2017年02月03日
脂肪たっぷりの食事で日中の活力が下がる?
ダイエットをしようにも、日中の疲労感でそんな気になれない…それって太っているせいかな…。そんな経験をしたことはないだろうか?しかし、運動をする活力が出ない原因は太っていることではなく、油っぽい食事ばかり取っていることにあるのかもしれない。
アメリカで行われたある研究によると、ほんの短期間でも通常の食事から高脂質の食事に変えることが睡眠を阻害し、日中の活力を減少させるという。
□米大学院で食事の変化と睡眠・目覚めの関係を調査
ペンシルベニア大学医学大学院の研究チームは、もともとの体重にかかわらず、食事内容の急激な変化が睡眠と目覚めにどう影響するかを調査した。
実験に使用したマウスには通常の食事もしくは高脂質の食事を8週間与え続け、最後の1週間だけ、一部のマウスの食事内容を、通常→高脂質もしくは高脂質→通常へと変更した。そして、実験開始時と、8週間目、9週間目の時点で、睡眠時の脳のはたらきを記録した。
□1週間の高脂質食事で睡眠の質・量に悪影響
実験の結果、9週目に入った時点では両グループ(8週目まで通常の食事を与えていた2つのグループ(通常のままのグループと高脂質に変更したグループ))のマウスに体重の差はほとんど見られなかったものの、これ以降、高脂質の食事に変更したグループのマウスの体重は30%増えた。加えて、起床時間は1時間以上遅くなり、ノンレム睡眠の時間が増え、頻繁に眠りにつくようになるなど、睡眠がより断続的になった。
また、最後の1週間で通常の食事に変更したマウスは、9週間通常の食事を食べ続けたマウスと同様の睡眠パターンが見られるようになった。
□痩せたい人は「脂肪分の少ない食事」を心がける!
「太っているから日中疲れやすいんだ。だから運動ができなくてまた太るんだ」そう思ってしまいがちだが、少し違うようだ。「高脂肪な食事を食べることで睡眠の質が悪くなり、それにより日中疲れやすくなる。いつも疲れた状態なので運動もしなくなる」といった状態が正しい表現となるだろう。
痩せたいと思いながらも、何もできずにいるとしたら、食事に含まれる脂肪分をまず見直してみることから始めてみたい。普段から油分の多い食事を食べていないだろうか?
□食事の量ではなく、食事の傾向を変える
いきなり運動を始めて、食事の量も減らして…というとかなりハードルが高いことは明白だ。よほど意思を強く持たない限り継続は難しいだろう。しかし、食事の量ではなく食事の傾向を変えるだけで、痩せやすい生活サイクルをつくることができるとしたら…。どうだろう、少しやってみようかな、と思う人がいるに違いない。
今回の研究ではマウスが使用されたが、今後、人を対象にした研究も進められるとのことだ。新年の抱負に「ダイエット」を掲げたのに…と嘆いている方がいたら、脂質を減らすダイエットから始めてみるのも良いかもしれない。