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2019年03月25日
イノベーションの判り易い解説と実例
【管理人より】
ここで、何回と無くイノベーションに付いて取り挙げてまいりましたが、何せ管理人自体が説明する程の器量も無く、アヤフヤで未熟な解説を続けてまいりましたことを深くお詫びいたします。餅屋はモチや・・・専門家の素晴らしいレポートを探し出しましたのでここにご紹介します。
残念にもこのレポートには、ご署名も無く無断で引用する形と為ってしまいますことを予め詫び致します。申し訳ございません。
イノベーション 本当の意味わかってる?
身近な企業10社の事例でバッチリ納得!
2018/04/25 2018/05/06 より引用させて頂きます
最近ビジネスシーンで好く登場する「イノベーション」について身近なコンビニ・宅配・ゲーム等10社の企業事例を通して一つ一つ判り易く説明します。急ぐ人は最初の1分解説を、時間があったら定番のシュンペーター・イノベーションのジレンマ4類型・サービス/プロセス・イノベーション等もお読みに為ってくださいね。
「イノベーション」と云う言葉は、元々は経済学の用語でしたが、今やビジネスの世界では勿論、行政や教育の世界までイノベーションと云う言葉が使われる様に為って来ています。では早速始めましょう。
イノベーション 1分解説 〜お急ぎの方向け〜
英語表記は”innovation”大きな変化や革新と云った意味です。ビジネスシーンで使う場合の意味は、従来の常識を超えた新しい方法によりビジネス的に成功したものごとを指します。
エジソンの電気製品の発明、自動車・飛行機・鉄道等現代の我々の生活は、イノベーションのお蔭で成り立っているとも言えます。又電信⇒電話⇒携帯電話⇒スマートフォンと云った発展も、各段階でのイノベーションが起こったと云うことに為ります。
イノベーションの多くは、技術の発展が土台と為って居ましたが、最近ではそうでは無く、新基軸のサービスや新規用途の開発も含めてイノベーションと云います。宅配便が代表例です。従来と輸送手段や運ぶもの自体は変わりませんが、ユーザーとサービス形態を常識を超えたコンセプトにしたことで新たな物流形態の登場と為ったのです。
ビジネスは、只お客のニーズに忠実に応えて行くだけでは発展しません。馬車に対するニーズにどれ程対応しても自動車は産まれませんから。ですからビジネスの原動力は「イノベーション」だとも云えるのです。
ビジネス用語としての「イノベーション」は、兎に角従来の発想や商品と少しでも異なったものを創造して行こうと云う意味で使われると思ってください。ビジネス現場でエジソンやステーィブジョブス並みのアイデア迄求める職場は先ず無いでしょう。
イノベーションとは、どんな意味?
イノベーションは英語で「innovation」と書きます。日本にはそれに該当する概念はありませんでした。 最もピッタリした日本語を選ぶとすれば「革新」又は「変革」と云った言葉に為るでしょう。世の中を変えて行く様な素晴らしい取り組みとその結果のことを云います。
基本的にそうしたものは、多くが科学技術の発達により可能に為りますね。自動車・飛行機・ロケット等皆そうです。ですので最初は「技術」に重みが置かれ「技術革新」と云う訳語が当てられた時代もありました。
でも今は、後で述べますが、新しい技術とは直接関係の無いイノベーションの方法もあります。トヨタ自動車の在庫を置か無い生産方法〈カンバン方式〉とかも偉大なイノベーションです。
兎に角インパクトのある『社会の変化』を結果として与えるものがイノベーションなのです。以下は皆イノベーションです。今の文明ってイノベーションのお陰なのですね。
1 科学技術をベースとしたイノベーション
• エジソンの発明した電力システムと家電製品
• ワットの蒸気機関
• IT(コンピュータ・半導体・インターネット)
2 制度をベースとしたイノベーション
• 17世紀に出来た株式会社制度(オランダ東インド会社)
• 19世紀のアメリカにおける巨大企業群の出現(カーネギー・ロックフェラー)
• マイクロ・ファイナンス(所得の低い顧客層の自立を促す為の小口の金融のインドのグラミン銀行が有名)
イノベーションの語源
英語の「innovation」は動詞「innovate」(革新する)に名詞語尾「-ation」が着いて名詞と為ったものです。又「innovate」と云う英語の動詞は、ラテン語の動詞「innovare」(リニューアルする)が元と為って居ると言われています。リノベーションに近い感じですね。
イノベーションと云う言葉はどんな場面で使われるか?
