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安全地帯・玉置浩二の音楽を語るブログ、管理人のトバです。安全地帯・玉置浩二の音楽こそが至高!と信じ続けて四十年くらい経ちました。よくそんなに信じられるものだと、自分でも驚きです。
プロフィール

2020年03月05日

Hong Kong

ALL I Do [ 玉置浩二 ]

価格:2,161円
(2021/4/17 17:08時点)
感想(0件)



All I Do』四曲目、「Hong Kong」です。

BAnaNAに触発されたのか、それともBAnaNAが触発されたのか、イントロから右に左にと忙しくさまざまな音が聴こえてきて、中央からリズムセクションが曲を落ち着けるように始まったときに爆発音が響き、歌に入ります。

「She Don't Care」と同じくクリス・キャメロンさんがアレンジをしているわけですが、この曲も同じギタリストが弾いているんじゃないでしょうかね。カッティングとハーモニクスがニクいニクい。あのころのAOR感満点です。そして、チャイナ感を表現するのに「ズタタタタタ……ズタタタタタ……」というリズムを使うのも、当時の定番だったように思います。そこにこんなギターを織り交ぜるのが新鮮……東洋と西洋のミックス度が高い日本の音楽(で香港を表現しようとした)、という雰囲気を出そうとした……かどうかはわかりませんが、「Hong Kong」というタイトルが先にあって、それに合わせてアレンジを行ったのでなくては説明のつかないチャイナ感です。きっと玉置さんがデモの段階からHong Kongと歌っていたのではないでしょうか。

さて香港は「熱視線」のプロモーションビデオでも使われ、しかも安全地帯人気がとても高い都市です。当時は香港ヤングたちがどんなに安全地帯が好きかなんて少しも知らなかったのですが、2000年ごろ、いまはなきICQで香港のファンたちと交流して、安全地帯&玉置浩二の凄まじい人気ぶりを知ることができました。

沢木耕太郎が『深夜特急』で最初に訪れ、居心地の良さに予定を越えて長期滞在した街、そして安全地帯や玉置さんの音楽に熱狂する人たちの暮らす街、どんなに面白い街なんだろう、と、わたくし香港に俄然興味がわき、とうとう香港に行ってしまったのです。映画でジャッキーチェンが飛んだり跳ねたりしていた、マンガで清服を着て小さいサングラスをかけている、語尾が「〜アルネ」とかの人が人身売買をしているちょっと怖い街、といったイメージは、すぐに吹っ飛びました。なんじゃこの超大都会は!東京や大阪といった日本の大都会とは次元の違うそのエネルギーに圧倒されたのです。旧啓徳空港跡地の脇にあるホテルに泊まり、わたくしは九龍地区を練り歩きました。残念ながらごく近くにあった九龍城砦は取り壊されてきれいな公園になっていましたが、それでも十分に旧市街地からは香港のアジアンゴシックな魅力とそこに息づく人々のエネルギーを感じることができたのです。

……とまあ、香港への熱い思いをひとしきり語ってみましたが、直接関係ないですよね、この曲、香港と(笑)。だって「Hong Kong」の連呼がなくても歌詞の物語は成立しますし、「Hong Kong」以外の歌詞にも香港を感じさせる要素がありません。きれいな三日月は世界中で見られますし……「看板!」とか「夜景のフェリー!」とか「どろぼう市!」とかあれば香港っぽいですけど……。アレンジがチャイナ感あるのは確かなんですが、アレンジと「Hong Kong」の連呼だけがチャイナです。

つまり、この曲が「Hong Kong」である必然性は、誰もがわかる観光客的な視線に求めるのではなく、玉置さんのパーソナルな視線に求めなくてはならないでしょう。つまり、玉置さんは、香港の街でかつて恋をした、もしくは香港の地で日本での失恋を嘆いた、という設定があるわけです。安全地帯は香港で何度もコンサートを行っていますから、香港の街を楽しんだ、そしてある女性と知り合い恋に落ちた、もしくはこっそりと日本の女性を伴って楽しんだ、あるいは、異国の地香港で、日本で破局した女性のことを思って歌った、等々のことにも多少なりともリアリティがあるわけです。実際にそうしたかどうかはわかりませんが。まあ、玉置さんが香港の街を恋ができるくらい自由に歩きまわると、東京で山手線に乗るのと同じくらい、ファンに囲まれて身動きが取れなくなる可能性が高そうです。

