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2019年03月24日

タクシー運転手の体験談


『都立F病院ですが、
車を一台お願いします。
田中と申します。』

『はいF病院ですね』

夜中の1時ごろ、
タクシーのM会社にこのような無線が
入りました。

無線のMタクシーにとっては
都立F病院は呼び出しに
応じなければならない指定区域に
入っていたのです。

配車係の人はさっそく無線で
『都立F病院の近くの車は
ありませんか?』と
聞いたところ、
『はいこちら○号車、近くです。』
と、すぐに返事がありました。
『あ、F病院の前で田中さんという
女性がいます。どうぞ。』

配車係の人はそう告げ、
連絡を受けた運転手は
さっそくF病院のタクシー乗り場へ
直行しました。

都立F病院はむろん寝静まっており、
外灯がついているタクシー乗り場に
一人の女性が立っていました。

『田中さんですね、どうぞ。』

運転手はいつも通り、
ドアを開けてその女性に
声をかけました。

しかしパジャマの上に
カーディガンをはおったその女性は
黙ったまま動こうとしませんでした。

その時、運転手は
『病人だもんな、具合が悪くて
うまく動けないのかもしれないな。』
と考え、わざわざ運転席を降りて
『さあ』と、
軽く触れるようにしてその女性を
車に乗せたそうです。

『で、どちらまで?』
彼は運転席に戻り、いつものように
客に行き先を聞きました。

しかしその女性は黙ったまま
喋ろうとしませんでした。

『どうかされましたか?』

彼は女性の病気がもしかしたら
急に悪化したのかと心配しましたが、
女性はおもむろに口を開いて
『東K市の○○工場の裏』
と告げました。

『体は大丈夫ですか?』
と聞くと
『大丈夫です』と返ってきたので
これ以上心配するのは
客に失礼だと思い、
車を走らせました。

東K市の○○工場は目立つ建物で、
その裏といえばすぐに見当が
付いたのです。

運転手が運転している間、
女性は終始無言で体勢を
くずさなかったそうで、
運転手は少し不気味に
思っていました。

やがて目当ての○○工場の裏へ
回り込みました。

そのとたんに彼の視界に
あるものが飛び込んできたのです。

それはその道の突き当たりで
お葬式をだしている家があったのです。

しかしそれはよくある光景なので
特に驚きもせず、ただそこからの
道順を聞いていないので、
『お客さん、ここから
どう行くんです?』と聞きながら
後ろを振り向くと

誰も乗っていませんでした。

確かにさっきまで乗っていたのに。

忽然と姿を消したのです。

座席に客がいない事実に
パニックになった運転手は
思わずブレーキを踏みました。

車はちょうどそのお葬式を
出している家の真ん前で
止まったのでした。

『ハア、ハア、ハア…』

運転手は何が起こったのか
理解出来ずにいました。

するとその家から人が出てきたのです。

あとで聞くと夜中にもかかわらず
遠方から弔問客が来てくれたのだと
思って迎えに出たのだそうです。

家の人は客の姿の見えないタクシーを
不審に思って話しかけてきました。

『どうしたのですか?』

運転手は無我夢中でここまでのことを
話しました。

『F病院からこの辺まで
女性を連れてきたのですが
いきなり座席から
いなくなってしまったんです!』

家の人はうなずき、
『そうですか…。
実は今日F病院に入院していた妻が
亡くなりまして今はそのお通夜です。

じゃ…今、妻が帰ってきたんですね。』
というではありませんか。

しかしその家の表札を見た運転手は
『ち、違います!
わたしが乗せた人は田中といって
お宅の名前じゃなかった!!』
と言うと、家の人は

『ええ…。
妻の旧姓は田中というのです。』

運転手は恐怖のあまり
声が出ませんでした。

自分は幽霊を乗せてしまったんだと。

そう思っていたら、
外の話し声に家の仲から数人が
出てきて口々に
『どうしたの?』と聞いていました。

最初に出てきた家の人は
彼らに事情を説明していると、
さらにそこへ一人の男の子が
出てきたのです。

そしてトコトコとタクシーへ向かい、

『あ!お母さんのカーディガン!』

と言うではありませんか。

なんと後部座席には
カーディガンだけがあったのです!

家の人たちが駆けつけるなか、
運転手はずっと震えていました。

その後、その家の主人が
運転手にF病院からのタクシー代を
払ってくれたそうです。

そのあと、その運転手は
商売どころじゃなくなり、
一目散にMタクシー会社に
逃げ帰ったそうです。

posted by 都市伝説のまとめ at 18:00 | 怖い
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