2017年05月31日
塾選びのアドバイス〜講師を見る際の6つのポイント〜
本日は、塾の講師の力量をチェックするポイントを述べたいと思います。
普段の授業を覗く機会があれば、ぜひともご参考にしてみてください。
@「講師に余裕はあるか」
当たり前ですが、授業というのは、コミュニケーションです。講師と生徒とのやりとりや掛け合いによって、生徒のやる気を引き出したり、集中力を維持したりするのです。それがないのであれば、その授業は通信教育などと同様になります。(通信教育を軽んじるのではなく、集団授業という性質を失っていることが言いたいのです)
特に新人の講師には、「余裕がない」方が多いです。授業や説明にいっぱいいっぱいになって、視線がテキストやホワイトボードなどにばかり集中して、肝心の生徒が見れていないのです。
堅苦しい生徒でも、真面目に聞く生徒はこれでも問題ないのですが、そうではない生徒の方が多いのが実情です。そういう生徒を統率するためには、やはり講師に余裕が必要なのです。
説明しながらも生徒の方を見ていて、注意が必要であれば促したりしなければなりません。
A「発問があり、たくさんの生徒をあてているか)」
これも上記の余裕とつながるかと思います。良い講師は発問(講師が生徒に質問すること)がたくさんあります。1回の授業の中ですべての生徒に発問し、授業への参加意識やいい意味での緊張感を持たせます。ハイレベルな講師になると、「開いた発問」と「閉じた発問」を使い分けます。
「開いた発問」…しっかり考えるべき発問。「willとbe going toの違いは何でしょう?」「顕微鏡で、接眼レンズと対物レンズをつける順番が決まっているのはなぜでしょう?」などです。こういう発問があれば、生徒たちは深く考え、勉強に対する興味や、本質の理解が深まります。
しかし、開いた発問は、生徒に考える時間を与えねばならず、授業のテンポが遅くなります。また、勉強が好きな一部の生徒はそのような発問だけでも退屈しないのですが、そうではない生徒にとっては、開いた発問が続く授業は退屈に感じて、集中力も切れてしまいます。そこで必要になるのが、閉じた発問です。
「閉じた発問」…「この時の主人公の気持ちは、良いか悪いかどっちですか?」「問題の2行目に何と書いてますか?」など、「2択形式で答えやすい」・「話さえ聞いていれば、答えられる」発問です。これらのいい所は、開いた発問の弱点を補強できることです。つまり、授業にテンポを生み出し、勉強が好きではない生徒にも参加意識を持たせられることです。
B「授業中に教室を出ることがないか」
「テキストを事務所に忘れた」「配布物を持ってこなければ」などの理由で、教室を離れてしまうケースがあります。
しかし、当たり前ですが、塾の講師は教室から出ない方が望ましいです。それは、講師が離れた瞬間に、教室内の空気が緩むからです。社会人で言うなら、上司がいないのと同じ状態ですので、やはり気が緩んでしまうことはわかっていただけるかと思います。クラスを管理できない講師が教室を離れると、その教室の空気が崩壊する可能性が高いです。優秀な生徒ばかりを集めたクラスなど、生徒側の意識が高ければ話は別ですが。
一方、クラスコントロールに優れた講師ならば、教室を離れても生徒たちの集中力は持続させられます。たとえば、たまたま塾を訪問した際に講師が教室を出て、それでも生徒たちが頑張って勉強しているようであれば、その講師の実力は素晴らしい可能性が高いです。(先述のとおり、生徒側の意識の可能性もあります。)
しかし、いかに優れた講師でも、授業中に教室を出るのは、授業準備が足りないことの裏返しです。優れた講師が教室内にいれば、鬼に金棒なのですから。
C「プリント配布など、無駄のないスマートな動きをしているか」
これも余裕とつながるかもしれませんが、どちらかというと「段取り」の部分です。例えば、「配布するプリントが数種類あるならば、配布する順番に積み上げて持っていく」「生徒が問題を解いている間に、次に配布するプリントを列の人数ごとに仕分けておく」などですね。
ここまでできる講師は、それによって「プリント配布の際に更なる余裕ができる」ので、より一層生徒たちをよく見れるのです。
D「話し方に工夫があるか」
魅力的な講師の説明は、大人が聞いていても面白いです。裏を返して言うなら、大人が聞いても分からない説明なら、生徒はもっと分からないはずですので、要注意です。
とくに、説明が上手な人の共通点は、具体例を上手に使うということです。教育に限ったことではないですが、他人に何かを伝えるときに、納得させるために具体例が必要です。それを使いこなせる講師は、高い授業力があるはずです。「例えば」というのが口癖になっているくらいでも良いかもしれません。
E「指示が細かいか」
・「テキストの10ページを開けなさい」
・「テキストを開けなさい」…「10ページを開けなさい」
両者には違いがありますよね。そう、後者の方が指示が細かいのです。特に低学年で必要なのですが、1つの会話に入れる指示の個数には注意が必要です。
「テキストの10ページを開けて、ノートをすぐ書ける状態にしてから、テキストの右上の図を見なさい」などと言ってしまうと、いったいどれだけの生徒が指示を守れるのでしょう?意識が高い生徒ばかりを集めたクラスなら大丈夫かもしれませんが、普通のクラスならかなり厳しいはずです。
指示は、可能な限り、シンプルに!それが良い講師の条件です。
今回の話題は、語りだしたらキリがないので、かなり絞ってみました。ご質問などあれば、ぜひどうぞ。
