アフィリエイト広告を利用しています
ファン
検索
<< 2022年02月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28          
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
ヨリちゃんさんの画像
ヨリちゃん
プロフィール

広告

posted by fanblog

2019年04月26日

「自由貿易は民主主義を滅ぼす」 エマニュエル・トッド







 


 【ネットニュースより】



 「自由貿易は民主主義を滅ぼす!」 


 エマニュエル・トッドは何故保護貿易を訴えるのか?


  GLOBE+ 4/26(金) 11:43配信 より引用します




   4-26-10.jpg

              エマニュエル・トッド氏



  





 「自由貿易は、民主主義を滅ぼす」



 約10年前、自由貿易を擁護する主流経済学者に挑戦するかの様なタイトルの本が話題を呼んだ。著者は、フランスの歴史家で人類学者のエマニュエル・トッド氏(67)。

 「世界各地で起きている格差拡大の一因は行き過ぎた自由貿易政策にある」として、自由貿易から保護貿易への移行を提言して来た。米中二大国の対立で自由貿易の意義が問い直されている今、世界的な「知の巨人」は何を考えるのか。3月、パリの自宅を訪ねた。(聞き手・笠井哲也、写真も)


 エマニュエル・トッド氏

 Emmanuel Todd 1951年生まれ。人類学者、歴史学者。人口や家族構造の分析によってソ連の崩壊等を予見。アメリカの衰退を予言した「帝国以後」(2002年)は、世界的ベストセラーに為る。著書に「デモクラシー以後」「家族システムの起源」「グローバリズム以後」など。


 




 ・・・米中貿易摩擦をどう見ていますか。


 米国でグローバリゼーションが進み過ぎた

 「二つの仮説を立てて居ます。一つは経済的な面ですが、米国で取り分けグローバリゼーションが進み過ぎたと云う事です。中国が世界の自由貿易体制に入りましたが、一方で米国は最近、死亡率が増加し平均余命が低下している。そうした要因が合わさって、行き過ぎた自由貿易を止め無ければいけ無いと云う動きが起きて居る。何等かの保護や保護主義を必要として居ると云うのです。
 もう一つは、より政治的でグローバルな覇権を巡るものです。これは、米国が唯一の超大国では無く為ったことに起因します。

 中国は20〜30年に渉り、米国が労働力を使う為の好い貿易パートナーを演じて来ました。処が、今では力を着けて『危険』な存在に為って居ます。米国がグローバルな覇権を失い中国が新たな覇権を獲得することは、米国には到底受け入れられません。
 米国は恐らく、手遅れに為る前に少しずつ中国の力を壊そうとして居ると思う。今は、それが出来るタイミングでもあります。米国は衝突を起こすのは非常に上手ですよね。そしてそれに勝つことも。これは、米国が日本と1930年代にやったゲームと似ています」







 ・・・米中の貿易摩擦は、世界貿易機関(WTO)の下で築かれて来た戦後の貿易システムが失敗だったと云う事を意味して居るのでしょうか。


 完全な自由貿易は国内で格差を拡大させる

 「構造的な失敗でありません。私自身は、自由貿易の考え方にも利点はあると思っています。或る国が何かの生産に特化して経済的なスケールメリットを得る、そして国同士が協力し合う・・・全くもって合理的だと思います。
 問題は、完全な自由貿易は国内で格差を拡大させることです。エリート主義やポピュリズムによる衝突も引き起こします。自由貿易に賛成するか反対するかでは無く、どの程度の自由貿易なら社会が許容出来るかという話なのです」

 どの程度の自由貿易なら社会が許容出来るか

  「自由貿易を擁護する高名な経済学者達は失敗を犯しました。前回の米大統領選挙で、トランプ氏に反対すると同時に自由貿易を称賛しました。一方、トランプ氏は『Crippled America(傷ついたアメリカ)』と云う本を出しました。そして人々は選挙でトランプ氏を選んだ。何故なら、その本の方が現実に近かったからです。
 トランプ氏の他の発言は馬鹿気て居ますが、有権者に重要だったのは彼が真実を語って居たと云う事です。米国民は自由貿易にウンザリして居ました。死亡率の増加・自殺率の上昇等は、米国社会が上手く行ってい無い事の証しです。サンダース氏は民主党候補には為りませんでしたが、彼も保護主義を訴えて居ました。米国がより保護主義の態度へと変わったことが見てとれました」







