2016年06月28日
就寝中の大地震に備える。 生き残るために必ずやっておきたい準備
地震は昼も夜もお構いなしに襲ってくる。学校や会社にいる時を想定した避難訓練は行われているが、睡眠中に地震が起きた時の対応は決まっているだろうか。暗闇で瞬時に適切な判断ができるように、日ごろから準備をしておきたい。
■寝ているときに地震で目が覚めたらすべきこと
寝ているときに地震の揺れを感じたら、まず次のように行動しよう。
・布団を頭から足の先まですっぽりかぶる
・布団の中では、うつ伏せや横向きになり体を丸める
・頭には枕を当て、頭を守る
・余裕があれば机の下へ移動して揺れが収まるのを待つ
過去の地震では、落ちてきたり飛んできたりした家具でけがをする事例が多かった。重い物が落下してきたり、家具が倒れてきてけがをする危険があるため、まずは布団や机で身を守ることを考えよう。
■大地震に備えて日ごろから準備しておくべきこと
何よりも大切なのは、地震が起きてもけがをしにくい寝室にしておくことだ。準備が万全であれば、地震が起きても落ち着いて揺れが収まるのを待つことができる。
・枕元に、厚手の靴下やスリッパ、懐中電灯、携帯ラジオを常備しよう。
・寝室には、倒れそうな物を置かない。頭に物が落ちてこない場所で寝よう
・テレビはテレビ台に固定し、ドアをふさがれないように出入り口付近には大きな家具は置かない。屋外へ通じる廊下や出入り口付近を、家具で塞がれないように配置する
■地震で揺れても気づかない人がいるのはなぜか
ところで、日ごろから騒音を気にせず寝ていられる人は、「地震が来ても気づかずに寝ていたらどうしよう」という不安があるかもしれない。
そもそも外からの刺激に気づかないで眠れる人がいるのはなぜなのだろう? それについては、米国のハーバード大学医学部のジェフリー・エレンボーゲン助教授らによる研究がある。研究で睡眠中の脳波を調べた結果、睡眠中に泥のように眠る人は脳の機能に違いがあることが分かった。
特定の人の脳は、騒音がある環境でも熟睡できるように、睡眠中にだけ発生して、知覚の影響を減らす「睡眠紡錘(すい)波」という脳波を発生させて睡眠を保護している、ということが分かったのだ。
■不眠解決の可能性と地震対策
不眠の原因の一つに騒音がある。そのためこの研究は、不眠を解決するための研究につながる可能性も期待できる。睡眠紡錘波が増える条件や増やす方法が分かれば、騒音で悩むこともなくなるかもしれないのだ。
しかし、睡眠中に地震が起きた時のことを考えると、睡眠紡錘波のメリットは、そのままデメリットにもなってしまう。地震の揺れが始まっても気づかずに熟睡しているかもしれないからだ。
ただし、それを自覚しているのなら、対策は可能だ。熟睡していても物が落ちてこない寝室にすることで、安全性を高めることができるからだ。自分の睡眠について知ることは、睡眠中の地震対策にもなる。自分を知り、万全の準備をして地震に備えよう。