2018年02月06日

世界で一番強い国とは!第一次世界大戦が与えた影響について(経済史リポート)






世界で一番強い国とは!第一次世界大戦が与えた影響について(経済史リポート)

 第1次世界大戦は国際社会の勢力図を変えた。

大戦以前の世界はイギリスを中心とする、ヨーロッパ列強が中心となる世界である。経済的にはたくさんの植民地を獲得して、原材料を植民地から獲得して商品化して売る。貿易の利益が列強各国に集中するシステムを作り上げていた。

第1次世界大戦はヨーロッパを主戦場にした国家総動員で戦った総力戦である。
主戦場となったヨーロッパでは、たくさんの人が戦死し、国土は破壊され荒れ果てて、国民は疲弊し、国力は衰え、国家の復興は容易ではなかった。

 第1次世界大戦後の世界経済は大きく変化した。要因として、戦後たくさんの独立国家の誕生が上げられる。

新しい国が増えるということは同時に関税がかかり、商品の自由な流れがなくなることを意味している。また、鉄道の分断や新国家による新しい産業を興そうという動きがある。

人口的にはヨーロッパ列強国は大戦のためにたくさんの人命を失い人口が減少した。一方で、南ヨーロッパや東ヨーロッパでは人口が増える傾向であった。

人口は国力を示すパロメーターなので、人口動態からも列強国の国力が低下したのが分かる。しかし、現在、人口増加は貧困を示すパロメーターに変わっているのだか。

また、戦時中に武器などを調達するために、軍需生産が活発になった。だが、戦争が終われば必要がなくなり、工場設備の過剰現象が発生した。

また、戦後の世界経済は、戦前の世界経済の体制が悪い方向に作用して悪循環を引き起こしている。

一次産業の貿易条件悪化、新独立国やアメリカの工業化、世界市場の競争激化、ヨーロッパ工業国の製品に対する需要の変化、ヨーロッパ経済の停滞である。

簡単に説明すると、これまでの、イギリスを中心としたヨーロッパ列強単一の世界経済構造が壊れ、違う地域の産業の発達で、経済のバランスが崩れた。また、戦時中に金本位制を辞めた結果、紙幣の価値が不安定となって、インフレを引き起こした。


 戦後の経済を立て直すためにイギリスは資本輸出を行った。

しかし、イギリスの資本輸出は後退した。その原因はポンドの国際的な地位の低下にある。先ほど述べた通り、戦前世界でもっとも力をもった中心国のイギリスだが、戦後イギリスの国際地位は低下した。

もう一度戦前の国際地位復活を夢みて、イギリスは戦前のポンド体制の復活を目的として旧平価での金本位制の復活に踏み切った。結果はもちろん、時代の流れには勝てずに失敗に終わった。

この旧平価での金本位制の失敗によりポンドの国際地位はますます、下がりポンドの信頼制はすっかりなくなって、イギリスの資本輸出はますます後退した。


 対象的に国際的地位を高めたのがアメリカである。大戦中アメリカは交戦国への輸出量が大幅に増えた。交戦国は戦費調達のためにアメリカから資本を貸与し、それでも足りずに、戦前アメリカに投資した資産を回収して戦費として補った。

交戦国は借りた資金や回収した資産でアメリカから物資を購入した。そして、アメリカはいっきに債務国から債権国へと昇格した。

戦後は戦争によって荒れ果てた経済を各国はアメリカから資本を借りて、経済を立て直していった。


 1929年に世界恐慌が始まる。

アメリカの資本によって、世界経済がなりたっていたが、アメリカ国内の投資が増えて、国内に資本が集まった。アメリカの資本を頼りに成り立っていた世界経済は大きく混乱して世界恐慌が始まる。

1930年代のイギリスでは、世界恐慌の対策として対外投資を控えて資本の輸出規制を行って資本の流出を抑えた。

国内や自国が支配する植民地をメインとした経済圏を築きポンドで貿易を行う地域を創出した。いわゆるスターリングブロックである。経済をブロック化することによって国内産業の活発化を促し、世界恐慌を乗り切ろうとする経済政策である。


