2017年01月19日

「ケイン号の叛乱」米海軍ハンフリーボガードロバート・フランシスエドワード・ドミトリク

1954年のアメリカ映画「ケイン号の叛乱」はハンフリーボガードが臆病な艦長を演じた戦争映画である。

第二次大戦中の1943年プリンストン大学を卒業した若者キース(ロバート・フランシス)は恋人のクラブ歌手

メイと別れ掃海駆逐艦ケイン号に少尉候補として乗り組んだ。キースは艦長のデヴリース以下乗員たちの

だらしなさを見て早速失望する。しかし実際ケイン号を動かしていたのは副官のマリク大尉(ヴァン・ジョンソン)であっ

た。

しばらくしてデヴリースは更迭され、後任にクィーグ中佐(ハンフリー・ボガート)が着任した。

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クィーグ中佐はテキパキとしていかにも軍人らしくキースは感激する。

だが魚雷の演習中クィーグ中佐が1人の水兵を叱りつけて、指揮を忘れたため魚雷の曳航綱が切れてしま

うという事件が起きた。

そしてこの事件の事情説明のため艦はサンフランシスコに入港する。そこでクィーグ中佐はあろうことか

責任を部下になすりつけて自分は助かろうとしたのだ。このことでクィーグ中佐は一挙に信頼を失ってしまった。

さらにケイン号は直ちに機動部隊に加ってクェゼリン群島に向かったが、この上陸作戦で中佐は敵前で艦艇

を引き返す命令を下し臆病者であることがばれてしまう。

小説家志望のキーファー大尉(フレッド・マクマレイ)は中佐をパラノイアであると断定するが・・・


ボガードのパラノイア演技が際立つ秀作で、彼がイライラすると手に持ったパチンコ玉?をジャラジャラさせる

のが面白い。

あまり戦闘場面はなく後半は軍法会議でのシーンが中心になる。米軍では指揮官への叛乱は死罪となるのは

この映画で知った。また米海軍の規則では指揮官はその能力を失ったときは、下級将校がこれを解任できる

のも驚いた。日本でもおかしな男が政治家や首相や大臣をしているが、国民に解任の権利を与えてほしいものだ。

この作品はドラマとしてよくできていて構成や俳優たちの演技力も素晴らしい。無能だが虚勢を張る上司なら

サラリーマン経験者なら遭遇済みだと思う。そういった観点から見ても共感できることもあると思う。

しかし主演にあたるキース少尉を演じたロバートフランシスはこの映画のあとわずか25歳でこの世を去っている。

監督はエドワード・ドミトリク。





posted by ハヤテ at 14:55| 戦争映画

2017年01月16日

「やくざ戦争日本の首領」佐分利信鶴田浩二松方弘樹黛敏郎

1977年製作の「やくざ戦争 日本の首領」はそれまでの東映実録映画とはやや趣が異なりやくざ版大河ドラマと

いうべき作品である。

山口組をモデルにした関西の大組織中島組の関東進出を巡っての関東の大組織稲川会をモデルとした

錦城会の対立を軸に経済やくざ化していく過程や組長たちの家族の生活を描いている。

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大阪に本部がある巨大組織中島組のもとへ、アベ紡績の幹部が訪れる。どうやら美人局で暴力団に脅されてるので

なんとかしてほしいとのことだ。さっそく行動した中島組は犯人を割り出し、その組の幹部ごとあっさり消してしまった。

アベ紡は中島組の行動力に驚きさっそく報酬を渡して取りこもうとする。しかしそんなちんけな手にのる中島組組長

佐倉(佐分利信)ではなかった。アベ紡は佐倉の意図をさっしてグループ企業や関連企業の名簿を渡す。

以後トラブルがあれば中島組で面倒を見るということである。


中島組を現場で仕切っていたのは、佐倉の分身というべき若頭の辰巳(鶴田浩二)である。辰巳は佐倉を日本一の

首領にするため関東進出を狙っていたのだ。


しかし西日本最強の組織の首領佐倉には悩みがあった。長女の登志子が医師の一宮(高橋悦史)と交際していたが

両親に反対されていたからだ。そのため佐倉は秘書の松枝(松方弘樹)を伴い一宮に会って真意を確かめにいった。

一宮の登志子に対する思いは本物で佐倉は安堵するが、次女の真樹子は自由奔放で組の若衆(尾藤イサオ)

