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2019年08月15日

戦争礼讃の過激思想は「経済失政による国民生活の困窮」から生まれる




 【終戦記念日特集5】
  

  戦争礼讃の過激思想 「経済失政による国民生活の困窮」から生まれる








           〜現代ビジネス 8/15(木) 11:01配信〜



 国粋主義は如何(いか)にして台頭したか

 この時期に為ると毎年、太平洋戦争に関する様々なドキュメンタリー番組が各局で放映される。お盆休みで長期休暇と云う方も少なからずいらっしゃると思うが、実家に帰省してこの様なドキュメンタリー番組を見る機会もあるかも知れ無い。
 今年も様々な切り口から日本が太平洋戦争へ突き進んで行く過程を描いた番組が放映される様だが、8月12日に放映されたNHKスペシャル「かくて〈自由」は死せり 〜或る新聞と戦争への道〜」は非常に興味深い内容であった。

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 当番組は、最近発見された「日本新聞」の記事の解析結果を元に、言論界が如何にして戦争に協力的に為って行くかを時系列で追ったものである。「日本新聞」とは、アノ悪名高き「治安維持法」制定に関わった小川平吉氏が創刊した右派系新聞である。
 「日本新聞」は大正デモクラシー期の1925年に創刊され、10年後の1935年に廃刊と為った。創刊当時、「日本新聞」は、自由主義を謳歌して居た大正期に於いて、国粋主義を主張する超少数派の集うカルト的なメディアであった。だが、10年後には、この国粋主義が国民の圧倒的な支持を得る事と為り「創刊時の目的をホボ達成した」として廃刊する事に為る。

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 一体この10年間の日本に何が在ったのだろうか? と云うのが番組の趣旨であった。この番組では、浜口雄幸首相(当時)が東京駅で狙撃され重傷を負った1930年11月14日を歴史の転換点と捉えて居る様に感じた。
 浜口雄幸は、1930年1月21日にロンドンで開催された軍縮会議で軍の反対を押し切り軍縮条約に調印した。これに憤慨した右翼活動家によって浜口首相は狙撃され死去した。その後「血盟団事件(井上準之助蔵相の暗殺)」「5.15事件(犬養毅首相らの暗殺)」等の右翼活動家らによるテロ事件が頻発し政党政治は瓦解して行く。そして政党に代わって、その後の日本の政治を担って行ったのが軍部であった。


 「日本新聞」を中心とした右系メディアは、政党政治を批判すると同時にテロリスト等に対して同情的な記事を頻繁に掲載する事で世論を転換させた。そして、この右系メディアを上手く利用しながら、世論を好戦的に誘導し政治の主導権を奪ったのが軍部であった。
 即ち、自由主義の象徴であった政党政治の崩壊が右翼活動家のテロを契機に加速し、テロ行為を同情的に描写した右系メディアの世論誘導によって、日本は戦争への道を突き進む事に為った・・・と云うのが番組の骨格であったと思われる。

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                 2.26事件

 そして、その一翼を担ったのが「日本新聞」であり「日本新聞」創刊時に創刊趣旨に賛同した言論人・政治家・軍人の中から戦争を主導した人物が多く輩出されたとされる。


 




 戦争へ向かわざるを得無かった要因

 今回のドキュメンタリー番組は、これ迄存在は知られながら実物が発見されて来なかった「日本新聞」のバックナンバーを発見し、その内容を詳細に分析した点が「売り」だった様だが、内容的には古典的な歴史の教科書の解釈を超えるものでは無かった。

 筆者は、平成のデフレ問題を考察する為に、過去におけるデフレの事例と比較する必要があると考え、戦前昭和の経済に付いて調べた事がある。(『脱デフレの歴史分析 〜「政策レジーム」転換で辿る近代日本〜』というタイトルで藤原書店より上梓させて頂いた)
 そこで、当時出版された雑誌や書物を読み、そして、当時の経済統計を用いた定量分析を行ったが、日本が戦争へ突き進まざるを得無かった要因をマクロ経済の側面から観た場合に、これ迄は見過ごされて来た重要なポイントが幾つか有る事が判った。その幾つかを簡単に指摘すると以下の様に為る。