普段の授業を覗く機会があれば、ぜひともご参考にしてみてください。
@「講師に余裕はあるか」
当たり前ですが、授業というのは、コミュニケーションです。講師と生徒とのやりとりや掛け合いによって、生徒のやる気を引き出したり、集中力を維持したりするのです。それがないのであれば、その授業は通信教育などと同様になります。(通信教育を軽んじるのではなく、集団授業という性質を失っていることが言いたいのです)
特に新人の講師には、「余裕がない」方が多いです。授業や説明にいっぱいいっぱいになって、視線がテキストやホワイトボードなどにばかり集中して、肝心の生徒が見れていないのです。
堅苦しい生徒でも、真面目に聞く生徒はこれでも問題ないのですが、そうではない生徒の方が多いのが実情です。そういう生徒を統率するためには、やはり講師に余裕が必要なのです。
説明しながらも生徒の方を見ていて、注意が必要であれば促したりしなければなりません。
A「発問があり、たくさんの生徒をあてているか)」
これも上記の余裕とつながるかと思います。良い講師は発問(講師が生徒に質問すること)がたくさんあります。1回の授業の中ですべての生徒に発問し、授業への参加意識やいい意味での緊張感を持たせます。ハイレベルな講師になると、「開いた発問」と「閉じた発問」を使い分けます。
「開いた発問」…しっかり考えるべき発問。「willとbe going toの違いは何でしょう?」「顕微鏡で、接眼レンズと対物レンズをつける順番が決まっているのはなぜでしょう?」などです。こういう発問があれば、生徒たちは深く考え、勉強に対する興味や、本質の理解が深まります。
しかし、開いた発問は、生徒に考える時間を与えねばならず、授業のテンポが遅くなります。また、勉強が好きな一部の生徒はそのような発問だけでも退屈しないのですが、そうではない生徒にとっては、開いた発問が続く授業は退屈に感じて、集中力も切れてしまいます。そこで必要になるのが、閉じた発問です。
「閉じた発問」…「この時の主人公の気持ちは、良いか悪いかどっちですか?」「問題の2行目に何と書いてますか?」など、「2択形式で答えやすい」・「話さえ聞いていれば、答えられる」発問です。これらのいい所は、開いた発問の弱点を補強できることです。つまり、授業にテンポを生み出し、勉強が好きではない生徒にも参加意識を持たせられることです。
B「授業中に教室を出ることがないか」
「テキストを事務所に忘れた」「配布物を持ってこなければ」などの理由で、教室を離れてしまうケースがあります。
しかし、当たり前ですが、塾の講師は教室から出ない方が望ましいです。それは、講師が離れた瞬間に、教室内の空気が緩むからです。社会人で言うなら、上司がいないのと同じ状態ですので、やはり気が緩んでしまうことはわかっていただけるかと思います。クラスを管理できない講師が教室を離れると、その教室の空気が崩壊する可能性が高いです。優秀な生徒ばかりを集めたクラスなど、生徒側の意識が高ければ話は別ですが。
一方、クラスコントロールに優れた講師ならば、教室を離れても生徒たちの集中力は持続させられます。たとえば、たまたま塾を訪問した際に講師が教室を出て、それでも生徒たちが頑張って勉強しているようであれば、その講師の実力は素晴らしい可能性が高いです。(先述のとおり、生徒側の意識の可能性もあります。)
しかし、いかに優れた講師でも、授業中に教室を出るのは、授業準備が足りないことの裏返しです。優れた講師が教室内にいれば、鬼に金棒なのですから。
C「プリント配布など、無駄のないスマートな動きをしているか」
これも余裕とつながるかもしれませんが、どちらかというと「段取り」の部分です。例えば、「配布するプリントが数種類あるならば、配布する順番に積み上げて持っていく」「生徒が問題を解いている間に、次に配布するプリントを列の人数ごとに仕分けておく」などですね。
ここまでできる講師は、それによって「プリント配布の際に更なる余裕ができる」ので、より一層生徒たちをよく見れるのです。
D「話し方に工夫があるか」
魅力的な講師の説明は、大人が聞いていても面白いです。裏を返して言うなら、大人が聞いても分からない説明なら、生徒はもっと分からないはずですので、要注意です。
とくに、説明が上手な人の共通点は、具体例を上手に使うということです。教育に限ったことではないですが、他人に何かを伝えるときに、納得させるために具体例が必要です。それを使いこなせる講師は、高い授業力があるはずです。「例えば」というのが口癖になっているくらいでも良いかもしれません。
E「指示が細かいか」
・「テキストの10ページを開けなさい」
・「テキストを開けなさい」…「10ページを開けなさい」
両者には違いがありますよね。そう、後者の方が指示が細かいのです。特に低学年で必要なのですが、1つの会話に入れる指示の個数には注意が必要です。
「テキストの10ページを開けて、ノートをすぐ書ける状態にしてから、テキストの右上の図を見なさい」などと言ってしまうと、いったいどれだけの生徒が指示を守れるのでしょう?意識が高い生徒ばかりを集めたクラスなら大丈夫かもしれませんが、普通のクラスならかなり厳しいはずです。
指示は、可能な限り、シンプルに!それが良い講師の条件です。
今回の話題は、語りだしたらキリがないので、かなり絞ってみました。ご質問などあれば、ぜひどうぞ。
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