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2019年08月28日

【沈黙をこえて】「何故2人切りに為ったの」 取材現場でセクハラ 被害受けても責められる社会




 【沈黙を超えて】「何故2人切りに為ったの」 

  取材現場でセクハラ 被害受けても責められる社会


         〜カナロコ by 神奈川新聞 8/28(水) 14:00配信〜


 




 〜性暴力の被害者が自らを責めるのは何故か。30代の女性新聞記者の林節子さん(仮名)は取材現場で知り合った男性に性的関係を求められ、自分が悪いのかもと苦しんで来た。
 昨年4月に発覚した財務事務次官に依る女性記者へのセクハラ問題で、或るコメンテーターが発した言葉が忘れられ無い。「何故2人に為ったのか」林さんは今、被害者に非がある様に責める風潮が根強く残る社会こそ問題だと感じて居る。メディア業界で働く女性の現実を見詰める〜



 言葉に共鳴

 〈ハラスメント被害が繰り返されたり、被害を訴える事に高い壁がある社会では在って欲しく無いと思います。全ての人の尊厳が守られ、働き易い社会に為る事を祈って居ます〉


        8-28-3.jpg

 昨年4月、財務省は女性記者へのセクシュアルハラスメント問題で事務次官を辞任した福田淳一氏に付いてセクハラ行為が有ったと認定し懲戒処分を科した。それに合わせて、テレビ朝日は被害を受けた女性記者のコメントを発表した。林さんはその言葉を記事で目にした時、胸が熱く為った。

 「全ての人の尊厳が守られ、働き易い社会に。その言葉に深く共鳴した。同時に、過つて『自分が悪かったのかも知れ無い』と思って居たけれど、そうでは無かったと思えた」

 脳裏には、自らを責めた「あの日」の記憶が鮮明に蘇(よみがえ)って居た。

 自らを責め

 10年程前、林さんはスポーツ取材の現場に居た。異動で別の部署に移る事が既に決まって居り、東京都内で開催された或る競技の国際大会は、異動前の最後の取材だった。スポーツを主戦場にして以降、その競技はズッと担当して居た。それだけに、国内トップクラスの選手が一堂に会する大会では、何時も以上に力が入って居た事を覚えて居る。
 取材の合間に関係者に挨拶をして回ると、或る男性コーチが「送別会をしよう」と声を掛けて来た。日本代表の合宿等で何度も顔を合わせて居た指導者の1人だった。

 取材を終え、午後8時頃、伝えられた居酒屋に着くと、男性コーチが1人で待って居た。最初は競技の話をして居た。だが、1時間程経った頃、会話の途中で突然「今夜、君と大人の関係に為りたい」と言われた。林さんは聞き間違いかと思ったと云う。

 「コチラが本気で捉えても相手が冗談の積りだったら恥ずかしいナとか、色々な事を考えました」
 
 妻子が居る事も知って居て混乱した。だが、男性コーチは同じ言葉を繰り返した。林さんは話をハグラカシて居たが、段々気持ちが悪く為って来た。その場を切り抜け様と「真剣に付き合って居る彼が居ます」「ソロソロ電車の時間が迫って居るので」と告げ居酒屋を出た。
 駅に向かおうとすると、男性コーチは手を繋いで頬にキスをしようとし「どうしても駄目かな」と言った。「本当に駄目です」と手を振り解き、遠回りして駅に向かった。情け無さや悔しさ、辱められた様な感覚・・・色々な感情が込み上げて来たと云う。

 「競技に愛情を持ち、私為りに一生懸命に取材して来た積りだった。そんな記者としての姿勢を見て、話をして呉れて居たと思って居た。記者では無く女として見て居たのか、と考えると、これ迄の仕事は何だったのだろうと」
 「競技関係者と記者との懇親会等で、これ迄も一緒に飲んだ事があったので、同じ様に誘って呉れたのだろうと思いました。只、何人か来るのかと思って居たらその人だけで・・・2人切りと云う状況に少し不安はあったんですが、現場で好く話して居たし、気兼ね無く話せる人だから大丈夫だろう、と飲み始めたんです」
 
 一方で、林さんは「思わせ振りな態度を取ってしまって居たのでは」「私にも非があったのでは」と自分自身を責めもした。
 翌日、大会の会場で出食わした男性コーチはこう言った。「昨夜は楽しかったね」何も無かったかの様な素振りに再びショックを受けた。その日の出来事を誰かに明かす事は一度も無く時が過ぎた。


 




 問われる社会
 
 あれから10年、記者としての経験を重ねた今、林さんは同じ様な状況に置かれたらと考える。

 「それはハラスメントであり、不快であると、抗議出来る様でありたいと思うけれど、声を上げた処で会社や社会は被害を受け止めて呉れるだろうか。不安が残ります」

 林さんには心に引っ掛かって居る言葉がある。

 〈女性記者は深夜に何故、事務次官と2人に為る様な場所に行ったのか〉  

 財務事務次官に依る女性記者へのセクハラが発覚した際、民放キー局の情報番組にコメンテーターとして出演して居た男性著名人の発言だ。

 「女性記者が事務次官と会ったのは、飽く迄も取材の為。記者が早朝や深夜に取材相手を訪ねる事は珍しく無い。日中ナカナカ会え無い対象は多く、その場合、記者は僅かな時間帯を狙って話を聞きに行く。重要度や機密性が高い情報を手にして居る時こそ、一対一で話を聞か無ければ為りません」
 