 1) 大正デモクラシー期の自由主義的社会が崩壊したのは、歴史的には「悲劇のヒーロー」として同情的な扱いを受ける立憲民政党内閣の浜口雄幸首相・井上準之助蔵相の下で断行された「金解禁」が齎(もたら)した深刻なデフレであった。
 その意味で、凶弾に倒れたとは言え、両者の犯した経済失政の影響は深刻だった。彼等の経済失政の帰結は、ドイツのワイマール共和国の経済失政がナチスドイツの台頭をもたらした構図とホボ同じである。

 2) その後、経済失政による政権交代を請けて誕生した立憲政友会の犬養毅首相・高橋是清蔵相の下でのリフレーション政策(高橋財政)は、現在の文脈で云うと、典型的な「財政拡大+金融緩和」のポリシーミックスであった。この中で、金融緩和として日銀による国債引受は、今の「量的緩和」に近いものであった。
 但し「高橋財政」期のリフレーション政策は、経済政策の「レジーム転換」による人々の期待転換の効果が大きかったので、実際にはそれ程大きな金融緩和には為ら無かった。それ処か、日銀による国債引受実施から約半年後には、国債の市中売却(今で言う処の「出口政策」)を始めて居る。
 因みに、当時の日本は「ゼロ金利」状態にも為ら無かった。同時期の米国FRBはゼロ金利・量的緩和を実施したが、当時の日銀はゼロ金利迄は踏み込まずに済んだ。

 3) 但し、昭和恐慌によるデフレ、特に商品価格の暴落によって、養蚕業を中心に農村部の困窮は容易には払拭出来無かった。農村部は軍部に取っては兵力の供給源であったが、同時に当時の農村部は恐慌による需要収縮によって多くの「人口余剰」を抱えて居た。
 1931年9月に勃発した満州事変、それに続く、中国本土での戦争は、軍部に取っては「戦争ビジネス」を通じた既得権益の獲得・擁護、農村部に取っては「人口余剰」の雇用対策に為った可能性がある。もしそうだとすれば、リフレーション政策の行く先が、最早「大正デモクラシーの復活」では無かった事は自明だった様に思える。

 4) 満州事変は「デフレ政策の立憲民主党」から「リフレ政策の立憲政友会へ」のレジーム転換を民衆に強く印象付けると云う意味でリフレ政策を補完する効果が大きかった可能性が否定出来無い。
 そして、その満州事変の戦況を報道する新聞等のメディアは、満州事変を機に発行部数を飛躍的に増加させて居り、メディアは商業上も軍部と「共存共栄の関係」に在った事が容易に想像出来る。当時は、中央紙だけでは無く地方紙も発行部数を大幅に増やして居る。しかも、群馬や長野・山梨と言った養蚕業が盛んな県での新聞販売店売上高が多かった点も特徴的である。その意味で、メディアが戦争を肯定的に報道する点もビジネス的には合理性を有すると思われる。

 5) 高橋是清蔵相は1935年には、リフレーション政策からの出口を模索して居り、国債発行の減額等を構想して居た。だが軍部とメディアに取っては、戦争は言わば擁護すべき既得権益であり、更には満州を新しい経済体制の実験場と考える「革新官僚」に取っても同様であったので、実行のプロセスは兎も角阻止すべき対象であったのだろう。

 歴史に「if(もし)」があるなら、立憲民政党政権下でリフレ政策が実行されて居れば、場合に依っては大正デモクラシー期の様な自由主義が復活して居たかも知れ無い。逆に云うと、軍人が「侮蔑(ぶべつ)の対象」と為って居た大正デモクラシー期は、軍部に取っては絶対に復活させては為ら無い局面であり、この軍部の意向が、政権交代を実現したい立憲政友会の利害と一致した処に戦争の悲劇の遠因があったと思われる。
 そして、立憲政友会のリフレ政策と同時に実行された満州事変によって、軍部は「侮蔑の対象」を脱し、政治の主役に躍り出る事に為った。


 




