アフィリエイト広告を利用しています
ファン
検索
<< 2019年03月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
ヨリちゃんさんの画像
ヨリちゃん
プロフィール

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2019年03月20日

「人口が減ると経済はマイナス成長」は本当か?



 
  




 「人口が減ると経済はマイナス成長」は本当か?


 データが示すのは、それとは異なる姿だ



      3-21-10.jpg


 吉川 洋 氏  立正大学経済学部教授  著者フォロー 2018/06/04 6:00


 




 経済成長には、人口減少より重要な要因が存在する


 日本の将来人口は、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が5年毎に100年先までを見通して推計している。最新の推計は2017年4月に出された。
 新推計によると、1人の女性が生涯に産む子どもの数が現在と変わら無ければ、日本の人口は2053年に1億人を割り、およそ半世紀後の2065年に8808万人、更に100年後の2115年には5056万人まで減少して行く(出生中位)。
 今から100年前の日本の人口は5500万人(1918年、大正7年)だったから、この国は100年掛けて人口を7000万人増やし、これから100年掛けて今後は7000万人減らして100年前の姿に戻ると云う訳だ。


     3-21-11.jpg


 急激な人口減少と並行して高齢化率(65歳以上が全人口に占める割合)も上昇していく。これが様々な問題を日本の経済や社会に生み出すことは、好く知られている通りだ。既に顕在化している深刻な問題としては、財政・社会保障に与える影響、そして地域社会に与える影響、いわゆる「消える市町村」などが挙げられる。
 高齢化により年金・医療・介護保険など社会保障の給付は膨らむ一方、少子化で支え手のほうは減って行く。社会保障のファイナンスは当然難しく為る。

 今年度に入り、この4月から65歳以上の人が支払う介護保険料は全国平均で6%引き上げられ、月額5800円に為った。介護保険制度が始まった18年前に比べ保険料は2倍に為った。地域によるばらつきも大きく、最も低い北海道音威子府(おといねっぷ)村の3000円と、最も高い福島県葛尾村の9800円の間には3倍以上の開きがある。今後も団塊世代が全て後期高齢者(75歳以上)と為る2025年度には、全国平均で7200円、更に2040年には9200円と保険料は上がり続ける見込みである。


  




 共有される「人口減少=マイナス成長」



 この様に人口減少と高齢化は、確かに日本の経済・社会に深刻な問題を生み出している。しかしその一方で、人口が減り働き手の数が減って行くのだから、日本経済のこれからの成長率は好くてゼロ、自然に考えればマイナス成長だろう、と云う様な考えが広く共有されている。 こうした考えは誤りである。
 このことをメインメッセージとして『人口と日本経済』(中公新書)と云う本を2年前に書いた処、幸い多くの読者に迎えられたが、その中で幾つか真っ当な疑問が寄せられた。ここでは、その内の1つを取り上げ考えてみることにしたい。

 本の中では、1870(明治3)年から20世紀の終わりまで125年間の人口と実質GDP(国内総生産)の推移を比較した図を掲げ、マクロ経済の成長が決して人口によって決まるものでは無い、と云う事をビジュアルに訴えた。 (指定された図では、虚実にGDPの上昇と人口増加の関連性は無いと物語っている)
 この間、GDPと人口は殆ど関係無い程に乖離している。戦後の日本経済にとって最大のエピソードといっても好い高度成長期(1955〜1970)には、経済は年々10%成長したが、人口の伸びは約1%程度だった。1%という数字は、全人口、生産年齢人口、労働力人口、どれを取っても大差は無い。毎年10%−1%=9%ずつ「1人当たりの所得」が上昇していたのである。


  




 それは人口減少時代にも成り立つか?


 この図のメッセージは、幸い多くの読者のハートに届いたようなのだが、その中に「ちょっと待って」と思った人もいた。図は20世紀末で終わっているが、この図に描かれている125年間は人口が増えている時代だ。人口が減り始めたら、どうなるか分からない、と思った人がいたのである。
 これはもっともな疑問だ。人口減少は確かにそれ自体としては経済成長にとってマイナス要因である。しかし、先進国の経済成長は人口要因よりも「1人当たりの所得」の上昇によってもたらされる部分のほうが大きい、という結論は、人口減少の時代にも人口増加の時代と同じように成立するのである。

 百聞は一見に如かず。人口が減り始めた現在の日本経済の実績を見ることにしよう。厚生労働省社会保障審議会・年金財政における経済前提に関する専門委員会(2017年10月6日)の資料にある過去20年間(1996-2015)の「成長会計」の結果は次のとおりだ。
「成長会計」というのは、実質GDPの成長率を資本投入・労働投入と、それでは説明できない残差としての「全要素生産性」(Total Factor Productivity、頭文字をとりTFP、通常イノベーションないし技術進歩を表すものと解釈されている)、3つの要素それぞれの貢献に分解する手法である。


 




 重要なのはやはりイノベーションだ!


 サテ、結果をみると、1996年から2015年まで、この間には1997〜1998年の金融危機、2008年のリーマン・ショック、2011年の東日本大震災などさまざまな出来事があった。にもかかわらず、20年間の平均成長率は0.8%、そのうち資本投入の貢献分が0.2%、労働投入はマイナス0.3%であり、TFPの貢献が0.9%となっている。

 注目されるのは、労働投入の貢献分マイナス0.3%である。この期間、人口は減り始め、それに先立ち労働力人口は減少してきたから、労働の貢献は0.3%のマイナスになっている。しかし、TFP(イノベーション)の貢献0.9%により日本経済は年々0.8%ずつ成長した。人口が減っているから1人当たりに直せば、1%を超える。人口減少それ自体はマイナス要因だが、先進国の経済成長にとっていちばん重要なのは、やはりイノベーションなのである。

 以上


 



 





   人口減少は経済成長を促す要因にも為り得る

     3-20-16.jpg

        明治大学 政治経済学部 准教授 飯田 泰之氏


  日本の少子化傾向は歯止めが効かず、今後、人口減少は 進むといわれています。それにともなって経済もマイナス成長に為るといった悲観的な言説が一般的になっていますが、一方で、それは強調し過ぎでしょう。人口減少のインパクトは時に誇張され過ぎています。更に人口減少はネガティブな影響ばかりでは無いのです。


 




