2017年09月09日

闇色の呼び声!!・八尺様 第四話(アニメ学校の怪談・二次創作)




 こんばんは。土斑猫です。
 今日はブログを始めて記念すべき1000記事目!!おも〜えば〜とお〜くへ〜きた〜も〜んだ〜♪w
 読者の皆様も、長いお付き合いありがとうございます。これからもどうぞよしなに。
 で、記念すべき1000記事目はSS。久方ぶりの、アニメ学校の怪談です!!



八尺様.jpg



                  4


 ドンドン ドンドン
 誰かが、玄関の戸を激しく叩く。それを聞いた敬一郎が、ビクリと竦み上がった。今にも泣き出しそうな彼を自分の後ろに隠し、さつきは喚くドアに向かって声をかける。
 「誰!?」
 「俺だよ!!ハジメだ!!レオと桃子さんも一緒だ!!」
 聞き慣れたその声に、一瞬気が緩む。ドアの鍵に手を伸ばしかけ、しかしそこで思い止まる。
 (近しい人の声を真似てくる事もある)
 脳裏を過る、レオの言葉。たじろぐ様にドアから下がる。
 「どうしたんだよ!?早く開けてくれ!!それとも、何かあったのか!?」
 喚き続けるドア。さつきはゴクリと唾を飲み込むと、意を決した様に声をかける。
 「あなた、本当にハジメ!?」
 「ええ!?何言ってんだよ!?」
 戸惑った様に返ってくる声。さつきは続ける。
 「本当にハジメなら、証拠を見せて!!」
 「しょ、証拠って、どうすればいいんだよ!?」
 「え......」
 そう言われて、今度はさつきが悩む。ハジメがハジメたる証拠?はて、それは何だろう?悩む。悩む。悩む。ハッ。降りる天啓。しかし。しかし。しかし、それは――
 「お〜い。さつき〜。どうすればいいんだよ〜!!」
 外では相変わらず、”自称”青山ハジメが喚いている。実際、あまり時間をかけている余裕もない。......仕方がない。仕方がないのだ。苦渋の思いを飲み込み、さつきは意を決する。
 「じゃあ、訊くわよ!!」
 「お、おう!!」
 半分やけくそで、ドアの向こうに向かって叫ぶその言葉は......。
 「昨日のわたしのパンツの柄は!?」
 「.........」
 「.........」
 沈黙。どこまでも重い沈黙。と言うか、耐え難い。答えを待つ間、さつきの顔には見る見る血が上がっていく。まさに、公開処刑。さらに、待つ事しばし。たいがい、限界かと思われたその時、
 「む......無地に、ピンク......。リボン付き......」
 答えが返ってきた。ご丁寧に、ワンポイントまで。
 ガチャッ ギィ......
 無言で鍵を外し、ドアを開ける。
 「おい!!さつき、敬一郎!!大丈夫......!?」
 ゴシャッ
 飛び込んできたハジメの顔面を、鋭い右ストレートがぶち抜いた。
 ゲフッ
 無言で崩れ落ちるハジメ。
 「......馬鹿......!!」
 鮮血に塗れた拳をギリリと握り締め、さつきは憤怒の表情でそう呟いた。


