映画である。
中東のテロ組織の女リーダーのダーリヤイヤド(マルトケラー)は中東戦争とイスラエルの過酷な
政策によって親兄弟を失い、異常なまでにイスラエルとその同盟国アメリカに憎悪を抱いていた。
拠点のベイルートからアメリカに入国したダーリアは、ベトナム戦争の英雄でありながら妻子に
捨てられ祖国を憎むマイケル・J・ランダー(ブルースダーン)を仲間に引き入れアメリカでの
テロを計画していたのだ。
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マイケルはベトナムでは軍用機のパイロットであり、今はグッドイヤーの宣伝用飛行船の操縦士
をしていた。
ダーリヤの計画は恐ろしいもので、8万人の観客が集まるアメリカ最大のイベントのスーパーボウル
で空から飛行船を利用して、観客を皆殺しにしようとしていたのである。
そのためどうしてもマイケルの協力が必要だったのだ。マイケルは家族に捨てられた寂しさから
ダーリヤの色仕掛けにまんまとのり、自分の不満を観客にぶつけようとしていた。
しかしイスラエル諜報部モサドのデイヴィッドカバコフ少佐は(ロバートショー)ダーリヤ一味の
不審な動きを掴んで、特殊部隊でダーリヤのアジトを急襲するが逃げられてしまう。
そしてダーリヤはトリポリの同志と連絡をとり、日本の貨物船にプラスチック爆弾を運ばせ爆弾を
受け取る。貨物船が怪しいと踏んだカバコフは日本人船長を尋問し、背後にダーリヤがいることを
突き止める。しかしそのとき船内の電話が鳴り、船長が受話器を取った瞬間大爆発して船長は
肉片となったしまう。電波で受話器に仕掛けた爆薬をテロリストが爆発させたのだ。
爆風でカバコフも負傷し入院するが、弱気になっていたところを同僚の励ましで
元気を取り戻す。しかし看護婦に化けて病院じ潜入したダーリヤは、カバコフの同僚を殺害して
カバコフの病室へ迫っていた・・・
寡作で知られるトマスハリスの原作で私も上映を楽しみにしていたが、バカな過激派のおかげで
見ることができなかった。だが後にVHSになったのでレンタル屋で、10年以上たってから見ることが
できたのだ。
飛行船を使ったテロという奇抜な発想とテロリストたちの背景などリアリティがあり、テロ兵器
の作り方などディテールにもこだわって作られている。
1970年代はアメリカ国内ではテロはほとんどなく、911事件など想像つかなかったときに
製作された作品である。のちの中東へのめりこんでゆくアメリカの姿を予見したかのようにも
見える。しかしバルジ大作戦ではばりばりのドイツ軍の将校を演じたロバートショーが
この作品ではイスラエル人工作員を演じるのだから皮肉なものである。
上映時間も2時間以上もありこの当時の作品は今ほどテンポが速くないので、今の映画に見慣れた
人には前半冗長な感じを受けるかも知れない。しかしじっくり見ると非常に面白く、エンタメ作品
としては1級のものだと思う。監督はジョンフランケンハイマー。
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