を誘惑しホテルに誘う。このことを知った辰巳は松枝に命じてけじめをつけるのだった。


登志子の結婚も決まったが佐倉は表に出ず、あべ紡の島原常務の養女ということにして式を挙げる。

式には右翼の大物・大山喜久夫(内田朝雄)も出席するが、大山には別の意図があった。

気たるべき安保条約改定に向けて左翼を壊滅させるため、東西のやくざ組織を統合して新たな政治結社を

作ろうというのだ。なずけて大日本同志会、そして佐倉を引き入れようととする。

しかし佐倉はこの申し入れを一蹴する。その間にも中島組は岐阜のやくざをせん滅し関東進出の足掛かりに

しようとしていたのだった・・・

この映画はこの作品の前に公開されたアメリカ映画の「ゴッドファーザー」を意識して飯干晃一が原作を

書いている。

この映画の見どころはたくさんあるが、印象深いセリフが多いのが特長である。アベ紡が佐倉に金を渡そうとすると

「あんたがたにすればあっち行く金がこっち行くだけですから。それじゃ中島組は安く見られますからな」


辰巳が組を解散しようとすると佐倉が怒って「おまえが組を解散すれば中島組は世間に負けたことになる。

いやわしは負けんぞ。絶対に」

また一宮が辰巳を注射で殺害した後に佐倉の方を向いて言う「お父さん。私も佐倉ファミリーの一員ですから」

「人間というものは組織の中に入ると恐ろしく残酷になれるものなんですね」

など忘れられない。また音楽が壮大で素晴らしく巨匠黛敏郎がスケールの大きいスコアを書いている。

サントラ盤CDが未発売なのが惜しい。なんとか発売してほしいものだ。

また歌手の絵夢が火野正平の愛人役で出演していて「柳ケ瀬ブルース」を歌うシーンがなかなかいいのだ。


佐分利の貫禄ある演技や鶴田浩二の組織を支える苦悩を演じる演技など非常に重厚な作品である。

さらに千葉真一の暴れぶりや小池朝雄の愛人の首チョンパなど語ればきりがない。

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posted by ハヤテ at 16:53| やくざ映画

2017年01月15日

「ディープインパクト」モーガン・フリーマン、ティア・レオーニ、マクシミリアンシェル

1998年製作のアメリカ映画「ディープインパクト」は巨大彗星が地球に激突する危機を描いたパニック映画である。

この年の公開された「アルマゲドン」と似たテーマだがヒーロー物語ではない。

テレビ局でニュースキャスターをしているジェニー・ラーナー(ティア・レオーニ)は大統領ベック(モーガン・フリーマン)の元

側近アラン(ジェームズ・クロムウェル)の辞任の秘密を追っていた。しかしその途中で偶然謎のスクープを掴む。

なんと巨大隕石が地球に接近していて残された時間は、後一年で地球は滅亡するというのである。

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ラーナーはこのスクープの発表を48時間だけ待ってほしいと大統領から直に頼まれる。そのかわりに2日後の

記者会見で最初に質問の権利を与えるというのだ。ラーナーは仕方なくこの要求を呑む。

このころラーナーには父(マクシミリアンシェル)のことで悩んでいた。離婚した母(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)が