 人口減少によって日本の経済成長率は下がるが…


 飯田 泰之 日本の人口減少が、経済成長にとってネガティブな影響を与えることは間違いありません。しかし、そのインパクトについては強調され過ぎています。
 例えば、標準的な経済成長理論の手法では、成長会計の方法を使って経済成長の要因を分析します。成長会計とは、GDP(国内総生産)の成長を資本と労働の増大によって説明できる部分と、技術進歩による部分とに分解して、夫々の要因の寄与度を計算する手法です。

 先ず、人口が減少すれば、当然、労働人口が減少します。その影響は、働き手が1%減少すると、経済成長率は0.65%位下がると考えられます。現状で日本の人口が最も減少する2030年前後を考えると、先ず、労働年齢人口が1.5%減少します。一方で、女性の労働参加率の向上や、60代の労働参加率の上昇が今の傾向のまま続くとすると、実際の働き手の減少は1%少々と見込まれます。
 すると、経済成長の下押し効果は0.7%位に為る。先進国の平均的な成長率は2%弱ですから、日本の場合はここから0.7%引いた1%程が経済の基調的な成長率に為って行くと予想できるでしょう。そもそも年率10%で経済成長していた高度成長期でさえ人口増加率は1%台だったことを思い出す必要がある。
 経済成長は人口ではなく、人口以外の要因――なかでも技術進歩・効率向上によって決まる部分が大半なのです。そして、この技術進歩にとっては、人口減少による働き手不足は決してマイナスでは無い側面があるのです。


 




 歴史を見ても、人手不足が技術進歩を促進させる


     3-21-13.jpg 
     ファクトリー・オートメーション FA


 人手不足によって技術進歩を加速させた経験を、日本は既に持って居ます。典型的なのは、1980年代のFA化(ファクトリー・オートメーション)です。当時、日本の経済の規模はかなり大きくなり、海外展開をするように為ってきましたが、団塊の世代とそのジュニア世代の狭間で、若い労働人口が減少した時期でした。
 人件費の高騰対策と、人手不足を補う為に、日本各地の工場は一斉に無人化に取組み始め、日本の工場の自動化技術は大きく発展しました。工場が無人化を目指すことで工作機械メーカーが潤い、研究開発に積極的に投資する余裕が生まれ、その結果、更に優れた技術開発が促進すると云う好循環が生じたのです。
 こうした例は日本に限りません。産業革命を起こしたイギリスも、当時は世界中に植民地を展開し、市場を拡大させて行く中で、生産力を上げる為には人手不足と為ったことが、工場機械工業を設立させた要因のひとつだとする研究もあります。


      3-21-14.jpg


 日本のFA化の技術進歩は1990年代の半ばくらいまで続き、世界的に見ても、日本のロボット技術の優位は明確でした。しかし、バブル経済が弾け景気が下降すると共に、人手が余剰傾向に為ってくると、企業は低賃金で働き手を集めることが出来る様になり、この様な省力化投資に消極的に為りました。
 その結果、機械技術開発にお金が回らなくなり、ロボティクス部門技術進歩は停滞するようになったのです。近年の技術進歩の一番大きな波はAI(人工知能)とロボティクスですが、見方によっては、日本はアメリカやドイツに対して、後れを取っている分野が多いと言われるようになっています。
 しかし、労働人口の減少によって人手不足が深刻に為ってくると、AIとロボティクスの技術で、様々なルーティンを回す仕組み作りを考えていかなければなりません。その時に技術進歩は大きく進展する筈です。

 ハード面の技術進歩と並行して、ソフト面の技術進歩も非常に重要です。そもそも日本に限らず先進国では、サービス業が7割以上を占め、商品そのものにも増して、サービスの部分によって商品の優位性を築くことが多くなっています。
 例えば、店舗運営にAIやロボットを活用する時、それを顧客サービスとして上手に使いこなすには、企業のワークフロー改革が必要です。このような「慣れ」や「工夫」は研究室で見つけられるものではありません。現場でトライ・アンド・エラーを延々と繰り返す中で見つけていくものです。


    3-21-15.png
        第四次産業革命 AI・ロボット


 このような活動によってAI・ロボティクス技術そのものでは無く、それを活用する知恵が集積されます。こうして集積された知恵は、ハードな技術そのもの以上に重要なこともあるでしょう。人口減少は日本だけでは無く、世界が直面する問題です。
 その対応として日本のAI・ロボット活用方法を世界に売り込んで行くとき、この知恵を基にしたマニュアルを持っていれば、技術と合わせたパッケージ商品として優位に立つことが出来るでしょう。ソフトは、非常に大きな競争力の源泉と為るのです。

 このように、成長会計の手法で経済成長の要因を分析すると、労働力の減少によるマイナスはあるものの、その労働力の減少によって起こる技術進歩は、労働力の減少によるマイナスを補って余りある効果を生み出す可能性があるのです。


 




 AIの進歩によって人のライフスタイルも変わる


 飯田 泰之 一方で、こうしたAIやロボティクスが発展した社会では、人はどうなるでしょう。日本を含めて世界中で研究されているAIは、或る程度限定された目的に対して最適な解を与える様に学習を行う「特化型AI」と呼ばれるものです。もっとジェネラルなスキルをもった「汎用型AI」が登場すると、今ある仕事の8割がなくなると云う予測があります。

 歴史を見ると、技術の進歩による失業は多々ありましたが、それは主に肉体労働の分野でした。しかし、膨大な情報をハイパースピードで処理することが出来るAIが実用化されると、例えば、難しい手術などは行わず日常的な診断を行っている医師、判例の調査などを行う弁護士事務所の法律専門事務員など、学歴や経験、熟練が必要とされて来た仕事もAIに取って代わる可能性が高いのです。汎用型AIが登場すると、その傾向は加速すると言われています。


  




 この様な世界で、人はどのような仕事を担うように為るのでしょう。マネージメント層と呼ばれる意思決定と責任を担う経営層、全く新しいア
イデアを生み出すクリエイティブ層、そして、人に癒やしを提供するホスピタリティ層に為ると云われます。
 経営層やクリエイティブ層の人員数はある程度限られているので、多くの人はホスピタリティ層に就くことでしょう。それは、収入の点で二極分化に為るかも知れません。AIの進歩は経済の成長を高めますが、最も成功したAI関連企業によるウィナー・テイク・オール、詰まり一人勝ちの可能性が高いからです。
 しかし、AIが社会インフラと為るほどに進歩、発展した時、その利益は社会全体のものという考え方が起こるでしょう。詰まり、形としてはウィナー・テイク・オールであっても、その利益は社会全体に平等に配る、再配分政策が考えられる筈です。最低限所得保障を行うベーシック・インカムなどの導入が必要になる。