 経済政策の失敗がもたらす悲劇

 もう一つ興味深い点は、1935年に「日本新聞」が廃刊に為って以降の右派の動向である。確かに、右派が「退廃的・堕落的」と見做し嫌悪して居た大正デモクラシーの自由主義は消滅したが、純粋思想的な右派の抱く「アジアの連帯・解放」に向けて世の中が進んで行ったかと言えば、必ずしもそうでは無い側面がある。

 石原莞爾が絶望した様に、満州国は新興財閥と関東軍の利権搾取の場と化す等、アジアへの進出は、右派の崇高な思想を実現すると云うよりも、利権ビジネス展開が優先される様に為った。
 例えば、アメリカが、当初は満州の共同統治を提案して居た事等を考えると、太平洋戦争も日米経済戦争の一種として見る事も可能かも知れ無い。そして、そう云う展開を忸怩(じくち)たる思いで観て居た国粋主義者も多く居たと聞く。

 以上の様に、大正デモクラシーから太平洋戦争へのプロセスに於いて、右派と言われる人々の立ち位置も様々であり、これ等の人々の主義・主張の変遷を追えば追う程状況が複雑化して好く判ら無く為る。だが、既得権益、若しくは利権の獲得競争と云う経済の視点から観ると、戦争へのプロセスは可なり合理的に説明出来るのではないか。

 最後に当番組には、小林八十吉氏と云う長野県の小学校の音楽教師が登場する。小林氏は、大正デモクラシー期には自由主義的な音楽教育を率先して行って居たが、昭和恐慌による地元養蚕業の壊滅と農村の貧困を観て国粋主義者に転向、小学校教員を辞し右翼思想の普及に奔走する。
 庶民が、経済的困窮に直面して過激思想に傾倒して行く典型例だが、番組中、彼の子息が残された日記を読むシーンで、終戦前4日から日記が破り捨てられて居る事を発見し絶句する。その理由は不明だが、本人が終戦間際に自分の転向が間違って居た事を知ったとすれば悲しい限りである。

 太平洋戦争の一番の教訓は、経済政策の失敗が国民を困窮される事が国家の存続を危うくする程の破滅的な影響を齎(もたら)す事である。その点を改めて認識させられた番組であった。


        安達 誠司   以上



 



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世界一の富裕国のルクセンブルク 何故高級車も高層マンションも無いのか


 

 世界一の富裕国・ルクセンブルク 何故 高級車も高層マンションも無いのか

 
        〜2019上半期BEST5 文春オンライン 8/14(水) 17:00配信〜


 




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          地域エコノミストの藻谷浩介氏 コピーライトマーク深野未季/文藝春秋


 〜2019年上半期(1月〜6月)文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。国際部門の第1位はこちら!(初公開日 2019年4月25日)〜/span>


 「超高齢化社会・少子化の日本はこれからどうやって食べて行ったら好いのだろう」「これから地方都市は次々と崩壊する?」

 ・・・漠然とした将来への不安を抱える日本社会に対して、ルクセンブルクがモデルケースとしてヒントに為ると云う。最新刊『 世界まちかど地政学NEXT 』を上梓した地域エコノミストの藻谷浩介氏が語る、世界の中の日本とその未来とは?

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 国民一人当たりのGDPが日本の2.6倍もあるルクセンブルク

 ・・・ルクセンブルクと云うと、ドイツ、フランス、ベルギーに囲まれた小国で、日本人からすると馴染みの薄い地域です。何故この国に注目して居るのでしょうか?

