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2017年09月26日

「キックの鬼」沢村忠梶原一騎キックボクシング

沢村忠といえば日本キックボクシングの事実上の創始者ともいうべき伝説の男である。

キックの鬼は、この沢村の半生をドキュメンタリータッチで描いたアニメ作品である。

沢村は私の少年時代には男の子の間では英雄だった。沢村は強いだけではなく、スタイリッシュで

かっこよかった。


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沢村は本名は白羽秀樹といい、もともとは剛柔流空手をやっていた。優秀な選手だったが日本で

タイ式ボクシングを広めたかったプロモーターの野口修にスカウトされキックに転向した。

最初のころは、空手対タイ式の異種格闘技戦の形式で、試合を行っている。

そのころは沢村は空手着をまとい、空手スタイルだった。デビュー戦は沢村は勝利をおさめたが

第二戦のルンピニーフェザー級8位のサマンソー・アディソンと戦い、16度のダウンを奪われて

4ラウンドKO負けとなる。沢村は病院送りになるほどの重症を負い、本格的にキックボクサーとして

よみがえるのだ。この試合についてはアニメでも克明に描かれているが、アニメではソマンソー

アリークトンの名前になっている。

タイ式に敗北した沢村は野口の指示で山籠もりをして、滝に向かってけりを放ったり、木に石を

つるして飛び蹴りを行うなどの特訓を行う。

山籠もりを終えた沢村は強靭な肉体と自信をつけて下界にかえってくる。

一方野口はなんとか興業を成功させようと、公会堂や体育館を回り会場探しに奔走するが

無名のキックに会場を貸してくれるところなどなかった。

しかし野口とともに会場探しに奔走していた沢村が町の無法者を制圧したのを見た浅草公会堂の

社長がいたく感心して会場を貸してくれることになった。ただ場所は新宿体育館だった。

そして試合もTBSが中継してくれることが決まり、幸い沢村もKO勝ちし幸先のよいスタートを

切ったのだ。

そして沢村と野口は雪辱を果たそうとタイからソマンを呼び寄せようと交渉に入った。

しかしソマンがKO負けしたニュースが飛び込むのだった・・

沢村忠がいなければ後のK1も総合格闘技の隆盛もなかっただろう。生涯に241戦行ったというが

今では考えられない鉄人ぶりだ。

そして現役のスポーツ選手が漫画やアニメになるというのは前代未聞であった。

主題歌も沢村が歌っている。残念なことにDVD化されていないので衛星放送での放映を待つしかない。

ぜひDVD化を東映にお願いしたいものだ。原作は梶原一騎 作画は中条けんたろう。

漫画はアマゾンではキンドルで読めるようだ。
posted by ハヤテ at 15:01| 映画

2017年09月08日

「八月の濡れた砂」村野武範、テレサ野田、剛たつひと

1971年日本映画は低迷し、大手の日活も倒産寸前だった。日活は起死回生のためにポルノ路線に

転換するが、一般映画としては最後の作品になったのが「八月の濡れた砂」である。

冒頭は主演の村野武範が夏休みの校庭で、サッカーボールを蹴って校舎のガラスをぶち割る

シーンである。

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野上健一郎(村野武範)は校長を殴り退学になった不良少年である。健一郎には親友の西本清

がいた。清がオートバイを飛ばしていたところ、海で輪姦されて放り出された少女三原早苗(テレサ

野田)を目撃する。

同情した清は早苗を人気のない海の家へ連れていく。そして少女にこの場所で待っておくように

言い残して実家へ早苗に着せようと服を取りに行く。しかし清が戻ってみるとすでに早苗の姿は

なかった。

しかし清の善意は誤解され早苗の姉真紀(藤田みどり)が犯人扱いして清を警察へつれていくと

怒鳴りこんでいく。逆切れした清は真紀を犯そうとするが、途中でやめてしまう。

そのころ健一郎は母が経営しているバーで酒を飲んでいた。母親は亀井(渡辺文雄)という中年男

と交際していたが健一郎はこの男が嫌いだった。


そして姿を消していた早苗が清を訪ねてくるが、偶然海で早苗を犯した不良グループを見つける。

健一郎たちも助太刀して不良たちをたたきのめし、不良の車を奪い取り早苗の別荘へと

向かう。だがそこには泥棒が忍び込んでいた。若者たちの無軌道な夏はそうやって続いていく

のだった・・

当時青春ドラマ「飛び出せ青春」の河野先生役で人気絶頂だった村野がドラマ主演の前に出た

映画である。ドラマのあとからこの映画をみてあのさわやかな河野先生がこんな下種な役を

やっていたのかと驚いたものである。

この映画には「飛び出せ青春」で河野先生の生徒で不良役だった剛たつひとが優等生の役で

出演しているのはとまどった。


作品はバイオレンスでもなく、恋愛映画とも言えない中途半端な作品であるが、なぜか印象に

残る作品である。主題歌の「八月の濡れた砂」は石川セリが歌っていて名曲である。

監督は藤田敏八。青春映画の金字塔といえる作品だが、しかし当時25歳ぐらいの村野が高校生

を演じるのはやはり無理があったのではないか。ヒロイン役のテレサ野田は当時14歳だが

その年齢とは思えない色気があった。

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タグ:藤田敏八
posted by ハヤテ at 13:10| 青春映画
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