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2017年01月16日

「やくざ戦争日本の首領」佐分利信鶴田浩二松方弘樹黛敏郎

1977年製作の「やくざ戦争 日本の首領」はそれまでの東映実録映画とはやや趣が異なりやくざ版大河ドラマと

いうべき作品である。

山口組をモデルにした関西の大組織中島組の関東進出を巡っての関東の大組織稲川会をモデルとした

錦城会の対立を軸に経済やくざ化していく過程や組長たちの家族の生活を描いている。

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大阪に本部がある巨大組織中島組のもとへ、アベ紡績の幹部が訪れる。どうやら美人局で暴力団に脅されてるので

なんとかしてほしいとのことだ。さっそく行動した中島組は犯人を割り出し、その組の幹部ごとあっさり消してしまった。

アベ紡は中島組の行動力に驚きさっそく報酬を渡して取りこもうとする。しかしそんなちんけな手にのる中島組組長

佐倉(佐分利信)ではなかった。アベ紡は佐倉の意図をさっしてグループ企業や関連企業の名簿を渡す。

以後トラブルがあれば中島組で面倒を見るということである。


中島組を現場で仕切っていたのは、佐倉の分身というべき若頭の辰巳(鶴田浩二)である。辰巳は佐倉を日本一の

首領にするため関東進出を狙っていたのだ。


しかし西日本最強の組織の首領佐倉には悩みがあった。長女の登志子が医師の一宮(高橋悦史)と交際していたが

両親に反対されていたからだ。そのため佐倉は秘書の松枝(松方弘樹)を伴い一宮に会って真意を確かめにいった。

一宮の登志子に対する思いは本物で佐倉は安堵するが、次女の真樹子は自由奔放で組の若衆(尾藤イサオ)

を誘惑しホテルに誘う。このことを知った辰巳は松枝に命じてけじめをつけるのだった。


登志子の結婚も決まったが佐倉は表に出ず、あべ紡の島原常務の養女ということにして式を挙げる。

式には右翼の大物・大山喜久夫(内田朝雄)も出席するが、大山には別の意図があった。

気たるべき安保条約改定に向けて左翼を壊滅させるため、東西のやくざ組織を統合して新たな政治結社を

作ろうというのだ。なずけて大日本同志会、そして佐倉を引き入れようととする。

しかし佐倉はこの申し入れを一蹴する。その間にも中島組は岐阜のやくざをせん滅し関東進出の足掛かりに

しようとしていたのだった・・・

この映画はこの作品の前に公開されたアメリカ映画の「ゴッドファーザー」を意識して飯干晃一が原作を

書いている。

この映画の見どころはたくさんあるが、印象深いセリフが多いのが特長である。アベ紡が佐倉に金を渡そうとすると

「あんたがたにすればあっち行く金がこっち行くだけですから。それじゃ中島組は安く見られますからな」


辰巳が組を解散しようとすると佐倉が怒って「おまえが組を解散すれば中島組は世間に負けたことになる。

いやわしは負けんぞ。絶対に」

また一宮が辰巳を注射で殺害した後に佐倉の方を向いて言う「お父さん。私も佐倉ファミリーの一員ですから」

「人間というものは組織の中に入ると恐ろしく残酷になれるものなんですね」

など忘れられない。また音楽が壮大で素晴らしく巨匠黛敏郎がスケールの大きいスコアを書いている。

サントラ盤CDが未発売なのが惜しい。なんとか発売してほしいものだ。

また歌手の絵夢が火野正平の愛人役で出演していて「柳ケ瀬ブルース」を歌うシーンがなかなかいいのだ。


佐分利の貫禄ある演技や鶴田浩二の組織を支える苦悩を演じる演技など非常に重厚な作品である。

さらに千葉真一の暴れぶりや小池朝雄の愛人の首チョンパなど語ればきりがない。

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posted by ハヤテ at 16:53| やくざ映画
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