 藻谷 ルクセンブルク大公国は、佐賀県程度の広さで人口は60万人程の極小国ですが、国民一人当たりのGDP(国内総生産)は10万ドル超、詰まり日本の2.6倍以上もある世界一の富裕国です。
 今から30年程前、私が未だ大学生の頃に訪れた時は鉄鋼業の国でした。普通なら、イギリスのバーミンガムの様に鉄鋼中心の都市は凋落の一途を辿る筈が、何時の間にかルクセンブルクは金融で浮上した。今や、ロンドンやフランクフルトに次ぐ、一大金融センターに為って居るんですね。


 ・・・何故そんな事が可能に為ったんでしょうか。

  藻谷 不思議ですよね。何処かの本に理由が書かれて居るのかも知れませんが、私は本の前に「現地を読む」と云う主義です。その場を自分で訪れて「何があるか」そしてそれ以上に「本来ある筈なのに無いものは何か」を観察するのです。

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 ルクセンブルクの中心地に無かったもの

 藻谷 私は名探偵ホームズや怪盗ルパンのシリーズを多年愛読して居るのですが、ホームズもルパンも同じ方法で推理をします。警察が「現場に何があったか、何が落ちて居たか」からシナリオを組み立てては失敗するのに対し、ホームズやルパンは「そう云うシナリオなら、他にアレも落ちて居る筈なのに、現場には見当たら無い。何故有る筈のものが無いのか。とすれば本当のシナリオは何か」と考える訳です。

 と云う事でルクセンブルクの中心を歩いてみたのですが、先ず高層マンションがありません。富める都市はNYにしろシンガポールにしろ、或はお台場でも、街の中心に超高層マンションが林立して、その上でワインを飲みながら我々の様な下々の者を見下ろして居る人達が居るものですが(笑)、ここはヨーロッパの古き良き田舎町と云う風情でスノッブ感ゼロ。
 美味しそうなレストランは少ないし、賑やかなお店は全然無くて空き店舗が目立つ程です。しかも、都市の繁栄には必須の筈の交通のアクセスも凄く悪い。行きは近くのブリュッセルからは電車でも車でも3時間も掛かり、帰りはLCCが飛んで無いからこのご時世に正味2時間のフライト片道6万円も懸りました。そんな中で何故金融ハブとして成り立って居るのだろうと。不思議ですよね。
 

 ・・・所謂富裕都市に有るものが「無い」訳ですね。

 藻谷 小奇麗な街を歩きながら、高級外車を見無い事にも気付きました。「俺は金持ちだぜ」って見せ着ける様な〈華麗なるギャツビー〉や成金らしき人の姿も殆ど居ない。表向きには、極普通の静かで上品な地域にしか見え無いんです。
 居住者の45%は外国人で、特にポルトガル人の労働者が多いそうなのですが、単純労働者が作業して居るのを見ないし、ホームレスも寝て居ない。そうやって「不在」のものを洗い出して行くと「格差を最小化する」事で金融業と社会秩序を成り立たせて来たこの国特有の知恵が見えて来ます。

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 ルクセンブルクが世界一の富裕国に為った仕組み

 ルクセンブルクの稼ぎ手は「放牧された金融業」です。金融と云う暴れ馬を野放にしつつコントロールして、その「上がり」を取って居る。小さな独立国なので、EUの規制の範囲内とは言え、ロンドンやフランクフルトが為れ無いオフショア市場に為れる・・・詰まり規制を緩めて怪しい資金も含め大量のお金を呼び込んで居るのです。
 言わば、ドル圏のケイマン諸島みたいなポジション取りをユーロで遣って居る。スイスにも一寸似て居ますが、スイスは独自通貨なので、ユーロ圏のルクセンブルクの方がEUから資金を集め易いと云う強みもあります。

 因みに日本もルクセンブルクに対し、2017年ですと6000億円程の第一次所得黒字(金利配当を得た事による黒字)です。リスクの高いオフショア市場で大儲けして居るルクセンブルクに、日本企業も投資してそれだけのお零れを得て居る訳です。
 とは言え、金融関係者は国民の1割も居ません。彼等だけが葉巻をふかして外車に乗って、高層マンションを建て捲くればどう為るか? 目に見える格差が拡大して社会秩序が崩壊しますよね。小国程互いの格差が見え易いので特に配慮が必要です。


