2017年03月14日
夫婦は死後も似た者同士!? 人生満足感は残されたパートナーに影響
「似た者夫婦」ということわざがあるように、長い時間をともに過ごした夫婦はよく似てくる。
外見、性格、趣味嗜好など、似る部分は多々あるというが、人生にどれだけ満足しているかということを表す「QOL(クオリティー・オブ・ライフ)」までも、パートナーから影響を受けるという。
アメリカで行われたある研究では、このQOLはパートナーが亡くなったあともその影響が続くと判明した。
□パートナーの死後の「QOL」を調査
アリゾナ大学心理学科研究チームはQOLにおいて、夫婦がお互いに影響を与える「相互依存」と呼ばれる現象がパートナーの死後も続くかどうかを調査した。
まず、パートナーが亡くなる前後に546組がQOLを評価。どちらも健在のカップル2566組も、比較対象として同様の評価を行った。
□死別したパートナーのQOLがその後の人生を決める!
調査の結果、亡くなったパートナーの生前のQOLが高いほど、残された相手のQOLも高くなり、その逆もまた然りだということが示された。亡くなったパートナーと残された者に見られた「相互依存」は、お互いが健在であるカップルに見られるものと同程度の強さで、参加者の年齢、健康状態、結婚の年数といったほかの要因を除いても、結果は変わらなかった。
□パートナーの死後も相手から影響を受け続ける理由とは?
この結果から分かるのは、生前自分がどれだけ人生に満足していたかが、自分が死んだあともなお、残された相手に影響するということだ。
研究チームはこのような結果が出た理由として、亡くなったパートナーの思い出にふけることで、パートナーの思考や感情を自分の中に呼び起こし、生前と同じようにカップル間での相互依存が起こったのではないかと推測している。
長年連れ添ってきたパートナーを亡くすことは、悲しみや絶望感を引き起こすなど精神面への影響も大きい。そうした感情は、残されたほうが自分で乗り越えなければならないものでもある。
しかし、残された者がこの先の人生に満足感を感じながら生きていけるかどうかが、生前の自分のQOL次第であるならば、生きている間に十分手助けできるのではないだろうか?
長年世話になった相手に何かを返してあげたい。そう思えばこそ、最期のそのときが来るまで、まずは自分が自身の人生を楽しむべきなのかもしれない。