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2015年09月23日

「望楼の決死隊」戦時国策映画今井正原節子

1943年太平洋戦争の最中、国策映画のひとつ「望楼の決死隊」が作られた。監督は、今井正。後の

反戦派監督であるが、他の監督同様戦時中は国策映画を作っていたのである。

冒頭には、いきなり「撃ちてし止まん」のスローガンのテロップが入り、大本営の検閲済のテロップも

入っている。

舞台、満鮮国境の町南山、町を守る国境警察隊に、新人の浅野巡査(斉藤英雄)が赴任してくる。警察隊の一行は

浅野を歓迎する宴を開き、金巡査(泰藁)らが朝鮮語の歌などで歓迎した。

南山警察隊は、激しくも部下思いの高津警部補(高田稔)のもと、日鮮混合の警察隊は国境警備にあたっていた。

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そんなとき、腕を怪我した挙動不審な男が、町を訪れるが、金巡査が男の手当をしようとうながしたところ

突然銃撃されて、死亡する。

どうやら、男は満鮮一帯を荒らし回る共産匪賊の一味のようだった。

金巡査危篤の知らせを聞いて、ソウルから妹の英淑が南山を尋ねるが、生活のために学校を辞めようと

いう英淑のために、親友の柳は代わって学費を出すことにする。


そのころ高津警部補の母が危篤の知らせを受けるが、高津は帰郷せず部下にも黙っていた。

ある日、浅野は誤って銃を暴発させ、高津に叱責を受け、任務が嫌になり辞職を願いでるが、高津は決して

辞めることを認めなかった。

そのころ、南山に住む王龍の息子が、こっそり帰ってくる。近く匪賊の襲撃があるので、どこか遠くへ

避難するようにいうのだ。王龍は激しくなじり、息子王虎の申し出を断る。

王虎はいつの間にか匪賊の一味になっていたのだ。親子が言い合いをしてるのを影から監視していた

匪賊の一味は、王虎が裏切ったと見て狙撃するが、王虎をかばって王龍が射殺されてしまう。

高津は、匪賊の襲撃計画を知ろうと王虎を取り調べるが、口を割らずそうこうするうちにも、匪賊の襲撃

は迫っていた・・・

朝鮮総督府の協力のもとに、東宝が朝鮮映画社と組んで製作した国策映画である。ハリウッド映画の「ボージェスト」をベースに舞台を朝鮮に置き換えた映画である。

匪賊のモデルは、当時満州で暴れていた金日成一味だろうか。ロケは朝鮮で行われテーマは当時の国策である

内鮮一体だろう。つまり日本と朝鮮が仲良く東亜の秩序を守っているように描かれているがそれが嘘であるのは日本の敗戦ではっきりした。

原節子が、高津警部補に献身的に使える妻に扮している。しかし国策映画にしては意外にもあまり軍国主義は

強調されていない。冒険活劇としてはよくできていて、クライマックスの銃撃戦はなかなか見せてくれる。

このとき、高津が使用する銃はストック付のモーゼルである。

特撮は、円谷英二。DVDは単体では出ていないが、東宝・新東宝戦争映画DVDコレクション42に収録されている。




posted by ハヤテ at 14:02| 映画
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