     3-21-16.jpg

 
 しかし一方で、ホスピタリティの価値は今よりも遥かに高まる筈です。と云うのは、既に私達が欲するものは、ものでは無く、形の無いサービスやストーリーを求める様に為ってきているからです。
 例えば、心が癒やされる自然の眺めが味わえる、心地良い快適な旅館には、何度でも訪れたくなるでしょう。その時必要なのは、ホスピタリティであり、それを可能にするのは人なのです。効率を追い求める作業はAIとロボットに任せ、人は効率を余り求め無い働き方にシフトし、そこから商品を提供して行く社会に為って行くのではないでしょうか。

 ものの消費には限界がありますが、非物質化したサービスには消費の限界がありません。そのような価値観の下では、人口減少による国内マーケット縮小の影響も、悲観する程大きくは無い筈です。
 人口減少を悲観するばかりでは無く、それはAIが技術発展する機会と為ります。発展したAIによって人々が快適に暮らせる社会づくりに、目を向けるべきではないでしょうか。

 以上


 



 



 
 イノベーションの意味と身近なイノベーション事例7選 より引用


 本やネットで好く耳にする「イノベーション」最早ビジネス現場では聞か無い日は無い位に飛び交っている言葉の1つです。しかしあなたは「イノベーション」と云う言葉の意味を確り理解した上で使用していますか?
 今回は「イノベーション」と云う言葉について説明に加え、身近なイノベーションの事例をご紹介します。是非この記事を読んで「イノベーション」についての理解を深めてください。


 イノベーションとは

 物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には新しい技術の発明と誤解されているが、それだけで無く新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。
 詰まり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。(※Wikipediaより抜粋)/span>

 Wikipediaをはじめ、イノベーションの意味をネットで検索すると小難しく説明されている事が多いです。しかし分かり易く一言で言うと「在りそうで無かったもの」と定義出来るのではないでしょうか。では何故そう言えるのか、イノベーションの具体的な事例を紹介します。







 身近なイノベーション事例


 




【キーボードを無くしたことで電話を再発明したiPhone】


     3-20-17.jpg

 Appleに魅了され、iPhoneを持っている方は多いと思います。今までのガラケーと根本的に違う点は「キーボード」をなくし画面だけにしたことでしょう。「指で画面操作する」という誰でも簡単に操作することができる点を採用したことでこれまでのスマートフォンとは異なる斬新なデバイスを開発したのです。
既存のものから何かを引き算するという考えから生まれたイノベーションの例です。

 
  




 【友人の友人を可視化したことで世界を小さくしたfacebook】


    3-20-18.jpg

「スモールワールド現象」という言葉をご存知でしょうか?これはネットワーク論の1つで「平均6人以上の友人を介すと世界中の誰とでも間接的な知り合いになれる」という仮説です。
 この現象を可視化したものが今やユーザー数10億人を誇るface bookです。Face bookは「自分と相手の共通の友人やその人数」を表示してくれます。そのため自分がつながりたいと思う人を検索した時に、その人との共通の友人が表示されるとどこか親近感を感じますよね。このようにFace bookは友人の友人を可視化したことで世界を小さくしたのです。
「実名であること」「実際に出会った人としか友人にはなれない」というルールを課したことでイノベーションが生まれた例と言えるでしょう。


 

 


 【人々の行動様式を逆に利用するクレジットデビットカード】


     3-20-19.jpg

 クレジットデビットカードをご存知でしょうか?他のクレジットカードと何が違うのかというと購入時に口座から直ぐ引き落とされるカードです。しかも端数分を繰り上げ、切りの好い額で精算して呉れます。詰まり15,300円の商品を購入すると16,000円が引き落とされます。そして差額の700円が貯金口座に振り込まれる仕組みとなっています。
 これがアメリカ中下層に大ヒットしたのです。その理由がアメリカでは貯金出来ない人の行動を分析した処、購買機会が多いことが発見されたのです。デビットカードはこの購買機会が多い人程貯金が貯まる仕組みにした処です。貯金する為にお金を使うことを抑制するので無く、人々の行動様式を逆に利用することがまさにイノベーティブと言えるでしょう。


 




 【業界初めて成功報酬型ビジネスモデルを市場に持ち込んだJobSense】

     3-20-20.jpg

 タウンワークやフロムエー、anなどの紙媒体のビジネスモデルは求人を紹介する広告の枠の大きさによって掲載費が異なります。しかしそもそも求人を記載する広告枠の大きさによって広告効果が異なるのか?そう疑問を持ったのがJobSenseを運営しているLIVESENSEです。

 バイト求人を記載する企業は採用が決まることを期待しているからこそ掲載費を事前に払うという前提があります。しかし求人に対して応募が無かった場合は投資した広告に対して見返りを回収することは不可能です。求人を掲載する企業からすればこれがネックと為っていました。リブセンスは採用が決定した時に初めて掲載料を支払う成功報酬型の導入することでこの不満を解消しました。
 このモデルを採用することで企業もリスクが完全に無く為ったのです。又ユーザーに対して祝い金制度を導入したこともユニークなアイデアです。この制度を導入したことでユーザーの意欲が高まりサービスの成長を推進したと言えるでしょう。


 




 【途上国の子供達の教育支援を行うe-Education Project】


     3-20-21.jpg

 途上国の子供達の教育支援を行っているe-Education Projectと云うNGOが日本に存在します。この団体は途上国の教育格差を解消する為に映像教育モデルを展開しています。創業者の税所さんは自身の東進ハイスクールの映像教育の体験を元にお金や距離の問題で良いチャンスに出会えない子供達の為に最高の授業を提供しています。
 以前から途上国では先生不足に悩まされていましたが、1人の先生の授業を映像化することで解消され、子供達にも平等な教育機会を与えています。「東進ハイスクール」のビジネスモデルを途上国に輸入することで途上国に教育によるイノベーションを起こしている例です。


 




 【メガネの常識を変えたJINS】

    3-20-22.jpg

 以前までだとメガネは「視力が悪い人がするものだ」という認識が一般的でした。この常識を変えたのがJINSです。JINSはPCやスマホから発せられるブルーライトが多く発生していることにいち早く気付きました。それがブルーライトをカットするJINS PCです。これによりメガネをは視力矯正の役割だけで無く、「目を守るもの」という新しい常識を創造したのです。


 




