2016年02月05日
ダイエット成功の鍵が「睡眠」の理由
寒さのせいで部屋に巣ごもりしてゴロゴロしていると、あっという間に体重が増えてしまう。そこで今回、AACクリニック銀座の院長・浜中聡子医師に、体重コントロールやダイエットをするうえで知っておきたいホルモンについて伺った。
○高カロリー食品を食べたくなるコルチゾール
まず、分泌を避けたいホルモンとして浜中医師は「コルチゾール」をあげた。体や心にストレスがかかると分泌されるホルモンで、分泌量が増えると高脂肪・高カロリーの食品を摂取したい衝動に襲われる。
生命活動には不可欠だが、過剰に分泌されると肥満や高血圧、高血糖につながるといわれている。
「ストレスがかかり始めた頃はコルチゾールの分泌量が急激に上がり、食欲が増します。『イライラしてそのストレスでドカ食いをしてしまい太る』ということなので、ダイエットにストレスは禁物です」。
○「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニン
このコルチゾールに対抗するため、ぜひとも分泌を促したいのがセロトニンだ。セロトニンには心のバランスを整える作用があり、「幸せホルモン」と呼ばれることもある。また、セロトニンが不足するとうつ病になるリスクも高まるとされている。
「『運動する』『睡眠の質を上げる』『よく笑う』といったことがセロトニンの分泌につながります。コルチゾールを招くストレスをためず、セロトニンの分泌を促すこともダイエットにつながるといえるのではないでしょうか」と浜中医師は解説する。
食事の工夫でもセロトニンの分泌を促せる。セロトニンはアミノ酸の一種である「トリプトファン」を原材料としており、トリプトファンは一般的に「乳製品」「大豆製品」「アーモンドなどの種実類」といった食品に多く含有されている。これらのトリプトファンを含む食品を積極的にすると、ダイエットを効率的に行える可能性が高まりそうだ。
○レプチンとグレリンのバランスに注意
食欲に関する2つのホルモン「グレリン」と「レプチン」についても知っておきたい。
「食欲抑制ホルモン」とも呼ばれるレプチンは、満腹中枢を刺激して「おなかいっぱいだ」と脳に指令する。食事開始から20〜30分後に分泌されるため、まさに「早食いは太る」といえそうだ。
一方のグレリンは食欲中枢を刺激し、分泌されると食欲が増す。そのため、体重コントロールやダイエットには「グレリンの分泌を抑え、レプチンの分泌を増やす」ことが大切となる。実際に何をしたらよいかというと、「睡眠をしっかりとる」「運動をして体脂肪を減らす」などが効果的だ。
サンマやマツタケ、新米といった秋の味覚に冬の鍋と、これからの季節はおいしい物が増える。ダイエットや体重コントロールには栄養バランスに優れた食事と習慣的な運動が大切だが、そこに「ホルモンパワー」もプラスして賢く実践してみてはいかがだろうか。