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2019年05月29日

疲れた脳をリフレッシュ 「すきま瞑想」のススメ

『疲れた脳をリフレッシュ 「すきま瞑想」のススメ』

1つのことをしながら、別のことも念頭に置いて仕事する――。先を予測して動く現代人は、常に追い詰められている! 疲れた脳を休める「すきま瞑想(めいそう)」習慣で、健康的な心をキープしましょう。

■瞑想を習慣にして心を上手に整える

「休日ゆっくりしているのに、疲れが取れない」「寝たのに、朝からすでに疲れている」など、慢性的に疲れを感じている人も多いはず。「スポーツなどの後、体の節々が痛むのでなく、なんとなく体が重いと感じるのは、脳の疲れかもしれません」と話すのは、禅僧であり精神科医でもある川野泰周さん。人間の心の構造を理論的に知りたいと大学で精神医学を学び、臨床医を経験したのちに、禅修行を経て実家の禅寺を継いだ。現在は寺務の傍ら、クリニックなどで精神科診療を行っている。
禅僧であり精神科医でもある川野泰周さん

「現代人は、目の前の仕事をしながら別の仕事の進行も意識するなど、複数のことを同時に行うマルチタスクの状態。さらに、皿洗いや掃除などの家事、辞書での調べものなど、無心でできる作業が機械に置き換わり、常に脳が『大事なこと』を考えています。時間を無駄なく使おうとする意識が、かえって脳を疲れさせているのです」

また「迷惑をかけないようにしよう」などと自分以外に目を向ける場面が多く、自分が何に疲れているのかにも気づきにくくなっている。「それを防ぐために有効なのが瞑想です」

今回は、仕事の合間など、日常に取り入れやすい「すきま瞑想」を教えてもらった。
■瞑想がなんとなくグッタリな私たちに効く[ 5つの理由 ]

1 脳が休まる時間ができて回復力がアップする
さまざまなことを同時に考えながら作業をするマルチタスクの状態は、脳を疲弊させる。「瞑想で1つのことに集中し、強制的にシングルタスクにすることで脳は休まり、リフレッシュします」

2 自分を慈しむ時間で自己肯定感を得られる
普段は自分以外のものに多くの意識を払い、脳のエネルギーを使っている。「瞑想によって自分の内面に意識を集中させると、自分自身をコントロールできるという自己肯定感が芽生えます」

3 切り替え上手になることで脳の使いすぎを防ぐ
人間が1度にできることは1つ。「『マルチタスクな人』は、同時進行がうまいのではなく、気持ちや行動の切り替えが上手。瞑想を日常に取り入れることで、気持ちの切り替えがうまくなります」

4 人生の楽しみを取り戻し、気持ちが明るくなる
「五感の1つに意識を集中させることが『瞑想』です。食事中、視覚で料理を愛(め)で、味覚で味わうというように、1つ1つの動作を意識するのも瞑想。すると、当たり前の日常の豊かさに気づきますよ」

5 ネガティブな感情を受け流せるようになる
瞑想中、悩みや気がかりなことなどが頭をよぎる…。「そんなときは、『悩むほど真剣に頑張ってる』『思い出した自分、えらい』と褒めてあげましょう。マイナスな気持ちもスッと流れていきますよ」

■1日1分でできる!おすすめ「すきま瞑想」

【歩く瞑想】通勤時間に取り入れたい

足裏の感覚に注意を向ける「歩く瞑想」。「通勤中やオフィスでの移動時、意識を足の裏に向けて少し取り入れてみるのもオススメですよ」

(1)左のかかとを上げながら、「かかとが上がる」と、動きに合わせて心で唱える。(2)「つま先が上がる」と心で唱えながら、左のつま先を上げる。空に浮く感覚を意識。(3)「足を前に出す」と心で唱えながら、左足をゆっくりと前に。自然な歩幅でOK。(4)「足裏を地面に着ける」と心で唱えながら着地。「足裏で地面の存在を感じましょう」。(5)左足を終えたら、右足も1〜4を繰り返す。自然にできるところまで繰り返す。

【飲む瞑想】仕事の休憩時間に取り入れたい

こだわりのお茶と器を常備して、仕事の休憩時間に行って。パソコン画面は消すか布で隠すかして、視界に入れない。

(1)机に飲み物が入っている器を置き、まず観察。色や形、素材など感じてみよう。(2)温かいのか冷たいのかなど、器から手に伝わる温度を観察。感触を楽しむ。(3)飲み物の香りをゆっくりと感じる。「香りから味を想像してみましょう」。(4)器を口元に運び、口の中を潤す程度の飲み物を口に含む。静かな動作で行おう。(5)飲み物を舌全体に広げるように味わう。甘み、苦みなどの複雑な味わいを観察。(6)静かに器を机に置く。「その後は、仕事をしながら飲んでも構いません」

■忙しい&面倒臭いが、考え方で「日常の瞑想」に

【階段瞑想】駅の長〜い階段にうんざり! 