基本は経営や経済の世界で使われてます
経営の世界では、企業が大きく成長して行く上で、必須のものとしてイノベーションが掲げられています。イノベーションによって生まれた、技術・仕組み・商品やサービスが顧客の生活を大きく変えて行きます。その時それを担った企業は、圧倒的な支持を顧客と社会から得ることが出来、同時に莫大な利益ももたらします。
通常の小さな改良による商品開発よりも経営的なメリットが大きい為、今や企業経営の必須の目標としてイノベーションに取り組む企業が増えています。
経済の世界では、経済成長の原動力としての位置付けです。産業革命は将(まさ)にそうしたものでした。イノベーションによる新商品や新技術・新システムによって、雇用創出を起こしたり経済格差是正の手掛りと為って呉れることが期待されています。
ドンドン拡大するイノベーションの範囲
当初は経営・経済の分野で使われていた「イノベーション」ですが、今は変革を求める多くのフィールドでこの言葉が用いられる様に為って居ます。 医療・教育・行政から福祉まで幅広く使われています。変革が必要とされ無い分野は今や無く、或る意味変革への期待を込めて「イノベーション」と云う言葉を使わせるのかも知れません。
イノベーションの対象はモノだけでは無い?
イノベーションは、単なるモノだけが対象では無いのです。モノ以外に実は、「仕組み」「方式」と云った形の無いものによるイノベーションもあるのです。夫々にイノベーションとしての名称もあるので説明して置きましょう。
1 プロダクト・イノベーション(製品革新)
これは誰もが驚く様な商品やサービスを開発し流通させることで社会にインパクトを与え変化を起こすことです。 携帯電話・スマートホン・パソコン・電車・洗濯機等、身の回りだけでも結構ありますね。
2 プロセス・イノベーション(工程革新/製法革新)
これは、単一の商品やサービスを指すのではありません。その商品やサービスを、用意・提供する過程(プロセス)に革新性の高い仕組みを導入して圧倒的な成果をもたらすもののことです。
・コンビニは、売っている商品自体はマア普通のものですが、店舗の作り・販売時間・品揃え・在庫管理等、多くの点においてそれ迄のスーパーや個人商店と全く異なる仕組みを提供し、瞬く間に7兆円の市場を創造しました。
・宅配便もそうです。トラックを使って輸送すると云う点は従来の物流会社と同じですが、集荷と配送の仕組みが、それ迄の物流業とは違った訳ですね。個々の家庭から同じく個々の家庭に配達する何てことはありませんでした。
表面的には従来の産業と変わら無いのですが、仕組みや組合せの工夫が優秀で、他社が真似出来ない訳です。こちらも今後は増えるでしょう。
イノベーションの起源
イノベーションと云う言葉を、現在の意味で用い出したのはシュンペーターと云う経済学者です。彼は経済発展の真の要因を探ることが研究のテーマでした。そして彼は、経済発展の鍵は、人口増加や気候変動では無く、画期的な商品や画期的な経営の仕組みを創り出す事こそが経済発展の主役だと結論付けたのです。
そして実行した人、詰まりイノベーションを起こした人を「アントレプレナー(起業家)」と定義しました。又彼は、イノベーションが既存の価値を破壊して行く事もある事を見抜いて居ました。
例えば、自動車が生まれれば馬車は無く為ります。電灯が生まれればランプやロウソクは消えて行きます。将(まさ)しく旧来の当事者達に取っては破壊なのです。こうしたイノベーションの事をシュンペーターは「創造的破壊」と名付けました。これも言い得て妙だと思います。
イノベーションの定義
ではまとめとして、イノベーションの定義を引用して置きますね。
・新機軸・革新・新製品の開発・新生産方式の導入・新市場の開拓・新原料・新資源の開発・新組織の形成等によって⇒経済発展や景気循環がもたらされるとする概念・・・シュンペーターの用語。又、狭義には技術革新の意に用いる。(出典:デジタル大辞泉)
・技術革新・新機軸 経済学者シュンペーターの用語で、経済成長の原動力と為る革新・生産技術の革新・資源の開発・新消費財の導入・特定産業の構造の再組織等を指す極めて広義な概念。(出典:大辞林 第三版)
身近なイノベーション事例 10選
こちらでは、我々の日常生活にも関係している身近なイノベーションの例を紹介します。
(1)イノベーション サービス業の事例 POSレジシステム
クラウド型在庫管理連動POSレジスター
セブンイレブンが開発したレジのシステムです。商品にバーコードを貼って置く事で、支払い時に価格の入力を不要にしました。小売店での商品決済の革命とも言われました。開発元はNEC。この発明は特許料をフリーにした為瞬く間に全世界に広がりました。太っ腹に感謝ですね。