【徹底的な消費者の立場に立って作られたAKB48】

    3-20-23.jpg
 
 今や国民的アイドルのAKB48。総選挙の度に私達をワクワクさせるこのアイドルグループにもイノベーティブな要素が隠されています。

 それはファンによる人気投票でメンバーを格付けすると云うゲーム的要素です。今までのアイドルグループと云うのは提供者側の理論で作られた商品でした。メンバー構成や各メンバーのキャラ付けが一方的に提供者側で操作されてる為、アイドルと云うものはテレビの中の憧れの存在だったのです。
 CDに投票券が1枚入っており、自分が誰に投票するかでその子のアイドルとしての市場価値やメンバー構成が変化します。この様にシンプルではありますが、自分の関わり方次第でアイドルの物語が変化すると云うゲーム的要素が爆発した人気を生んでいる原因の1つだと考えられています。


 まとめ

 いかがだったでしょうか?「イノベーション」に対する理解が深まったと思います。どの事例を見ても判る様にイノベーションは「アァその手があったのか!」と云うものばかりです。「ありそうでなかったもの」これがまさにイノベーションだと思います。
 決して自分には無縁の話だとは思わず、物事を色んな視点から考え直すことからイノベーションの第一歩が始まるのではないでしょうか。

 以上 



 
 





 【管理人のひとこと】


 色々と引用させて頂き、ありがとうございます。サテ、各種メディアは、少子高齢化・人口減少するから日本の将来は大いに不安である・・・と連日報道し、政府や民間の統計を示し、最後には日本は消滅してしまうのでは無いかとの不安感や焦燥感が満逸しています。確かに現実に年々人口は減り続け地方の過疎化は止まらず、子供の絶対数が減り廃校が相次ぎ、ゆくゆくは5軒に1軒は空き家に為るだろうと・・・
 この手の報道は、読者を驚かせショックを受けさせると同時に「消滅」と云う決定的文字を打ち込むことで多くの人達が二度と立ち直らさせ無い様な強烈なインパクトを与えます。記者や論者は、事例を取り上げて将来への警告・警鐘を鳴らす積りだったのでしょうが、それが独り歩きして雪だるまのように肥大化されて行きました。


 




 政府を始め多くの人達は、その対策に前のめりと為り早々に対策へと打って出ます。人口減少⇒子供を産ませよう、若い人を沢山結婚させよう、労働力減少⇒女性を働かせよう⇒保育所を増設し無料に⇒外国人を受け入れよう・・・火事場の前で右往左往する野次馬の様に、邪魔なだけのその場限りの対処療法をパチンコの当たりの様にゾロゾロバラバラと出してきます。一体、この中の何が効果を挙げたのでしょうか。
 多くの人達が一つの考えに熱中し集中すると云うことは、過去の歴史では余り好いことは無かったのです。海外侵略だとか戦争へと結びつく事例が多いのです。その様に集中することをパニックと呼び、異常であり危険でもあるのです。

 そこで、このマスコミや政府の報道を全否定するのでは無く、それを認めた上でも、その中身を精査し再評価して将来への道を指し示そうとの考えも並行して出てくるのが自然の流れです。人はどうしても一方向へと流される傾向が強いのですが、必ずそれに反する動きも出てくるのです。これが、渦巻き現象とでも云うのでしょうか、大きな流れを少しでも緩やかに押し留め様とします。実は、何時の時代でも本質は後者にあるようです。
 富国強兵政策で海外に植民地を、資源を確保しよう!と勇んでいた国民を「侵略」と否定し「平和」の大切さを啓蒙して他の道を進もうと考えた人が居ないでは無かったのですが、結局多くの国民の声が戦争へと進んだのが戦前の我が国でした。

 この様な過ちを二度と繰り返さない様、私達は、このショックからパニックを起こさない様に強い精神力を持たねば為りません。報道に一喜一憂せず、確りと物事の本質を捉え無ければ為りません。それには、多くの報道の本質を見極め、その本質を正当に解釈する力が必要です。


 



 
 サテ、今回は「イノベーション」と云う言葉が数え切れぬほど出てきました、そして、その解説も事例も参照しました。難しい定義では無く「今までなかった新しい0000」0000は、機械や装置だけで無く、思い・考え方・思想・空間も含まれるのです。
 しかし、このイノベーションの成功例は何時までも続くものでもありません。一斉に飛び付きブームを起こすと、溢れ返った現象への飽きが来てしまい直ぐに陳腐化してしまうのです。そして、別の新たなイノベーションが生まれてくるのです。

 例えば成功例としても取り挙げられた「AKB48商法」ですが、今でも多くのファンが存在しています。が、次々と同じものが生まれ今や世の中に溢れ返って居るのが現状です。ホンの氷山の一角が生き残るのでしょうが、日の目に遭えない地下アイドルが数多く存在し、過当競争廉価販売の真っ盛り。
 卓越した美人でも無く独創的な技量も無く、只の素人の集まりのグループで、ファンが彼女達を育てる「たまごっち」遊びなのが斬新なイノベーションだったのです。「育てる喜び」を求めてファンは熱心に応援するのです、親の心ですね。


     3-21-17.jpg

          Perfume(パフューム)


 私個人としては、アイドルと呼んで好いのかどうかパフュームを応援しています。独特な楽曲と唄に、特異な踊りに電気的効果の舞台装置・・・それらがマッチして未来の社会を想像させるイメージを膨らませるのです。或る時は彼女達はロボットの様に踊り撥ね、或る時は水の中の植物の様に揺れ動く・・・彼女達は並外れた努力と才能を磨きここまで精進を続けて来ました。
 AKB48とは少し異なったジャンルの様ですが、安室奈美恵やマイケル・ジャクソンに匹敵するエンターテイメントだと思っています。世界に活躍の場を求めても十分通るのですが、日本を忘れ無い様にお願いしたいものです・・・


   動画「不自然なガール」

    


 



 























   

 
 

 






少子高齢化は 新たなチャンスの到来!



 
     3-20-1.png



 日本の課題とは?