 1930年代の世界恐慌の時アメリカ合衆国でも対外投資額は減った。

特に証券投資額が大幅に減り、直接投資額は若干減った。

しかし、直接投資の中身を見ると、製造業、石油産業などの新興産業において、1930年代の前半の一時的な現象はあるものの後は、増大傾向にあるという特徴がある。

これは、不況で安定性に欠ける証券投資からこれからの時代を担う新興産業への投資変換を意味している。

そして、対外的にイギリス中心とした列強諸国が経済をブロック化していく中、世界経済市場からの締め出しに危機感を感じた。

アメリカ合衆国は自由貿易主義の転換をはかり、南北アメリカ諸国との経済協定を結んで、貿易を行った。


 19世紀の世界経済は自由主義貿易が基本で、資本の輸出は自由に行われていた。

しかし、20世紀になると第1次世界大戦や世界恐慌を経て、経済を管理して資本の輸出に規制を行い経済統制を行った。それは、スターリングブロックやアメリカ合衆国の南北アメリカ諸国との貿易協定などである。

これは、現代でも続いていることで、例えば、ヨーロッパ経済共同体など、世界にはさまざまな、経済協定が存在する。


 最後に世界1位国の地位は時代とともに変わっていく、それは、歴史が証明している。

世界1位の地位が変わる時には必ずきっかけとなる事件が発生する。それが、今回は第一次世界大戦であり、また、経済システムの変化など世界に新しい秩序が生まれるきっかけでもあった。

(アメリカの経済 春田素夫 鈴木直次 1998 岩波書店 参照)

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2018年01月07日

アメリカが戦争を続ける原因がやっと分かった!文学部史学科(経済史リポート)





アメリカが戦争を続ける原因がやっと分かった!文学部史学科(経済史リポート)

テレビや新聞、雑誌を見ていると、いろんな世界情勢のニュースが入ってくる。

その中で、アメリカの戦争の話題がたくさん入ってきて思うことは、ほんとに戦争好きってことである。大戦後では、朝鮮戦争やベトナム戦争、現代では、湾岸戦争、アフガニスタン戦争、ごく最近ではイラク戦争などである。

アフガニスタンの時はテロを受けたのでしかたがないと思ったけど、今回のイラク戦争は理由もあまり明確ではなく、理由をこじつけて戦争を行ったように思える。

この戦争好きのアメリカはどこからきたのか少し興味をもってしまった。


 第2次大戦後、世界には大きく分けて2つの思想があった。

それは、社会主義と資本主義である。

戦後の世界は旧ソ連を中心とする社会主義とアメリカを中心とする資本主義の対決構造が出来上がった。アメリカの大戦後の対外政策は対ソ連を想定して対抗することを中心の政策とした。大戦後、ヨーロッパの国力は疲弊していた。アメリカはソ連に対抗するために、ヨーロッパ陣営を自国の勢力に引き込み対ソ連に対抗しようとした。ヨーロッパ諸国の軍備増強には経済力の回復が不可欠と考えたアメリカは、ヨーロッパ諸国に対する援助制政策でヨーロッパ経済を復興へと導いた。

そして、ヨーロッパでは1949年に北大西洋条約、通称NATOが発足された。この条約の大きな意味は集団自衛である。国際社会はすでに一国だけで動かされるのもでない時代となっていた。アメリカはNATOに軍事援助を行い自国の軍事技術の指揮下に置くことで対旧ソ連に対抗した。

 また、東アジアでも戦後、旧ソ連に対抗すべく、大規模な援助政策が行われた。そして、中国の社会主義化や朝鮮戦争など、社会主義に対する危機感は高まっていった。そして、日本の再軍備などの政策で東アジアでも対旧ソ連社会主義に対する国際体制を作り上げた。
       