通勤電車の乗り換えなどで、長い階段にうんざりすることがあるなら「階段瞑想」を。「『歩く瞑想』を応用しながら上り下りします。平地よりも増える筋肉への負担も観察しましょう」

【つり革瞑想】満員電車でヘトヘトです

つり革につかまって行う瞑想。まず1駅から始めてみよう。「目を閉じて足を軽く開き、へその下の丹田を意識。両足の裏でバランスを取る感覚で立って、呼吸に集中します」

【家事瞑想】毎日、家事に追われています…

「修行では、掃除は座禅以上に大切とされています。実は家事は、最高の瞑想。キャベツの千切り、洗濯物干し、雑巾がけ…。美しく仕上げようと集中することで無心になれる上、終わった後は達成感とすがすがしさがあります」

【ベンチ瞑想】ランチをゆっくり取れない

忙しくて、ランチをゆっくり取る時間もない! そんなときは、公園で簡単ランチを。「そのときに、いくつかのベンチに座ってみて。視点が変わると、気持ちも自然に切り替わります」
https://news.goo.ne.jp/article/nikkeistyle/life/nikkeistyle-DGXMZO4506768021052019000000.html

<コメント>
瞑想でリフレッシュしましょう!

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posted by Akamaru at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康

2019年05月26日

世界一の「座りすぎ大国」ニッポン、「座り方」を改めよ!

『世界一の「座りすぎ大国」ニッポン、「座り方」を改めよ!』

まさか世界一とは──日本人の座位時間は実は世界で断トツに長かった!しかし、座っている時間が長ければ長いほど死亡リスクが高まるという衝撃的な事実を知ったところで、仕事の都合上、座る時間を減らすこともできない。ではどうすればいいのか?答えは「座り方」にあった。ベストセラー『大人のラジオ体操』の整形外科医の中村格子氏が最新刊『医師が教えるゼロポジ座り 疲れない、太らない、老けない』でその座り方を伝授する。

世界一の「座りすぎ大国」ニッポン、「座り方」を改めよ!
[グラフ1]45歳以上のオーストラリア人における座位時間と死亡率の関係(0〜4時間を1としたときの倍率)座位時間0〜4時間を1とした場合、座位時間が8〜11時間になると男性で1.12倍、女性で1.24倍、死亡率がアップ。さらに座位時間が11時間以上になる…

日本人は一日に平均7時間も座っている  
今、“座りすぎ”の悪影響が、世界各国で注目されています。特に欧米では、座りすぎが及ぼす害についての論文がとても多く、“座りすぎは喫煙と同じくらい体に悪い”“座りすぎはがんのリスクを高める”など、さまざまな研究結果が報告されています。オーストラリアもそんな国のひとつで、国を挙げて座りすぎ対策に取り組み、座りすぎ防止キャンペーンの動画も作られているほどです。この背景には、2012年のオーストラリアのある研究で、座る時間が一日4時間未満の人たちより11時間以上の人たちのほうが死亡リスクが40%も高く、座っている時間が長ければ長いほど死亡リスクが高まるという衝撃的な結果が出たことなどが影響しているようです(グラフ1)。
この結果をよく見ると死亡リスクは座位時間が0時間から4時間の人と4時間から8時間の人ではわずかしか差がなく、8時間以上から顕著に差が出ていることがわかります。つまり、8時間が大きなラインと言えそうです。さて、そんな欧米諸国よりも座り時間が長いのが日本です。日本人は、一日に平均7時間も座っていると言われています。アメリカで2011年に発表された一日の総座位時間の国際的比較の調査でも、日本はほかの諸外国に比べて一日の総座位時間が断トツに長く(グラフ2)、長い人で600分、つまり10時間も座っているという結果も出ているのです。しかしここで、みなさんは一つの疑問をもつかもしれません。「そうは言っても、日本は世界有数の長寿国ではないか?」ということです。
確かに座っている時間が短い他国よりも日本の平均寿命は長いのです。でも、健康寿命が短いのでは?と思う人も多いかもしれませんが、なんと日本は健康寿命もシンガポールに続いて世界第2位(2016年)なのです(グラフ3)。

