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2016年09月10日

「蝿の王1990年」ウィリアム・ゴールディング、ハリーフック、バルサザール・ゲティ

ウィリアム・ゴールディングの小説「蠅の王」を30年ほど前に初めて読んだときすごい衝撃を受けたものである。

人間性の奥に潜む獣性や野蛮さと言ったものに戦慄し、やはり人間性悪説が正しいのではと思ったのだ。

「蝿の王」はイギリスの作家ゴールディングによって、1954年に発表されこれまで2度映画化されている。

今日紹介するのは1990年版のハリーフック監督の作品である。

物語はアメリカ陸軍幼年学校の生徒を乗せた飛行機が墜落して、機長と生徒たちは太平洋上の無人島へ

たどり着く。

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少年たちはリーダーのラルフ(バルサザール・ゲティ)とその友人の太った少年ビギーを中心に、島での生活も

ルールを決め秩序を保とうとしたのだ。そしてラルフは集会を開き、意見のあるものはほら貝を吹いてみんなの

前で決めるようにした。

ラルフはあくまで救出されることを前提に行動し希望を持とうとした。しかしラルフに対抗意識をもつジャックは

この島でのサバイバルを考えていたのだ。根本的に相いれない二人はやがて抜き差しなぬ関係になっていく。

ラルフは交代でのろしを焚いて発見されるようにしたが、ジャックたちは従わず狩猟に出ていく。

このことがきっかけでラルフとジャックは完全に別れ派閥ができあがった。

ジャックたちは島の黒豚を狩りで倒し肉を奪い意気があがった。しかしラルフたちはあてのない希望だけを頼りに

生きていたので今ひとつ元気がなかった。

ジャックは狩猟に自信を持ち始めてからリーダーとしての風格も身につけてきたが同時で残酷で冷血ですら

あり結束をたもつため仲間の一人を血祭にあげる。そしてその勢いでラルフたちの寝床を襲いピギーから


眼鏡を奪う。ピギーは極度の近眼で眼鏡がないとほとんど見えないのである。ラルフとピギーはジャックの元へ

眼鏡を取り戻そうと赴くがそれが悲劇的な結末に・・・


この映画はファンタジーのような形をとっているが人間性の深い心理まで描写していておぞましいのである。

だが少年たちの残酷さはファンタジーではなく、例の障がい者施設事件など見てもリアルな現実なのだ。

ラストでのあっけない終わり方は、急に文明に引き戻されて唖然とする少年たちの表情が生生しい。

後味が悪いが名作である。なお「蠅の王」とはキリスト教のベルザバブつまり悪魔のことである。

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posted by ハヤテ at 14:36| ドラマ
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