2020年05月06日
「この国にもう余力は無い」 賃金8割支給がイギリスに出来て、日本に出来無い理由
「この国にもう余力は無い」
賃金8割支給がイギリスに出来て 日本に出来無い理由
〜〈AERA〉AERA dot. 5/6(水) 9:00配信〜
〜新型コロナウイルス対策に於ける政府の対応で疑問視される、補償の財源問題。我々には何が出来るのか。日本に未来は有るのか。AERA 2020年5月4日〜11日号では、経済学者の水野和夫さん、弁護士の明石順平さんの夫々の分析を紹介する〜
寛容の精神で企業の内部留保を休業補償の財源に 水野和夫さん(67)経済学者
未だに政府は、人命よりも経済重しと考えて居る。そう感じます。営業自粛を要請しながら休業補償しないのは、感染する以前に死んで下さいと言って居る様なものです。補償の為の財源は、企業の内部留保金で対処出来ます。
財務省の法人企業統計によると、国内企業の内部留保金は約460兆円。その内、本来は従業員が受け取る筈の、労働生産性の上昇に応じて支払われるべき賃金分等「過剰」に蓄積したものが、約130兆円有ります。内、直ぐに現金に出来る資産である現金・預金、短期有価証券等が約70兆円・・・これを取り崩して使うんです。
本来なら各社の従業員に還元すべきものですが、今は日本の危機ですから「日本株式会社の内部留保金」として国内の全雇用者6千万人に分ける。1人当たり約100万円・足り無ければ、第2弾として残りの60兆円も用意して置けば好い。
企業経営者は「マサかの時に」と内部留保金を積み上げて来ました。今の日本の状況は「マサかの時」に該当しないのか。政府が頼り無い今こそ「財界総理」として経団連が先ず呼び掛けるべきです。
その時に大切なのは、中世の思想家エラスムスが唱えた「寛容」の精神です。近代社会は「合理性」を重んじ、経済成長でアラユル問題を解決する時代でした。限られた土地・エネルギー・人間と云う中で成長する必要があり「一文たりとも無駄にしない、払わないぞ」と云う悪しき合理性基準が出て来た。
しかしこれからは「此処はビタ一文払わ無い何て合理性を言わず、寛容主義で全員助け合おう」と云う、資本家に一番欠けて居る「寛容主義」の精神が必要と為って来ます。
合理性基準が有る限り、人間も企業も「より速くより遠く」を行動原理とせざるを得ません。今は異常なグローバル化、詰り異常な合理化が進んで居ます。過剰なグローバル化を辞め、例えばEU程の小さい単位で、経済だけでも纏まるのが理想だと考えます。
長い年月は掛かりますが、これを機に合理性社会を終わらせる。大きな発想の転換も求められるのではないでしょうか。
史上最悪の事態も日本に取っては入り口に過ぎ無い 明石順平さん(35)弁護士
一律10万円給付だけではトテモ足り無い・・只、配る余力は本当は国には有りません。元々、日本の財政は危機的でした。集中治療室に入って居たら、その中で別の病気に罹っちゃった・・・みたいな。財政再建と云うより「財政延命」して居たに過ぎません。
一つ例を挙げるなら、アベノミクス以降、借換債(国債の借り換えの為に発行されるもの)も含めた国債の総発行額は年間150兆円程。内5〜7割程を実は日銀が民間銀行等を通じて買い入れるインチキをして居る。
日銀が手を引けば国債が暴落し金利が急騰し、国の資金繰りが着か無く為る・・・詰り出口が有りません。この状態で財政支出を極端に増やすと、財政への信用を失う恐れがある。財政と通貨の信用は表裏一体ですから、何時為替相場で円が暴落しても可笑しく有りません。
10万円給付しても、キッと「足り無いからもっと配れ」と為ります。しかし、給付は財政への信用を低下させ、円安インフレの要因に為り得る。給付を繰り返すとインフレスパイラルに嵌る可能性も有ります。
賃金の8割を支給する・・・イギリス等には出来て何故日本に出来無いのか。政府総債務残高の対GDP比がその明白な理由です。多くの国は100%未満ですが、日本は約240%で世界ダントツ1位。財政の持続可能性が異次元に悪いですから。
新型コロナによる経済への影響は「人類の歴史上、最悪の事態」です。この後世界的に金融危機も国家債務危機も起きる。でも未だ始まりに過ぎません。日本では通貨崩壊と食料危機の発生も有り得る。真っ暗ですね、私の見通しは。でも、キット現実はモッと暗い。
今「ウケる」のは安心に訴える話。皆それに飛び付いちゃう。でも私はウソは着けません。間違った明るい希望を持つよりも、歴史上最悪で有る事を確りと自覚する。今は一筋の光さえ見えませんが、先ずはその認識からです。
構成 編集部・小長光哲郎 ※AERA 2020年5月4日号〜11日号
以上
【管理人】どうもお二方のお話は、建設的な意見では無く余りにも近視眼的な・・・オチの無い結論に為って仕舞いました。国家財政と企業・家計の財政を同一視するとこの様な悲観論に陥ってしまいます。もう一度山本太郎氏の国家財政に対する考えを参考にしてください。だからアメリカやイギリス・ドイツ等が日本よりは増しな「生活保障政策」を打ち出して居るのです。
山本太郎のコロナ対策 動画
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