無認可のママ開設されたHSUの実態

 大学は不認可とされたが、幸福の科学は大学用に作った施設を無認可のママ「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ」(HSU)」として開設した。文科省に確認した処、学校の認可を受けて居ないものを「大学」と称する事は出来無いが、「ユニバーシティ」と名乗る事を禁じるルールは無いと云う。
 大半か、下手をしたら全学生が幸福の科学信者と思われるHSUの授業内容は不明だ。しかし、HSUの目指す教育が教義と学問を混同したものである事は、様々な面から伺い知る事が出来る。

 私の手元に「幸福の科学大学シリーズ」と銘打った幸福の科学の書籍の内容をテキスト化したデータが89冊分ある。前回の大学申請前の2013年から不認可と為った後の2015年迄に発刊されたもので、同大学に問題を感じた幸福の科学脱会者やウォッチャー達が、内容を検証する為に書籍をかき集めデータ化して呉れた。

 『もし湯川秀樹博士が幸福の科学大学「未来産業学部長」だったら何と答えるか』(幸福の科学大学シリーズ16)『吉田松陰「現代の教育論・人材論」を語る』(同73)『ヘーゲルに聞いてみた−ドイツ観念論哲学の巨人が「現代」を語る−』(同80)等(何れも著者は大川隆法)

 「大学」と銘打ったシリーズでありながら霊言が収録されて居る。1つ1つを見て行くと頭がクラクラするので、ここではキーワードによる検索結果だけ紹介しよう。本文以外の目次、ページ毎のヘッダー、巻末にある別書籍の紹介等も検索対象なので、数値は飽く迄も大雑把なものだ。
 例えば89冊を「霊言」と云うワードで検索してみる。83冊から計1,280カ所がヒットした。「守護霊」は80冊、459カ所。「霊界」は63冊、423カ所。「悪魔」は43冊、213カ所。幸福の科学では宇宙人は存在すると信じられて居り、大川総裁は頻繁に「霊言」で宇宙人の霊も呼び出して居る。そこで「宇宙人」で検索してみると27冊、230カ所がヒットした。「UFO」は23冊、117カ所。

 検索するだけでも、矢張りクラクラしてしまった。「幸福実現党」と云うワードで検索すると84冊、281カ所がヒットする。冊数で言えば「霊言」より多い。前述の通り、教育基本法では学校による政治活動や政治教育が禁じられて居るのだが。この他に「HSUテキスト」と題したシリーズもあり、上記が全てでは無い。
 HSUでは大学祭を模した「HSU祭」が開催される(今年は何故か中止された)これ迄、宇宙人の解剖模型展示や、コンピューターに仏法真理(幸福の科学の教義)を教え込んでAI(人工知能)を開発すると云うプロジェクトの展示等、矢張り頭がクラクラする様な企画が散見された。このAIは「SHINRI」と呼ばれ、宇宙人毎の善悪を見極める事が出来ると云う。

 2018年のHSU祭では「愛国サークル」為るサークルが「真実の歴史博物館」と題する展示を行った。大東亜戦争を正義だったとする内容で、配布資料には、日本に対して「韓国国民は尊敬を、日本国民は誇りを抱くべき」等と書かれて居た。同時に、東京裁判を「茶番以外の何ものでも無い」とする「パール判事の霊言」も掲載されて居る。
 「塚本幼稚園の大学版か!」と言いたく為るが、好くあるネトウヨ的な歴史修正ともひと味違う。何せ「霊言」が根拠の一つなのだ。教義と客観的歴史の境界線が全く無い。最早ネトウヨ云々以前の問題だろう。

 



 「認可が降りたら逸脱も有り得る」!?
 
 前回の大学設置認可の申請の前年、大川総裁は教団内での講演で、こう語って居る。

「認可が下りる迄は一応、文科省の指導方針に合わせた方向で作って行くが、逸脱して行く事は当然有り得る」
 
 どの様な方向性で逸脱したいと考えて居るのかは、ここで紹介したHSUの実態を見れば明らかだろう。霊言だの宇宙人だのと云う教義と学問とを混同した教育であり、場合によっては「ネトウヨ以前の問題」を抱え隣国を見下す歴史修正学生をも生み出す様な教育だ。
 少なくとも幸福の科学を長く取材して来た身としては、こう為る事は2014年の申請の前から判り切って居た。申請の前から、大学関係者が信者向け映像で「UFOや霊界の技術を研究する」等と口走って居た。又大学の設置を申請して居る学校法人幸福の科学学園は、既に開校済みの幸福の科学学園(中学高校)で、歴史の授業中に教師が霊言に基づいて歴史上の人物の「過去世」を教えたりシュメール文明の王が「レプタリアン」(宇宙人の一種)の指導を受けて居た等と教えたり、又別の科目では幸福実現党を支持する政治教育の授業をしたりして来たのだから。