 米中の経済摩擦による中国経済力の鈍化が世界に影響を及ぼし、アメリカや日本を始め世界的に経済低迷へと進んでいるかの様な雰囲気が醸し出されています。トランプ氏が一方的に中国への関税を高め、貿易収支の改善を試みたのですが、米中の関係は既に切っても切れ無い程に広範囲に深化していて、中国からの輸入を減らすとアメリカ自体に直接影響する様にまで為ったのです。
 それは、世界の工場足る中国の経済にブレーキが掛かり、世界中から中国へ輸出される全てのものが減少してしまい、延いてはアメリカの産業にも広範囲に影響してしまったのです。このブログで以前に紹介した様に、日本から中国への輸出も急激に減少し、日本経済にも大きな影響を与え様としています。


  




 アベノミクスの真価が疑われ、昨今の日本の実質GDPの伸びは先進国内ではビリ、世界の中でもビリに近いものだと判って来ました。政府やマスコミでは、少子高齢化が全ての元凶であるかの様な報道が多く、何とか人口を増やせないものか、女性の労働力の増強は、その為の保育所の増設、保育所の無料化・・・と色々な政策を練っているのが現状です。
 しかし「少子高齢化がそのまま日本の生産性の低下には結びつか無い」のだとする反論が相次いで聞かれるように為りました。「少子高齢化と日本の経済低迷は無関係」だと云う考えです。

 一時は、世界を席巻した日本の電化製品やその他の高度な技術が、次々と失速し世界から取り残されるのが現状です。これは、アベノミクスの成功を演出した政府や日銀が、謙虚な気持ちで現状や将来を読み取ら無かった、読み取れ無かった、一種の意図的な職務怠慢でもあるでしよう。
 連日マスコミは、日本の将来の姿を悲観し世界に埋もれてしまうのでは無いかと危惧される報道で一杯です。希望的観測や安倍氏への忖度を除外し、真の日本の姿を探し出してこそ次への対策へと進めるのです。全ての原因は少子高齢化だから・・・と逃げ無いで、かつ少子高齢化を認識した上での根の太い力強い経済成長へとの政策転換が必要です。

 今回は、下記レポートを参照します。



 




 【特別対談】冨山和彦×山田英司


 「課題先進国ニッポン」にチャンスあり。少子高齢化に負け無い成長モデルとは? より引用します


 エネルギー問題に加え、一斉に更新時期を迎えているインフラ危機。医療、年金を初めとする社会保障制度も大きく揺らいでいる日本。高度経済成長期に作り上げた様々な社会の仕組みがあらゆる処で制度疲労を起こしており、まさに課題先進国ニッポンと言える。
 こうした閉塞感を打ち破るにはどうしたら好いのか。安倍政権の政治に期待をする声も多い。しかし、日本の本当の底力は企業にあるのではないか・・・

 そこで今回は、企業再生のスペシャリストとして日本企業の強みと弱みを好く知る冨山和彦氏と、長年、社会的課題に関わる大規模なシステム開発プロジェクトを手がけて来たNTTデータの山田英司氏の2人が「課題先進国ニッポンのビジネスチャンス」について語る。

 (取材/構成/執筆:ダイヤモンド社 出版編集部宮田和美)


  




 課題先進国ニッポンの現実


 山田英司(やまだ・えいじ)氏  株式会社NTTデータ代表取締役副社長執行役員

 パブリック&フィナンシャルカンパニー長 1955年北海道生まれ。78年日本電信電話公社入社。88年からNTTデータ通信株式会社(現:株式会社NTTデータ)。人事部長、グループ経営企画本部長、金融ビジネス事業本部長等を経て、現在は代表取締役副社長執行役員 パブリック&フィナンシャルカンパニー長を務める。


 山田 今巷では、アベノミクスの一挙手一投足に大きな注目が集まっています。円高が緩和され株価も上昇、経済状況に少し明るい兆しが見えて来ました。しかし、2年前の東日本大震災により浮き彫りになった「エネルギー問題」は、脱原発の是非をはじめ再生可能エネルギーの普及目標など日本のエネルギー未来像は未だハッキリと示されていません。
 又、中央高速道路笹子トンネルの天井崩落事故では9名の方が犠牲に。この事故は、高度経済成長期に一斉に整備されたインフラが耐用期限を迎えているという事実、詰まり「インフラクライシス」が身近に迫っていることを私達に突き付けました。

 更には「少子高齢化」と云う、日本の国力に直結する非常に複雑で大きな問題も横たわっています。それにより、医療、年金を初めとする社会保障制度そのものも大きく揺らいでいます。
 これまでに作り上げた社会の仕組みが制度疲労を起こし、数多くの社会問題となって表面化している日本のこの状況を「課題先進国ニッポン」と指摘する識者もいます。こうした、一見八方塞がりにも見える日本の現状を、冨山さんご自身はどのように捉えていらっしゃいますか?


  




 冨山和彦(とやま・かずひこ)氏  株式会社経営共創基盤(IPGI) 代表取締役CEO
 ボストンコンサルティンググループ、コーポレイトディレクション代表取締役社長を経て、2003年に産業再生機構設立時に参画しCOOに就任。解散後、IPIGを設立、数多くの企業の経営改革や成長支援に携わり、現在に至る。1960年生まれ、東京大学法学部卒、スタンフォード大学経営学修士(MBA)、司法試験合格。

 冨山 エネルギー問題・インフラ危機・少子高齢化など、それ等の問題は独立した問題では無く、複雑に絡み合った問題であると考えるべきだと思います。経済が高度に発達し、取り敢えず食うには困ら無くなって来たからこそ起こる問題です。或る意味、成熟した国では昔の常識が通用し無くなって来ています。
 ひとつ例を挙げると、先進国での貧困問題。過つては貧困といえば飢餓のことを指しましたが、例えばアメリカでは、貧困層の方が肥満率が高いと言われています。もうひとつの例は、少子化です。過つて、マルサスの人口論では「豊かに為ると人口が増える」が定説でした。しかし今は違う。
 経済が高度化すると、何故かドンドン少子化してしまう。この謎を解き明かしたら、多分それだけでノーベル賞ものだと思うんですけど(笑)。でも、現実としてそうなんですよね。


 




     3-20-3.jpg 人口将来推定



 山田 只、先進国の中でもアメリカは未だに人口が増え続けていますね。ヨーロッパの中にはフランスの様に少子化対策に成功したと言っている国もありますが。

 冨山 アメリカを初め、実はそう云う国は大抵、移民受け入れの国なんです。詰まり、移民の出生率は高いから、それが少子化の歯止めに貢献していると云う事。とすれば、移民受け入れをしていない日本において、この少子高齢化という問題は対症療法的には克服出来ない問題です。
 ヒョッとすると、もっと根深い部分、例えば私達の日常の行動とか、或は産業の構造と云った、人間や社会の本質みたいな処に起因する様な気がして為らない。そうした現実を踏まえて、私達一人ひとりが心地好く自己実現が出来、持続可能な社会構造を作れるかが、恐らく究極的な解決策なのだと思います。


