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2019年12月01日
オールドファッションド Old Fashioned アンゴスチュラ・ビターズが奏でるトラッドなカクテル
「古風な」という名のトラッドなカクテルです。
時代を超えて愛される、現在でも人気のカクテルですね。
オレンジとレモンを使います。普通のジュースを使うカクテルでしたら市販のジュースで出来ますが、オールドファッションドにはどうしても生の果物が必要になります。
マラスキーノチェリーも使います。以前は近場で購入できる店がなくネットで注文していましたが、今では近所のスーパーに常時置かれていて助かります。便利になったものです。
まずはグラスに角砂糖入れて、アンゴスチュラビターズを振りかけます。
漫画バーテンダー
で、カクテルの原型は、アルプスを越えてやって来た旅人に、修道院で振る舞われた角砂糖にシャルトリューズ染み込ませた物ではないか、という話がありました。そういうの思い出すと、お酒が染み込んだ角砂糖見ているだけで、しみじみきますね。
ちなみにオールドファッションド、漫画バーテンダーの中では13巻で、主人公と師匠の絆を語る重要なカクテルとして登場しています。
オールドファッションドには欠かせないボトルがアンゴスチュラ・ビターズ。200mlで2千円くらいするので安くはないですが、1本買うと大分もちます。
ビターズとは何か?『バーテンダー a Paris』6巻に詳細な説明が載っていました。それによると、薬草や香草を酒に漬け込んで作った苦味飲料。昔は胃薬として使われていたそうです。アンゴスチュラ・ビターズはドイツ人医師により考案され、アンゴスチュラ(ミカン科の樹木)の樹皮などを原料にしたため、こう名付けられたそうです。
漫画の欄外には「ベネズエラのアンゴスチュラという街で生まれ、アンゴスチュラの樹皮は使われていないという説もあり、ラベルには"Does not contain Angostura Bark"と書かれている」と補足説明が載っていました。え?本当?と思い、ラベルをよくよく確認してみたところ―
ちゃんと書いてありました。ドイツ人医師の名も書いてありますね。これまで、針の先みたいな極小の文字で埋め尽くされているラベルだと単純に思っていただけでしたが、いやはや、ラベルちゃんと確認しないといけないですね。
『バーテンダー a Paris』6巻で、ジン・トニックにアンゴスチュラ・ビターズを入れるエピソードが語られています。これ、私もたまにやります。というか、ジンやウイスキーをストレートやロックで飲んでいて、ちょっと飽きてきたなぁと思ったときにアンゴスチュラ・ビターズを1ダッシュ入れたりします。味がパッと変わり、華やかになって美味しいです。
苦味のある薬草酒とはいっても、そこからイメージする味・香りとはだいぶ違うと思います。苦味と言っても薬のような苦さではなく、ほのかな甘みも感じ、青臭さはありません。どちらかといえば華やか。特に香りが華やかで、その名の通りアロマオイルをともしているような感じすらします。蓋をしていてもボトルが隣にあると、色っぽい香りにほんわり。ボトルを傾けると、ピッと1ダッシュ出てきます。
使いようによってはお菓子・スイーツなどにも使えるのではないでしょうか。まだ使ったことのない方は、ぜひ一度お試し下さい。お薦めのボトルです。
本編に戻ります。後は氷を入れ、ウイスキーを注ぎ、オレンジ・レモン・マラスキーノチェリーを入れて完成です。アメリカ生まれのカクテルですので、ウイスキーはライ又はバーボンを使います。写真撮るの忘れてしまいましたが、ここではジムビームを使いました。
オレンジ・レモンはスライスにして入れるのが定番みたいですが、ここではカットにしました。
その名の通り、古典的なカクテル。自分で砂糖とフルーツを潰し、飲みながら作っていくスタイルです。甘酸辛苦、すべての要素が詰まっているカクテルです。フルーツだけでなく、マラスキーノの風味もアクセント。
また、ほんの数滴なのに、ビターズがしっかりと下支えしてくれます。フルーツを潰す前から、これ本当にバーボンのロック?と疑うほど、ウイスキーロックとは違う飲み物になっています。潰さない状態での一口めはアルコールが強いですが、フルーツと砂糖を潰していくと、色々な味に変化します。氷が溶けてくると、ソフトドリンクのような味にすらなります。
先述したバーテンダー13巻によると、「カクテルという言葉が生まれた頃、酒・ビターズ・砂糖・水を加えたものをカクテルと呼んでいた。これにちなんでオールド・ファッションド=古風な、という名前がついた」ということだそうです。
ある意味、カクテルの元祖ですね。ボトルがあれば自宅でも作れますので、ぜひお試し下さい。
基本レシピ
ウイスキー(バーボンorライ) 45ml <楽天で探す> <アマゾンで探す>
角砂糖 1個
アンゴスチュラ・ビターズ 2ダッシュ <楽天で探す> <アマゾンで探す>
レモン・オレンジ・ライムなど
MEMO
ケンタッキー・ダービーで有名なルイビルにある競馬ファンが集まる“ペンデニス・クラブ”のバーテンダーが作ったという説が有名。他にウィンストン・チャーチルの母が作ったという説など。アメリカ生まれの定番カクテル。
追記
本当にどうでもいいことなのですが、オールドファッションド、ひと昔前は「オールドファッション」と普通に呼ばれていましたよね?古くからの洋酒飲みの方はご存じだと思います。手元にある1999年発行のカクテルブックにも、普通に「オールドファッション」と記載されています。
いつ頃から「オールドファッションド」が一般的になったのでしょうか。プロの方達は昔から「ド」だったのでしょうか。10年くらい前でしたか、都内下町のバーで「オールドファッション」とオーダーしたところ、バーテンダーさんに「オールドファッションドですね」と訂正されました。ちょっと面白かったので、おかわりの際に、試しにもう一度「オールドファッション」とオーダーしたところ、ややキレ気味に「オールドファッション・ドです!」と叱られてしまいました。今では良い思い出です。
逆の話ですが、シングルモルトのLAGAVULIN、今では「ラガヴ(ブ)ーリン」が一般的ですよね。でもひと昔前は「ラガヴァーリン」じゃなかったですか?当時通っていたモルトバーのバーテンダーさんが「ラガヴァーリン」と言っていて、まだモルトに嵌ったばかりの頃だったため、「ラガヴァーリン」だと思っていました。ネイティブはどちらなのでしょうか?
本当にどうでもいいことなのですが、お酒の今昔、日本独自のカタカナ言葉の面白さを感じたので書きました。意味はないです。
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