 これが、前回の申請時に萩生田・現文科相が「名義貸し」まで指南した大学の計画の実情だ。国会議員の行いとして、これだけで十分に問題だろう。その萩生田氏が、今文科相である。
 冒頭で紹介した日刊ゲンダイの記事は、これを「モリカケに続く学園モノか」と評して居る。折角の「蕎麦つながり」の「モリカケ」だ。蕎麦に繋げ様が無い「幸福」が加わら無い事を願いつつ、今後も注視して行きたい。


               取材・文 藤倉善郎 

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 藤倉善郎 ふじくらよしろう やや日刊カルト新聞総裁兼刑事被告人 Twitter ID:@daily_cult4

1974年東京生まれ。北海道大学文学部中退。在学中から「北海道大学新聞会」で自己啓発セミナーを取材し、中退後、東京でフリーライターとしてカルト問題の他、チベット問題やチェルノブイリ・福島第一両原発事故の現場を取材 ライター活動と並行して2009年からニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(記者9名)を開設し、主筆として活動。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)

           ハーバー・ビジネス・オンライン  以上

 



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 エッセイ 学術的クリトリスの話



 

 エッセイ 学術的クリトリスの話
  
                〜Chihiro@Chichisoze〜


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 日常的に外国人に接して居ると、教科書を使って勉強して居るだけではナカナカ覚えられ無い、生活の中で使う単語や表現に出会う事がある。そう云う表現の中で、私が一番好きなのは冷蔵庫の「野菜室bac à légumes」だ。どうしてそんな話の流れに為ったのかはもう忘れてしまったけれど、当時まだ付き合い始めたばかりだったフランス人の夫が教えて呉れた。日本語では「室」と言うけれど、フランス語では「桶 bac」なのだ。
 そして、その夫とこの度離婚する事に為った。出会ってから7年、結婚してから4年が経って居た。奇妙なユーモアの持ち主の夫は、私達の付き合いを振り返って「最初の7年は好かったね」と言った。私は泣いた。もう自分でも結婚生活を続ける意志は無いのに、それでも悲しかった。

 大学の指導教官に言われた事を思い出す。研究を辞めて就職をしようとして居た時だったと思う。「何をしても茨の道だから好きな事を遣りなさい」と言われた。結婚生活を続けても別れても、どちらを選んでも茨の道だろう。だったら、夫々が遣りたい事を遣れる方が、お互いの為の様な気がして居る。

 サア、湿っポク為ってしまったけれど、気を取り直して読書日記だ。今回でこの連載も4回目。4回目と言えばソロソロマンネリが心配だ。何度も反芻して居る内に、自分で思い付いた事なのか人の言った事なのか、段々わから無く為って来るフレーズと云うのがある。
 私の場合、それは「人生に大切な事は全て映画『スクリーム2』のトレイラーから学んだ」と云うものだ。私はこのフレーズを、絶対に過つて何処かで目にした事があるのだけど、何処だったのかどうしても思い出せない。
 そのトレイラーの中では確か、映画マニアの男の子がホラー映画の法則に付いて話して居て、マンネリに為ったらエロ要素を追加、とか何とか言って居た*。

 そうだ、エロだ。そう云う訳で、今回はマンネリ打開策として、エロと云うかセックス方面に大きく舵を切って、ムッシューとマダムがニャニャニャ・・・みたいな話をしようと思う。 とは言え、ムッシューの出番は余り無い。何故なら、今回取り上げたいのはクリトリスの話だから!!ニャニャニャ!!

 



 1、ジャン=クロード・ピカール『クリトリスの途方も無い物語』(Jean-Claude Piquard, La fabuleuse histoire du clitoris, H&O, 2012)

 ジャン=クロード・ピカールは、フランスの性科学者。学生時代に医学教育でクリトリスが全く扱われて居無い事に気が付いた事が切っ掛けで、クリトリスの歴史を研究する様に為った。本書ではその研究成果が、多数の図版を引用しながら一般向けに判り易くまとめられて居る。
 最近まで私は、最新の科学でクリトリスがどう論じられて居るかなんて考えた事も無かったし、歴史的にクリトリスの意味付けが変わって来た事も全然知ら無かった。考えてみれば、クリトリスに付いて学校でキチンと習った事も無かった気がする。しかも、その事を特に疑問にも思って居なかった。