 だが、そう云った記者の仕事を理解して居るか否かと云う以前に、男性著名人の言葉には被害者に落ち度があるかの様なニュアンスが含まれて居たと、林さんは感じて居る。

 「被害者をバッシングするこの社会は何ナンだろう、と思います」

           8-28-4.jpg

     安倍晋三担当記者のセクハラを告発したジャーナリストの伊藤詩織氏

     (無断で写真を掲載して居ます・・・不都合な方は当ブログにご連絡を・・・)

 財務事務次官のセクハラ問題では、身を守る為にその発言を録音した女性記者に対し、元文部科学相の下村博文氏が講演会で「事務次官は飛んでも無い発言をして居るかも知れ無いけれど、そんなのを隠し撮って置いて、テレビ局の人が週刊誌に売る事自体が嵌められて居る。或る意味犯罪だと思う」と述べ、問題に為った。
 元TBS記者の男性に性的暴行を受けたと告発したジャーナリストの伊藤詩織さんは、インターネット上等で中傷や非難を浴びた。英BBC放送は伊藤さんに密着したドキュメンタリー番組を放送。その中でこうした日本の異質さを突き「日本の男性優位社会では被害者がナカナカ声を上げ難い状況がある」とする複数の専門家の声を取り上げた。

 林さんは言う。

 「過つて私もセクハラを受けた時『自分が悪かったのかも知れ無い』と思った。でも、今は被害者にそんな風に思わせてしまう社会コソが可笑しいと考える様に為りました。ソモソモ、相手への敬意が有ったら、ハラスメント行為を働く、ナンて云う事には為ら無いと思うんです」

 テレビ朝日の女性記者がコメントした「全ての人の尊厳が守られる社会」は、女性のみ為らず、この社会に居る全ての人に向けられた言葉だと林さんは感じて居る。



  連載「沈黙をこえて」

 この記事は神奈川新聞とYahoo!ニュースによる連携企画です。性暴力などの被害を告発する「#MeToo」運動が巻き起こってから2年近くがたちましたが、いまだ性別に根差した差別や暴力が社会に横行しています。連載名の「沈黙をこえて」には、黙さず声を上げ、全ての人の尊厳が守られる社会をつくろうとする人たちの思いを込めました。不定期で連載します。


 





 【管理人】

 男女の間には深くて広い溝がある・・・思う事が相手にそのママ伝わら無いモドカシサなのだが、それは、好意と愛情の意味の違いとも言えるのでは無かろうか。精一杯努力し、普通以上に仕事に熱心な女性が居たとしよう。普段からの健気な振る舞いを知って居る廻りの人達は「大したものだ尊敬するよ」と温かい好意を持って彼女を見守って居る。
 彼女の担当が替わる事に為り、普段から彼女を憎からず思って居た或る男が「最後だから二人で送別会を」・・・とは、好くあるパターンだ。二人で・・・との条件は、他の人達に惑わされず思い出話をしたりお喋りをし、二人の楽しい記憶として残したいとの秘めた想いでもある。日頃からその男性に何呉れ無く指導され世話にも為って居た女性は「最後かも知れないから世話に為ったお礼も」と快く受けるのだ・・・

 管理人の場合は、転勤を控えた送別会の時だった。或る女性から「終わったら、飲み直そうか?」と誘われて居た。相手が既婚女性だったので有難く最後の夜を飲み明かそうと、とある繁華街の居酒屋へと向かった。何度か仲間と一緒に飲みに行った事もあり、会社の旅行等の話で盛り上がり、2時間位飲んだろうか「遅く為ると旦那さんに悪いから・・・」と帰りを促した。
 彼女は初めから早いペースで日本酒を飲み、或る程度酩酊して居たのでコチラから促した訳だ。「酔い覚ましに少し歩こうか」とタクシー乗り場まで見送ろうと背中を押した。彼女はフラフラとヨロメキ、私の手を咄嗟に求めた。私は直ぐに彼女の手をキャッチし身体を支える。

 手が強く握り返され耳の傍で「最後だから・・・ダメ?」その言葉の意味が判らず目で説明を促した。「遅く為っても構わないの、最後だから・・・もう少し」それで意味を悟った管理人は「俺は構わ無いけど、君さえ好ければ・・・」「嬉しいな・・・本当に構わないの?」
 と云う場面も決して無いでは無い。管理人が42歳位彼女が28歳位だったか・・・昔の話だが、これは逆に女性にナンパされた様なものだが、近くのホテルへ行き一緒に風呂に入り・・・二度の交わりを終えてタクシーで彼女のマンションまで送った。
 そのご転勤先に何度か連絡が、ワザワザ新幹線で来て貰い二度程会う事に為り・・・そのママ関係は自然消滅したのだが。互いに好意を持って居るのは普段の接し方で互いに理解して居た事が発端だが、微妙なのが男女の関係なのだ。これが少しでも互いの意思の疎通がズレて居ると、即パワハラへと話が飛んでしまう。

 結論として、全ては、女性の気持ち次第なのである。その行為を嬉しいと感じたのか、意に染まぬ強制・暴力と受け取ったのか。後者であれば悔しさと怒りが残り、前者だと楽しく切ない記憶として残る。先ず以て、行為に至る前に詳細な打ち合わせや意思の確認をして居たのかと問われても・・・そんな事前の交渉は接客業ではあるまいしする筈も無かろう。互いに相手の心を推測し合い楽しんでから徐に最後の行為へと繋がる訳だ。
 行為の前後で、恐らく何かが原因で女性の心に「悔しさと怒り」を生じさせたのがこれ等の事件の原因だろう。その行為により、心からの充分な満足を得て居たらそんな気持ちは生じ無かったに違い無い。恐らく、女性に対して心からの敬意と思い遣りの欠けた侮辱的な言動が有ったに違い無い。



 





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