    3-20-4.jpg 三世代同居


 例えば北陸地方。福井県は2位、富山県は4位、石川県は6位と、女性の就業率が全国でもトップレベル。更には出生率においても3県何れも全国平均を上回っており、中でも福井県は常に上位に位置しています。繊維業などの地場産業が盛んで、昔から共働き夫婦が多いにも関わらず三世代同居と云う居住環境で子育てを上手く賄っているのです。まさに、少子化対策としての地方型の成功モデルです。
 しかし、都市部ではナカナカそうはいきません。所得が増えたら子供も増える筈・・・その定説で作ってしまった20世紀モデルの社会保障や産業モデルでは最早上手く行か無い。そう云う意味では凄く逆説的な言い方に為りますが、日本が今直面している諸問題を解決したら、ヒョッとすると少子高齢化は止まるかも知れません。


  




 人口だけに頼ら無い、 経済成長のモデルとは?


 山田「人口ボーナス」と云う言葉がある通り、過つての高度経済成長期のように人口増加が経済成長に大きく寄与する時代もありました。しかし、現役世代が減少するという「人口オーナス」と云う時代に入った今、少子化対策を進めたとしても限界があります。
 詰まり、人口頼みの経済成長は難しいと云う事です。だからこそ日本は、そうした状況を打破する為の「イノベーション」を起こし、少子高齢化社会でも経済成長出来る道を探ら無くては為らない。むしろ、それがもうひとつの経済成長モデルであると私は考えています。


     3-20-5.jpg


 冨山 確かにこれまで経済成長のひとつのモデルは「人口×生産性」と言われて来ました。しかし、経済が成熟した先進国は今、人口は右肩下がりで母数はナカナカ増え無い。であれば、生産性をどう上げるかと云う事が重要に為って来ます。
 生産性の多くは人間が握っています。しかし、昔と違って教育水準が上がった今、人の能力による生産性向上には限界があります。又、ITなどの仕組みによって効率化を進めることも出来ますが、それも限界効用が下がりつつあります。
 と言った時に求められて来るのが、先程山田さんがおっしゃった「イノベーション」です。生産性そのものがイノベーションだと言えるのです。日本が今ブチ当たっているのは、生産性の壁。詰まり、イノベーションの壁なのです。


 




 山田「制約はイノベーションの母」と言われるように、課題こそがイノベーションの最大のドライバーと為ります。そう云う意味では、課題先進国ニッポンと言われる今の状況は、世界で最もイノベーションが起き易い環境にあるとも言えるのではないでしょうか。
 何れ世界の課題とも為る日本の難問を解決するイノベーションによって創造されたビジネスは、そのまま世界の課題解決に寄与するビジネスと為り得るのです。


  




 ワンステップで世界をめざす


 冨山 ただ、日本企業がイノベーションを折角起こしても、それを世界に通用するモデルに出来ない。詰まり「標準化出来ない」のが日本の弱みでもある気がします。

 山田 例えば、我々ITの世界で言うと、決済関係のシステムですね。日本の決済システムは、世界に冠たる非常に進んだシステムだと思うのですが、それがナカナカ世界標準化出来ていない。そうこうして居るうちに、他の国にキャッチアップされ、気づいたらデファクトスタンダードを取られてしまうこともあります。
 このままでは、モノづくりだけで無く、あらゆる産業で日本がドンドンとガラパゴス化してしまうのでは、と云う危機感を覚えます。冨山さんがおっしゃる通り、日本人は本当に標準化が苦手なんだと思います。

 冨山 これにはふたつの原因があります。ひとつは「日本人は何でもツーステップで考えてしまう」と云う事です。先ずは国内で確りと洗練したものを作って、それから海外展開・・・と云う感覚では最早世界のスピードに付いて行けません。
 今や日本のGDPは世界で8%しか占めていないのですから「先ずは日本で」と云う時間は無いのです。国内⇒国外と云うツーステップは物凄く効率が悪い。初めから世界同時に発売する。初めから世界標準を取りに行く。日本人、日本企業は、そうした発想の転換が不可欠です。


     3-20-7.jpg PANADES
 
    
 山田 当社においても、未だ多くはありませんが、ワンステップで世界を目指す試みが始まっています。「PANADES(パナデス)」と云う航空機の飛行経路設計パッケージソフトです。この商品は、国際民間航空機関(ICAO)が定める国際基準に準拠し、初めから世界を狙って開発したシステムです。
 2010年の発売開始後、世界中から引き合いを頂き、タイやインドネシア、ベトナムなどでの導入も始まりました。急速な経済発展によって航空業界も急成長を遂げている新興国では、経験豊富な設計者の確保が難しいと云う課題を抱えています。これに着目したワンステップの戦略が、成功に繋がったのだと考えています。

 冨山 少子高齢化により日本市場の縮小が危惧されていますが、その反面、国内市場が縮小するからこそ、ワンステップの世界展開がし易く為るとも言えます。
 これまで日本は、1億人と云う豊富な内需がありました。一方、韓国や台湾、ヨーロッパの小国は、最初から自国にマーケットが無い事を知っている。だから初めから世界を目指すんです。
 しかし、日本のマーケットも十分に小さく為って来た。だからこそ日本企業も、初めから世界を目指す時代に入ったと言えます。

 山田 少子高齢化による内需の縮小を、ダイレクトに世界に打って出るチャンスと捉えると云う事ですね。

 冨山 その通りです。そしてもうひとつ、日本が世界でナカナカ標準化出来ないふたつめの理由には「内向きな国の政策」もあります。
 世界標準化の議論というのは、ある種、国家資本主義がセメギ合うゲームの為、矢張り政府の役割がどうしても無視出来ないのです。政治家や官僚の多くは、国内の資源配分だけを見て、予算を獲った獲られたと云う話が好きですが、そんなことは好いからどうやったら日本が世界でマーケットシェアを高められるか、どうやったら日本のスタンダードを世界のスタンダードに出来るか、そちらの方に政策の重点を置いて欲しい。
 内向きの資源配分では無く、外向きの資源配分へ切り替えるべきです。だからこそ政治家や官僚には、民間の誰よりも民間的なビジネスセンスを持って貰いたい。詰まり、株式会社日本国のマーケティング営業担当の集団に変わると云う事。永田町も霞が関も、イノベーションの壁を越え無ければ為らないのです。


 