一人寂しい思いをしているのに父は自分と年がかわらない若い女と再婚しようと言うのだ。

ラーナーは父と話し合いの場を持つが、隕石のことで頭が一杯で話し合いは決裂する。


2日後の記者会見でラーナーは最初に質問する栄誉を得るが、大統領から語られた内容は恐るべきものだった。


巨大隕石が地球に接近していて地球滅亡の日は近いこと、しかし地下の巨大シェルターが完成していて

100万人が収容できること、そしてそのメンバーは政府が無作為に選んだ人間や重要と思われる人間だけなこと

だ。さらに隕石を破壊するために今メサイア号が宇宙へむかっていた。

様々な苦難を乗り越えリーダーのタナー(ロバート・デュヴァル)たちのチームは隕石にたどりつくが・・・


映画の最初のシーンは隕石を発見した高校生リオ(イライジャ・ウッド)が天文台のウルフ博士に知らせるが

博士がタンクローリーと激突して車が炎上するシーンから始まる。

宇宙飛行士のチームが隕石を破壊しようと悪戦苦闘する場面はハラハラどきどきで見せてくれる。

しかしこの映画はドラマ部分にも重きを置いているので途中テンポが遅くなることがあった。

だが父と娘や家族の絆などをしっかり描いていて単なるパニックものでは終わっていない。

またこの映画にはニュースキャスターの娘の両親役を往年の名優マクシミリアンシェルやヴァネッサ・レッドグレーヴが

演じているのが驚きだ。特にマクシミリアンシェルは「戦争のはらわた」のシュトランスキー大佐のころより、かなり

太っていてひげを生やしていたので最初はわからなかった。レッドグレーヴはかなり老けた印象が残った。

隕石が地球接近のテーマは日本では「妖星ごラス」が扱っていて、この映画よりはるかに早い。ただゴラスの場合は

この映画とは逆に地球を動かそうとするのだ。

しかしわずか100万人のみがシェルターに入れて、後は死ねとはエゴイズムの塊としか思えない。

しかもそのメンバーは映画ではくじ引きで決めることになっているのが、もし日本なら与党の政治屋とその親族や

高級官僚や経団連の人間が選ばれて私のような庶民は絶対助からないと思う。

とんでもないことだ。


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posted by ハヤテ at 14:05| パニック映画

2017年01月14日

「デイ・アフター・トゥモロー」デニス・クエイド ローランド・エメリッヒ、氷河期

2004年のアメリカ映画「デイ・アフター・トゥモロー」は突然の氷河期に見まわれた人類の戦いを描くパニック

映画である。

地球温暖化により南極の氷が溶けはじめその光景を見た古代の気象を研究する気候学者のジャック・ホール(デニス・

クエイド)は新たな氷河期が迫っていることを察知し政府に知らせるが、副大統領ベッカー(ケネス・ウェルシュ)は、

まともに取り合おうとしない。

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しかし南極の氷が割れ初めたばかりか、ニューヨーク、東京、ニューデリーと世界中に雹が降ったり、豪雪に

なったり異常気象が現れたのだ。

ジャックの高校生の息子サム(ジェイク・ギレンホール)は、友人の女の子ローラ(エミー・ロッサム)たちと参加した高校

生クイズ大会に参加するためニューヨークに来ていたが、突然の津波や洪水でマンハッタンは壊滅状態となる。

サムとその友人たちはなんとか図書館に逃げ込んで難を逃れた。

だがアメリカの北部の大半は寒さと氷で人間の生存は絶望視された。サムは父と携帯で連絡を取ろうとしたが

通じず地下の公衆電話で父と会話できた。だがその間にも地下には水があふれサムは溺れそうになる。

電話は途中で途切れサムの身を案じたジャックは危険を冒して救出へと向かった・・・・


この映画には怪獣も宇宙人も出てこないがもしかしたらありうる異常気象による災害である。

映画の製作は2004年だが現に2011年東北で大津波があったのである。

この映画の存在は昔から知っていたがもしかして面白くないのではと思い敬遠していた。

だが最初の南極の氷が割れてその裂け目を主人公が飛び越えるシーンから引き込まれた。

またたたきつけるような雹のつぶてで倒れていく群衆や、マンハッタンを漂流する大型船など非常にリアリティ

がある。そして次から次へとこれでもかとばかり波乱が起きて映像にくぎ付けになる。

さらに高層ビルが寒さで崩壊していくシーンも凄い。

とにかく最後まで飽きさせない展開で多少のアラは目をつぶってもいいと思う。

日本のシーンも出てくるがなぜか中国か香港のように見えるのが欠点でそこで話す日本語がまた

たどたどしいのである。しかしパニック映画としてはかなりの出来で面白くおすすめの作品と言える。

監督はローランドエメリッヒ

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posted by ハヤテ at 13:51| パニック映画