(2)イノベーション 製造業の事例 任天堂のゲーム機
任天堂の最新ゲーム機
任天堂は、以前はテーブルゲームのメーカーでした。アーケードゲームしか無かった時代に家庭で手軽に楽しめるゲーム機「ファミコン」を発売。ゲーム機の常識を打ち破りました。その後もWii・pokemonGO等全く新しいゲームの世界を世界に提供し続けています。将にゲーム機のイノベーションの担い手です。
(3)イノベーション サービス業の事例 ヤマト運輸の宅配便
ヤマト運輸(クロネコヤマト)の宅配便
ヤマト運輸の小倉昌男氏は、国内で初めて郵便局の小包しか家庭向けの運送手段が無かった時代に、独自の配送網を足った一社で作り挙げました。後に冷蔵品の宅配も可能にする等、物流の世界を変えたのです。
(4)イノベーション 製造業の事例 クオーツ式時計・セイコー
時計は当初は、ゼンマイを動力とする機械式の構造でした。セイコーは、水晶の振動を利用して電力で動かすクオーツ時計を開発。時計の世界にイノベーションを起こしました。
(5)イノベーション 製造業の事例 ウォークマン・ソニー
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今はもうありませんが、以前はカセットテープと云う磁気テープに録音したもので音楽を楽しんで居ました。当時は携帯出来る大きさのものは世の中にありませんでしたが、ソニーは高音質でイヤホンで聴く当時としては超小形の再生機器を開発し、爆発的なヒットと為りました。現在、音楽を屋外で楽しむ文化を作ったのはソニーのウォークマンだと言って好いでしょう。
(6)イノベーション 製造小売業(SPA)の事例 ファストファッション
ファストファッション時代の終焉は?
以前、洋服の製造と販売は、担当する企業は別でした。処がある時期から製造と小売を同じ企業でヤッテしまう業態が登場します。SPA(Specialty store retailer of private label apparel)と呼ばれます。
米国のGAP、日本のユニクロと云ったブランドが有名です。売れ残りのリスクを減らし、かつ多店舗で多くの商品を売ることで大幅な価格の引き下げを可能としました。アパレル業界のイノベーションと言えます。
(7)イノベーション 中小企業の事例 メガネ21
メガネ21は眼鏡のチェーン店です。徹底して社員に対して経営をガラス張り化し、管理職は原則居らず、フラット組織にしています。又社員の多くが会社に出資しているので共同オーナーとも云える形で協働の経営を行なっています。商品自体は他と変わりませんが、マネジメント自体にイノベーションを起こした珍しい例と言えます。
(8)イノベーション 製造業の事例 パソコン IBM
PCエンサイクロペディア
パソコンが登場した当時は、ハードもソフトも1つの会社で作っていました。その後IBMがパソコンに参入した際に、パソコンのハードとソフトは全て、その組合せの技術(インターフェース)がオープンされ、誰でもが作れる様に為りました。
その結果膨大な数の企業が参入し、大変なスピードで低価格化と高性能化が進みました。「モジュール化」「オープン化」と言われる形態のイノベーションです。
(9)イノベーション サービス業の事例 CoCo壱番屋(ココイチ)
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カレー専門のチェーン店として誰もが知っているココイチ。売上高は6期連続で増収、当期利益は3期連続増益、相変わらずの好調さを示しています。その好調さを支える一つが、マンガ喫茶的な時間帯を設けた事です。
ファストフードはこれ迄いかに回転率を上げるかが勝負でした。しかし飲食店はどうしても昼と夜に客が集中します。そして昼間の時間帯は、客がいない為、入りたい客に取って入り辛く為ると云う悪循環が生じていました。
そこで取った施策がマンガの無料貸し出しとドリンクバーの設置です。客が混み合う時間帯以外は、マンガの棚を開放し、顧客の滞留時間を増やす様にしました。これにより、新しい顧客が入り易く為り、今まで閑散としていた時間帯も客が入る様に為り売上・利益とも向上する切っ掛けと為りました。回転率の目標(KPI)を時間帯に変えると云うのは、サービスの内容によって使い分ける。
(10)イノベーション 中小企業の事例 ロボットスーツ CYBERDYNE(株)
サイバーダインの医療ロボッㇳ