 「......ったく。何すんだよ。死ぬかと思ったじゃねぇか......!!」
 「うるさいわね。このスケベ!!」
 「スケベってなぁ!!お前が言えって言ったから......」
 「うるさい!!スケベスケベスケベ!!」
 涙目でぼやくハジメ。その真っ赤になった鼻に、これまた真っ赤な顔のさつきが薬を擦り込みながら喚く。そこだけはいつもと変わらぬ光景を横目で見ながら、柿ノ木レオは桃子の膝上に抱かれている敬一郎から話を聞く。
 「それじゃあ、その大きな女の人は、『ぽぽぽ......』と言いながら歩いていたんですね?」
 「うん......」
 頷く敬一郎。レオは、質問を続ける。
 「頭には、白いつば広帽を被っていたと?」
 再び頷く敬一郎。
 「そして、昨夜がそれ、と......」
 言いながら、敬一郎の胸元を見る。そこには、上部が焦げた様に黒く染まった御札が一枚。敬一郎は、それが最後の命綱だと言わんばかりに、ギュッと胸に抱きしめていた。そんな敬一郎の頭をくしゃりと撫でると、レオは場にいる皆に向かって言う。
 「話は確認しました。確かに、敬一郎君は『八尺様』に魅入られたと見ていいようです」
 それを聞いた敬一郎が、「ひっ」と小さく声を上げる。ハジメの鼻に薬を塗り終えたさつきも、苦々しげに眉をひそめる。
 「どうして、敬一郎が......」
 「理由なんて、ないわ」
 敬一郎を抱いた桃子が、妙に静かな声で言った。
 「あれは、行合神(ゆきあいがみ)の一種。明確な目的も、確かな意識も持っていない。ただ、運のない者を流れのままに獲っていくだけ。小さな災害の様なものよ」
 「......災害、ですか。言い得て妙、ですね......」
 その言葉を聞いたレオが、神妙な顔で頷く。
 「おい!!そんな事、したり顔で言ってる場合じゃねぇだろ!!」
 赤い鼻をさすりながら、イラついた声でハジメが口を挟む。
 「神さんだか災害だか知らねーけどよ、そんな理不尽なもんに敬一郎を持って行かせていいのかよ!?こうしている間にも、そいつは近くに来てるかも知れねーんだぞ!?」
 さつきも口を合わせて叫ぶ。
 「そうよ!!何とかして敬一郎を守らないと!!」
 「分かってますよ。そう興奮しないでください」
 「そうよ。私達が狼狽したところで、敬一郎君を怖がらせるだけよ」
 「う......」
 「そ、それはそうだけど......」
 桃子に静かな口調でたしなめられ、さつきもハジメも口を噤む。そんな二人に微笑みながら頷くと、桃子はレオに向かって問う。
 「それで、レオさん。頼んでいたものは出来まして?」
 「ええ。でも、こんなので役に立ちますかね?」
 言いながら、レオは持っていたリュックを開け、逆さに返す。途端、
 ドササ
 大量の紙切れが、リュックの中から溢れ出した。
 「な、何だぁ!?これ!!」
 ヒラリと飛んできた一枚を、さつきが拾う。裏を返してみて、目を丸くした。
 「これ、御札!?」
 長方形の紙型。それに書き込まれた、独特な模様と文字。間違いなく、御札である。しかし、何と言うか......あからさまに安っぽい。紙はホームセンターで500枚一束うん百円で売っているA4サイズのコピー用紙を切ったもの。書いてある文字は、プリンターで印刷したもの。有り難みがない事、この上もない。
 「ネットで見つけた退魔札をパソコンに取り込んで、印刷したんです。全部で三千枚程あります」
 「三千......。でもよ、こんなんで効果あんのかよ?」
 つまんだ一枚をピラピラと揺らしながら、ハジメが訊く。問われたレオも、半信半疑顔で頭をかく。
 「いやぁ。僕も、昨夜桃子さんに頼まれて作ってきたんですけど......どんなもんなんでしょう?」
 「大丈夫よ」
 「桃子ちゃん?」
 頭を捻る皆に向かって、桃子が口を挟んできた。
 「御札に必要なのは、紙の質や書き手ではないわ。書かれた文字が持つ、言霊よ」
 「言霊?」
 「言葉自体に宿るとされている、霊的な力の事ですよ。日本では昔から、言葉そのものが現実に対して何かの影響を与えるとされているんです。良い言葉を形にすると、良い事が、不吉な言葉を形にすると、悪い事が起こると言った具合に」
 小首を傾げるさつきに向かって、レオがウンチクを垂れる。
 「この札は、書かれた文字自体が退魔の力を持っているわ。”あれ”相手では力不足は否めないけれど、足止めくらいにはなる筈」
 そう言うと、桃子は膝から敬一郎を下ろす。
 「敬一郎君、これを」
 敬一郎に新しい札を渡すと、今度はハジメとレオに向かって言う。
 「さあ。手分けして札を家中に貼りましょう。時間は待ってくれないわ。夜が来るまでに、守りを固めなければ」
 「はい!!」
 「うぃっす!!」
 大量の札を抱えながら立ち上がるハジメとレオ。そんな彼らと共に、部屋を出て行く桃子。出際に、さつきと敬一郎を振り返り優しく微笑む。
 「大丈夫。必ず、守るから......」
 その微笑みに、懐かしいものを感じたのは気のせいだろうか。


                                続く
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