 アメリカの戦後の軍事戦略は旧ソ連に対抗するために、自国だけでなく、他の資本主義国をも巻きこんでの対社会主義の体制を作り上げ、資本主義国同士の関係を強化し、体系化した。そして、自国だけでなく、他の資本主義国も含めて軍備を増強して冷戦を旧ソ連陣営と行った。

これは、アメリカが資本主義世界の防衛という名のもとに、他国に軍事物資を輸出する事を意味している。アメリカは旧ソ連陣営と冷戦を行うにために、たくさんの軍事物資が必要となるため、国家財政で多額の軍事物資を生産した。

そのために、アメリカでは軍事産業が盛んになったのである。


アメリカの対社会主義の軍事戦略として、核兵器を中心とする、高性能ミサイル、航空機、最新鋭の通信機械などのハイテク兵器の充実化を図った。アメリカはこれらのハイテク兵器の開発や生産を民間の企業に依存したのである。

アメリカ政策は軍需関連企業の育成と強化が最重要視され、アメリカ政府は軍需関連企業に資金援助などの優遇政策を押し進めることになる。

もちろん、完成されたハイテク兵器はアメリカ政府に買いとられるわけで、このハイテク産業は企業にとって高収入を手に入れるビッグビジネスとなった。このアメリカ政府と軍需関連企業の関係のシステムは、両者の癒着関係を深めていくものである。

例えば、政府高官に裏金を渡して、援助金をたくさんもらう。武器生産や開発の契約を自企業が獲得するために政府高官に裏金などを渡すといった、政府役人と企業の癒着が深まっていった。


 1956年のラドフォード構想にで、軍事費が削減されたことが、経済の恐慌原因の1つの要因となった。

1958年に軍事費は恐慌対策のため上昇し、また、この時代はソ連の大陸間ミサイルや人工衛星の打ち上げの成功など対ソ連の脅威が増した時代でもあった。

そして、ケネディー大統領時代は、核に依存する戦略から、あらゆる戦争に対応する戦いに向けた軍需化を推し進めていった。

アメリカにとって、軍需産業は国をささえる重要な産業となった。


 現代冷戦が終わってもアメリカ主導の国際情勢は変わっていない。アメリカは現代では世界の警察的国として軍事大国である。

例えば、湾岸戦争の時は、不当にクエートを占領したイラクに対してたくさんの国の中心的な国となってイラク軍と戦い、今回のイラク戦争でも中心国となり、日本などの国をも巻き込んでいる。

敵国が旧ソ連からイラクに変わっただけで、戦後と現在の基本とするところに変わりはないと思う。例え、敵国がいなくなっても、新たな敵国が現れるのかもしれないので、アメリカは軍備の増強をおこたりはしないだろう。軍事産業の発展こそ、アメリカの繁栄と繋がっているのではないだろうか。

最強の軍事力を持つアメリカは世界の国々に軍事的な脅威を与えているは事実で、多大な影響力を持ち、リーダーシップを発揮している。

日本のように決して、アメリカにNOと言えない国すら存在する。


 最初冒頭で、なぜアメリカは戦争が好きなのかの問だが、アメリカにとって戦争は国が儲かるための手段ではないのではないかと思う。事実歴史をさかのぼれば、第1次大戦中の日本や古代ギリシアなど戦争によって強国化した国は数えきれずに存在する。

しかし、自国を戦場にするような長い戦いは国力が疲弊する原因となる。

アメリカは自国とはぜんぜん違う地域で戦争を行う。アメリカが行うような戦争は儲かるから、アメリカはこじ付けを付けてでも戦争をやりつづけているのではないだろうか。

(アメリカの経済 春田素夫 鈴木直次 1998 岩波書店 参照)

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2017年05月04日

資本主義経済における生産や流通について‐文学部史学科(経済原論リポート)





資本主義経済における生産や流通について‐文学部史学科(経済原論リポート)


