2015年03月27日
ストレス緩和に役立つ「自律訓練法」とは?
現代は、ストレス過多な時代です。上手に生き抜いていくためには、ストレスを上手に解消し、そしてコントロールする能力も求められます。とはいっても、ストレスを緩和するためには、具体的にどうすれば良いの?と悩むあなたに、手軽にできる「自立訓練法」を紹介します。
■自立訓練法とは?
ストレスを解消したいと思ったとき、「趣味に打ち込む」などの方法で気分転換を図る方は多いことでしょう。確かにこれも、一時的に気分を変える効果的な方法です。しかし、いつでも手軽に……というわけにはいかないことも多いもの。
そんなときには、ドイツの精神科医シュルツ博士が考案した「自律訓練法」を試すのがオススメです。
これは自らの心と身体をリラックスさせるための方法です。自己暗示により、意識的に副交感神経の作用を高めます。これによって自律神経の働きが整って、緊張状態が緩和できると考えられています。
■自立訓練法、具体的な手順
自立訓練法には「第一公式」から「第六公式」までが存在します。自宅でストレス緩和のために実践するなら、覚えるのは「第二公式」まででじゅうぶんです。
まずはリラックスできる環境を整え、楽な服装をしましょう。ベッドに仰向けになるか、椅子に座って体の力を抜いていきます。ゆっくりと目を閉じたら深呼吸をし、「気持ちが落ち着いている」と唱えてください。気持ちを落ち着かせたら、これで準備はOKです。
準備が整ったら「第一公式」に入ります。「第一公式」は「両手、両足が重たい」という暗示です。全身の力を抜いてリラックスしたら、「右手が重たい」と何度も頭の中で繰り返し、自分に暗示をかけていきます。実際に重さを感じられるようになるのは、この公式に慣れてからなので、最初は無理をしない程度にしておきましょう。
その後、他の手足についても同様に暗示をかけていきます。
次は「第二公式」です。「第二公式」は「両手、両足が温かい」という暗示です。先ほどと同様に、お湯に手足をつけているようなイメージで、自分に暗示をかけましょう。
■暗示を終えるときには
暗示を終えたら、日常生活に復帰するため「取り消し動作」をする必要があります。暗示状態から急激な動作に移行すると、めまいを起こしてしまうこともあるのです。胸の前で両手を開いたり閉じたりすること、ひじの屈伸運動をすること、両足の屈伸運動をすることなどが、この取り消し動作にあたります。
これを行うと、きっと気分はスッキリしているはずです。
ただし寝る直前に自律訓練法を行う場合には、取り消し動作を行う必要はありません。
■自立訓練法のメリットと注意点
この自律訓練法の良いところは、慣れればどんな場所でも実践できるという点です。例えば通勤中に電車の中で行うことも可能なのです。また自らをコントロールできるようになれば、「人前で話すときに緊張しすぎる」「冷え性で辛い」などの症状の緩和も期待できます。
ただし第六まである公式の中には、自身の健康状態によっては「やらない方が良い」と言われているものもあります。なんらかの疾患で病院に通っている場合には、専門の医師に相談してから行うのがおすすめです。
すぐに上手に実践するのは難しいかもしれませんが、続けているうちにきっと効果を実感できるはず! まずは寝る前の習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。