2016年02月14日
歯みがきするときは「水」厳禁って本当?
どんなにガンバっても自力で治せない「虫歯」。ちゃんと歯みがきしているのにまた虫歯になった!とお嘆きのひとは、「水」が原因かもしれない。
ハミガキ剤は水やだ液で薄まると効果が下がり、事前に歯ブラシを「水荒い」するだけでも本来の効果が発揮できない。終わったあとの「すすぎ」も厳禁で、せっかくの虫歯予防成分を捨てるようなものだから、どんなに高価なハミガキ剤を使っても「強い歯」にならない。ハミガキ剤の性能をフルに発揮させるなら歯ブラシも口も「ゆすぎ厳禁」の、さっぱりしない歯みがきに徹するしかなさそうだ。
■歯ブラシは水で洗っちゃダメ?
本来の「歯みがき」は、食べ残しや虫歯の原因となるプラークを除去することが目的だが、科学が発達した現代のハミガキ剤は「予防」や「修復」も視野に入れて作られている。代表的な成分はフッ素で、
・再石灰化 … 歯から溶け出したカルシウムやリンを戻す
・酸の抑制 … ムシ歯菌の働きを弱め、作り出す酸を減らす
・歯質の強化 … 歯の表面をコーティングし、溶けにくくする
と、見えないところで健康に大きく貢献している。ところが、正しい使い方はあまり知られていないようで、フッ素の恩恵を得られないハミガキをしているひとが多い。
標準的な手順は、
1. 歯ブラシを水で洗う
2. ハミガキ剤をつけ、みがく
3. 口をゆすぐ
で、おそらくほとんどのひとが疑いも持たずにこのようにみがいているだろう。ところがハミガキ剤メーカーや歯科学会の資料には、このやり方では高価なハミガキ剤でもムダムダムダッ!になってしまう事実が隠されているのだ。
最初のNGは1.で、使う前に歯ブラシを洗っては「いけない」。これは水でハミガキ剤を薄めないためで、ただでさえ歯みがき中はだ液で薄くなってゆくので、歯ブラシに余分な水を与えれば、さらに効果が下がってしまう。とはいえ、職場の歯ブラシは最短でも24時間周期だから、そのまま口に入れるのは正直イヤだ。使い終わったら熱湯消毒するか、いつも通り水洗いするなら、よく水を切ってから使うのが良いだろう。
■食事の余韻は「ハミガキ剤の味」で
ハミガキ剤は1cm程度、歯みがき時間は2分が目安で、少量/短時間では歯の表面にフッ素が定着しない。これを守ってもNGなのが3.「口をゆすぐ」で、せっかくの予防成分を洗い流すようなものだから、これまたムダムダッになってしまう。
口をゆすがないなんてあり得ない!と思うのが当然だろうが、もしゆすぐ場合でも「10〜15ccの水で1回」が目安で、多量の水で念入りにすすぐと高価な成分がパーになってしまう。10〜15cc=小さじ2杯〜大さじ1杯なのですすいだ気がしないだろうが、ムシ歯がイヤなひとはこれに慣れていただくほかない。
食後すぐにみがいちゃダメ!説は条件付きで「正」で、酢やレモンなどで口の中が酸性になっているときは30分〜1時間ほど間をあけたほうが良い。これは酸蝕症(さんしょくしょう)と呼ばれ、酸によって歯が弱った状態となっているので、ブラシで傷つけてしまうからだ。
フツウの食事なら「直後」がベストで、食べ物が口に入るとムシ歯菌はすぐに酸を作り出すので、時間が経つほど歯はダメージを受ける。
・食事の余韻(よいん)を楽しむヒマはない
・歯みがき後は、口をゆすがない方が効果的
の2つを考えると、ハミガキ剤を「味重視」で選ぶのがよさそうだ。
・ハミガキ剤は水で効果が落ちるので、事前に歯ブラシを洗わないほうが良い
・歯みがき後に口をゆすぐと、ムシ歯予防成分が流れ出てしまう
・食後すぐに歯みがきしないほうが良い説は、酸性の物を食べたとき限定
タグ:健康
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