座っていることは、本当に悪いことなのでしょうか?
実は、アメリカの別の研究では、50歳から79歳の男女24万人以上を9年間追跡調査したところ、一日のテレビ視聴時間が長い人ほど、心臓血管系疾患での死亡率が高かったという報告もあります。これはテレビが原因というわけではなく、テレビを視聴している時間とはつまり、「じっとして座っている時間」ということで、「何もせずにじっと座っている時間」が長いほど心臓血管系疾患での死亡率が高まると推測できます(グラフ4)。
つまり、座っていて「動かないで」いると血流が悪くなり、その時間が長いほど血流の悪い状態が慢性化して血管が老化し、心臓血管系疾患になりやすくなるためと考えられるのです。ですから、座って仕事や作業をしている多くの人にとって、座っている時間が病気に直結するというのは少し短絡的かもしれません。もちろん座りすぎの悪影響は問題視され、欧米の企業では、立って仕事ができるスタンディングデスクを取り入れているところも増えてきています。ただ、日本ではまだまだスタンディングデスクを取り入れているオフィスは少ないですし、スペースやコスト面からも椅子に座ってのデスクワークという環境を変えられる人はほとんどいないと思います。また、座り時間を短くすることも難しいでしょう。そこで重要になってくるのが、「座り方」です。じっと座っていれば心臓血管系疾患になりやすく、悪い姿勢で座っていれば腰をはじめ体にさまざまな不調を招きます。ですから、座り時間の長い日本人である私たちにとって、いかに体に負担の少ない座り方をするかは非常に重要なテーマなのです。腰痛のある患者に、座ることをすすめるのは実は間違いで、むしろ立っているほうが負担が少ないことがわかったのです。さらに、1999年に、ドイツのヴィルケ博士らが30種類のさまざまな日常動作における椎間板内圧を測定したところ、姿勢よく座っているときに椎間板にかかる圧は、立っているときと同じくらいかそれ以下で、リクライニングして座っているときに最も圧が減るという結果が出ました。これは、座っているときのほうが立っているときより腰への負担が大きいとしたナッケムソンの調査とは異なる結果だったため、謎が深まりました。そしてこれは座り方に問題があるのではないかという議論を呼びました。その後も、正しい座り方を究明すべく多くの調査結果が発表されました。その背景には、日本と異なり欧米は労働環境や健康管理がシビアであることや、オフィス家具メーカー間の競争などもあったようです。そもそも座り姿勢で最も腰に悪影響を与えるのが、本来は前弯のCカーブを描いている腰椎が、悪い姿勢によって逆カーブになることです。これによって椎間板はストレスを受け、痛みにつながっていくのです。つまり最も重要なことは、立ち姿勢と同じような負担のない腰椎のカーブを、いかに椅子に座っている状態でも作れるかということです。2000年以降になるとMRIが臨床の現場でも多く使われるようになり、2006年には、北米の放射線医師のバシールらのグループが、MRIを用いてさまざまな座り姿勢による椎間板への負荷を計測しました。その結果、股関節の角度が90度になるように座ったときより、後ろにもたれかかって股関節が135度くらいになるように座ったとき(ほぼリクライニング状態)のほうが椎間板に負担がないということが明らかになり、センセーションを巻き起こしました。これはかなりリラックスした、いわば「社長座り」です。こんな格好で新入社員が仕事をしていたら、やる気がないように見えて上司に怒られてしまいそうです。しかしながら、その後、股関節が135度くらいになる椅子にもたれかかった座り姿勢は、いくら心地よくてもその状態で長時間作業したり、素早く立ち上がったりすることは不可能である、という論争へと発展しました。そして現在は、後ろへもたれかかるのではなく、うまく後ろでサポートをしながら股関節を110度程度開き、背骨のカーブを保つ座り方をするほうが現実的であるという認識が広まってきています。この世界的な研究の流れをふまえ、仕事場で実際に作業しやすい背筋を立てた姿勢として私が考案したのが、「ゼロポジ座り」なのです。

