デイビス(Davis)駅を出てからは、外の景色が暗いこともあり部屋の撤収作業と忘れ物の無いようチェックをバッチリ済ませ、軽く調べておいたサンフランシスコ(San Francisco)情報とホテルまでの道順をおさらいしていたので時間を持て余すこともなく過ごしました。途中で車両サービス担当のJさんが案内がてら挨拶しに来てくれました。そうそう、チップの準備も。忘れないようにしないと。
6:20pm とうとう到着しました。終点エメリービル(Emeryville)。とはいってもここは終点であって終点でないのです。どういうことかと言えば、この旅で使ったアムトラックのカリフォルニア・ゼファー号の終点はエメリービルなのですが、このチケットの終点はサンフランシスコなのです。ここからはチケット代金に含まれるバスに乗り換えて、サンフランシスコの中心地まで入ります。
結局最大5時間あった遅延が約2時間まで縮まりました。よく頑張った!
Jさんにお礼の言葉と共にチップとして$20払い、車両を後に。相場が知れ渡っているレストランのチップと違い、寝台車のサービスパーソンに対するチップの金額は頭を悩ませるところでした。インターネットで調べても、払わないという人もいれば、一泊$5で計算する人、寝台車を使ったのなら$20が最低ラインだ、という人、バラバラです。私はサービスがあまり気に入らなければ$10、まあまあなら$15、快適に過ごせたら$20と決めていました。彼のフレンドリーなサービスが感じ良かったのと、狭いとは言え二人用のルーメットを一人で使ったのでこれで良しとしました。
駅を出たところでバスに乗り換えられると教えてもらいましたがすぐわかるかどうか不安でした。が、それは私だけでなく、その辺にいる人に聞いても誰も乗り換えのバスがどれなのか知りませんでした。カリフォルニア・ゼファー号の時刻表に載っているだけでも少なくともここにはサンフランシスコ行きと、オークランド行きのバスがいるはずなので間違えないようにしないと・・・近くに駅員さんなど教えてくれそうな人もいないので不安に思いながらも、車内で出会った日本人の旅仲間と再合流。二人で止まっているバスに聞きに行くも「このバスじゃない、サンフランシスコ行きは知らない」とそっけなくあしらわれ、さらに待つこと15分。まさに駅の目の前に止まったバスから降りてきた運転手が「サンフランシスコ行き〜!」と叫んでいる。とても原始的でシンプルだけど分かりやすい。
さっそくバスに乗り込もうとするとここで問題発生。乗り換えのバスに乗るには、カリフォルニア・ゼファー号のチケットを運転手に見せます。チケットは飛行機の航空券と同じタイプで、大きな左半分と小さな右半分がくっついていて、片方が自分の控えとなります。シカゴでカリフォルニア・ゼファー号に乗り込んだ時、車両サービスのJさんがチケットを切り取り、私がを受け取ったのは右側の小さい方。それを運転手に見せると、「それじゃねぇ。もう一つのほうだ!無いなら乗せねぇ」と怖い顔。「(゚Д゚)ハァ?どっちでも関係ないっしょ」とも思ったのですが、旅仲間の半券を見ると確かに大きい左側を持ってます。周りにいた他の人の手にも大きい半券。そんなぁ!大きい半券を渡してしまった以上、この小さい半券で乗せてもらうしかないので、「けど、もう一方の大きい半券はサービスマンが持っていったんだから私はこれしか持ってないの!私の非じゃないでしょ。彼はの名前は◯◯だから、問題あるんなら彼に聞いて!」とまくし立てたところ、運転手は「あんたらは一緒(に旅している)なのか?」と、今日出会ったばかりの旅仲間と私に聞いてきたので彼女がすかさず「イエス!」と答えてくれ、ようやく「OK、入りな」とバスに乗せてもらえ事無きを得ました。ふぅ。
このトラブルはアムトラックにこれから乗ってみたい人の気持ちに水を差してしまうかもしれないので、ブログに載せるかどうか悩みましたが、やはり注意するポイントが分かれば対策も出来るので書いておくことにしました。私自身はこんなことがあろうがアムトラックの旅は本当に素晴らしかったし、絶対にまたアムトラックで旅をしたいと思っています。問題の原因を作った車両担当にも特に怒りは無いです。でも、もしこれを読んでくださった方でトラブルを体験をされた場合、仮に英語が苦手でも泣き寝入りはしないで出来る限り主張したほうがいいです。私の場合でも、サービス担当の所へ戻ればチケットを交換してもらえたかもしれないですし、パスポート等の身分証明書を見せてそのチケットの正式な所有者だと証明も出来るし、周りには恐らく親切でおせっかいな善良なアメリカ人の一人二人がいて助け舟を出してくれたかもしれないし、きっと何とかなったと思います。だけどここで言いなりになると、極端な話、ゴミ漁りをして見つけたチケットの半券でバスに乗り込もうとする卑しいアジア人と思われても仕方ないとされます、この国では。色んな人がいて色んな事が起こるのもアメリカの面白い所です。
バスに乗り込めばすっかり気を取り直し、ほんの15分ほどでサンフランシスコ中心地の夜景が見えてきました。この写真は市街に入るためのベイ・ブリッジ(Bay Bridge)という橋を通っている時に撮ったものです。写真には写せませんでしたがトレジャー・アイランド(Treasure Island)という島を右手に通りぬけました。宝島です。そしていよいよサンフランシスコ・ベイエリアへ。