 「自由貿易は宗教に近い」


 ・・・あなたは以前から保護主義的政策への転換を提言していますが、今がそのタイミングなのでしょうか。


 過度な自由貿易は社会を分断する

 「そうです。10年以上前から伝統的な経済学者と闘いながら考えて来ました。過度な自由貿易は社会を分断する。何故、このシンプルな現実を受け入れるのが難しいのか。共通認識として受け入れられる筈です。
 世界各地で起きている格差の拡大が、自由貿易と関係があることは疑いの余地は無いでしょう。学生の為の経済本にもそう書いてあると思いますよ。国際的な自由貿易はGDP(国内総生産)を上げるかも知れないが、社会の中で格差を広げると。左翼であれば、だから再配分が必要だと言うでしょうね」

 教育レベルの違いが、格差を受容し完全な自由貿易政策の受け入れを許す

 「只、自由貿易は、格差を拡大する道具ではあっても要因ではありません。格差を受け入れることで自由貿易政策が進められるのです。ここで注目すべきは教育です。戦後の教育システムの進化は人々に新たな階級を齎(もたら)しました。
 一般的には人口の30%が高等教育を受けるのに対し20%は初等教育で終わって居ます。その結果、30%に含まれる人々は自分達の方が優れて居ると云う新たな潜在意識を持ち出した。30%に含まれるなら、社会の他の人達を忘れることが出来ると。教育レベルの違いが格差を受容し、完全な自由貿易政策の受け入れを許すのだと思います」


 




 ・・・ですが、保護主義に転換すれば、これ迄安く買えて居た物の値段が上がるかも知れません。自由貿易の恩恵を受けて来た人々に影響があるのでは?


 保護主義と云うのはイデオロギーでは無く、何かを創造すること

 「保護主義と云うのは、自由貿易の様なイデオロギーではありません。自由貿易主義者は、そこに完璧な世界があって、関税を全て取っ払ってと云う様な世界を描いて居ます。自由貿易と云うのは宗教に近いと言えます。これに対し、保護主義は国家が執る手段です。勿論、保護主義に移れば幾つかの価格が上がる。只、労働市場も違うものに為る。労働者の賃金は上昇するでしょう。少しずつ上手く保護主義政策を進めれば、労働者や技術者にアドバンテージを与える筈です。
 そもそも、保護主義によって輸入品の価格が上がると云うのはとても古い考えです。保護主義が作り出すのは社会的な革命で、本当のゴールは社会の中の力のバランスを変えることです。格差を解消しエンジニアや科学者、モノを生み出す人にアドバンテージがある様な社会へと移行する。保護主義と云うのは何かを創造することです」


 




 ・・・著書の中で「民主主義と自由貿易は両立しない」とも主張していますが。


 「或る程度の自由貿易なら問題無いでしょう。しかし、或るポイントに達すると経済的な格差が広がり過ぎて民主主義と自由貿易を両立出来無く為ります。自由貿易を或る程度辞めて民主主義を救うか選択を迫られる。
 民主主義の根底には幾つかの平等が求められます。市民権・法の下の平等・投票権、そしてそこには経済的な要素も絡んで来ます。政治的民主主義が、経済的な格差の拡大を野放しにしたままでは成立しません。そして私達は既にその段階に到達してしまって居る。ここでの問いは、完全な自由貿易を手放すか民主主義を手放すかなのです」

 「仮にトランプ氏のネガティブな部分を抜きにすれば、保護主義的な政策と云うのは、私には民主主義を取り戻す為の理に叶った方法に見えます。米国は今、普通の民主主義に戻ろうとしている。私にはそう思えます。ですが、欧州、取り分けフランスでは同じことは起きません。欧州連合(EU)は、これ迄以上に自由貿易を推し進め擁護を叫んで居ます。しかもあの中国と一緒に為って! 
 これだけでも、自由貿易が民主主義とリンクし無い事が好く分かると思います。民主主義と対極にある様な国がそう言って居るのですから。欧州の状況はそう云う事です」


 




 ・・・中国は、欧米等から市場開放が不十分だと批判される一方で、自由貿易の重要性を唱えて居ますね。


 中国の深層は保護貿易主義

 「ビッグジョークです。中国は自由貿易を体現して居るとは言えません。深層では保護貿易主義です。米国の保護主義的な態度と云うのは、そう云う意味では中国の保護主義へのリアクションとして説明出来るかも知れません。中国のケースは、自由貿易と民主主義が反目しあうと云う証明なのかも知れません」


 「WTOは保護主義移行機関に」


 ・・・「行き過ぎた自由貿易」とは、どのような状態だと考えますか。

 「どのタイミングでそのポイントに為るのか私達には分かりません。只、景気後退、生活水準の低下、それに上流階級とそれ以外の層の社会的な対立が、各国で見られる様に為って居ます。何時、と云う事は言えませんが、そのポイントを私達は既に越してしまった様にも思えます。私達は既に行き過ぎてしまって居るのです」