座り方を変えれば人生が変わる
整形外科医である私のクリニックには、毎日、腰痛やひざの痛みなど体のあちこちに不具合を抱えた方がたくさん訪れます。そのうちのまだ症状が軽い方々に、私はよく「予防のために運動をしてください」と伝えるのですが、大きな痛みがなくなるとみなさんすっかり忘れてしまい、何回伝えてもわざわざ予防のために運動を継続される方はほとんどいません。多くの人にとって運動は、わざわざ時間を割いてやらなければいけなかったり、ウエアを揃えなければいけなかったりと何かと手間がかかり、ハードルが高いようです。それにもかかわらず、みなさん、“体の痛みを改善したい”“やせたい”などといった希望は強いので困ってしまうのですが、そんな都合のいい願望を叶えられる魔法のような方法がたったひとつだけあります。それはあなたの「座り方」を変えることです。あなたは、一日に何時間、座っていますか? どんな姿勢で、何をしていますか? デスクワークの人などは、かなり長い時間、座っているのではないでしょうか?日本人が、世界でも最も座っている時間が長いのは、朝から晩まで一生懸命働く、日本人の勤勉さが理由かもしれません。また、家に帰ってもソファーでスマートフォンを見たり、テレビを見たりして過ごす人が多いと思いますが、そうすると一日のうちのほとんどの時間を座って過ごすことになります。座っているときは、どうしても背中や腰が丸くなり、首を前に突き出した姿勢になりやすくなりますが、この姿勢が実は、さまざまな体の不調を招いています。首を前に出した猫背姿勢は、肩や首、腰などに過剰に負担をかけ、腰痛、肩こり、首こり、疲れなどを引き起こすのです。整形外科の疾患の多くは、「習慣」性の動作の繰り返しで生じます。普段からこのような不調がある人は、「座り方」が悪い可能性が考えられますので、このような状態で長い時間座りっぱなしでいるのはよくありません。だからといって、座らないことには仕事はできませんよね? 家の中でもずっと立って過ごすわけにはいきませんよね? 長時間座っているからこそ、重要なのが毎日の「座り方」なのです。ところで、“自分の座り方は正しい”と胸を張って言える人は、どのくらいいるでしょうか? きっとほとんどいないのではないでしょうか。座っている人を見てみると、ほとんどが先ほど述べたような、背中や腰を丸めて首を前に突き出した姿勢になっています。では、「正しく座ってください」というと、背中も腰もまっすぐに伸ばして、股関節やひざを90度に曲げた座り方をすると思います。この座り方は、確かに見た目にもきれいな、よい座り方ではあるのですが、体幹のインナーマッスルが弱いと、この姿勢は長く保つことができずかえって疲れてしまい、余計な負担が生じたり、結局すぐに骨盤が後ろに倒れ、背中や腰が丸まった元の悪い座り方に戻ったりしてしまいます。そこで私が整形外科医として提案したいのが、疲れない理想的な座り方「ゼロポジ座り」です。悪い座り方は、見た目が悪いだけでなく、体のこりや痛み、疲労感の原因になり、集中力が落ちたり、仕事のパフォーマンスも下がってしまいます。イライラしやすくなって人間関係にも悪影響を及ぼすこともあると思います。このように、座り方が人の心や体に及ぼす影響は、想像以上に大きいのです。でも、ご紹介するゼロポジ座りを取り入れれば、腰痛や腰の疲れを防ぐことができ、肩や首のこりが防げます。また、誰でも無理なく続けられ、体が疲れません。この座り方を続けて体に痛みがなければ、将来的には寝たきりの予防にもつながります。さらにゼロポジ座りのすごいところは、座っているだけで体幹のインナーマッスルが自然と鍛えられるというところです。つまり、座り方を変えるだけで、わざわざ運動をしなくても、痛みや疲れのない体と、太りにくい体が手に入るのです。いつもの職場やリビングがジムに変わるわけですから、余計な時間もお金もかかりません。それから、一日に何時間もの座り時間が楽になるので、集中力が高まり、仕事のパフォーマンスも上がります。見た目もよくなり、精神状態もよくなって、性格も明るく前向きになり、人間関係がスムーズになったり、仕事での成功にもつながるでしょう。家族にも今までより優しくできるかもしれません。そう、座り方ひとつで、人生が変わると言っても過言ではないのです!あなたの生活の大部分を占める長い座り時間を、楽で疲れないものに変えて、健康で幸せな人生を手に入れてください。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190526-00000001-courrier-life

<コメント>
腰痛のある患者に、座ることをすすめるのは実は間違いで、むしろ立っているほうが負担が少ないこと、そして、立ち姿勢と同じような負担のない腰椎のカーブを、いかに椅子に座っている状態でも作れるかが重要であることがわかりました。ゼロポジ座りで腰痛から解放されましょう!

