2016年09月10日
傷ができたらやってくる…かさぶたについて知りたい
かさぶた、気になりますよね。大人でも気になるかさぶた、子どもは無理に剥がしてしまうこともあります。
今回のテーマは「かさぶた」についてです。医師に話を聞きました。
かさぶたの役割
かさぶたの役割は、身体から血液の流出を防ぐこと、つまり「血を止めること」です。
血液は一定量以上失ってはいけない、必要不可欠なものです。かさぶたは、その血液が流れ出るのを防ぐ役割があります。
ほかにも、外からごみやばい菌が傷口に入ってくるのを防ぎ、傷口を安静にして傷の治りをよくするのにも役立ちます。
かさぶたのできるまで
擦り傷や切り傷でケガをして出血したあと、かさぶたは以下のようにできていきます。
1.血管の収縮
血管の収縮が起こります。
傷口をキュッと引き締めて、何とかして出血を減らそうとする反応が起こります。
2.血小板の働き
血液中の血小板が傷口に集まり、血の塊を作り、傷口をふさぎます。
3.フィブリンがかさぶたに
血小板の酵素が繊維状のフィブリンと呼ばれる物質になります。
このフィブリンと血小板や赤血球などが合わさって、傷口をカバーする「かさぶた」を形成します。
かさぶたのためにも、傷口は清潔にしましょう。
泥だらけの道で転んだり、小石の多い道で転倒して傷口に泥やごみがついてしまっている場合もあります。かさぶたができる前に、流水で傷口をよく洗い、消毒など適切な処置をして清潔な状態でかさぶたができるのを待ちましょう。
かさぶたははがさないこと!
かさぶたができたあとは、そのかさぶたの中で肌の傷ついた部分が再生して、かさぶたがはがれ落ちるのを待ちます。
傷が治癒し、かさぶたのカバーが必要ない状態になれば、かさぶたは自然にはがれ落ちてきます。
かさぶたが自然にはがれ落ちた後の皮膚は、外界の刺激にも耐えられる、ほぼ完成された状態であることがほとんどです。
しかし、治りかけでかさぶたを無理にはがしてしまうと、以下のようなことが起こります。
・出血してしまう
・ばい菌がついて化膿してしまう
・傷跡が残る
お子さんの場合、自然にはがれるのを待てずに触ってしまうこともあります。
ひざなどの目に付くところの傷は特に気になるようです。傷の痛みもなくなると気になって、どうしてもはがしてしまうことがあります。
小さな子どもの場合は、長ズボンを履かせるなど工夫が必要です。
最近では、かさぶたをそもそも作らないように、専用の絆創膏などで傷をぴったり覆う治療法なども話題になっているようですね。
かさぶたを作りたくない、というかたは傷口を清潔に保つようくれぐれも注意したうえで試してみるとよいかもしれませんね。