 




 ・・・改善する為には、どの様な政策が求められるでしょうか。


  「WTOを『保護主義移行機関』の様にしたらどうでしょう。保護主義だからと云って、ナショナリストに為る必要はありません。私は戦争もナショナリズムも嫌いですよ。自由貿易が平和をもたらすと云うのが事実で無いのと同様に、保護主義が国家間で戦争を引き起こすと云うのは間違いです。EUでは、ユーロと云う通貨によって、地域には大きな経済的な壁が出来てしまって居ます。ドイツのシステムがフランスやイタリアの産業構造を壊して居ます」

 保護主義が内需主導に切り替わって行く社会を生み出す

 「保護主義が多くの人に利益をもたらすことも出来ます。例えば、中国経済が輸出主導から内需主導にナカナカ移行出来ずに居ます。ダイナミックな内国市場が無いからだと言われて居ますが、私は自由貿易に原因があると思っています。
 輸出によって利益は上がりますが、そのシステムに縛られてしまっている。そこから抜け出し多くの人の生活水準を高めると言ったことが出来無い。もし米国だけで無く欧州も保護主義政策を取ったら、中国は対応し無ければ為ら無く為ります。外需のインセンティブは無く為る訳です。恐らく経済は、内需主導に切り替わって行くでしょう。中国が何時か、トランプ氏に感謝する日が来るかも知れません」

「ここ何世代かで培って来た自由貿易は、ポジティブで協調的な国家間の関係を築けて居たかも知れません。この関係をよりオーガナイズされたより保護的な政策の中で築け無いことは無いでしょう。労働者を守り、社会的な結束を再構築し、新しいプライオリティーを持つことだって国際的に同意出来るでしょうし、協力もできるでしょう。
 先ず、保護主義とナショナリズムを切り分け無くては為りません。保護主義はナショナリズムでは無いと私は考えて居ます。保護主義は現時点では民主的だがナショナリズムは違います。保護主義は、純粋に経済的なものですがナショナリズムは『力』です。ナショナリズムの深層には、自らが世界の中心であると云う考え方があります」


 




 ・・・保護主義とナショナリズムが一部重なる危険性はありませんか。


 「確かに、幾つかの国において、恐らくエリートの失敗によってそれ等が重なることもありました。しかしその後直ぐ、ナショナリズムの高まりと保護主義の関係は無いと判りました。国家感情の高まりの原因は、自由貿易によってもたらされたものです。
 何故なら自由貿易は社会や国家を壊す。自由貿易がナショナリズムを生み出す。これが私達が見ている現象です。そしてナショナリズムが保護政策へと傾倒させる。この様な惨状をもたらす根源には、行き過ぎた自由貿易があります」


 朝日新聞社


 





 【管理人のひとこと】


 行き過ぎた自由貿易は社会や国家を壊す。自由貿易こそがナショナリズムを生み出す。これが私達が見ている現象です。そしてナショナリズムが保護政策へと傾倒させる。この様な惨状をもたらす根源には、行き過ぎた自由貿易があります・・・との結論なのでしょう。

 経済学者の殆どが、関税の壁を取り除いて世界中を物が人が自由に行き来する社会を夢に描いて居ます。そこには、繁栄された社会で人々が自由活発に生活するユートピアが想像されます。
 が現実はどうなのでしょうか、世界中に貧富の格差が拡がり、一握りの富者が富を独占し貧者が明日の希望も無く喘いでいます。今までの進めたグローバリゼーションで得たものは、この様な格差社会だったのです。そこで、反グローバル・保護貿易の復活を求める学者も出て来た。
 彼等は、自由貿易の利点を認め、尚且つそれが生み出した欠点を洗い出す作業をすることで、その是正を試みる。その一つがトランプ氏の主張する「自国第一」であり「国境の壁」を作ろうと試みる「保護貿易」で、国内の産業の復興を夢に描きます。


 




 構造改革・規制改革・・・もそのグロバリーゼーションの一環に在り、既存の枠組みを取っ払いフラットにさせることで新たな土壌を生み出す。その土壌では、一部の先駆者がその殆どを新たな手法で刈り取ってしまう・・・そこには、また新たな格差を生み出して行くのです。
 善とされたその思想も何時かは旧態の構造と為り、悪へと移行してしまう。格差は何時まで経っても無くならないものなのでしょうか。



 500円以上の注文でお届けも無料 セブンミール






この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8757228
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。