 今回の特別対談のテーマは「課題先進国ニッポンのビジネスチャンス」企業再生のスペシャリストとして日本企業の強みと弱みを好く知る冨山和彦氏と、長年、社会課題に関わる大規模なシステム開発プロジェクトを手がけて来たNTTデータの山田英司氏の2人は、今の日本の状況をどう捉えているのか?
前編では「少子高齢化に負け無い成長モデル」について。そして後編は「日本企業が目指すべきイノベーションの姿」について語る。 (取材/構成/執筆:ダイヤモンド社 出版編集部宮田和美)

 
 




 日本企業が極めるべき「連続のイノベーション」


       3-20-8.jpg

 冨山 日本企業は世界で標準化するのが不得手だと申しましたが、世界を視野に入れたビジネスモデルを考えるたびに何時も思うことがあります。それは、GEに出来たことが、何故日本のメーカーに出来ないのか・・・と云う事です。GEは突拍子も無いイノベーションは決してやっていません。寧ろ「捨てた」だけ、と言っても好いでしょう。ジャック・ウェルチが推し進めた「選択と集中」です。

 山田 事業の存続条件が「その産業分野でのシェアが、世界1位か2位であること」と云うポリシーですね。


     3-20-13.jpg GEガスタービン事業


 冨山 そうです。コンピュータやら半導体やら、この条件を満たさ無いものをGEは全て捨ててしまった。その結果残ったのは、藤本隆弘教授(東京大学 ものづくり経営研究センター センター長)の言葉を借りれば「熱と質量のあるとこだけ」ガスタービン事業に代表される様に、要は連続的な技術蓄積が出来るもの、つまり「積み上げが効く」事業です。

 山田 実はそれ、日本企業が一番得意とする処ですね。

 冨山 そう、そうなんです。詰まり「連続のイノベーション」日本企業はこうした得意技を持っているのに、何故GEの様に出来ないものかと・・・寧ろ、不連続なイノベーション、詰まり単なるパワーゲームの様なものを思い切って捨ててしまって、連続のイノベーションに集中すれば、それはもう世界に取って大きな脅威ですよ。メカトロニクスの分野では特にです。

 山田 GEには出来て日本企業には出来なかった。その最大の要因は何でしょうか?

 冨山 多分、ふたつ理由があると思います。先ずひとつは「スピーディーに選択と集中が出来なかった」ことです。
 日本企業は兎に角捨てられ無い。近年、日本のエレクトロニクス産業が苦境に立たされていますが、そう云った状況の中でもスピーディーに選択と集中をやった企業は、チャンと業績が上がっているんです。例えば日立製作所とか。この3、4年でそれが出来たか出来無かったかが、ここまで大きな差を生んでしまったと云うワケです。
 日本企業は業績が悪くなると、一律に希望退職を募ったりしますが、僕個人としては、寧ろバッサリと縦に切っちゃった方が好いと思っています。事業毎バッサリと切ってしまうんです。GEはそれを聖域無くやっただけ。日本企業にも、そうした「捨てる力」が必要です。


      3-20-14.jpg


 山田 私も経営者として、事業の選択と集中は非常に難しいと感じています。GEや日立製作所の姿を見ていると、そうした明確なイグジット・ルールの重要性も認めざるを得ないのも事実です。
 しかし当社は、社会的課題や社会インフラに関わる事業も数多く手がけています。そうしたビジネスの多くは直ぐに成果が出る様なものではありません。株主から集めた資本金で事業を行う公開会社である以上、見込みの無い事業に際限無く資金や人員などのリソースを注ぎ込むことが許され無いのは当然ですが、社会的に価値のある事業であれば、何としても成功させると云った執念の様なものも必要だと考えています。
 当社のように、課題先進国ニッポンの難問をビジネスチャンスに変え様と思うのであれば、激しく変化する時代の流れをキチンと読みつつ、腰を据えて取り組むと云う、言わば「タテを繋ぐ力」も大事にしたいと考えています。

 冨山 成る程、それはNTTデータさんらしいかも知れませんね。連続のイノベーションをどの事業で行なうか、それを見極めることが経営者の腕の見せ処と云えるでしょう。
サテ、GEには出来て日本企業には出来なかったもうひとつの理由ですが、それは「規制環境が多過ぎる」ことです。日本が今課題先進国であるなら尚更です。
 企業が、数多くある社会課題に挑戦し、それを解決することで新たなビジネスを生み出す為にも、国は規制を緩やかにし、もっと自由に動ける状況を作るべきです。言わば、マーケットをデザインすると云う事。そうした自由な環境の中で、社会実験的なトライ&エラーが出来ないと、新しい商品やサービスはナカナカ練れて行かない。その繰り返しで初めてビジネスとして進化して行くんですから。
 医療ビジネスで云えば、GEやフィリップス、シーメンスも自分達のホームグラウンドで色んな事にトライして来ている。詰まり、練れた商品やサービスを世界に持って来ているワケなんです。

 山田 そうした自由な環境が、日本企業が連続のイノベーションを極める上で不可欠な条件だと云う事なのですね。

 
 




 ビジネスのなかにどれだけ「多様性」を担保できるか


 冨山 日本企業は連続のイノベーションを極めるべきだと言いましたが、そうするとやってしまい勝ちなのが、要素技術だけを極めようとすることです。確かに日本企業の要素技術を作り出す力は高い。しかし、ビジネスとしてのイノベーション力が弱い。

 山田 で、直ぐにコモディティ化の波に呑まれてしまう。

 冨山 そう。今苦境に立たされているシャープやパナソニックはその典型です。本当に好い技術を持っているにも関わらず、それが上手くマーケティング出来ていないと云うか、ビジネスとしてのイノベーションが出来ていない。
 そう云う時僕は、或る種のオープン・イノベーションと云うのがカギに為って来ると思っています。ずっと連続的に統一的に社内で積み上げて来たものと、M&Aも含めた外からの異質なものとをどう組み合わせるか。内部資源と外部資源の組み合わせ、それでビジネスと云うものが成り立って居るからです。

 山田 確かに日本企業は、異質なものを取り入れた新たなビジネス生態系を作ること、言わば「ヨコを繋ぐ力」が弱いと言えますね。しかし、複雑な時代だからこそ、多様なメンバーの知恵を取り入れる仕組みは不可欠です。何でも自前主義を前提に、好いモノを作って居れば必ず売れると云う時代は、とうに終わってしまったのですから。

