時間を節約しながら、安価でおいしい淹れたてのコーヒーを飲みたい。そんなニーズを見事にキャッチして定着したコンビニコーヒー。ふらっとコンビニに立ち寄ってコーヒーを購入し、通勤中や職場で楽しんでいるという方も多いことでしょう。
でも、普段飲んでいるものだからこそ、その裏側が気になりますよね。原価は? おいしさの秘密は? そして健康への影響は……?
今回はそんな疑問を解消すべく、コンビニコーヒーの秘密に迫ってみました。
■人気の秘密は「いいとこどり」
おいしいコーヒーが飲みたいならカフェでいいし、安いコーヒーが飲みたいなら缶コーヒーで充分です。それでもコンビニコーヒーが、カフェのコーヒーや缶コーヒーを押しのけて人気を獲得できたのは、両者のメリットを取り入れたからです。
喫茶店のコーヒーはおいしいですが、注文してから出てくるまでに時間がかかりますし、なによりやや高価です。
コンビニコーヒーはその場でコーヒーを淹れてくれるので、淹れたての味が楽しむことが可能。しかも一杯100円前後という安さです。
缶コーヒーはたしかに安いものの、味にはそこそこ。対してコンビニのコーヒーは淹れたてであるだけではなく、店舗によってはその場で豆を挽いてくれます。
また、砂糖やミルクがあらかじめ入っている缶コーヒーと違い、コンビニコーヒーは好みの味をつくることが可能です。
このようにカフェと缶コーヒーの“いいとこどり”をしているコンビニコーヒーですが、身近なコンビニで提供されているのも人気のポイント。
仕事中、休憩がてらコンビニに足を運び、お菓子と一緒にコーヒーを買う人も少なくないでしょう。こうした手軽さもコンビニコーヒーの魅力なのです。
では、コンビニコーヒーはなぜ安さとおいしさを両立できているのでしょうか? その秘密を探っていきましょう。
■一杯の原価は12〜13円程度
コンビニコーヒーの原価は12〜13円程度といわれています。
これはカフェで出されるコーヒー一杯分の豆代とほとんど変わりません。では、一体どこで価格の差が生まれているのでしょうか?
安さの秘密は、コストの低さにあります。
カフェのコーヒーの値段には、コーヒー豆の価格だけでなく、場所代や人件費等が含まれていますが、コンビニコーヒーは場所代も人件費もかかりません。
店はもとからそこにありますし、店員は紙コップを渡すだけで特殊な技術は不要。お客さんと機械が勝手にコーヒーをつくってくれるわけです。
しかも紙コップや使い捨てマドラーを使うので、諸費用も抑えることができます。コンビニコーヒーにかかるコストの大半が、コーヒー豆の代金なのです。
また、コーヒーをなにかの「ついで」で買っていく人が多く、リピーターが多いので多少価格を安く設定しても問題ないということもひとつの要因でしょう。
■各社はおいしさを追求している
コンビニコーヒーのおいしさの秘密は、やはり「淹れたて」という点にあります。コーヒーは酸化しやすい飲みものなので、できたてが一番おいしいのは当然。
しかし、コンビニコーヒーがここまでおいしくなったのは、コンビニ業界の競争が激しいからこそ。各社が切磋琢磨した結果、どんどんクオリティが上がっているのです。
コンビニ各社はコーヒーを追求し、よりおいしいコーヒーを淹れられるマシンを開発しようとしています。
淹れ方・豆の種類はもちろん、豆の大きさや挽き方・お湯の温度などの細かい点まで、コーヒーのおいしさを決める要素はさまざま。
そうした小さなところまでこだわった結果、驚くほど質の高いコーヒーミルやドリップマシーンが誕生したのです。実際、コンビニで豆を挽きその場でドリップするなんて、一昔前までは考えられないことでした。
■衛生面・健康面は全く問題ない
ところで、コンビニコーヒーの衛生面を気にしている方も少なくないでしょう。残念ながら、衛生面は各店舗に委ねるしかないのが現状です。
しかし、おでんなどと違ってコーヒー豆は機械のなかにありますし、紙コップもレジでの手渡しが基本ですから、気にし過ぎる必要はないでしょう。
では、健康面はどうでしょう? コンビニコーヒー特有のリスクはありません。缶コーヒーのように砂糖やミルクを使いすぎているということもないですし、カフェや自宅で淹れるコーヒーを飲むのと同じように飲めば問題ありません。
頭を冴えさせたり、肌の健康を保ってくれたりと、コーヒーにはさまざまなメリットがあります。ただし、飲みすぎると疲れが取れなかったり、胃に負担をかけてしまったりするので注意が必要。
コンビニコーヒーの次のライバルは、家で淹れるコーヒーなんだとか。たしかに「自分だけのこだわりのコーヒー」に勝つのは大変かもしれませんね。
でも、家でコーヒーを淹れる人が外でコンビニコーヒーを飲んでいることも事実です。もしかしたら、「家で淹れたものよりコンビニのコーヒーの方が好き」という人も出てくるかもしれません。