 ・・・格差を最小化する仕組みを意識的に作って来たと云う事でしょうか。

 藻谷 その通りです。帰国してから調べてみたら、格差の大小を示すジニ係数が小さい。移民層もそれ為りの水準の所得を得て居るんですね。
 移民が非常に多いのに貧困が表に見え無い地域として代表的なのが、シンガポールとカナダとルクセンブルクでしょう。端的に云うと、シンガポールは他宗教排斥や人種差別の言論を封じる事で、カナダは福祉国家として移民にも平等に教育機会を与える事で、そしてルクセンブルクは富裕層が富を見せ着け無い配慮によって、不満が生じ難くして居ます。それは最良のテロ対策にも為って居る事は言う迄もありません。

 そんなルクセンブルク人は、歴史の経緯の中でフランス化したドイツ人です。日常語はドイツの方言、食べ物もドイツ料理ですが、例えば法律用語はフランス語。文弱なフランスにも野暮なドイツにも為り切れ無いと云う国民意識は、第一次大戦を経て強まり先の大戦でナチスに蹂躙されてから更に高まった。
 でもフランスとドイツが喧嘩をする度に、ドチラかに侵略されて来た歴史があり、単独で安全保障は無理。ではどうしたかと云うと、ベルギーやオランダと手を結んでEU形成の中核に為るんですね。EUの中にフランスとドイツを収め仲良くさせる事で、自国の独立を守り抜いたのです。


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 大国の狭間に在る ルクセンブルクと極東の島国日本

 ・・・大国の狭間に在ると云う地政学的な位置を踏まえ、対応した戦略を取って来た訳ですね。極東の島国日本にも参考に為る部分が多そうです。

 藻谷 そうなんです。小国と言え度学ぶべき点が幾つもあります。第一に、製造業中心の堅実な国柄だったのに金融でも稼ぐ国へと変化した事です。得意分野を一つに決め着け無いと云う姿勢は、日本の各県にも参考にして貰いたい。
 第二に、非常に強い独立意識がありながら、自国中心主義を辞めた事。EU統合の核と為り独仏を和解させる事で、自国の安全と国外マーケットを確保した。
 実は、周りの国が平和な程国の経済が潤う構造は日本も同じです。我々は何も武器を売って儲ける国じゃ無いのだから、例えば中国やインドが戦争をしても何の得にも為ら無いんです。数字は正直で、アジアが安定する程日本の国際収支は改善します。2017年の日本の経常収支黒字は20兆円を超えバブル期の倍以上なのです。一番のお得意様はアメリカで日本が13兆円の黒字でしたが、2番目の中国(香港含む)からも5兆3000億円も儲けさせて頂いた。3位の韓国からも2兆7000億円の黒字を稼いで居ます。


 ・・・何と、韓国がトップ3のお客様に入って居るんですね。

 藻谷 だから、もう少し大事にした方が好いんですよ(笑)。因みに台湾からは2兆円位、シンガポールからは1兆5000億円位稼いで居ますが、黒字の稼ぎ手はハイテク部品や機械・金融・観光なので、もしアジアが紛争地帯に為ればこうした黒字は吹っ飛んでしまう。
 2018年の訪日外国人数は3000万人を超えましたが、4人に1人が中国人で4人に1人が韓国人です。要するに半分は中国と韓国ですので、彼等の景気が好い程日本も儲かります。兎に角周りが繁栄した方が自分も儲かると云うのが、日本とルクセンブルクの共通点です。自力では安全保障の出来無いルクセンブルクが独自の立場を保ちつつ周辺国の関係を平和へと仕向け、その中で世界1の豊かさを享受して居る事に、日本はもっと学ぶべきでしょう。

 因みにシンガポールは将にルクセンブルクの真似をして居て、ASEANを作りその中心に入って、マレーシアとインドネシアを仲良くさせる事で安全と経済的繁栄を作り出しています。もっと云うと、インドネシアとマレーシアの富裕層にドンドン自国内に不動産投資をさせて家を買わせる事によって、シンガポールが攻撃対象に為ら無い構造を作って居るんですね。
 ルクセンブルクもヨーロッパ中の人が投資して居るから、当然攻撃ナンてされません。小国程国際関係における地政学的な勘が強く、国内格差にも十分に配慮して産業振興を進めて居るんですね。