2017年01月13日

「神戸国際ギャング」高倉健、菅原文太、丹波哲郎

1975年の高倉健主演の「神戸国際ギャング」はボンノこと菅谷正雄の若き日の無頼の日々をモデルに

した映画である。ジャンルとしてはやくざ映画になるのだろうが、どこか洋風ギャング映画の香りがする作品である。

戦後の混乱期の昭和22年国際都市神戸は戦争による焼け跡から復興しつつあるとき、町では無法者や

愚連隊が群雄割拠していた。

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団正人(高倉健)はそんな無法地帯を腕と度胸で渡り歩いていた。団は荒くれものだが情に厚く多くの子分に

慕われていたのだ。そして補佐として冷血な大滝(菅原文太)が支えていた。

団率いるギャング団が、国際ギャングと呼ばれていたのは台湾人や韓国人など多国籍の集団だったからだ。

ある時団は強奪した物資を九龍同盟の楊徳元会長と取り分を巡って楊が約束をたがえたことから、楊を脅し

きっちり分け前を取り返した。

しかしこのトラブルが縁で団は九龍同盟と組むことになる。

このころ神戸では三国人連盟と呼ばれる第三国人で構成された組織が勢力を伸ばしていた。

そして九龍同盟の幹部の洪哲文(今井健二)が三国連盟に拉致されたことから、団は事務所に乗り込み

洪を取り戻す。しかしこのことが原因で三国人連盟と決定的に対立し血の雨が降ることになるのだ・・・

この映画は高倉健最後の東映作品である。映画には全体的にボンノが好きだったというセントルイスブルース

が流れる。また作品のトーンもどことなく明るいのも他のやくざ映画と異なっている。

ただ暴力シーンはえげつなく、団の子分を演じる田中邦衛が詫びを入れるシーンで石で自分の指を叩き割って

切断するシーンは見ているだけで痛くなる。戦後の混乱期に咲いた仇花が国際ギャング団であろうか。

監督は田中登


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posted by ハヤテ at 15:46| やくざ映画

「修羅の群れ1984年」松方弘樹北大路欣也菅原文太鶴田浩二

1984年製作の「修羅の群れ」は大下英治原作の稲川会稲川角二総裁をモデルとしたやくざ映画である。

昭和の初期横浜の柔道場で柔道に打ち込む青年がいた。若者の名は稲原龍二(松方弘樹)。一本気な若者で警察から

誘いを受けていた。そこへ訪ねてきたのが横浜の博徒の親分加東伝三郎(丹波哲郎)であった。

そしてこの道場の中から見込みのある若者を探していて抜擢されたのが稲原だった。

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稲原は加藤一家で任侠のイロハを兄貴分の横山(鶴田浩二)から叩き込まれる。あるとき部屋住みの先輩たちから

