2016年10月23日

三度の自由教育路線‐通信教育部(教育過程論リポート)

10.jpg「教科書に載らない歴史」はここをクリック 高校で普段行っている授業の実践記録や日記集、研究など、教科書に載っている事だけを授業するなら教員なんていらない。誰も知らないことを授業で取り上げる事に意味がある。教科書では語れなことや取り扱って欲しい内容を取り揃え、日本人としての心を取り戻す教育、その一部を紹介します。







三度の自由教育路線‐法政大学通信教育部(教育過程論リポート)

 近年教育が大きく変わろうとしている。

生徒に対する評価の方法や、総合学習の取り組みなどである。

例えば、高槻市のある小学校では、総合学習の時間を利用して地域の担い手を育てるために地元のポンポン山と開発問題について学習している。

総合学習の利点はそれぞれの学校がテーマを自由に設定できることである。そのため地域問題など生徒の関心度が高い課題から学習できる可能性を秘めている。


 現在の地域を主体に考えた自由な教育路線は過去に日本の歴史を紐解くと3度目の試みになる。

最初は明治初期の学制制度に変わる教育令が出された初期段階、2回目は、終戦直後のやまびこ学校の時代、3度目が近年の教育改革路線である。

最初と2度目の特徴は、両者とも自由教育路線が早い段階で打ちきられ、後の教育路線があまり評価できないことにある。

最初の場合は、教育が戦争と結びついた国家統制に利用されたこと、2度目は教育が受験と結びついたことである。

もし、今回、自由な個性を重視した教育路線が早い段階で打ちきられたとしたら、過去の例から考えると、後の教育路線が間違ったものになる可能性が非常に高くなると言えるだろう。

近年の教育改革は3度目の試みであり、過去の失敗を乗り越えなければならないと思う。

その為には、総合学習などの新しい試みに関しては、長い目でその教育成果を見る事が重要だと思う。教育成は直ぐに効果でるものでは無い。

近年の教育改革は新しい試みであるので、最初は戸惑うかもしれないが長い目で見る事も重要である。

そして、学力の低下問題や受験への対応不足などさまざまな問題点を含んではいるが、全てを否定するのではなく、施行作後を繰り返しながら、悪い部分を修正して、良い部分をのばしていく必要を感じる。

そうすることで、必ず良い教育成果が上がると期待できる。


 明治初期、日本は近代国家の仲間入りをするべく、国民全てに教育を行う政策をはじめる。

1871年には教育令が出されて、地域住民の声を聞き入れた自由教育路線が始まった。

しかし、この自由教育路線は問題点を沢山含んでいた。

まだ、この時代日本では教育に対する重要性があまり浸透しておらず、地域によって教育に対する考え方がばらばらであった。

教育に対する価値観が低い地域では、学校の建設を中止、教員の数を減らす、教員の給料を減額するなど、自由教育路線のマイナス面がでていた。

思うに、この時代江戸時代から明治時代になったばかりなのでしかたのないことなのかもしれない。

もっと、国民の間に教育に対する価値観が高まるまで、この自由教育路線を続けるべきだったと私は感じている。

そして、不幸なことに日本ではこの時代自由民権運動の過熱を問題点として、日本の支配者層の人達は、教育を自由から統制に変えて行くのである。

ここから、日本の教育はおかしくなる。

自由民権運動は人権思想や啓蒙思想などを主体として、国民の人権を守り、国民が政治に参加できるように、国会の開設などを要求した運動である。

言うなれば、自由教育路線と重なる部分がある思想である。皮肉にもこの自由民権運動が統制教育の引きがねとなったのである。


 自由民権運動を抑えるために考えられたことは、教育システムを利用して、まだ、純粋な子供達に国家に対して忠実になるための思想を植え付けることであった。

天皇を絶対的な存在として国に忠誠を尽くす臣民を作り出していく。

そして、学問の自由もなくなり、統制されていく。

それは、天皇を中心とした中央集権的な国民国家の建設のため、天皇の権威付けや正当性が学問の主流となる。

例えば、ひとつの説にしかすぎない単一民族国家説を採用して日本はひとつの民族によって構成された国家であり、天皇が一貫して統治してきた国であるとした。

また、南北朝問題などの天皇にとって都合の悪い歴史を排除して、天皇の国家支配に都合の良い歴史を系統的に学習するなど、教育が利用され、また、教師の自由も奪われていく。


 教育が国家に利用された結果、日本は空想的な軍国主義の日本へと変貌していく。

国民の民意が戦争を後押し、出口の見えない戦いに国民はかりだされていく。たくさんの尊い命が失われて、日本国内や近隣諸国でも数多くの悲劇がうまれた。

結局、教育が国家に利用された事が間違いである事が証明されたことになる。


 戦後日本は全てを失い、なにも無い所からの出発となった。

空襲で焼けた学校では青空のもとで授業を行った学校もある。悲惨な戦争を体験した国民は平和を願い、平和な教育を求めていく。

そして、平和憲法である日本国憲法が制定されて、これに基づき教育基本法が制定されて新たな教育が始まる。

教育基本法前文で唱えている事は、主に平和、民主主義、個性ゆたか、個人の尊厳などである。

これは、戦前教育の反省を考慮にしていると思われる。

戦後復興の中、困難を乗り越えて、教育の現場では、地域それぞれに、独自の教育が試行錯誤されていく。

やまびこ学校の時代と言われ、生徒が住む地域に密着した自由な教育路線が展開された。

しかし、システム的には確立しておらず、問題点も多く含んでいた。

日本は戦後復興を果し高度経済成長期を迎えると、教育の内容も変わっていった。

社会システムの変化で、地域社会の繋がりが弱くなってきた事や受験戦争の始まりなどにより、また、新たな教育路線を始めることになる。


(日本近代の出発 佐々木克 集英社 参照)(未来をひらく総合学習 梅原利夫 西本勝美 ふきのとう書房 参照)(新しい社会・地理・公民の教育 大森正 石渡述男 参照)













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