未来で生き残るために日本人が知っておくべき本当に大切な事

もしあなたの人生が、やりたい放題、言いたい放題好き勝手にやって、50歳を超えても若い女性にモテモテのファンタジスタで、しかもノーベル賞を受賞するぐらいの天才物理学者だったら最高だと思いませんか？

実はそんな素晴らしい人生を謳歌した理論物理学者がいるのです。その名はリチャード・ファイマン博士。



私が彼を知ったのは、高校一年生の時です。彼がカリフォルニア工科大学で学部学生向けに行った講義録をまとめた、「ファイマン物理学」の教科書に出会いました。

ユーモア溢れ、まるで演劇のような楽しさ溢れる授業のイメージが、鮮明に目の前に広がってきて、まさに私の心を鷲掴みにされました。

特に私が興味深いと感じたフレーズは、彼の重力、つまり万有引力の法則の講義の一節です。

「全ての自然の法則の本質は、シンプルである。しかし、その法則に基づいて起きる様々な現象は多様で複雑であり、容易に解析できない。」

例えば、二つの惑星の重力を導くのは単純に二つの惑星の質量をかけて、距離の二乗で割って定数をかければ求められます。

F = G ・ M ・ m/ r^2

でも、これが3つ以上になると途端に、挙動に相互作用が出て、複雑な動きになってしまいます。

これが太陽系だったり、銀河系にまで対象を広げると、もうそれはファンタジーのように壮大な世界になり、現在でも世界トップレベルの頭脳がそのファンタジーを解き明かそうとしていますよね。

彼の物理学の講義を学んでいると、他の分野に応用可能な本質が沢山詰まっていて、それはそれは興奮したのを覚えています。

例えば、惑星三つが相互作用してぐるぐる回りながら均衡点を探っていくと、一つの惑星がキックアウトされて放り出されてしまうそうです。

これは、英国オックスフォード大学で、惑星の軌道計算の分野で博士号を取得した、私のドイツ人の元同僚から教えてもらいました。

なんか一人の女性を巡って、バトルを繰り広げた男性たちの姿に酷似してませんか？(笑)



さらに私がファインマン博士に惹かれたのは、

・その多芸、多彩なファンタジスタ

・自分が興味のない仕事は、どんなにお金を積まれても応じない信念

・「完璧な天才かつ完璧な道化」と呼ばれるくらい、権威をナメてる性格

・自信満々に語りかける彼の情熱的な講義は、まるでミュージカルの俳優の演技のように魅力的で、かつ本質をユーモアを交え、高校生にも理解できるくらいシンプルであること。

・好き勝手やりたい放題やっているにもかかわらず、お子さんからも愛され、誇りに思われている、器の大きな父親としての顔

など、数え上げたらきりがありません。


ボンゴを情熱的に叩き、美しい女性たちの裸体画を描き、並列計算のベンチャー起業家でもあり、創作活動までする、まさに生きるレオナルド・ダビンチのような存在。

若い女性が大好きで、上手に距離感を保ちながら、生涯沢山の女性に相当モテモテだったようです。



ファイマン博士のBBCのドキュメンタリー動画はこちらでご覧になれます。
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これから私が紹介するファイマン博士は、あくまで私のフィルターを通した視点です。

もしファイマン博士の一般的な概略や名言集を知りたい方は、こちらのNavierまとめをご覧下さい。
↓
https://matome.naver.jp/m/odai/2145915728816828801

詳しい経歴はWikipediaをどうぞ
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https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BBP%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%B3



さて、幼少の頃よりユダヤ人の父親にサイエンスの手ほどきを受けたファイマン博士は、世界の大学ランキングトップの常連校であるMIT(マサチューセッツ工科大学)を卒業後、プリンストン大学の大学院に進みます。

その時期に、金髪の超美人の女性と出会い、速攻で結婚します。

その後原爆開発で有名な、米国政府の極秘プロジェクトであるマンハッタン計画に召集されます。

奥さんと遠く離れたロスアラモス研究所で、ファイマン博士は、現在では当たり前である並列コンピュータの概念を編み出し、原子の挙動のシュミレーションを加速する手法に応用して大きな成果を挙げます。

しかし、彼が関わったプロジェクトで製造された原子爆弾は、結果的に広島と長崎に投下され、大量の罪もない人々の命を奪ったことを知ったファイマン博士は、もう二度と政府のプロジェクトに関わるまいと強く決心しました。

そしてさらに追い討ちをかけるように、愛する奥さんが病気でなくなり、人生に絶望を感じたそうです。

その後コーネル大学教授を経て、安住の地カリフォルニア工科大の教授になり、理論物理学の研究と、学部学生のための入門物理学講座を受け持つことになったのです。

「高校生レベルの知識層に説明して伝えることができなければ、その人は科学を理解しているとは言えない。」

という理念のもと、ユーモアたっぷりで分かりやすいファイマン博士の物理学の講義は大人気！この講義録を書籍にまとめたのが、私がお世話になった、有名な「ファイマン物理学」です。