夜のビクトリアハーバーから眺める香港島は超高層ビルだらけの非現実的・非自然的なビジュアルをもっています。そこに三日月があり、スターフェリーが往復してゆくことさえウソみたいに。背後の旧市街地はギラギラと輝き、いつもの喧騒を見せていますが、海岸公園は静かです。もちろん横浜の山下公園に比べれば明るくて人だらけですけど、それでも旧市街地の繁華街に比べれば、物思いにふけることもできるくらい落ち着ける雰囲気となっています。

そこで見た三日月は、かつての恋人を思い出させる三日月でした。そして始まる幻彩詠香江(シンフォニー・オブ・ライツ)、ビッカビカのギッラギラなんですが、定時には終わります。つまり、「Vanishing Light」です。あるとき始まり激しく盛り上がり、そして消えた後には一体あれは何だったんだろうと思わせるところが、恋や夢に似ています。まあ、そのまま旧市街地に一杯飲みに行けばいいんですけど(笑)、かつての恋や夢を思い出してしまったらそうもいきません。あのときは心も体もすべてを奪ったような気がしていたけども、それはいっときの幻想だった、まるでこの幻彩詠香江のように。お願いだ、消さないでくれ、このままめまいを続けさせておくれ、めまいが治ったら、彼女を思い出して逢いたくてたまらなくなっちゃうじゃないか!(笑)

そして香港は暑いのです。春先ですでに30度を越えます。大陸の人はクーラーをかけるのが贅沢と思い込んでいるフシがありますので、観光客が出入りするような室内はえらく寒いんですが、地元の人が夕食を食べているような食堂や、何キロも露店が続くお祭りのような市場は夜でも暑いのです。Dreaming Tonightは暑くて眠れない……もちろん失恋の痛みで眠れないんですけど、腕に恋人が眠っているかのようにねっとりと暑い香港の夜に思い出すことは、もちろん痛いこと……焼けつくような肌の感触でもありうるでしょう。Dreamingだから眠れてるじゃんというツッコミはこのさい野暮ということで(笑)。

こんな具合に、香港という街のエネルギー、そしてそれを象徴するかのような幻彩詠香江は、クールな日本にいると思い出さないですんでいた過去の傷をふたたび疼かせるほどのものなのです。あ、いや、アンタがそう感じただけでしょというツッコミはたいへん的確なのですが(笑)、そうとしか読めないんですよわたくしには!

そして曲は「Hong Kong」の連呼と、間奏の、ペンタトニック一発に近いギターソロ、もう一度「Hong Kong」の連呼であっさりと後奏へ、そしてAMAZONSの「Hong Kong!」を伴いつつフェイドアウトしてゆきます。香港のエネルギーは終わりのない祭であるかのように、どこまでも続くのです。

今回、何度も「Hong Kong」を聴きなおしましたが、このギターの音は異常にカッコいいですね。歪みが軽めなのにかなりハードに聴こえます。そして安全地帯のお二人がもっている色っぽさ艶っぽさがないのです。土方さんの若いとき、NAZCAの頃みたいです。いや?こんなの、BOSSのSD-1をコンプで叩いてミキサーに直入れ(ライン録りといいます)すれば簡単だよ?とか言われそうですけど、そんなの、わたしだってわかってますよ!腕の問題なんです。こういう乾いた音を抜群に使いこなすリズム感とタッチがなければ、とてもとてもそんなセッティングにチャレンジできるものじゃなりません。あー、これお願いしますってシールドをPAの人に渡したら、きっとキラーン!とメガネの奥が光って、さあどんな音を出すのかな?じっくりと聴かせてもらおうかククク……なんて感じになるに決まってるのです(被害妄想)。そんなわけで、いまどきこんな音を出すギタリストはいない、いや、あえてこの音を出そうとするギタリストはいないというべきでしょうか。そんな音を堪能できる曲なのです。

ALL I Do [ 玉置浩二 ]

価格:2,161円
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posted by toba2016 at 13:24| Comment(2) | TrackBack(0) | All I Do