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2017年09月08日

「八月の濡れた砂」村野武範、テレサ野田、剛たつひと

1971年日本映画は低迷し、大手の日活も倒産寸前だった。日活は起死回生のためにポルノ路線に

転換するが、一般映画としては最後の作品になったのが「八月の濡れた砂」である。

冒頭は主演の村野武範が夏休みの校庭で、サッカーボールを蹴って校舎のガラスをぶち割る

シーンである。

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野上健一郎(村野武範)は校長を殴り退学になった不良少年である。健一郎には親友の西本清

がいた。清がオートバイを飛ばしていたところ、海で輪姦されて放り出された少女三原早苗(テレサ

野田)を目撃する。

同情した清は早苗を人気のない海の家へ連れていく。そして少女にこの場所で待っておくように

言い残して実家へ早苗に着せようと服を取りに行く。しかし清が戻ってみるとすでに早苗の姿は

なかった。

しかし清の善意は誤解され早苗の姉真紀(藤田みどり)が犯人扱いして清を警察へつれていくと

怒鳴りこんでいく。逆切れした清は真紀を犯そうとするが、途中でやめてしまう。

そのころ健一郎は母が経営しているバーで酒を飲んでいた。母親は亀井(渡辺文雄)という中年男

と交際していたが健一郎はこの男が嫌いだった。


そして姿を消していた早苗が清を訪ねてくるが、偶然海で早苗を犯した不良グループを見つける。

健一郎たちも助太刀して不良たちをたたきのめし、不良の車を奪い取り早苗の別荘へと

向かう。だがそこには泥棒が忍び込んでいた。若者たちの無軌道な夏はそうやって続いていく

のだった・・

当時青春ドラマ「飛び出せ青春」の河野先生役で人気絶頂だった村野がドラマ主演の前に出た

映画である。ドラマのあとからこの映画をみてあのさわやかな河野先生がこんな下種な役を

やっていたのかと驚いたものである。

この映画には「飛び出せ青春」で河野先生の生徒で不良役だった剛たつひとが優等生の役で

出演しているのはとまどった。


作品はバイオレンスでもなく、恋愛映画とも言えない中途半端な作品であるが、なぜか印象に

残る作品である。主題歌の「八月の濡れた砂」は石川セリが歌っていて名曲である。

監督は藤田敏八。青春映画の金字塔といえる作品だが、しかし当時25歳ぐらいの村野が高校生

を演じるのはやはり無理があったのではないか。ヒロイン役のテレサ野田は当時14歳だが

その年齢とは思えない色気があった。

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タグ:藤田敏八
posted by ハヤテ at 13:10| 青春映画
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