 学校の性教育では、卵巣がどうとか子宮がどうとか生殖に関する知識は教えられる。でも、生殖に直接関係が無いクリトリスは、快楽に付いての話を抜きに語る事が出来無くて、だからタブー感が強いのだろう、キチンと教えられた覚えが無い。
 皆が平等に正確な知識にアクセス出来る様にするには、教育の枠組みで扱う以外に方法が無いのに、クリトリスと云うか女性の外性器に関しては全然それを遣って居ないのだ。こうした状況は、フランスでも余り変わら無い様で、本書では第1章でその事を示す象徴的な研究が紹介されて居る。

 2009年、アニー・ソティヴェと云うアーティストが「10代前半の若者の性に関する知識・表象・実践の現状」と云う調査を発表した。(ピカールのウェブ・サイトで公開されている)ソティヴェは若者のセクシャリティに付いて調査する為に、或る中学校の生徒に性器の絵を描かせ、各部の名前を選ばせるアンケート調査を行った。

 調査は13歳の学年6クラスと14歳の学年6クラスの合計12クラス、316人を対象にして無記名で行われた。1校のみでの実施だが、同僚の助けを借りて他校で行った場合でも結果は同じだったと云う。
 その結果、男性器については男女共、80%の生徒が「正しく」或は「十分に正しく」描く事が出来たのに対し、女性の外性器に関しては、正しく描けたのは男子の28%、女子の16%に過ぎ無かった。男子のおよそ4人に1人、女子は6人に1人の割合だ。

 14歳の女子が描いた女性器と男性器・・・女性器のキャプションは上から「膣、処女膜、大陰唇、尿道口、小陰唇、クリトリス」とあり、自分が描いたデッサンと対応する部位を線で繋いで示す様に為って居る。男性器のキャプションは上から「睾丸、ペニス、亀頭、尿道口」14歳女子による女性器と男性器・・・女性器は描けて居ない。

 正しく描けた例・・・フランス語では、大陰唇は「grandes lèvres大きい唇」小陰唇は「petites lèvres小さい唇」と云うのだが、全く知識の無い生徒は文字通り唇の絵を描いて居る。 13歳女子は唇の絵を描いて居る。
 クリトリスの場所を正しく描く事が出来たのは、13歳女子の5%14歳女子の18%だけだった。又「貴女にはクリトリスがありますか」と云う質問に対し、62%の女子(13歳で49%14歳で76%)が「ある」と言い、30%が無回答8%は「無い」と答えて居る。更に「クリトリスの機能は何ですか」と云う質問に対し、女性が快感を得る為の器官だと正しく答えられたのは13歳女子の16%14歳女子の35%だった。

 このアンケートは最後に自由記述欄があり「恥ずかしい」とか「ゲエッ」と云う感想に交じって、生徒達のもっと知りたいと云う気持ちが見て取れたと云う。「こう云う事に付いては話さ無いけど、興味がある。でも何も知ら無い」等。
 ピカールはこの章を出発点にして、クリトリスに関する情報が正しく行き渡って居らず、隠されて居るのは何故なのかを解明する為に、2章以降で古代から現代までのクリトリスの歴史を辿って行く。 そして、その歴史の部分をとても可愛いアニメーションにマトメたのが、次に紹介するロリ・マレパール=トラヴェルシーの『クリトリス』だ。

 



 2、ロリ・マレパール=トラヴェルシー『クリトリス』(Lori Malépart-Traversy, Clitoris)

 ロリ・マレパール=トラヴェルシーはカナダのモントリオール出身の女性アニメーション作家。上記『クリトリスの途方もない物語』を読み、2016年に『クリトリス』と云うドキュメンタリーアニメーションを発表した。この作品は兎に角可愛くてスタイリッシュなのだけど、クリトリス関係の知識がとても好くまとめられて居る。ビデオはフランス語で英語の字幕付き。 ザッと訳すと、こんな様な内容。

 ・・・女性はラッキー。だって、女性には人体の中で唯一快楽の為だけに存在する器官「クリトリス」があるから。
 目で見る事の出来る小さな先端部分は、実はクリトリスの亀頭。氷山の様に、一番大きな部分は体内に隠れて居て、長さ10pの2本の根が両側に伸びて居る。女性が膣オーガズムに達する事が出来るのは、この根のお蔭。クリトリスは小さなペニスみたいなもので、興奮すると充血して大きく為る。でも、ペニスより擽(くすが)ったがり。
 クリトリスは、男性達に何度も発見され再発見されて来た。古代には知られて居たのに、イタリアの外科医レアルド・コロンボが正式にクリトリスを発見したのは1559年に為ってから。その2年後には、別の男が自分こそクリトリスの発見者だと主張する。その後、クリトリスはシバシバ忘れられ、本の中でも間違って描かれて来た。

