2016年06月11日
鳥も牛も犬もネズミも、みんな人間とつながってる(感染病で)
さて「この事実、知らなくてよかった...」の時間です。
人間がかかる病気の約60%はほかの動物から伝わって広がることができます。ニュースでは毎年のように新しい感染病が登場しますが、そんな新しい感染病の約75%がこれまた鳥やネズミといった別の動物から人間に感染するタイプのものなんですね。こういったタイプの感染症は人畜共通感染症と呼ばれるそうで、イギリスのある研究チームがそれを分かりやすくマッピングしたグラフをネイチャー誌に発表しました。
鳥インフルエンザが鳥だけでなく人間にも感染する恐れがあることはいまではよく知られていますが、そもそも違う種類の動物の間でどれくらい病原体をシェアしてるのか、考えたことありますか?
研究チームは1950年から2012年までの、病原体の宿主となっている動物がほかの種類の動物とどのように関わり、病原体を広げているか、地球規模ではどのように分布しているのか、というデータを収集しデータベースを作りました。彼らの研究結果を視覚化したのがこちらのマップ。
1つの脊椎動物につき1つの丸が表示されています。たとえば鶏やネズミ、うさぎなどですね。見えないくらいの点もあれば、大きな丸もあります。
パッと目につくHumans(人間)がほかの丸よりも大きいですが、これは人間にだけ感染する感染症の数の多さを表しています。丸が大きければ大きいほど、その特定の動物だけを感染させる病原体が多いということですね。なるほど、勉強になりますが怖いですね...このグラフによると犬や豚、そして牛なんかも固有の感染症をたくさん持っているようです。
色分けは動物の種類によってされています。人間(humans)、哺乳類(mammals)、家畜(domestics)、爬虫類(reptiles)、魚(fish)、といった具合です。ネズミなどのげっ歯類(rodents)は哺乳類でもありますが、サブグループとして自分たちだけのグループが与えられていますね。家畜や人間ももちろん哺乳類ですが、サブグループでまとめたことでマップが分かりやすくなっています。
そしてそれぞれの丸と丸とつないでいる線はその2つの種族が少なくとも1つの病原体を共有していることを示しています。線が太ければ太いほど共有している病原体が多いということです。
パッと見て分かるのは、人間が家畜化している哺乳類は人間と多くの病気を共有していることですね。あとネズミなどのげっ歯類や鳥類とも関連性が高いことがわかります。