2015年04月09日
日中の睡魔も漢方薬で治せる? 睡眠障害の原因と対処法
ランチを食べたあと、午後の仕事中は眠くて眠くてたまらない……。そんな「症状」が慢性化しているあなた。もしかしてエネルギー不足が原因かもしれません。
ビジネスパーソンに多いのが「睡眠不足」。夜寝付きが悪いために睡眠不足になったり、慢性的に不眠の症状がある人も。うまく睡眠を取れないことが続くと、体調を崩す原因にもなりかねません。睡眠の問題とどう向き合っていけばいいか、霞が関診療所の丸山綾先生に聞きました。
「まず一番大事なのは、自分の睡眠時間をチェックしてみること。『ちゃんと寝ているはずなのに昼間もずっと眠たい』という人によく話を聞いてみると、実は平均睡眠時間が4時間程度ということもあります。睡眠時間が短いことに自覚がない場合もあるので、一度、睡眠時間の管理ができるアプリなどで、自分の睡眠時間がどのぐらいなのかをチェックしてみましょう」
最近は睡眠時間だけでなく眠りの深さも含めて管理できるアプリも登場しています。体重管理をする感覚で、睡眠時間のチェックもしてみるといいかも。
それでは、睡眠時間がきちんと取れているのに「眠い」という場合や、眠りが浅くて良質な睡眠を取れないという場合は、どのようなことが考えられるのでしょうか。
「どちらにも共通するのは【気】の異常です。仕事の忙しさやメンタル面で不安を抱えているなど、人によってさまざまな問題を一緒に抱えていることがありますが、東洋医学的には気虚(気(エネルギー)の不足)や気滞(気のめぐりが悪い状態)のことがほどんどです。『昼ごはんを食べたあとは眠たくなるもの』と考える人が多いですが、これも東洋医学的には【気虚】の所見です」
睡眠にも体力が必要と言われます。エネルギー不足が続くとうまく睡眠を取ることも難しくなってしまうのですね……。
「気虚の人は胃腸が弱って食欲がなくなっていることが多いので、まずは胃腸を整えることが大事。できるだけ温かいものや、消化の良いものを取りましょう。また、漢方薬では気虚の症状に用いる『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』があります。これは倦怠感が激しく、消化機能が衰えた場合に用いる漢方薬です」
このほかにも、睡眠の問題で用いる漢方薬はありますか?
「女性に割と多いのですが、頻尿や残尿感など膀胱炎様の症状があって、かつメンタル面で不安を抱えていたり、イライラが続いて不眠につながっているような場合は『清心蓮子飲(せいしんれんしいん)』を処方することがあります。精神を鎮静させる作用のある生薬や、気虚を治す生薬が含まれた漢方薬です」
ストレスなども問題を抱えていなくても、体質的に気虚になりやすい人はいるのだそう。食事と睡眠は、健康に欠かせないもの。睡眠の不調を放っておかず、早めの対策を取ることが肝心です。