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2020年10月16日

輸出促進政策やTPP対策は農家のためになることなのか

安倍内閣から菅内閣に代わり、農林水産大臣も交代になりました。新たに農林水産大臣となった野上大臣の会見の中で、輸出拡大を進めていく、という発言がありました。

農産物の輸出拡大については近年ずっと政策目標として掲げられており、その成果もあってか輸出額は徐々に増加しています。2018年には9,000億円を超えたようです。

農産物を輸出すること、すなわち日本の農産物は高級品として輸出することになりますが、国内で販売するよりもより高値で販売する、このことだけを見れば農家にとってプラスでしょう。

しかし気を付けなくてはいけないのは、輸出がうまくいかなかったとしても国が補償してくれるわけではない、あくまで後押しするだけということです。

ですのでリスクを背負うのは農家ですし、輸出するかどうかの判断は慎重におこなわれるべきです。

食肉の輸出で言えば、サシの入った牛肉は高級食材として輸出されていますので、今のところ順調なのだと思います。

しかし、日本の高級牛肉と言えど競合相手はいます。オーストラリアのWAGYUもそうですし、他の牛肉、あるいは他の畜種の肉も競合相手になり得ます。

まだ輸出が少ないうちは、海外での需要について神経質になることはないでしょう。しかし輸出を促進すればするほど、需要の壁にぶち当たります。どんどん運べばどんどん売れるというものではありません。

特に高級牛肉は食料と言うよりは嗜好品です。日頃から食べる人はいませんし、海外では多くの人が食べ慣れない、好まない味でしょう。一部の人で好まれるものだと思います。

そういったリスクを考えずに生産拡大、輸出拡大を進めるのは非常に危険です。

そして、併せて行われている政策がTPP対策。こちらもメニューがいろいろありますが、生産を拡大し輸入品との価格競争に打ち勝とうという方針が根幹にあります。

国内で消費する食料はなるべく国内で生産しよう、離農が進んでいるので1戸あたりの生産力を高めよう。その方針は良いと思います。

ただし供給量が増加していけば、価格下落につながる可能性があることも考慮しておくべきです。特に国が増産を奨励しお金を付けてしまうと、個々の農家は生産増へ向けて行動しやすく、それらが大きな流れとなって価格に影響を与えてしまいます。

今、国の事業に乗って増産を進めている農家は、当然ながら現在の価格において経営計画を立てています。価格下落により計画が崩れてしまうと、悲惨な未来が待っています。国が借金をなくしてくれるわけではありません。

国の政策に踊らされることなく、投資の是非については家族や専門家としっかり話し合った上で決定してもらいたいなと思っています。
posted by とば吉 at 21:10 | 農業の話題
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