ロボットスーツとは、体に装着することによって、身体の機能を助ける為の、云わば補助装置です。CYBERDYNEが作成したHAL(Hybrid Assistive Limb)は、特に障害を持った方達の身体機能の改善・拡張・補助を目的として造られた世界初のサイボーグ型ロボットです。
装着型のロボットは、今迄にもありましたが、健常の人のパワーをよりアップすると云う発想でした。工事用、介護用、軍用等がそうです。しかし、障害を持った方の機能改善を目的としたロボットは、将にイノベーションと言えます。私も湘南ロボケアセンターにて見学しましたが、技術はここまで来たんだと云う実感を持てました。
イノベーションと日本
イノベーションによる経済の発展が今程求められている時代はありません。今の日本が特にそうですね。 雇用の減少・少子高齢化・賃金の上昇・市場の成熟と縮小等明るい材料が見当たりません。そう云った中で、行政が最後の切り札としてイノベーションに期待を掛けて居ます。文科省も経済産業省も、国の活力は、経済発展が原動力であると判っています。
それを盛んにして行く為には国内の企業群にイノベーションを起こして貰わ無くては行け無い訳で、様々な施策を打って居ます。因みに今政府は「科学技術イノベーション総合戦略 2014」に照らして、世界で最もイノベーションに適した国を目指しています。
平成27年は、この関係だけでも500億円以上の支出を計画していました。 将に国を挙げてイノベーションに取り組まざるを得ない状況なのです。
イノベーションの四類型
イノベーションを整理する上で、好く使われるものがあります。アパナシーとクラークが「技術革新」と「市場対応」の2軸で分類したものが最も有名で、かつ実用的です。参考に載せて置きます。 【技術革新ー市場対応の2軸によるイノベーションの分類】
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既存技術の強化 既存技術の破壊
新規市場の創出 (4)「通常」型イノベーション (1)「新規構築」イノベーション
既存市場の深耕 (3)「ニッチ」型イノベーション (2)「革命」型イノベーション
(1)「新規構築」型イノベーション これ迄の技術体系を破壊するレベルの技術体系で、全く新しい市場を創造するもの (例:飛行機の発明、コンピュータの発明など)
(2)「革命」型イノベーション 既存の技術・生産体系を破壊するレベルの技術体系で、既存の市場との結び付きを維持して行くもの (例:アナログからデジタルへのオーディオの技術革新、自動車におけるマニュアルからオートマティックへの移行)
(3)「ニッチ」型イノベーション 既存の技術・生産体系の中で、新たな市場を開拓して行くもの (例:ヘッドフォンステレオ(ソニーのウオークマン)、家庭用テレビゲーム機など
(4)「通常」型イノベーション 技術・生産手段の改良等により、より安く高品質の製品・サービスを提供するもの。インクリメンタル・イノベーションとも呼ばれるパターン。 これも広い意味ではイノベーションに入ると云う事です。でもこれは経営学の世界だけの話です。一般的には(1)〜(3)がイノベーションと言われます。
イノベーションの理論の紹介
新結合(シュンペーター)シュンペーターは、イノベーションについて最初は「新しい結合の遂行」と云う言い方をして居たそう 詳しくは以下の記事を御覧ください。 シュンペーターのイノベーション (創造的破壊)|事例で解説
7つの機会(ドラッカー)経営学の大家ドラッカーは、イノベーションについても権威です。シュンペーターの提唱したイノベーションと云う概念を企業の経営の観点から体系化を試みました。
その為に「イノベーションと企業家精神」と云う本も出版しています。 その中で最も重要なポイントは「イノベーションの為の7つの機会」です。イノベーションを起こし易い順にその機会(チャンス)をまとめています。
(1)予期しなかった変化
・予期せぬ成功(予想して居ないのに成果が出たら、機会が隠れている)
・予期せぬ失敗(予想して居ないのに失敗したら、機会が隠れている)
(2)ギャップの存在
・業績ギャップ(業績が大きく変化したら、機会が隠れている)
・認識ギャップ(認識のズレが見つかったら、機会が隠れている)
・価値観ギャップ(人々に価値観のズレが見つかったら、機会が隠れている)
・プロセス・ギャップ(何かの過程のボトルネックに、機会が隠れている) (3)ニーズを見付ける
・プロセス・ニーズ(何かの過程に、機会が隠れている)
・労働力ニーズ(労働力需給の著しい変化に、機会が隠れている)