 多くの男性がクリトリスと女性のオーガズムに付いて議論した。古代ギリシアと中世ではオーガズムは妊娠の為に推奨されて居た。19世紀までカトリック教会は、オーガズムを感じる事で性的緊張を解(ほぐ)す様、女性達に勧めてさえ居た。けれど19世紀に為ると、医者達がオーガズムはヒステリー等女性の病気の原因に為ると主張し、クリトリスは全く役に立た無い器官であると決め着けた。
 その後、クリトリスの宿敵フロイトが膣オーガズムと云うコンセプトを発明する。そして、成熟した女性は男性器の挿入によってオーガズムに達さ無くては為ら無いと宣言した。こうしてクリトリスの暗黒時代が始まる。今日でもクリトリスは日陰の存在だ。クリトリスへの愛撫はシバシバ単なる前戯と見做される。クリトリスは愛されたいだけなのに。それに、折角快楽の為だけにあるのだから使ってみたらどう?・・・

 
 最近、こんな風にクリトリスが見直されて、一寸したブームに為って居る。それはヤッパリフェミニズムの大きな流れの中で、男性の快楽中心の従来のセックスのあり方が見直される様に為った事と関係があると思う。
 クリトリスは男性のペニスが無くても女性が快楽を得られる器官で、それ故、家父長制の中では存在を無視されて来たし、フロイト以降、クリトリス・オーガズムは膣オーガズムに比べて未熟なものと見做されて来た。そうした事への批判がポップカルチャーやアートを通じて表現されて居るのが、最近の状況なのかなと思う。

 



 3、アレクサンドラ・ユバン、カロリーヌ・ミシェル『クリトリス革命』(Alexandra Hubin, Caroline Miche, Entre mes lèvres, mon clitoris : Confidence d'un organe mystérieux, Groupe Eyrolles, 2018)

 そして最近、要約日本語で読めるクリトリスに付いての本が出版された。『クリトリス革命』(永田千奈訳、太田出版)だ。クリトリス革命 ジェンダー先進国フランスから学ぶ「わたし」の生き方 - 太田出版

 全ての女性に捧げる・・・ 真のジェンダーフリーはココから始まる この小さな器官をもっと知れば幸せを掴める! 喜び、幸せ、愛。クリトリスは女性に秘められたも...アレクサ…www.ohtabooks.com

 フランス語の本で、フランス語版の装画は『クリトリス』のアニメを作ったマレパール=トラヴェルシーが担当して居る。 著者は、性科学者アレクサンドラ・ユバンとフリーランスジャーナリストのカロリーヌ・ミシェルと二人の女性。
 クリトリスに纏わる最近の研究成果や実践的なアドバイスを紹介して居る。性の話題は人によって捉え方も違うし、常にとてもセンシティブなものだけど、友達に語り掛ける様な語り口で、しかも真摯に書かれているので、誰にでも読み易い本じゃないかと思う。女性誌のセックス特集を読んだ思い出みたいな、女性の一寸恥ずかしい共通体験が肯定的に描かれて居るのも好かった。

 類書とは違って、歴史や事実の記述だけで無く、どうやってポジティブに自分の性と向き合うかに付いても、可なりのページが割かれているのが特徴だ。実践的なアドバイスもあるけれど、ハウツー本では無いので余りに生々しい記述や、変な図解は無く、どちらかと云うと心構えが中心。

 勿論、クリトリスに関する近年の研究成果も詳しく、判り易く紹介されて居る。特に第2章「クリトリスの復活」では、
 1953年の『キンゼイ報告』(膣よりもクリトリスの方が敏感と発表)から、
 マスターズ&ジョンソンの研究(女性のオーガズムは全てクリトリス由来と特定)
 アン・コート「膣オーガズムの神話」(1968年 マスターズ&ジョンソンの研究結果をフェミニズムの視点から再解釈。女性の快楽が軽んじられて来たことを批判)
 シェア・ハイト『ハイト・リポート』(1976年3000人の女性のデータに基づき、クリトリスこそ女性の快楽の中心と結論付ける)
 ヘレン・オコネルのMRI画像(1998年クリトリスの解剖学的構造を解明)
 オディール・ビュイッソンとピエール・フォルデスのエコー画像(2008年オコネルの発見を確認)

