2017年08月31日
「足は第2の心臓」の本当の意味とは。良好な状態の足は全身を健康に
「足は第2の心臓」――よく耳にする言葉だ。
足つぼマッサージでは、足の裏だけで全身の健康状態が分かるというから驚くが、「足は第2の心臓」という意味は、そのようなことではない。実は、私たちが考えている以上に足の健康は体の健康と深いつながりがあるようだ。
□「足は第2の心臓」ってどういうこと?
心臓は全身に血液を送っているが、足(脚)は心臓から最も遠く、血液を送るにしても返すにしても大変な力が必要だ。
実は、心臓の役割を助けているのが、「歩く」ことだ。歩くと足の筋肉が伸び縮みするので、足の血液の流れが良くなる。心臓の働きを助けるポンプのような役割。これが、足が第2の心臓といわれるゆえんだ。
□足が不健康だと体全体が不健康に?
「足が第2の心臓」なのだと、実感する出来事を経験した。
半年ほど前から筆者の片方の膝関節内に直径1〜2センチくらいの腫瘤(しゅりゅう)がいくつもできてしまった。その腫瘤は、日に日に大きくなり膝が曲がらないほどになってしまった。それと同時に、1日に何度もめまいや吐き気がしたり、飛行機に乗った時のような耳がボーっとする感じがしたりするようになった。
ところが、何らかの拍子に腫瘤の膜が破裂したようだ。あれ?足が曲がるようになったなと思っていたら、ふと気付くと、めまいや耳鳴りも消えていたのだ。
主治医によると、腫瘤が原因で血流が悪くなっていた可能性もあるし、腫瘤がどんどん大きくなることで圧力が高まるといった現象が起きていたようだ。
心臓に何らか不具合が起これば体のどこかに支障を来すのと同じように、第2の心臓といわれる足にも何らか不具合が起これば、やはり足とは関係ない場所にも何らかの不具合が起きるのだ。
□足のトラブルは体の不調のサインかも
足のトラブルと体の不調の関係についてまとめたイギリスのウェブサイトには、こんな症状が載っている。
例えば、誰でも一度は経験があるであろう「こむら返り」。筋肉のけいれんだが、脱水症状が原因の可能性があるという。カルシウム、カリウム、マグネシウムといった電解質のバランスが崩れていることが考えられるようだ。ちなみにこむら返りの予防にはヒールがある靴を履いた方がよい。
足の指にペディキュアをしている女性は経験があるかもしれない。爪が黄色くなる症状だ。これを単なるペディキュアからの色素沈着だと思って軽視するのは良くない。肝障害が原因の黄疸(おうだん)や結核の兆候の場合があるようだ。
□全身の健康のために いつも足を良好な状態に
「こむら返りなんて大したことない」「爪の色が黄色なのはペディキュアのせい」と安易に考えるのではなく、体の他の場所に隠れた深刻な病気のサインかもしれないと考えていただきたい。
足の健康に気を配ること。これが全身の体の健康につながるのだ。