 資本主義社会において、単純な社会的総資本の再生産や流通、また、生産手段生産部門と消費手段消費部門との相互補填関係などを簡単な2つの式で表すことができる。

 生産手段生産部門 4000c+1000v+1000m=6000

 消費手段生産部門 2000c+500v+500m=3000


 資本主義経済では、生産資本が流通して新たな付加価値を含んだ商品資本なる。

生産資本はcの可変資本と労働力vによって構成されている。cに労働力が加わる事によって新たなに商品資本mを生み出す。


 そして、労働力をvと仮定し、mを資本家が手に入れる物と過程する。

しかし、生産手段生産部門の式では資本家が労働力を雇い入れる時には基本的に賃金を支払わなければならない。

賃金(貨幣)の概念が入れば複雑になるので、分かりやすくすると、資本家は労働者に消費手段という現物形態の物を支払うと考える事ができる。

生産過程では、労働者や資本家は消費手段を手に入れなければならないと言える。

すなわち、生産手段生産部門の中だけでは、労働者に賃金を支払う事ができないのである。

そのため、1度生産手段生産部門の1000vと1000mを1度消費手段生産部門に転換して、新たに転換した部分を消費手段生産部門から貰わなければならないのである。


 生産手段生産部門の式、1000vと1000mの合計は2000になる。

この2000という数字は、消費手段生産部門の2000cと一致する。

すなわち、生産手段生産部門の1000vと1000mと消費手段消生産部門の2000cが相互に過不足なく補填しあっているという事が言えるだろう。


 単純な社会的再生産の時は生産手段生産部門の式では、cが内部補填で再生産を行い、そして、消費手段生産部門ではvとmが内部補填で再生産を行う。

また、両部門間では、生産手段生産部門のcと消費手段生産部門のvとmとが相互補填を行う。

社会的再生産の進行時の生産、消費、流通と循環されていく過程ではこの3つの流れによって社会的再生産が行われる。


 以上の事柄は、単純な社会的再生産で、資本家が取り分を全て自らで消費しているとの仮定のもとに述べられている。

つまり、資本家は取り分を全て生活のために消費して、事業の拡大をまったく行っていないと考える事ができる。

もし、資本家自らが消費する以上の儲けを獲て、事業を拡大していると仮定した場合を考えていく。


 資本が増える概念が入った、社会的再生産が行われる時、まず、資本家が買い入れを行った、労働力や生産手段などの商品を消費する。

すなわち、不変資本cと不変資本vを消費していく。

商品を消費する事によって、あらたな余剰価値を含んだ商品が生まれる。

すなわち、cとvを消費する事によって、余剰価値mが生まれる。

消費する事によって、新たに増えた部分がmと考える事ができる。

この資本が増え、余剰価値mを生む現象は第1部門、第2部門に共通した現象でもある。


 この余剰価値mは資本家の取り分とも見る事ができる。

もし、余剰価値mを資本家が全て消費すると仮定すると、毎年同じ生産量の社会的再生産が行われる。

しかし、もし、資本家が余剰価値mの一部を追加資本として投資すると考えると、余剰価値mは、mc、mv、mkの3つに分ける事ができる。

この中で、mkは資本家の消費部分となり、また、mcは追加不変資本、そして、mvは追加可変資本となる。

すなわち、mkが資本家によって消費され、mcとmvとによって、事業が拡大していくと捉える事ができる。


 そして、余剰価値mの中のmc次ぎの年に追加資本としてcに投資される。そうする事によって、次ぎの年は、前年度に比べて、不変資本cの部分がmcの量だけ増えている。

この現象も第1部門、第2部門共に同じ現象で社会的再生産が行われている。


 追加資本によってcの部分が拡大すれば、それに伴って、労働力も増えていかないと、上手く機能しない。

すなわち、mvによって、vが拡大されなければならないのである。

そして、事業が拡大していくと、それだけ、資本家の総収入も増えるわけなので、資本家の消費部分も増えていく。


 そして、第1部門のvとmv、mkが第2部門のcに転換される。

第2部門のcとmcは、第1部門のvに転換される。

この時、第2部門のcとmcは、転換された第1部門の中で、労働者階級の個人消費と資本家階級の個人消費とに分けられる。

この分けられた部分の、労働者階級の個人消費が第1部門のvに生産過程として転換される。

すなわち、第2部門のcとmcを足した額に第1部門のmkを引いた額が第1部門のvになる。

結果として、第1部門のvは前年度よりも価値が第1部門のmvの量だけ増えている。

これは、第2部門でも同じくvの部分が前年の第2部門のmvだけ量が増えている。


 まとめると、第1部門、第2部門ではお互いに相互補填をしているので、追加資本mcによって、お互いに増えている。

すなわち、第1部門、第2部門ともに、相互補填しているので一方が増えると、もう一方も増えるという関係にある。

すなわち、追加資本による事業拡大の概念が入る事により、毎年同じ額での繰り返しから、追加資本によって、生産量が増えて、生産量が増えるという事は、消費量も同じく増えていき、結果としては、全ての項目が年を重ねるにつれて、追加資本によって、年々増えていくのである。


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2017年02月28日

商品の物々交換から貨幣誕生まで、資本主義経済の不思議を解明‐経済原論リポート





商品の物々交換から貨幣誕生まで、資本主義経済の不思議を解明‐経済原論リポート

 現在の社会は外部から商品を手に入れないと生活ができない社会であり、このような社会では資本主義経済が必要である。


 資本主義経済でもっとも基本的なことになるのは、一般的な例として、自分自身では生産できないが生活などで必要な物や娯楽的な意味合いで欲しいものを自分自身が手に入れることである。