 に至るまで、20世紀後半以降の重要な発見がコンパクトにまとめられていて必読だ。日本語で読める本なのでぜひ読んで観て欲しい。

 



 性の話題は好き嫌いもあるだろうけど、クリトリスに付いては余りにも知られて居ない事が多いので、今回取り上げてみた。コッソリ読んで貰えたら嬉しい。 ウヒッヒツ(恥)!・・・


                以上


 



 





 



それは「悪魔の乳首」として恐れられた・・・クリトリス小史


  

  古代ギリシャから魔女裁判、フロイトまで

  それは「悪魔の乳首」として恐れられた クリトリス小史



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            〜ハアレツ(イスラエル)Text by Noa Manheim〜

 〜自分の身体の一部でありながら、多くの女性に取っては未だにその名を口にするのも恥ずかしい器官、それがクリトリスだ。それはこの器官の歴史が、身体の他のどの部分よりも遅れたものであるからかも知れ無い。発見の切っ掛けは魔女裁判、アリストテレスやフロイトでさえも真の理解には辿り着け無かった、この奥深い器官。サア、今こそクリトリスの歴史を学ぼう〜


 



 魔女の死体から発見された「悪魔の乳首」

 湿っポク冷たい或る朝の事、イギリスはケンブリッジシャーのウォーボイーズ町で、大地主の娘であった10歳のジェーン・スロックモートンと云う少女が病気に為った。この時、彼女は自分に呪いを掛けたとして、アリス・サミュエルと云う一人の老婦人を告発した。
 これは1589年に起きた出来事で、当時はヨーロッパの魔女狩りが最高潮に達して居た。ジェーンの姉妹5人とその家の女中12人が同じ症状を見せ始め、同じ告発を繰り返した後、76歳のサミュエルは夫と娘と共に投獄された。
 文学研究者のジョージ・キトリッジが「イギリス史上最も重要な魔女裁判」と呼んだ裁判の末に、サミュエルとその家族は全員絞首刑に処されるに至った。

 その後、看守とその妻が行なった検死によって、紛れも無い証拠が発見された。夫婦は、サミュエルの体に「マルで乳首の様な小さな肉片が半インチ程突き出て居る」のを見付けたのだ。彼等はこの事を公表するかどうかを躊躇った。 
 「何故なら、それが着いて居たのは、人に見られるべきでは無い、余りに秘密の場所だったからです」 
 しかし、最終的に夫婦は「この余りに奇妙な問題を隠して置く事を望まず、それが生えて居る処から少し下にある、アノ秘部をキチンと隠してから、それを周りの立会人達に見せる」と云う行動を選んだ。と云うのも、実はこの頃、カトリックの宗教裁判官ハインリヒ・クラーマーが、魔女の体にルシファー自身が吸う「悪魔の乳首」を探す様命令を出して居たのだ。

 



 「無用な部位」と見做されたクリトリス

 「悪魔の乳首」・・・この言葉は、その「小さな肉片」の正体に付いて、疑問を抱く余地を残さ無い程的確な形容だ。しかし、当時その正体を正しく認識出来た僅かな人間は、その閑静な村から遠く離れたイタリアの大学にしか居なかった。
 1559年、パドヴァの解剖学者マテオ・レアルド・コロンボは、クリトリスを男性のペニスと似た様な「女性の快感の座」と呼んだ。そして、幾らか虚勢を張ってこう付け加えた。
 「これ迄に、この突起物やその働きを認めた者は一人も居ない。だからもし、私が発見したものに名前を与える事が許されるなら、それはヴィーナスの愛或は快楽と為るだろう」

 処が、パドヴァ大学での彼の後継者ガブリエレ・ファロッピオ(輸卵管を指すファロピウス管の発見者)は、コロンボの詩的主張に感心せず、自分コソが、この小さな器官の歴史的発見者であると主張したのだ。
  「もし、それに付いて語る者が居る為らば、その者達は私か私の学生から得た知識を語って居るに過ぎ無いと思って欲しい」
   
 ドチラがクリトリスを最初に発見したのかと云う問題は、ルネッサンス期の医学界に騒動を巻き起こした。余りの騒動に、当時解剖学の権威であったベルギー人のアンドレアス・ヴェサリウスは、この問題に付いて意見を述べる必要性を感じ、嘲る様にこう明言した。
 「数人の女性に奇形が認められた事を理由に、他者を無能であると責めるのは筋が通る事では無いし、今回新しく発見されたこの無用な部位は、マルでそれが器官で有るかの様に、健康体の女性に備わって居るものだと考える事には無理がある」
 そして彼はこう締め括った。「私は今迄に一度もペニスの着いた女性を見た事は無いし、小さな男根の退化器官も見た事が無い」

