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2020年05月07日

新聞社 作文練習「災害」

新聞社の試験まで、あと1日となった。これまでカバーできる範囲のテーマで執筆を重ねてきたつもりだ。今日は、災害をテーマに選んだ。


 見たこともない光景だった。もともと山だった場所は、津波で地表がえぐれ、茶色な地肌がむき出しになり、鉄筋造りの建物は、残骸のように佇んでいた。場所は、2011年の東日本大震災で壊滅的被害を被った岩手県陸前高田市。学生主体の震災ボランティアで訪れた6年前のことだが、被災地の有り様は忘れることはできない。
 震災ボランティアでは、そのほか、岩手を含む、宮城や福島など3県を巡った。被災地をただ見るだけでなく、実際の被災者から話も聞いた。有名な話だが、宮城県南三陸町では、町役場職員が防災庁舎で津波に飲み込まれるまで避難を呼びかけるアナウンスをしていたという話を現地人の男性から直接伺った。亡くなった人は知り合いだったといい、男性は「ただただ、無念」。災害で生まれる悲しみの深さを知った。
 一方、ボランティア活動で得たのは、災害の負の側面だけではない。戦争体験者にみられる人間のレジリエンス(回復力)の片りんを垣間見たことを記憶している。復興商店街の名を冠する南三陸さんさん商店街の男性関係者は、「商店街を復興の象徴としたい」と意気込んだ。仮設だった商店街は、ボランティアに従事した当時から3年後、常設商店街へと生まれ変わっている。男性の願いは成就したのだ。わずか数日間の体験から、被災地の現状と被災者の思いを直に学んだ。
 それからと言うものの、豪雨や津波が起きるたびに、メディアで連呼される災害という言葉に過敏になった。さらに、前々職の報道職で、災害報道を経験し、自分の身、そして大切な家族を守るために、どういった情報に注意すべきか、意識するようになった。警戒レベルは現在、何段階なのか、避難指示・避難勧告は出ているのか。経験は生かされている。
 それでも、多数の命を奪う大規模災害は後を絶たない。被災想定エリアではないが、首都直下地震や南海トラフといった未曾有の災害発生も現実味を帯びる。その上で、ライターとして何ができるか。災害被害を最小限に抑えるためのノウハウを伝えることだと強く実感している。
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小村 海
東京と故郷島根を行ったり来たりしているライター。現在、人生の谷に直面中。
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