・知識ニーズ(知識の穴に、機会が隠れている)
(4)産業構造の変化(産業構造の変化の周辺に、機会が隠れている)
(5)人口構造の変化に着目する(人口構造の変化に、機会が隠れている)
(6)認識の変化を捉える(人々の知覚や認識の変化に、機会が隠れている)
(7)新しい知識を活用する(最先端の科学技術の活用に、機会が隠れている)
イノベーションのジレンマ(クリステンセン)
「イノベーションのジレンマ」はクリステンセン氏が書いた著書のタイトルです。因みに原著のタイトルは「イノベーターのジレンマ」です。
イノベーションの当事者である企業に起こり得るジレンマ(二つの相反する事柄の板挟みに為る事)に付いて語られています。 サテ、どんなジレンマかと云うと・・・ 或る企業(A社とします)がコツコツと既存のユーザーの為に技術開発を進めて居るとします。これは好くある事ですね。
ですが頑張って技術を開発しても、それがユーザーの期待するものでは無かった場合は意味がありません。でも得てしてそう為る事が多いとクリステンセン氏は云います。
一方で、A社の持つ技術とは全く別の方法で、ユーザーの悩みやニーズを適えられる別の企業(こちらをB社とします)が新たに登場するとします。そしてその技術は品質は低いが、価格はかなり安いとします。
サア、どう為るでしょうか? マア普通は、最初はどの顧客も様子見でしょう。でも価格が安ければ、その方が好いと云う企業が何れ現れます。そうした会社はB社を選択します。そして徐々にB社の品質は向上します。そして、何時の間にか、値段は安いままで品質のレベルがA社のレベルにまで為ったらどう為るでしょう。コストパフォーマンスから考えれば当然B社が勝ちます。
そうすると既存ユーザーの為にコツコツと技術開発していたA社は、置いてけボリを食うと云うことに為る訳です。A社としては、仮にB社の新技術に気付いていたとしても、既存の顧客を見捨てる訳には行きません。
でも最終的には、B社に客を取られる事に為ると云う、実に虚しい結果になる訳です。この事が所謂イノベーション(この例ではイノベーターであるA社)のジレンマと云うものなのです。
因みにA社の様なコツコツと技術開発を遣って行くのも華々しくは無いですがイノベーションの範疇(はんちゅう)に入るのですね。クリステンセンはそれをインクリメンタルイノベーション(漸進型イノベーション)と名付けてます。
本ではハードディスク装置を例に紹介されてましたが、似た話は沢山あります。「写真フィルム」を頑張って作っていたコダックが好い例です。
又いきなり登場して、既存の技術や仕組みを脅かす予想外のイノベーションを「破壊的イノベーション」と言います(上記の例ではB社)。大抵は低価格・低品質の製品で市場に登場します。その後次第に成長し、既存の大きな市場を脅かす様に為るのです。丁度デジタルカメラもそうでしたネ。
こうした事が、世の常だとすると、企業はイノベーションを上手に遣って行かないと行けない、特に破壊的イノベーションのことを念頭に置いてと云うことに為ると思います。
企業は、自分自身が破壊的イノベーションを仕掛けられる側に立た無いと行け無いのです。書籍にはその対処の方法な土が述べられています。この「イノベーションのジレンマ」は、その意外性から非常に世間受けし有名に為りました。 私も先輩から聴いて、直ぐ本を買い、面白いのでアッと云う間に読んた記憶があります。興味のある方は是非どうぞ!
まとめ
今回はイノベーションについての基本を判り易くまとめてみました。 イメージ的には、イノベーションとは画期的な技術と云う様に受け取られますが、色々なバリエーションがあることがお分かり頂けたかと思います。非常に範囲は広いのです。
又企業は今後、一層イノベーションに取り組まざるを得無く為ると思います。これはスタートアップでも大企業でも同じですね。今回の記事を参考にイノベーションを意識して頂けますと、キッとより好い経営が可能と為ると思います。 お読み頂きありがとうございました。
以上
【管理人のひとこと】
ありがとうございました。昔は発明とか大発見とか言って居た様な感じですかね。発明は必要の母とか習った覚えがあります。しかし、必要があってからのモノづくりでは現在では遅い様です。今現在には無い、更に他の大勢の人には思いも着かなかった・・・装置であったり機械であったりものの考え方・・・空間・場面想定等の多岐にわたる新たなものをヒックルメてのものなのでしょう。
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