2016年08月13日
ハイヒールは4年目からが怖い 足首の筋力とバランスがガタガタに
苦痛を伴うものの、女性の足を美しく魅せてくれるハイヒール。ファッションとしてだけでなく、キャビンアテンダントなど職業柄どうしても長時間履かなければいけない方もいる。
しかし、このように頻繁に履く習慣がある人は要注意だ。韓国で行われたある研究によれば、ハイヒールを長期間履き続けた人ほど足首周りの筋肉が衰え、体のバランスが悪くなるという。
□CAを目指す女学生40人を対象に韓国で調査
韓国、ハンソ大学の研究チームはハイヒールを履くことが身体のバランスと足首の筋肉に影響を与えるかを調査した。
研究に参加してもらったのは、エアツーリズム・サービス科に在籍する40人の女子大生。学生たちは新入生から最上級生と、学年によってグループ分けされ、週3回以上10センチのハイヒールを授業中に履き続けてもらった。
□ハイヒール着用4年目から筋力+バランス低下
研究の結果、ハイヒールを履き始めてから最初の1〜3年は足首の強度が高まったものの、4年間履き続けると足首の前後左右の筋肉が弱くなり、動作中の身体のバランスが悪化した。
特に影響を受けたのは、足の甲の方向に足を曲げる「底屈筋」と呼ばれる筋肉と、逆に足の裏方向に足を伸ばす「背屈筋」と呼ばれる筋肉だった。
□ハイヒールによる足首周りのアンバランスな筋力が原因に
私たちの体は、極度のつま先立ち状態という不自然な歩き方にも一旦適応してくれるが、なぜ4年目以降はそれに耐えられなくなってしまうのだろうか。
研究チームによれば、足首を前後に動かす底屈筋と背屈筋、内外にひねる筋肉のいずれかが衰えることで、歩くときに動かす筋肉の正常な比が崩れてしまうことにあるという。
□どうしても履きたい人は足首のけがを防ぐ運動を!
今回の研究では底屈筋と背屈筋が特に筋力が低下していたが、この2つの筋肉が足首のけがにつながりやすいことは、すでに過去の研究で立証されている。そのため、ヒールが高いほど、フラットシューズやローヒールを履くよりも確実に足をけがしやすくなるだろう。
しかし、ファッションとして履きたい、仕事のためにどうしてもハイヒールを履かなければいけないならば、以下のエクササイズをおすすめする。ストレッチや筋力とバランス強化のトレーニングを組み合わせることで、足首のけがを防ぐことができるという。
・(何か支えになるものにつかまりながら)はだしで階段の縁につま先を乗せ、つま先立ちとかかとを下ろす動作を繰り返す。
・セラバンド(トレーニングなどで使用するゴムのバンド)をかけた片足の足首を、バンドを引っ張りながら前後左右に動かす。
・床に置いたものをつま先を使って拾う。
・片足立ちで30秒静止。慣れてきたら両目を閉じたり、不安定な場所で行う。
□ハイヒール、履くならエクササイズは必須!
ちなみに、ハイヒールを履いていると、歩いていないときでも静止状態の足回りの筋肉やアキレス腱の長さを変化させるという。座っているときでも気を抜くべきではなく、ハイヒールのまま走るのはもってのほか。ハイヒールとは、外では優雅に歩き、内ではストレッチやエクササイズなど絶え間ない努力を続けていける人のみに与えられる代物だということだ。