2020年05月27日
安全通貨日本円の終焉。
今回は、先週5/20の日経記事『安全通貨、円よりスイスフラン選好』から、安全通貨としての日本円について考えてみようと思います
安全通貨とは、世界的な危機や混乱が起きた際に、買いが集中するような通貨のことを指します。
主には、地政学的リスク(簡単に言うと、地理的な位置関係によって経済的悪影響波及に巻き込まれるリスク)が低いと考えられる中立国の通貨や基軸通貨などがこの安全通貨に該当するとされます
そのため、永世中立国スイスの通貨であるスイスフランや世界的に流通量が多い米ドル、ユーロ、日本円などが安全通貨として認識されています
実際にリーマンショックが起きた2008〜2009年頃は、日本円に対する買いがかなり入り、日本は急激な円高に見舞われることになりました
このように、世界の危機において安全通貨として買われる傾向にあった日本円ですが、どうやら最近は様子が異なるようです
その背景としては、東日本大震災の後、日本の貿易収支が悪化し、輸出で稼いだ外貨を日本円に替える流れが抑えられてしまったこともあるようですが、やはり一番の理由は日銀が2013年に始めた異次元金融緩和の影響で強い円安圧力がかかっていることだと思います。
実際、今回発生したコロナショックは、まさしく世界の危機に相当するような局面であり、従来の常識であれば日本円が多量に買われて急激な円高に傾くことが予想されるはずです。
しかしながら、今回は101円近辺までは円高に振れましたが、90円台に突入することはなく、現在も107円前後を行き来しているような状況です。
安全通貨としての日本円の立場の変化は、今後の日本円を介する為替動向を検討するにあたっては考慮する必要があるかもしれません
従来は米ドル/円の相場は1米ドル当たり80〜120円前後の幅を行き来するような感覚でしたが、これからはもう少し円安側のレンジで推移する可能性があります。
一般的に短期売買が主とされるFX取引の中でも、株式投資と変わらず長期取引の視点でFXに取り組む私にとっては、為替の移動想定範囲は結構重要(為替変動の上下限まで来ても耐えられるようなポジション取りをしなければいけないため)なので、今後の日本円の立ち位置には注目してきたいところですね
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