ファインマン物理学に関する、アマゾンの書籍のリンクはこちらです。
↓
アマゾン ファインマン物理学



ちなみにファインマン物理学の英語版は、2013年12月に「全巻無料公開」されました。

実は、現在でも私はファイマン物理学の五冊全部を座右の銘としております。


アルゴリズム・トレーディングのロジックやアナリティクスを開発する際に、難題にぶつかるのは日常茶飯事。

何度もファインマン物理学を読んで、「物事の本質は常にシンプルである」という原点に立ち返り、解決策を考案するための羅針盤となっています。

一方ファインマン博士は研究の方でも、突出した成果をあげます。

常に物事の本質はシンプルであるという信念のもと、高次元で複雑な数学モデルを必要とする量子電磁力学の分野で、ファインマン・ダイアグラムと呼ばれる、素粒子の反応過程を表す画期的な図解方法を編み出しました。
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彼自身は、自分の好奇心を満たして楽しさを感じることを主眼として物理学の研究をしていたそうです。

だからこそ、ファインマン博士のカリスマ性に惚れ込んだ学界関係者から、他の大学の学部長や、著名な研究所所長などのポストへ、高額の年俸でオファーが来ても、

「自分のやりたくない研究以外の面倒くさい仕事が山ほどあって、どうせうんざりするから絶対に引き受けない」

といって、カリフォルニア工科大の教授職のポストという、自分のやりたいことだけに集中させてくれる環境を大切にしました。


さらに研究の傍で、若い女性達と仲良くしながら、ボンゴを演奏し、プロの画家に絵画をならって女性の裸体画を描いたり、本を執筆したり並列計算のベンチャー企業を立ち上げたり文字通り七面六臂の活躍です。




ファイマン博士が、なぜこのように様々な趣味を持ったのかについて彼の発言があります。

「知識が増えれば、もっと深く不思議な謎が姿を現し、ますますのめり込む。期待はずれの答えかもしれないなどと心配するな。楽しむ心と自信を持って新しい石を一つずつひっくり返していけば、そのたび想像もしなかったような奇妙なものが見つかり、もっと素晴らしい疑問が出てくる。間違いなく壮大な冒険だ」

「数学や物理というのは、神様のやっているチェスを横から眺めて、そこにどんなルールがあるのか、どんな美しい法則があるのか、探していくことだ」


古今東西天才と呼ばれるサイエンティストやアーティストは、皆壮大なファンタジーを持っているのだと思います。

ファインマン博士のような物理学者は彼らの抽象的なファンタジーを、保存則や数学的なフレームワークというストーリーにして具体化しようとします。

音楽家は、彼らの抽象的なファンタジーを、曲という形で具体化します。


つまり、まず自分の中にある壮大なファンタジーを描く能力が高く、そのファンタジーを
様々な媒体を通じて具体的に五感で感じられる言語で具体化したり、あるいは数学という厳密な論理体系でストーリーを作る能力が高いのだと思います。

そしてファンタジーを創造するには、遊び心を持って、様々な分野に興味を持ち、違った刺激やインスピレーションを得ることによって見えてくる、本質を見抜く目が重要なのだと感じました。


(出典: The Washington Post)
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晩年ファイマン博士は、政府のプロジェクトには二度と関わらないという自分への誓いを破って、スペースシャトル・チャレンジャー号の事故調査委員会に参加しました。

彼はよくこのように言っていたそうです。

「一番のルールは自分自身を欺かないことだ。そして、一番欺きやすい人間はあなたである」

それほど、このチャレンジャー号の事故原因解明には、将来のアメリカの宇宙事業の威信がかかっていることを感じたのだと思います。


そして、不可能と言われていた原因を見事に、究明しています。


そのプロセスは、政府の官僚的な方法とは全く異なる、ファインマン博士らしい、様々な一見関係ないように思われる分野の知見を統合して、シンプルな本質に到達するというものでした。



私は、目的を教えずに、ただ知識を詰めこもうとする日本の義務教育に絶望し、子供達をSTEAM教育を実践するイギリスのプライベートスクールに通わせています。

STEAM教育については過去の私の記事をご覧下さい。
↓
https://fanblogs.jp/whodareswins/archive/76/0

プライベートスクールの授業は、どの授業にもアートやストーリーの要素が組み込まれ、生徒が学んだことを臨場感を持って、自発的に取り組んで、記憶に定着させられる工夫がなされています。

宿題もプロジェクトベースなので、
・計画の立て方
・どうやって与えられた課題にファンタジーやストーリー性を持たせて、面白い企画にするか
・ポスターやマインドマップにして視覚効果のあるコンテンツにする

という、これからの時代に必須のスキルが習慣として身につけられるようになっています。

ファインマン博士から学んだ
「遊び心の中からファンタジーを描き、本質を見出し、様々な分野に応用する習慣」

は大人も子供もこれからのAI時代に、AIに代替されずに生き抜いていくために必須の習慣です。

私は、ファイマン博士のような天才ではないです。でも彼のベクトルを模倣することで、少しでも「ファンタジスタ」になれるように、遊び心を持って新たな分野に勇気を持って挑戦して、この習慣を実践するようにしております。

あなたも是非習慣化してみてはいかがですか？リターンは莫大です。


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