 冨山 その為にも「従業員の多様性」をどれだけ担保出来るかが重要です。兎に角、組織の壁を緩やかにすること。同質化すると、どうしてもイノベーションは起こり難く為ります。外部からの空気も含めて、組織の中に多様性を取り入れる仕組みを作れるかどうか。これが、日本企業が今一番すべき挑戦だと思います。

 



 中高年こそ、能力主義できちんと評価する



 山田 最近、イノベーションとか言うと、若者へ檄を飛ばすと云うか、日本経済や日本企業の再生を引っ張って行くのは若者だと云った論調が多いと思いますが、本当にそれだけなんでしょうか?
 私は寧ろ、高齢者を活かすことが重要ではないかと感じています。社内に大勢いる中高年をどう活性化させて行くか、それが経営者として大きな課題でもあるのです。

 冨山 実は、過つて僕は「中高年を希望退職で一斉に切ってしまえば好い」と云う事を言っていた時がありました。只最近、それは非常に危険だと思う様に為りました。何故なら、或る世代を水平に切り取ると云うリストラは、日本企業が蓄積して来た連続的ノウハウに不連続を起こしてしまうんです。
 これでは連続のイノベーションを極めることは出来ません。だからこそ最近僕は「リストラをやるんだったら、縦に切れ」と云うのが持論に為りました。切るなら、人では無く事業だと云う事です。例えば、家電メーカーのテレビ事業が苦戦しているのも、事業を売却したく無いが故に、熟練した50代を一律に切ってしまったから。そう云う人達が中国や韓国のメーカーに行ってしまえば、連続のイノベーションは結果的に他国に盗まれてしまうことに為るのです。

 山田 確かに事業ノウハウを継承して行く為にも、人材に不連続を起こすことは望ましいことではありませんね。しかし一方で、団塊世代の大量退職もあり、人手不足が既に始まっている企業もあります。そう云う意味でも、定年退職者の再活用も含めて、連続のイノベーションを極める為の人材確保が大切ですね。

 冨山 その時に重要に為るのが、中高年の能力を何処までフェアに評価出来るかです。従来の年功序列制度の中では、中高年層は一律に高コストの労働力と見られて来ましたが、中高年層こそ能力に大きな差があります。
 寧ろこれからは、この中高年層こそ極めて真剣な能力主義にして、優秀な人にはキチンと報いるべきです。反対に、若年層は年功序列で好い。20代なんて言わば給料を貰って勉強をしている世代な訳だから。マア、30代半ば位までは、従来の年功序列制でも好いのではないかと思います。
 兎に角企業は、従業員一人ひとりの能力をキチンと評価出来なければなりません。一律に55歳以上、希望退職と云うリストラしか出来ない経営は無策そのものです。僕自身の反省も込めてですが(笑)。

 山田 能力主義を若い人だけの議論にしているのはもう古いと云う事。これからは実力ある中高年層に、組織の中で大活躍して欲しいと考えます。


  




 冨山 一方で、今、会社そのものの年齢も問われています。ひとつ面白い例を挙げましょう、それはソニー。会社の年齢と時価総額の関係です。会社の年齢が上がる程、それと反比例する様に、時価総額は右肩下がりのカーブを描いています。
 因みに現在、ソニーの会社年齢は67歳で従業員は16万人。確かアップルは36歳で3〜4万人。人間でいうと、ソニーはとっくに還暦を越えています。詰まり、アップルの様な不連続のイノベ―ションを生み出すには、ソニーは歳を取り過ぎてしまったと云う事。スピード感がまるで違うのです。
 だからこそ成熟した日本企業は、勇気をもって不連続なものを捨て、経験曲線で戦える「連続のイノベーション」を極めることが大切なのです。

 山田 成熟したプラットフォームを受け継ぎ、それを更にどう進化させて行くか。その「連続のイノベーション」こそ、日本企業が再び世界で輝くカギと為る。冨山さんのお蔭でそれを強く確信することが出来ました。
 今日本が抱えている様々な課題も、やがては世界の課題と為る日はそう遠くありません。日本が世界のどの国よりも早く、そうした難問解決のチャンスを与えられたのは、寧ろ喜ぶべきことです。難問こそ、チャンス。企業に取って、そしてビジネスパーソンにとって「宝の山」である。私はそう信じています。

 (対談終了)


  






 【管理人のひとこと】


 ありがとうございました。大変に勇気付けられる対談の内容でした。確かに日本のリストラは、若年層を温存し40代以上をターゲットに人員削減するのが常でした。これでは、折角自社で培って来た貴重な人材と云う宝を単に年齢だけで切り捨てた無策なものだと云われても仕方ありません。
 彼等は、豊富な経験と知識を持て余し新たな道へと進まざるを得ず、一部の人達が中国等への技術移転へと進み、蓄積されていた高度な技術も経験も国外へと捨て去って仕舞う結果と為ったのです。これは、経営資金の確保の為、人件費の高い中高年層を先ずは叩き切ってしまうおうとの乱暴な考えだったのです。
 リストラ=全ての蓄積を投げ捨てる・・・この様な失敗を繰り返しては為りません。これは企業の発展と防衛には遣っては為らない禁じ手だったのです。この様なことを続けていては、一時は資金的に救われるが又同じことが繰り返され、結局、企業としての何の魅力も・・・技術も人材の蓄積も何も無い・・・規模の小さな脆弱な企業が生き延びるだけで、やがてこの空洞な企業も消えてしまう運命と為ります。


 




 一時、韓国の電機メーカーが世界的に躍進しました。彼等は、初めから世界をターゲットとした戦略で商品開発をしました。詰まりフンステップで海外に挑んだのです。輸出先のニーズを的確に捉え、無駄のない合理的な思考で、最低限の機能と最低限の価格で打って出たのです。日本のものは個々の技術では優れているのに、この韓国の戦略に次々と敗れてゆきました。それは、輸出先の経済規模・風習・生活感覚・・・等を熟知した彼等のマーケティングの勝利だったのです。
 それ等の一部は日本にも入って来たのですが、何故か日本では余りヒットしなかった記憶があります。安くて悪かろう・・・とのモノが入って来たのか、それとも韓国自体が日本へのターゲットを重視しなかったのでしょう。

 少子高齢化しても経済成長はあり得るのか?その答えはイエスです。海外では、数多くの国がそれを成し遂げていますし、その様に進めています。日本だけが何故か遅れをとっている様な気がして為りません。それは、何処に原因があるのか、ナニなのか? 多くの人が疑問に思っていることなのでしょう・・・



  



 






 

 


×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。