女郎買いに誘われるが稲原は断る。横山が事情を聞いてみると稲原の家族が没落して逃げていくときに

列車で見た売られていく若い女たちが哀れで仕方なかったというのだ。このことから横山は稲原がただものでない

ことを見抜いたのだった。

そして夏のある日海岸でアイスクリームの売り子をしていた中田雪子(酒井和歌子)をチンピラから守ったこと

から恋愛関係になり二人は結婚する。雪子の母が猛反対したが雪子の情熱に負けてしまう。


時代は戦争一色になり勤労動員で駆り出された龍二は、弱いものいじめをしていた男を殴り倒して騒ぎを起こす。

しかしそれを横浜の大親分鶴岡政次郎が見ていたことで鶴岡の預かりとなった。

戦後、稲原は湯河原の賭場を任され仕切っていたが兵隊くずれの無法者が賭場に因縁をつけるのだった・・

映画の後半は稲原組の勢力拡大が中心となった構成で、有名なモロッコの辰(北島三郎)や経済やくざと呼ばれた

石井 進をモデルとした石河隆司(北大路欣也)などその世界の大物たちが出てくる。

また張本や小林繁などの元プロ野球選手が出ているのが面白い。

そして稲原夫人を演じたのが酒井和歌子だが酒井がやくざ映画に出るのは非常に珍しい。

やくざ映画の特長として暴力シーンが非常に生々しいことである。稲原が賭場の帰りに待ち伏せされてドスで

頭を割られて大流血しながら仁王立ちになって相手を追い詰めるシーンはアッケにとられてしまった。

関東裏社会の歴史を知ることができる秀作。監督は山下耕作。

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posted by ハヤテ at 13:49| やくざ映画

2017年01月12日

「激動の1750日」中井貴一萩原健一夏八木勲渡瀬恒彦

1990年の「激動の1750日」は山口組分裂に伴う山一抗争をモデルにした映画である。

日本最大の暴力団神岡組は、神田組長が病気で亡くなり続いてナンバーツーの若頭山地も急死し混乱の渦に

中にあった。

そして跡目が決まらないうちに時はすぎるが、直参が集まる定例会において古参の川井(夏八木勲)が

立候補する。入れ札でリーダーを決めようというのだ。大方の組長は賛成だったが山辰組二代目組長・若竹正則

(中井貴一)は反対する。若頭時津(萩原健一)不在の入れ札は無効であるというのだ。

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古参と若手の対立は激しくなるが、故神田組長の夫人ひろ子は川井を呼び出し、神田組長の遺言で

次期組長は時津であることを告げられる。川井とて多くの仲間に推挙されメンツもあった。

ここで引くわけにはゆかず、組を脱退し荒巻組長(渡瀬恒彦)たちと八矢会を結成する。

しばらく膠着状態が続かと思われたが八矢会幹部の伊達組長が神田組配下の組員に拉致され拷問されて

引退させられる。

事ここに至ったからには川井も静観することは会の滅亡を意味した。

八矢会の中から度胸のあるものを選抜し、ここに元自衛官で射撃の腕がある松永良介(火野正平)を加え

時津暗殺隊を結成した。ヒットマンたちは時津の愛人のマンションで待ち伏せ、時津と幹部たちの暗殺に

成功する。

しかし、神岡組は緊急幹部会を招集し、四代目代行に舎弟頭の兵頭七郎を、若頭に若竹がなり全面戦争を

決意するのだった・・・

映画はフィクションであり現実そのものではないが、山一抗争のアウトラインを掴むことができる。

主演の中井貴一は線が細くやくざの組長役は向いていないと思っていたが意外にも迫力があった。

映画の出来もよく実録好きの人にはおすすめである。また「制覇」では標準語だった岡田茉莉子がほぼ

同じ役で今度は関西弁を使っていたので驚いた。


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posted by ハヤテ at 14:22| やくざ映画

「制覇」1982年ベラミ事件三船敏郎岡田茉莉子菅原文太

1982年の「制覇」は山口組と松田組の抗争いわゆる大阪戦争をモデルとした準実録映画である。

日本最大の暴力団田所組の首領田所正雄(三船敏郎)がクラブでくつろいでいるところを対立する組織の

若いやくざに狙撃される。田所は首すじに銃弾を受けてかかりつけの病院に駆け込む。幸い弾は急所を

はずれ大事には至らなかった。

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だが若頭の河上(菅原文太)は首領を的にかけられて黙っている男ではなかった。しかしかねてから組の中でしのぎを