自分では生産できない必要な物を他者から手に入れるためには、それと同じ価値の物を相手に差し出さなければならない。

もしくは、相手が欲するものを差し出さなければならない。

そして、互いが差し出す商品をお互いが納得すれば、そこには、商品の交換が行われる。

もし、貨幣という概念があるなら、貨幣によって交換される商品の値打ちが表示され、また、貨幣と商品を交換することも可能となる。

このように、資本主義経済の基本は商品と商品の交換関係にあるので、これは、市場経済とも捉えることができるであろう。


 現代のような資本主義経済社会では、他者から商品を手に入れないと生活が不可能である。

また、娯楽品なども生活には必要不可欠な存在となっている。

人間が生きていくためにはたくさんの商品が必要であり、また、たくさんの商品を手に入れる事がひつようとなってくる。

現代の社会は、膨大な商品が集まり、そして、商品が交換されている社会とも見る事ができる。


 商品を生産するには労働力が必要であり、労働生産物が商品と言う事にもなる。

また、資本主義経済では、労働力自体も商品の一部と見ることもできる。


そして、労働は資本主義経済にとって骨格的な存在でもある。

社会を構成している人間は労働によって生産した物質的な富を消費する事によって生活をしている。


 また、資本主義的な生産では資本家が生産手段と労働力を商品として購入して、購入した商品以上の価値を、すなわち、余剰価値を生んで生産を行う。

このようにして、資本主義的な生産過程では、常に資本が増殖している。


そして、資本主義のシステムの骨格的なことを規定しているのが、資本・労賃関係と呼ばれる生産関係である。


 労働者は労働力を商品として資本家に売り、そして、労働力を売って得た賃金によって、賃労働者として生活している。

そして、資本家は資本によって、生産手段を買い、また、賃労働者から労働力を購入して生産を行う。

生産過程では、資本家が賃労働者を指揮(支配)して生産を行う。

労働は賃労働の形態をとり、また、生産手段は資本の形態をとっているのが資本主義だと考えられ、そしてこの関係が資本・賃労関係である。


 資本主義的生産の骨格となる資本・労賃関係の生産過程は資本家と賃労働者との人と人との関係とも捉える事ができる。

資本・労賃関係で生まれるものは、商品と貨幣である。

資本主義社会では、生産によって生まれた商品を労働者が労働力を商品として売って得た貨幣によって商品交換を行う。

このように資本主義では表向きに現れるものは、商品と貨幣との関係である。

すなわち、人間関係であった、資本・労賃関係が物象化して商品・貨幣として現れているという事が言えるであろう。

すなわち、商品と貨幣の研究をするという事は資本主義経済の骨格となっている資本・賃金関係をも研究すると言う事になるであろう。


 資本主義経済は商品交換である。

例えば、毛皮一枚と10gの塩が商品交換されたなら、毛皮一枚の価値は10gの塩と言う事になる。

またその逆も言え、10gの塩の価値は毛皮一枚と言う事になる。これは、自分自身の商品価値は商品の交換相手の商品によって自分の商品の価値が決まる事を意味している。


 また、毛皮一枚は10gの塩以外に一丁のナイフと一本の酒とも商品交換が行われていた場合、毛皮一枚から見たこのような状態を全体的な価値形態と言う。

全体的な価値形態の時、10gの塩、一丁のナイフ、一本の酒は毛皮一枚という同じ価値で表す事ができる。