ゼロポジ座り
股関節の角度が90度になるように座ったときより、後ろにもたれかかって股関節が135度くらいになるように座ったとき(ほぼリクライニング状態)のほうが椎間板に負担がない、いわば「社長座り」を現実的にした、股関節を110度程度開き、背骨のカーブを保つ座り方。


posted by Akamaru at 12:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康

2019年05月19日

令和時代、人は「死」を意識しないようになる

『令和時代、人は「死」を意識しないようになる』

ロケット級の進歩を遂げつつある医療。iPS細胞を利用して臓器をつくり出す再生医療や、AI医師の登場だけではなく、診断、手術、創薬、医療機器、救命救急、予防……。このまま医学が完成していけば、死の脅威をもたらす病気はほとんどすべて姿を消し、病気では人が死なない「不死時代」が到来すると、医学博士の奥真也氏は著書『Die革命――医療完成時代の生き方』で述べている。いずれ訪れる「不死時代」とはどのような未来なのだろうか。

■がんを完封する時代がやってくる
 平穏にすごしていた日々に、突然割って入るがん患者としての生活。幸せの絶頂の裏に忍び寄る糖尿病の影……。病気によって人生の予定が狂わされた経験を持つ方はたくさんいらっしゃるでしょう。でも、その状況は大きく変わろうとしています。1981年に世界で初めて発見されたといわれるエイズは、当初は手の施しようがなく、絶望的な病気と思われていました。しかし、2000年を過ぎたあたりからHIVウイルスの働きを阻害するさまざまな薬が実用化されはじめ、現在では生命を奪う病気ではなくなっています。エイズの薬のように派手に報道をにぎわせるものもあれば、目立たない進歩を遂げる薬もまた多くあるため、あまり実感がないかもしれませんが、成果を上げている例としては、タミフル、イナビルなど抗ウイルス薬によるインフルエンザに対する強力な治療効果などもそうでしょう。1回飲むだけでウイルスの増殖を抑えられるゾフルーザという進化した薬も世に出ました。人類にとって最大の病魔の1つと言われているがんも例外ではありません。胃がんや大腸がんは、不治の病のリストから消えつつあります。乳がんや肺がんもそうです。がんの克服は確実に進んでいます。2018年には、光免疫療法と呼ばれるがんの標的療法と、近赤外線による光化学反応を組み合わせた新しいがん治療の治験が日本でも開始されています。また、がん細胞に感染し、溶解させてしまうウイルスを使った薬は、数社が治験の先陣争いをしており、ほどなく世に出てきます。まさに今、がん治療の地図は大きく塗り替えられようとしているのです。人類と病気との闘いについて話してきましたが、そもそも、いったいどうなれば、「病気に勝った」ことになるのでしょうか。ほとんどの方は風邪やインフルエンザなどの「治る病気」を思い浮かべ、病気とは治療をすれば治るものだ、とイメージしていると思います。しかし残念ながら、病気の9割は治りません。医療の立場から言えば、必ずしも病気は治らなくてもかまわないのです。「たいていの病気は治癒しない」し、「治癒する必要はない」というのが医師の感覚です。ほぼすべてのがん患者は、おそらく風邪などと同じように「がんが完治する」ことを期待していると思いますが、多くのがんは、「治療」はできても「完治」はしません。医者の立場からすると、「今よりも悪くならないようにはできるが、完治するとは言い切れない」と捉えています。つまり、病気の9割は、医者にとってつねに「病気」というステータスにあります。完全に治癒しなくても日々の生活に支障がなければよい。医療はそこを目指しているのです。