 



 セックスにおけるクリトリスの役割

 解剖学の分野においてヴェサリウスは高く評価され、様々な点に関してローマ時代に医学を確立したガレノス、及び彼の師であるアリストテレスの聖典に異を唱えさえした人物だ。しかし彼も又、古代ギリシャ・ローマ式の男根中心的アプローチを取って居た。
 古代ギリシャ・ローマでは、ヴァギナは女性の生殖システムにおけるペニスの対として考えられて居り、この考えに従うと、クリトリスは存在し無い事に為る。何故なら、クリトリスに相当するものは、男性の体・・・アラユルものの起源である完璧な人体モデル・・には存在し無いからだ。
 
 アリストテレスは女性の射精現象に詳しく、又初めて、ブロンドの女性の方が楽しい思いをすると明言した人物でもある。
 「子宮からの分泌液が排出されるのは・・・色白で、概して女性らしいタイプだ。色黒で男性的な外見の女性には起こら無い」
 にも関わらず、アリストテレスは、何が女性達にその液体を出させて居るのか、それに関する事は殆ど好く判ら無かった様だ。

 クリトリスの謎が解明されるには、或る女性の登場を待たねば為ら無かった。1671年ジェーン・シャープと云うイギリスの助産師は、後に好評を博す事に為る一冊の手引書を出版した。
 その手引き書に彼女が記したのは「気分が高まった時」クリトリスの海綿体組織がマルで小さなペニスの様に伸びる事や、クリトリスによって「女性達の性欲は高まり、性交に喜びを見出す事、そしてそれが無かったら、性交を望む事も喜びを見い出す事も無いだろう」と云うものだった。

 シャープは古代ギリシャ時代から続く偏見の域を出て居らず、オーガズムは男性に取っても女性に取っても同じ様なものであり、受精に不可欠なものであると考えて居た。そして「喜び」が無ければ女性が子を孕む事は無いと警告もして居た。
 それでも、それ以外の部分に関して彼女は時代の先を行って居た。彼女はクリトリスがセックスにおいて果たす重要な役割に気付き、女性は挿入によってのみオーガズムに達する事が出来ると云う仮説を否定したのだ。
 「クリトリスへの刺激は、性交時に感じる愛の喜びの主な快感であり、実の処、その異常な程ウットリする様な快感が無ければ、男でも女でも、愛の為に死のうとする者は居なく為るだろう」と彼女は述べて居る。

 ジェーン・シャープの後に続く科学者達も居た。ゲオルク・ルートヴィヒ・コーベルトと云う科学者は1844年に、ヴァギナは性交時にペニスをスムーズに受け入れる管に過ぎ無いと主張した人物だ。「ヴァギナが、セックス特有の快感を女性の体に生み出す役割を担って居るとは考えられ無い」

 



 クリトリスは「男性的な性格」の器官?

 しかし、エロスとタナトスの権威のジークムント・フロイトは、シャープやコーベルト等の意見に反論した。1905年、フロイトはこの問題に関する情報を体系化しようと動き始めた。彼は次の様に書いて居る。
 「男性は足った一つの性器しか持た無いが、女性には2つの性器がある。ヴァギナは本来の女性器と言われるが、もう一つが、男性器の相似器官であるクリトリスだ。女性の性生活は、一般的に2つの段階に分かれる。第一段階は男性的な性格を持ち、第二段階だけが特に女性的性格を帯びるのだ。詰まり、女性の成長過程には、或る段階からもう一つの段階への移行プロセスがあり、これに類似するものは男性には存在しない」 
 「事を更に複雑にして居るのは、男性的性格を持ったクリトリスが、後の女性的な性生活において機能し続けると云う事実だ。その機能の仕方は非常に多様で、現時点ではとても満足に解明されて居るものでは無い。勿論女性のこうした特質の生物学的原理は判って居らず、それ等に目的論的な意図を見い出す事は一層困難だ」


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    ジークムント・フロイト (1856〜1939) Photo by World History Archive UIG Getty images