この場合、毛皮一枚を通じて、一丁のナイフと一本の酒は同じ価値と言える。

理論的には、一丁のナイフと一本の酒は同じ価値なので、一丁のナイフと一本の酒は商品交換が可能と言えるだろう。

毛皮一枚によって、10gの塩、一丁のナイフ、一本の酒の価値を数字によって表す事に成功している。

毛皮さえ持っていれば、いずれの商品とも交換が可能と言う事である。

ここから、貨幣の概念が生まれてくる。すなわち、毛皮を使って、あらゆる商品との交換が可能であり、また、交換する毛皮の枚数によってその商品価値が決まってくる。

しかし、資本主義社会では毛皮の変わりに、主に金や銀などが、商品交換に使われ、貨幣としての役割を果すことになる。

金や銀は希少価値もあり、世界的に広く需要が高いと言える。

金や銀自体に商品としての値打ちがあり、その金や銀の量や枚数によって、商品が交換されていくのである。

貨幣の概念が生まれると全ての商品は貨幣によって、商品の価値を表すことができ、また、すべての商品は貨幣と交換が可能となるのである。


 ありとあらゆる生産物や労働力などの商品を購入する事ができ、また、自分自身の価値を表す事のできる貨幣の存在は人間に圧倒的な影響を与え、その魅力に取りつかれる。

資本主義経済は貨幣によって支配されている社会とも捉える事ができるであろう。
 

(経済学入門 南山大学経済学部編著者 NHK出版 参照)

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2016年12月12日

資本主義社会における労働の役割とは?‐消費によって貨幣が増えるなぞ(経済原論リポート)

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資本主義社会における労働の役割とは?‐消費によって貨幣が増えるなぞ(経済原論リポート)


 資本という概念が入ると、貨幣で商品を購入したとき、貨幣で商品を購入することによって、商品の価値と同じ貨幣を支払っているにもかかわらず、商品の価値よりも多くの貨幣を手に入れる事ができるのである。

このもとの商品の価値よりも多くなった部分の貨幣が余剰部分と見る事ができるであろう。

商品を消費する事によって、新たな価値が生まれ、また、消費された商品の価値よりも高くなるのが資本の流通形態と言えるであろう。

また、このように、商品の消費によって貨幣がたえず増大しているのが資本主義経済の特徴とも言えるだろう。

商品を消費する事によって貨幣が増えるという、夢のような話だが、この資本の謎を解くカギを握るのが労働力である。


 資本主義社会では、賃労働者は労働力を商品として資本家に売り、そこで得た賃金によって生活をしている。

すなわち、貨幣がなければ生きて行くのは困難で、人間が生活を行うためにはお金が必要であり、お金によって、食事をし、余暇を楽しむ事ができる。

このことは、労働力を再生産するためには、お金が必要という事を意味し、お金を消費する事によって、労働力を再生産する事が可能になるのである。


 すなわち、どのような社会であっても、生産と消費は必要で絶えず、生産と消費が繰り返されている。

生産物は労働力によって生まれ、また、労働力によって、生産物は消費されている。

生産物が消費を越えればそれは余剰となる。

そして、労働力を維持していくためには、必ず消費は必要で、この労働力が絶えず再生産されるのに必要不可欠な生産物の事を必須生活手段または必須生産物、労働ファンドと呼ぶ。