■誰もが「多病息災」で生きていく
 ある病気と一生つきあうことになったとしても、その病気が牙をむき、身体に不具合を生じさせたり生命を脅かしたりしなければ困るわけではありません。この「ある病気とともに生きる」ことを一病息災といいます。では、一病息災は不死時代にどう発展するのかというと、その姿は、「多病息災」であると思います。つまり、1つだけではなく、さまざまな病的な状態を持ちつつ、これらがどれも生命を脅かすことなく、生命との間に均衡を保っている状態。どの病気も、宿主である人間を殺してしまうところにまでは到達しないということです。多病息災時代においては、つねに自らの中にいくつかの病的な状況があることを理解しなくてはいけません。それこそが人間の普通の状態なのだから、何も気に「病む」こともないのです。ただただ自然にそれを受容していればよく、多病がゆえに死ぬことなどないのです。さて、「不死時代」到来の大きな立役者は、やはりテクノロジーです。テクノロジーによる医療の進化が近年はより本格化しています。象徴的なのは、ロボットの導入です。例えば、1990年代にアメリカで開発された手術支援ロボットの「ダヴィンチ(da Vinci)」。現時点ではまだAI(人工知能)が搭載されているわけではありませんから、ロボットといっても人間が操作する機械にすぎません。でも、ここにはイノベーションともいうべき、かつてはなかった進化が起こっています。たとえ話ですが、身体の硬い人が自分の肩甲骨を手で触るのは簡単なことではありません。同じようなことが外科手術にもあって、膵臓の裏側にある血管の縫合などは、大きく開腹したうえでほかの臓器の間をかき分け、そこまで手指をくぐらせて作業しなくてはならず、人間には困難な手術です。でもロボットならば、人間の腕や手では不可能な角度からアクセスすることができ、うまく施術できます。切除の精度に関してもそうです。1ミリ幅の切除は、人間なら「神業」ですが、ロボットを使えばさらにその10分の1の幅でも安定して高い精度で切除できます。よくニュースなどでは「ロボットが人間の代わりを務める」という表現が使われますが、少なくとも医療の場合は単純な代役ではありません。人間には到底できなかった水準のことをやってくれるのが医療におけるロボットなのです。

■AI診断が人間を凌駕する
 私たちはこれから、医療イノベーションの収穫期に入っていきます。ビッグデータの活用で創薬のプロセスが大きく変わったり、外科手術にロボットが導入されたりと、治療の方法論は大きな前進を遂げつつあります。しかし、いくら治療の方法論が完成されても、そもそもの「見立て」が違っていたら克服できるものもできなくなります。医療の完成ということを考えると、あらゆる医療行為の出発点ともいえる「診断」において誤診をなくすことが最大の課題なのは言うまでもありません。それにはどうすればいいのか。解決策として、最も有力視されているのがAIの導入です。2000年代に突入してコンピューターの計算性能がぐっと上がってきたことに加え、人間の脳神経回路をモデルにした多層構造アルゴリズムを用いて、着目すべき特徴や組み合わせをAI自ら考えて決定する「ディープラーニング(深層学習)」の技術が長足の進歩を遂げたことが重なって、AIが人間を凌駕する時代がやってきてしまいました。 それは医療AIについても例外ではありません。医師の「診察」「問診」はAIが十分に代替できる、ということです。というのも、AIは人間のように思い込みで病気を見逃すことはありません。疲労による判断ミスもない。むしろ、安定的に正確な診断ができます。つまり誤診率をかぎりなくゼロに近づけることができるのです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190519-00280419-toyo-soci




『AI診断やロボット手術…病気では人が死なない「不死時代」とは』

医学はとてつもない速さで進歩を遂げています。いずれ人類は「不死時代」を迎えるかもしれません。

ロケット級の進歩を遂げつつある医療。iPS細胞を利用して臓器をつくり出す再生医療や、AI医師の登場だけではなく、診断、手術、創薬、医療機器、救命救急、予防……。このまま医学が完成していけば、死の脅威をもたらす病気はほとんどすべて姿を消し、病気では人が死なない「不死時代」が到来すると、医学博士の奥真也氏は著書『Die革命――医療完成時代の生き方』で述べている。いずれ訪れる「不死時代」とはどのような未来なのだろうか。

