2016年07月27日
ピロリ菌感染者が40代以上に多いのは何故?
■ 20代以下にはほとんどいないって本当?
胃がんの原因としてピロリ菌の存在が明らかになってきました。
わが国では、上下水道が十分完備されていなかった戦後の時代に生まれ育った団塊の世代以前の人(40代以上)のピロリ感染率は約80%前後と高いのですが、衛生状態のよい環境で育った若い世代の感染率は年々低くなり、10代、20代では欧米とほどんどかわらなくなってきました。
■ 感染ルートは?ピロリ菌はキスで感染する?
ピロリ菌は、口から入れば感染することははっきりしています。大部分は飲み水や食べ物を通じて、人の口から体内に入ると考えられています。上下水道の完備など生活環境が整備された現代日本では、生水を飲んでピロリ菌に感染することはありません。また、キス、またコップの回し飲みなどの日常生活ではピロリ菌は感染しないと考えられています。
ピロリ菌は、ほとんどが5歳以下の幼児期に感染するといわれています。幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためです。しかし、小児を対象とした最近の研究によれば、口腔内に特有のピロリ菌が存在するものの、胃内のピロリ感染の重要な感染源ではないと報告されています。感染経路については、これからの研究を待たねばなりません。
■ ピロリ菌が原因で胃がんになる場合も……!!
ピロリ菌感染者全員が必ずなるわけではありませんが、ピロリ菌感染による慢性胃炎が長く続くと、
・萎縮性胃炎
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
などの消化器疾患が発症する可能性が高まります。
さらに、一部の患者さんでは、萎縮性胃炎が続いた後、胃がんになることも報告されています。
胃がんの原因のほとんどがピロリ菌といわれています。では、ピロリ菌感染者の少ない20代以下の人たちは胃がんにはならないのかというと、そうではありません。
胃がんの発生原因は日本人の塩分摂取量といわれており、食文化の違いで欧米よりも胃がんの発生が多いという研究結果があります。従ってピロリ菌の感染がなくても胃がんが発生する可能性はあるので、必ず定期的な検診を受けましょう。
タグ:健康
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