削っていたゴンノ(若山富三郎)と対立して一触即発の状態になっていた。

一方田所が無事だったことから田所の妻ひろ子(岡田茉莉子)や長男孝や娘の悠子(中井貴恵)たち家族は

安堵する。そのころ悠子の恋人の新聞記者山田(名高達郎)は社会部に転属になる。

社会悪を追求する立場とやくざの娘を恋人に持ったことのはざまで山田は苦悩する。

一方大阪府警は田所狙撃犯を難波殉国団の団員近江(にしきのあきら)であることを割り出し世間に発表する。


難波殉国団は酒田組の下部組織で谷口組と対立していたのだ。さっそく河上は召集をかけて報復に乗り出す。

坂田組系の暴力団員を血祭にあげて戦果を挙げる。しかし警察は谷口組壊滅のために無関係の孝を

私文書偽造で逮捕してしまう。

そのころ谷口組の若い組員たちは血眼になって近江の行方を追っていたが、山中で近江が惨殺死体として

発見された。背中に天女の刺青をしていたことから近江であることがわかったのだが・・・

三船の晩年に撮られた映画だが日本の首領からやくざの親分を演じるようになったのだがさすがに貫禄がある。

後にVシネでやくざスターになる清水健太郎のこのころはまだチンピラ役が多かった。

谷口組組長狙撃はいわゆるベラミ事件をベースにしている。近江のモデルとなった鳴海清の最後は哀れである。

鳴海を殺害したのは初めAという暴力団員が逮捕されたが冤罪で釈放され、現在まで真犯人はわかっていない。

またゴンノこと菅谷正雄と若頭山本健一の対立も描かれていて実録好きには興味深い。


それに関西が舞台なのに役者が関西弁をほとんどしゃべらないのが奇妙だ。また原作者の志茂田景樹は

1シーンだけカメオ出演している。監督は中島貞夫

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posted by ハヤテ at 13:32| やくざ映画

2017年01月09日

「戦場にかける橋」アレックギネス早川雪州ウィリアムホールデン

1957年製作の「戦場にかける橋」は今なお輝ける名作である。舞台は第二次大戦中のタイとビルマの国境付近

の日本軍の捕虜収容所。所長は斉藤大佐(早川雪州)という英国留学をしたこともあるが厳格な武人だった。

この収容所には米海軍のシアーズ大佐(ウイリアムホールデン)らが収容されていたが、いつ釈放されるかも

わからず希望のない日を送っていた。そこへシンガポールからニコルスン大佐(アレック・ギネス)を隊長とする

イギリス陸軍の捕虜の一隊が送られてくる。一隊はぼろぼろの靴と泥だらけの姿だったが大佐は誇り高く

口笛でマーチを吹きながら隊列は乱れることがなかった。

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斉藤大佐はさっそくニコルソン大佐に捕虜全員で橋を建設することを命令する。斉藤は軍命令としてバンコクと