 ・・・新著の中で、21世紀の地政学は軍事力等のハードパワーでは無く、経済力・文化力・民族意識等のソフトパワーの方が大きな役割を果たすと云う指摘は新鮮でした。

 ルクセンブルクに無くて日本には在るもの

 藻谷 21世紀に於いて、軍事力による物理的な占領って意味がありません。例えばヒトラーみたいなのがもう一度出て来て、ルクセンブルクやシンガポールを占領しても何も得るものは無い。そこに有るお金は逃げて行くだけで投資は呼び込め無い。大戦後のヨーロッパが植民地を次々と手放したのは、全然儲から無くて意味が無かったからです。そんな事より経済的に進出して投資だけした方が、住民の面倒看なくて済むので楽ですよ。

 日本は自前で安全保障が出来無いから主権国家じゃ無い、アメリカの植民地みたいな国だと云う声もありますが「植民地」と云う割には、アメリカから年間13兆円も黒字を稼いで居て随分儲かって居る訳です。
 詰まり経済力の様なソフトパワーが21世紀の国際社会ではトテモ重要です。中韓台星(星はシンガポール)の4国からだけで年に12兆円近くも黒字を稼いで居る日本が、そんな数字も確かめずに自分の側から排外主義的なスタンスを執る様では「ソフトパワーの地政学」の時代に生き残れません。

 これ迄世界105カ国を巡って来て改めて思うのは、今日本人の自己認識と世界から見た時の日本が激しくズレて来て居ると云う事。日本は「これから食べて行け無く為る危機」には無いし、世界の中で「誇りを失って居る国」でも無い。
 世界中の観光客が日本に来たら大喜びです。ニューヨークで好いホテルに泊まったって、日本のお持て成しやサービスに比べたら極めて劣るのが現実です。夜、東京の街を歩いたって、暗めの街路でも落ち着いて静かで安全ですから。

 最後にひとつ。ルクセンブルクには無くて日本に有るものはコンテンツ発信力です。ルクセンブルクは地形的には一寸金沢に似た処のある城塞都市で、中心街の規模も似て居ますが、ルクセンブルクに兼六園や武家屋敷や茶屋街は有りません。加賀料理も無いし「金沢21世紀美術館」も無い。
 ルクセンブルク人が金沢を見たら「ナンと多くの独自の文化コンテンツを持って居る街だ」と思うでしょう。ソモソモ日本全体に、30個〜40個のルクセンブルクが在っても可笑しく無い。そんなポテンシャルを日本の各地方都市は秘めても居ます。今、日本のソフトパワーの等身大の実力はどれ程のものか、地政学を踏まえてドンな振る舞いをする事が日本の繁栄を呼び込むのか、本書が日本の自画像を認識し直す切っ掛けに為れば嬉しく思います。



 藻谷浩介(もたに・こうすけ)1964年山口県生まれ。地域エコノミスト。鞄本政策投資銀行参事役を経て、現在、鞄本総合研究所調査部主席研究員。東京大学法学部卒業。米コロンビア大学経営大学院卒業。
 著書に『実測!ニッポンの地域力』『デフレの正体』『世界まちかど地政学』共著に『里山資本主義』(NHK広島取材班、『経済成長なき幸福国家論』(平田オリザ氏)対談集『完本 しなやかな日本列島のつくりかた』等がある。







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 2019年上半期 国際部門 BEST5

 1位:世界一の富裕国・ルクセンブルクには、何故高級車も高層マンションもないのか
 https://bunshun.jp/articles/-/13268

 2位:韓国政府は何故「日韓関係」の深刻な状況を認識して居ないのか
 https://bunshun.jp/articles/-/13267

 3位:『まんぷく』が描か無かった「台湾の娘」と詐欺師に狙われた1400万円の遺産相続
 https://bunshun.jp/articles/-/13266

  4位:「文在寅大統領は徴用工にお金を渡せ!」被害者団体の訴えが韓国社会で黙殺されて居る
 https://bunshun.jp/articles/-/13265

 5位:日本人が知ら無いアリアナ・グランデ「文化の盗用」批判の背景とは
 https://bunshun.jp/articles/-/13264

      「文春オンライン」編集部  以上


 







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