「最近、年をとったなー」とか「まだまだいける!」などと、歳を重ねるごとにさまざまな思いがありますね。そこで、今回はどのような症状が老化を原因として起こるのかを紹介します。
■ 見た目でわかるサイン
◎ シワが増える
一口にシワと言ってもさまざまなシワがあります。「紫外線シワ」「乾燥シワ」「表情シワ」「筋肉老シワ」などです。それぞれ、原因は異なりますが、表情の筋肉が衰えることで、見た目に出やすくなっています。特に老化のサインの一つとして見られるのは「ほうれい線」です。鼻のそばから口の外側、アゴにかけて伸びるしわです。若くてもほうれい線がくっきりしてしまうと、年をとった印象をあたえてしまいます。
◎ 肌にくすみが出る
加齢や悪い生活習慣で、肌のくすみが増加します。肌の白さが無くなったり、テカリやそばかすが出たりと症状は様々です。しかし、若さの象徴である、ハリがあって白い肌は、加齢とともに失われていきます。反対に、肌を美しく保つことができれば、若い印象を与えることができます。
◎ 歯が長くなる
加齢とともに歯肉が弱まり、歯の周りにある「歯周ポケット」が広がっていきます。すると、歯が露出する部分が多くなり、歯が長くなるように見えてきます。歯茎の老化を防ぐためにも、ブラッシングをしっかりして、こまめに汚れを落とすよう心がけましょう。
◎ 耳や鼻が大きくなる
耳は「軟骨」でできています。軟骨は、加齢とともに薄くなり、皮膚を支える力が弱くなっていきます。そのため、年をとると耳が垂れ下がり大きくなります。また、耳と鼻は耳管でつながっているので、耳が垂れることでつられて鼻もさがっていきます。
◎ 白髪が増える
老化の代表的なサインとして考えられるのは「白髪」です。黒い髪になるように「メラニン」という成分が色付けを行っています。加齢とともに、このメラニンの働きが弱まり、髪に色がつかなくなってしまうのです。
◎ 髪の毛が細くなる
髪も肌と同様に細胞で出来ており、毎日細胞分裂を繰り返して太く長くなっていきます。しかし、加齢によって新陳代謝が低下すると、細胞分裂が弱まっていきます。そのため、ハリや太さがだんだんと失われていってしまうのです。
◎ イボが増える
40代を過ぎると増えてくるほくろのような「イボ」も老化のサインだと言われます。イボは色素の沈着が原因で起きると言われていて、小さなものから大きなものまでさまざまです。
◎ 脂肪がつきやすくなる
加齢にともなう筋肉の衰えにより、脂肪の燃焼効果や新陳代謝が減少していきます。その結果、歳を重ねると脂肪がつきやすくなってきます。若いころと同じような食生活をしていても、体重が落ちにくくなっていくのです。
■ 老化の症状
◎ 声が変わる
声帯も筋肉で支えられているため、筋肉の衰えとともに声帯の働きも弱くなります。そのため、声にも変化が現れます。女性の声は低く、男性の声は高くなっていくといわれています。
◎ 口臭が強くなる
加齢により代謝が低下すると、唾液の分泌も少なくなります。唾液が少なくなると、乾燥しやすくなるだけでなく、口内にとどまってしまうので、口臭はきつくなる傾向にあります。
◎ 歯が抜けやすくなる
加齢で歯肉が弱まると、歯周病も増え、歯が抜けやすくなってきます。これも、歯の長さと歯肉を鍛える刺激を与えるのがよいでしょう。
◎ くしゃみが増える
歳をとると、免疫力も低下し、花粉やホコリに敏感になります。アレルギー症状を発症する人も少なくありません。そのため、くしゃみの回数が増えてくるのも老化のサインだと考えられるのです。
◎ 涙が出やすくなる
加齢によって、涙腺も弱まっていきます。年をとった人が「最近涙もろくなって」と言うのを聞いたことがあるのではないでしょうか。また、人生経験を積むことで感情移入もしやすくなっているため、涙が流れやすくなっていいます。
◎ お酒に酔いやすくなる
年をとると肝臓の機能も低下してきます。アルコールは肝臓で分解されるため、加齢とともに分解が遅くなり、お酒に酔いやすくなってしまいます。これまでより早く酔って、二日酔いが抜けにくくなったという人は、飲む量を調整するとよいでしょう。
◎ 疲れやすくなる
歳を取ってくると「疲れたなー」と感じることが多くなります。それは、単に体力が落ちただけでなく、血液がどろどろになることによって各細胞に栄養が行き渡らなくなるからなのです。
◎ 時間が短く感じる
もちろん脳も老化していきます。70歳を越えると、約10%ほど時間を短く感じているそうです。
◎ 記憶力が低下する
年をとると物忘れが増えるのは、情報を新たに書き換える機能が弱まるからだと言われています。
◎ 早寝早起きになる
歳を重ねると、脳が「覚醒」と「睡眠」の状態を維持するのが難しくなるそうです。覚醒とは、起きている状態のことで、維持できなくなり睡眠に入ります。睡眠は、寝ている状態のことで、これを維持できなくなり覚醒に入るというサイクルになっていきます。
■ 老化に見られる病気
◎ 高血圧
加齢とともに動脈硬化が進み、血管の弾性が低下することで、血圧が高くなっていきます。現在では、70歳以上の高齢者の約半数が高血圧であるともいわれます。高齢になると、心臓のポンプ機能が弱り、血圧の自動調節機能も衰えてきます。そのため、脳に送られる血液が減少し、めまいやふらつきを覚えることがあります。
◎ 虚血性疾患(きょけつせいしっかん)
虚血性心疾患は、「狭心症」や「心筋梗塞」を総称した病気です。心臓が酸素やエネルギーを取り込む血管を、冠動脈といいます。虚血性心疾患では、冠動脈が細くなり、心臓に血液が十分に送れなくなったり、血液が途中で途絶えてしまいます。高齢者の急性心筋梗塞による死亡率は、若い人の2〜3倍といわれています。
◎ 心臓弁膜疾患(しんぞうべんまくしっかん)
心臓の弁が、開きにくくなったり閉まらなくなったりする病気を心臓弁膜症といいます。加齢で弁が変性したり、動脈硬化や弁の周りの組織が石灰化することで起こると言われています。弁膜症を発症すると、血液を送り出す力がさらに必要となったり、血液が逆流することでポンプとしての機能が低下します。そのままにしてしまうと、心臓が疲れ、心不全になることがあります。
◎ 不整脈
心臓は、規則正しいリズムで収縮しています。このリズムが崩れることを心不全といいます。動脈硬化や高血圧、弁膜疾患、心不全があると不整脈を起こしやすくなってしまいます。
◎ 心不全
さまざまな心臓の疾患で、心臓のポンプ機能が低下し、全身に送られる血液が不足することで起こる症状を心不全といいます。肺や肝臓、下肢にむくみが生じます。加齢によって心臓の機能が低下しているので、風邪や運動などわずかな負担でも心不全になってしまいます。