ラングーンを結ぶ鉄道貫通のためクワイ河に橋を作ることを受けていた。

そのためニコルソン大佐率いるイギリス陸軍に白羽の矢が立ったのである。

しかしニコルソンはジュネーブ協定を持ち出し、将校の労役は禁止されているとしてこれを拒否する。

斉藤は怒りニコルソンの部下たちが見ている前で打擲しニコルソンは血を流す。だがメンツをつぶされた

斉藤はさらにニコルソンをトタン板の独房に閉じ込めて痛めつけるのだった。

一方シアーズ大佐は乗っている船が沈みただ一人生き残った幸運な男だったが仲間を誘って脱走する。

収容所の周囲は人跡未踏のジャングルで成功は不可能かと思えたが奇跡的に脱走できたのだ。

シアーズは英軍に救出されつかの間の休暇を楽しんでいたが・・・・

そのころ斉藤は工事が進まないことに焦っていた。そして日露戦争に勝った陸軍記念日に恩赦の形で

ニコルソンを釈放し橋の建設を約束させる。ただしニコルソンの条件をのみ将校には使役させないと

いうことである。全面的な屈服を意味したこの条件に屈辱を覚え斉藤は悔し泣きする。

しかしニコルソンはこの橋の建設を軍に誇りを持たせるために絶好の機会と考え全力で建設に取り組むのだ。

だが敵の橋の建設に協力することは味方に対する裏切りを意味したのである・・・

この映画の前半では意地と意地の張り合いで日本軍とイギリス軍の捕虜に対する考えの違いが浮き彫り

になる。捕虜を恥辱と考える日本軍と正当な権利と考えるイギリス軍の価値観の激突である。

斉藤とニコルソンはどちらも妥協しない頑固者なので正面衝突するのだ。

またシアーズが実は偽将校で一介の水兵に過ぎないのが将校に化けたのは待遇が違うとう俗な動機なのが

面白い。

そして後半はがらりと展開が変わりシアーズたちがジャングルを通って橋を爆破するアクションが中心と

なっている。シアーズはウオーデン少佐(ジャックホーキンス)に「あなたやニコルソンは死を前提にものを

考えるが大事なのは生きることではないのか?」のセリフがいい。

またラストで軍医の「ばかげてる」の一言が戦争の虚しさを表している。

原作のフランス人ピエールブールはこの作品を書くことで日本人を馬鹿にしようと考えたらしいがその思惑

ははずれ監督のリーンは比較的公平に日本軍を描いていると思う。

ピエールブールは第二次大戦中日本軍の捕虜になりその恨みを晴らそうと思ったと言う。

そしてそれは「猿の惑星」を書くことで満たされるのである。

テーマ曲のクワイ河マーチはボギー大佐マーチを編曲したものである。アレックギネスのニコルソン大佐の

そして生真面目な演技や早川雪州の頑固な演技もいつまでも印象に残るのである。


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posted by ハヤテ at 13:59| 戦争映画

2017年01月08日

「実録外伝大阪電撃作戦」松方弘樹渡瀬恒彦明友会事件

1976年製作の「実録外伝大阪電撃作戦」は明友会事件をモデルにした実録やくざ映画である。

昭和35年の大阪やくざ世界は、地元の中小組織の集合体で日本最大の暴力団川田組の進出を恐れていた。

しかもミナミを中心に勢力を拡大してきた愚連隊双竜会の傍若無人なふるまいにも手を焼いていた。

そしてミナミでは石村組と南原組がしのぎを削りそこへ双竜会は加わってみつどもえの抗争を展開していた。

一方かねて大阪進出を目指していた川田組若頭の山地は、新興勢力の大東組を傘下に加え布石を打って

いたのだ。危機感を覚えた南原組組長(織本順吉)は、ここは双竜会と手を組んで先手を打って山地暗殺を

企てた。そして南原組からは若頭の宮竹(梅宮辰夫)と根性ものの高山(渡瀬恒彦)がメンバーとなり

双竜会からは若手実力者の安田(松方弘樹)が加わることになった。

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だが計画は失敗、高山は山地の車に食らいつく執念を見せたが怪我をする始末だった。

山地はこの計画の背後の南原がいるとみて南原を拉致して神戸へ強制的に連れていったのだ。

そしてその場で山地と兄弟分の杯をかわす。とんでもない裏切りである。しかも忠実に命令を実行した

高山を破門にしたのだ。やけくそになる高山だったが安田は見捨てなかった。

再度山地(小林旭)暗殺を行うように高山を誘ったのだ。一方計画がばれたことで双竜会会長の趙(室田日出夫)

も動揺していた。

そんな混沌とした中でミナミのサパークラブを訪れた川田組組長(丹波哲郎)に双竜会のチンピラが因縁を

つけてしまったのだ。川田組長は。「筋の通ったものならいざ知らず虫けらみたい連中に目の色変えることは


ない」と穏便に済ませようとしたのだ。しかし山地以下幹部たちは黙ってはいなかった。ただちに三人一組の


チームが編成され人間狩りが始まったのである・・・

明友会事件は大阪のやくざ抗争事件でも有名な事件で、これを機に山口組の本格的な大阪進出のきっかけに

なった事件と言われる。登場人物の大半はモデルがあり興味のある方は実録本などで調べてみるといい。

主役の松方の弾けるような演技や渡瀬の身体を張ったスタントなど見どころは多い。

だが私はこの映画の本当の主役は南原組組長を演じた織本順吉だと思う。その卑怯なふるまいの演技

やコミカルなセリフなど思わず笑ってしまうのだ。

脚本は高田宏治、監督は中島貞夫、音楽は津島俊章の実録トリオである。裏社会の一端を知ることができる

秀作である。

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posted by ハヤテ at 12:18| やくざ映画
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