2016年07月25日
アトピー性皮膚炎は遺伝する?
アトピーは遺伝をするのか、また、子どものアトピー発症をできるだけ抑えるための対策について解説します。
アトピー体質は遺伝する?
アトピー体質が子どもに遺伝する確率は、両親のどちらかにアトピー体質がある場合でおよそ30%、両親がどちらともアトピー体質の場合でおよそ50%といわれています。そして、日本人のおよそ10%がアトピー素因を持っているともいわれており、アトピーは比較的かかる確率の高い病気だと考えられます。
一方、両親・祖父母ともにアトピーではないにもかかわらず、子どもに発症してしまうケースもあります。アトピー体質の遺伝には、複数のパターンがあり、複雑に組み合わさっているのです。
ただし、たとえアトピー体質であったとしても100%発症するわけではありません。アトピーは、環境やライフスタイルと密接に関わっているため、発症しにくい環境を作ってあげることが重要です。
妊娠中から母親が気をつけるべきこと
アレルギー体質の原因は今のところ解っていません。日本人の、50年前との環境、生活パターンの変化を比べると、
魚の摂取が減った 清潔にしすぎ 動物性タンパク質をよく摂るようになったといった事があげられます。
妊娠中から肉や乳製品、卵などの動物性タンパク質の過剰摂取に注意し、ジャガイモ、サツマイモ、カボチャ、魚介類、味噌、納豆などの和食を中心とした食生活を心がけるとよいでしょう。
子どものアトピーの発症をできるだけ抑えるには
アトピー性皮膚炎の原因は、多くの場合は乾燥肌であることという事が解って来ました。フィラグリンという肌をうるおす物質を出す遺伝子が欠損しているということです。
乾燥して、バリア機能の破綻した皮膚からは、ダニや食べ物といったアレルギーの原因になる物質が入りやすくなり、IgE抗体という物質を作り、アトピーを発症しやすくなります。そのため、アトピーの発症を抑えるには、アレルギーの原因となるものにできだけ接触しない、また肌をうるおいのある状態に保つことが大切です。こまめに掃除を行う、乾燥肌の場合は保湿を怠らない、といった環境作りが必要となります。