 フロイトによれば、クリトリスは未熟な男性的段階に属するものであり、女性として成熟した、真の性的絶頂である膣オーガズムと云う聖杯、或は金の羊毛に辿り着く為に捨て去るべきものだと云う。言い換えれば、自分のペニスには触らず、一寸は俺達のペニスに注意を払って呉れと云う事であろう。
 女性のセクシュアリティはフロイトを悩ませ続け、彼はそのイラツイた気持ちをと或る女性に告白した。その女性とは、フロイトのパトロンで学生でもあり、ナチスが権力を握る前夜のオーストリアからフロイトを連れ出した人物、マリー・ボナパルト妃だった。

 「未だに誰も答えられず、女性の心理を30年に渉って研究して来た私でさえ答える事が出来て居ない大きな問題は『女性は何を望んで居るのか?』と云う事だ」

 それがフロイトの悩みだった。しかし少なくともマリーの場合、答えは簡単だった。彼女の望みは「絶頂に達する事」だったからだ。彼女の夫には同性愛的な性向があり、彼女は夫との初夜を日記にこう書き記している。
 

 「彼のやり方はゾンザイで、乱暴なものでした。マルでその行為を自分自身に強いて居るかの様な……そして彼は謝罪の言葉を口にしました。『僕も君と同じ位嫌なんだ』」

                   以上


 



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【ロングインタビュー】経済学者トマ・ピケティの語る新大著『資本とイデオロギー』論点




 【ロングインタビュー】経済学者トマ・ピケティの語る新大著『資本とイデオロギー』論点


           〜クーリエ・ジャポン 11/6(水) 11:30配信〜

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 フランス人経済学者トマ・ピケティ 1971年フランス・クリシー生まれ 経済的不平等が専門 
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 〜『21世紀の資本』等で知られるフランスの経済学者トマ・ピケティの新著『資本とイデオロギー』が出版され、本国で話題に為って居る。1232頁と云う大著だけに、邦訳が出る迄には膨大な時間とエネルギーが掛かるだろう。例え邦訳が出たとしても、読み切れるかどうかは又別問題だ。その論点は何なのか、何故又新著を出したのか・・・フランスメディア「ロプス」によるピケティ本人への平易なロングインタビューを全訳でお届けする〜

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             ピケティの新刊『資本とイデオロギー』


 資本論のシーズン2が遂に始まる・・・2013年『21世紀の資本』で世界的ヒットを飛ばしたトマ・ピケティが、2019年9月新著をフランスで出版した。書名は『資本とイデオロギー』(未邦訳)。今回も1232頁と云う分厚さであり、内容も前作に匹敵する野心作と為って居る。
 長期の視点から徹底分析されるのは「格差が生まれる仕組み」だ。どんな格差も「自然」に出来るものでは無い。だから、その格差がどの様に正当化されるのかが分析されて居る。

 ピケティに言わせれば、どんな社会の仕組みも永久に続く訳では無い。どうすれば格差を縮小出来るのか。どうすれば資本が少数の手に集中し無く為るのか。新しい社会の仕組みをドンドン想像して行くべきだと云う。
 ソロソロ「私有財産は神聖不可侵」と考えるのを辞めるべきだと云うのがピケティの持論だ。新著の後半では、これから進むべき道が幾つか示されて居る。

 例えば労使共同決定を導入すれば「私有財産の社会化」が図れると云う。又、資産に対する課税を実施し、その税収を財源にして25歳に為った若者にマトマッタ額の資本を一律支給する制度も提案して居る。これは「私有財産の時限化」を狙ったものだ。これは左派に刺戟と活力を与えられる「参加型の新しい社会主義」なのかも知れない。ピケティに話を聞いた。






 『21世紀の資本』2つの弱点

 ・・・又しても分厚い本です。何故このタイミングで出されたのですか。

 前著の『21世紀の資本』が出てから、沢山の事を学ばせて頂きました。殆ど何も知ら無かった国にも招かれ、大勢の研究者と出会い、数百の討論会に出席しました。その様な意見交換を経て、私の考えも新しく為ったんです。
 前著の『21世紀の資本』の内容は、大雑把に言うと「20世紀は19世紀の格差を引き継いで始まったが、2度の世界大戦を経て格差が大幅に縮小した」と云うものでした。1980年代以降、格差の再拡大が始まって居る不安要素も指摘しました。

 只、アノ本には二つの弱点があったんです。第一の弱点は、極めて西洋中心の記述だった事です。今回の本では目線を広げました。勿論今回も「貴族・聖職者・労働者の三身分で構成されて居た社会」が、どの様にして「有産者の社会」に移行して行ったかを書いて居ます。
 しかし、今回はその他にも、奴隷制の社会・植民地社会・共産主義体制の社会・ポスト共産主義体制の社会・社会民主主義体制の社会・インドのカースト・ブラジル・中国・ロシアの事例等も調べました。
 前著のもう一つの弱点は、格差を成り立たせるイデオロギーに軽くしか触れて居なかった事です。このブラックボックスを今回開けてみました。そんな事をしたので、どうしても頁数が増えてしまいましてね。