そして、必須生活手段を生産するのに必要な労働を必須労働と呼ぶ。

また、必須生活手段の社会的必要時間によって労働力の価値を規定する事ができる。

また、労働者が持っている労働価値は労働力を再生産する再生産費とも見る事ができ、これは、必須労働のことでもある。

労働者の労働力の価値は必須労働で決まる事も意味している。


 資本主義的経済の労働市場では、資本家は労働力が再生産されるのに必要な必須生活手段の社会的必要時間で規定された労働力の価値を商品として労働者に貨幣によって支払う。

また、資本家は商品市場では、他の資本家から生産手段を購入する。すなわち、資本主義的経済において、余剰価値を生むためには、商品である、労働力と生産手段を購入して資本を投下しなければならないのである。


 労働者は資本家に時間極めで労働力を商品として売る。

そして、資本家は労働者から買った時間はある程度支配して、資本家の指導のもとに、契約時間の間労働力を消費して、生産をおこなっていく。

また、労働力の消費の過程は、実際に労働を行っている、労働過程と労働力を消費して、労働力の消費によって新たな価値が生まれる価値増殖過程との2つに分ける事ができる。


 労働過程の労働の事を具体的労働と言い、また、価値増殖過程での労働を抽象的労働と言う。

労働には2つの種類があり、具体的労働は具体的に行う労働を表し、労働によって、特定の物質に対して形態変化を起こさせるなどである。

この具体的労働では、価値変化は発生しない。

抽象的労働は、労働を抽象的に考え、また、労働を量で捉えて、労働力の支出を抽象的に見ていく。

この抽象的労働の時に新しい商品価値が生まれるのである。


 具体的労働では新たな価値を生まない、この事を逆に考えると、元々存在した価値の事を指している。

すなわち、具体的労働では生産手段の中に価値が移転されて、前年と同じ価値が生産されている。

この事を資本で考えると、生産される価値は生産物の中に移転されているだけなので、投資される資本の価値は変化がなく、また、生産されるのに必要な資本の事でもある。

この変化がなく、不変に生産されるために必要となる資本は、毎回同じ価値の資本なので、不変資本と呼ばれている。


 抽象的労働によって、新たな余剰価値を生み出す事になる。

抽象的労働は労働を抽象的に広く捉えている。

抽象的労働は新たに余剰価値になる部分と再生産に必要な部分とに分ける事ができる。

すなわち、抽象的労働では、労働力の価値を再生産し、そして、その労働力を再生産するのに必要となる必須労働時間と、さらにそれを越えて新たに生まれた余剰価値を生産するのに必要な余剰時間とが組み合わさっている事になる。

必須労働時間を超え、余剰労働時間が新たに増え、変化しているので、そこに、投下される資本の価値量も変化して増えているという事が言える。

そして、投下資本の価値量が変化して、増えているので、この事を可変資本と言う。


 資本主義経済は貨幣の社会でもある。そのため、生産された商品は商品市場で売る事によって貨幣に変換される。

貨幣に変換される事によって、価値を表し、価値を得た事にもなってくる。

そして、同時に、余剰価値を貨幣に転換して得る事をも意味している。

そして、労働者は労働力を商品として売り、変わりに貨幣得て、その得た貨幣を使って資本家から必須生活手段を買い生活をしていく。

そして、また、労働力を再生産する。このようにして、資本主義経済では繰り返し生産物の再生産が行われて、余剰価値を生みながら、商品の生産が行われていくのである。

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法政大学文学部史学科通信教育部を4年で卒業して、同時に教員免許も取得した。現在は高校教師教師として、働いています。
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