 ・・・前著より新著の方が好いと云う事ですか。

 そうだと思います。私も進歩して居ますからね。1冊しか読ま無いなら、今度の本を読むべきです。

 



 格差正当化「神話」を見破る

 ・・・新著では、時代を追いながら、格差を正当化するイデオロギーがどの様に変遷して行ったかが非常に長く書かれて居ます。  只、この歴史の記述は、一種の回り道であり、ピケティさんが言いたかったのは「今からでも別の社会制度に移行するのは可能だ」と云う事の様に思えました。今とは異なる社会制度を望むのは、世間で思われて居る程絵空事では無い、と云う事なのでしょうか。

 これ迄「格差レジーム」にどんなものがあったか、その歴史を書いて居ます。結論として出て来たのは、支配的イデオロギーが見掛けより脆いと云う事です。
 格差を作るのは政治です。経済やテクノロジーが「自然」に格差を作りだす訳ではありません。だから、どの社会にも「何故格差があるのか」を説明する物語が必要に為って来ます。何故その格差を受け入れるのが妥当なのかを教える物語も必要です。社会の階層化を正当化し、財産権や国境、租税や教育の仕組みを正当化する物語も必要です。そうした事に関する過去のイデオロギーの歴史を知ると、現在のイデオロギーも距離を置いて見られます。

 私達は過去の時代の格差に着いて不公正で専制的だと思い込み勝ちです。一方、現代の格差に着いては、能力主義の結果であり、活力の源泉であり、閉鎖的な処が無いと思い込み勝ちです。私自身はそう云う見解を一言たりとも信じません。
 資産額にゼロを何個も連ねる資産家を、フランスのマクロン大統領は「ザイルパーティーの先頭に立つ人」と称賛して居ます。アメリカのトランプ大統領も「雇用創出を担う人」と褒めて居ます。昔は宗教の言葉が格差を受け入れさせて居ましたが、大統領のこうした言葉は、その意味で「宗教的」なのです。

 フランス革命の失敗

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 フランスの全私有財産の内「上位1%の最富裕層」と「下位50%の貧困層」が保有する割合このグラフは、フランス革命が格差の解消に失敗した事を示す。19世紀は上位1%の最富裕層が全私有財産の半分を保有し、下位50%の貧困層が殆ど、何故にこの様に為ったのか・・・

 



 私有財産と云う「宗教」

 ・・・19世紀は「財産格差」の黄金期だった事が書かれて居ます。

 フランス革命前の身分制社会は、宗教的な原理にハッキリと基づいて居ました。一方、革命後に成立した「有産者の社会」では、従来の宗教に代わって、私有財産が神聖不可侵なものとして尊重されました。
 そこには一種の高所恐怖症の様な恐れがありました。一度財産権を俎上に載せたら、留まる処を知ら無い事態を招くのではないかと云う恐れがあったんです。パンドラの箱を開けるのを恐れる余り、どんな蓄財でも正当化される事に為りました。犯罪的な蓄財も正当化されたのです。
 例えば19世紀に国家が奴隷制を廃止した時、国家は奴隷の所有者にワザワザ損失補償をして居ます。奴隷の方に賠償金を支払うのでは無くてね!

 フランス国王のシャルル10世は、フランスに反旗を翻したハイチに、フランス人元奴隷所有者への賠償金を支払わせました。その結果、ハイチは巨額債務を負い、それが20世紀までハイチ経済に取っての足枷と為ったのです。

 資本主義を乗り越えて行く時 .

 ・・・どうしてそこ迄財産権への拘りがあったのでしょうか。

 19世紀初頭の人々の脳裏には、未だ革命前の王権の恣意放縦(しいほうじゅう)がありました。だから、合理的な国家が私有財産を守ると云う事に、有産者達は王権からの解放を実感して居たんです。それはこれからオープンな世界が出来ると云う約束でもありました。
 そう考える事が完全に間違いだった訳ではありません。因みに今回の本では、格差を正当化するイデオロギーに着いて、どれも悪の権化の様には書いて居ません。どのイデオロギーにも、それ為りの真実はあるのです。
 (つづく)

   Pascal Riché & Eric Aeschimann


 



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