がんを完封する時代がやってくる
平穏にすごしていた日々に、突然割って入るがん患者としての生活。幸せの絶頂の裏に忍び寄る糖尿病の影……。病気によって人生の予定が狂わされた経験を持つ方はたくさんいらっしゃるでしょう。でも、その状況は大きく変わろうとしています。1981年に世界で初めて発見されたといわれるエイズは、当初は手の施しようがなく、絶望的な病気と思われていました。しかし、2000年を過ぎたあたりからHIVウイルスの働きを阻害するさまざまな薬が実用化されはじめ、現在では生命を奪う病気ではなくなっています。エイズの薬のように派手に報道をにぎわせるものもあれば、目立たない進歩を遂げる薬もまた多くあるため、あまり実感がないかもしれませんが、成果を上げている例としては、タミフル、イナビルなど抗ウイルス薬によるインフルエンザに対する強力な治療効果などもそうでしょう。1回飲むだけでウイルスの増殖を抑えられるゾフルーザという進化した薬も世に出ました。人類にとって最大の病魔の1つと言われているがんも例外ではありません。胃がんや大腸がんは、不治の病のリストから消えつつあります。乳がんや肺がんもそうです。がんの克服は確実に進んでいます。2018年には、光免疫療法と呼ばれるがんの標的療法と、近赤外線による光化学反応を組み合わせた新しいがん治療の治験が日本でも開始されています。また、がん細胞に感染し、溶解させてしまうウイルスを使った薬は、数社が治験の先陣争いをしており、ほどなく世に出てきます。まさに今、がん治療の地図は大きく塗り替えられようとしているのです。人類と病気との闘いについて話してきましたが、そもそも、いったいどうなれば、「病気に勝った」ことになるのでしょうか。ほとんどの方は風邪やインフルエンザなどの「治る病気」を思い浮かべ、病気とは治療をすれば治るものだ、とイメージしていると思います。しかし残念ながら、病気の9割は治りません。医療の立場から言えば、必ずしも病気は治らなくてもかまわないのです。「たいていの病気は治癒しない」し、「治癒する必要はない」というのが医師の感覚です。ほぼすべてのがん患者は、おそらく風邪などと同じように「がんが完治する」ことを期待していると思いますが、多くのがんは、「治療」はできても「完治」はしません。医者の立場からすると、「今よりも悪くならないようにはできるが、完治するとは言い切れない」と捉えています。つまり、病気の9割は、医者にとってつねに「病気」というステータスにあります。完全に治癒しなくても日々の生活に支障がなければよい。医療はそこを目指しているのです。

誰もが「多病息災」で生きていく
ある病気と一生つきあうことになったとしても、その病気が牙をむき、身体に不具合を生じさせたり生命を脅かしたりしなければ困るわけではありません。この「ある病気とともに生きる」ことを一病息災といいます。では、一病息災は不死時代にどう発展するのかというと、その姿は、「多病息災」であると思います。つまり、1つだけではなく、さまざまな病的な状態を持ちつつ、これらがどれも生命を脅かすことなく、生命との間に均衡を保っている状態。どの病気も、宿主である人間を殺してしまうところにまでは到達しないということです。多病息災時代においては、つねに自らの中にいくつかの病的な状況があることを理解しなくてはいけません。それこそが人間の普通の状態なのだから、何も気に「病む」こともないのです。ただただ自然にそれを受容していればよく、多病がゆえに死ぬことなどないのです。さて、「不死時代」到来の大きな立役者は、やはりテクノロジーです。テクノロジーによる医療の進化が近年はより本格化しています。象徴的なのは、ロボットの導入です。例えば、1990年代にアメリカで開発された手術支援ロボットの「ダヴィンチ(da Vinci)」。現時点ではまだAI(人工知能)が搭載されているわけではありませんから、ロボットといっても人間が操作する機械にすぎません。でも、ここにはイノベーションともいうべき、かつてはなかった進化が起こっています。たとえ話ですが、身体の硬い人が自分の肩甲骨を手で触るのは簡単なことではありません。同じようなことが外科手術にもあって、膵臓の裏側にある血管の縫合などは、大きく開腹したうえでほかの臓器の間をかき分け、そこまで手指をくぐらせて作業しなくてはならず、人間には困難な手術です。でもロボットならば、人間の腕や手では不可能な角度からアクセスすることができ、うまく施術できます。切除の精度に関してもそうです。1ミリ幅の切除は、人間なら「神業」ですが、ロボットを使えばさらにその10分の1の幅でも安定して高い精度で切除できます。よくニュースなどでは「ロボットが人間の代わりを務める」という表現が使われますが、少なくとも医療の場合は単純な代役ではありません。人間には到底できなかった水準のことをやってくれるのが医療におけるロボットなのです。

AI診断が人間を凌駕する
私たちはこれから、医療イノベーションの収穫期に入っていきます。ビッグデータの活用で創薬のプロセスが大きく変わったり、外科手術にロボットが導入されたりと、治療の方法論は大きな前進を遂げつつあります。
しかし、いくら治療の方法論が完成されても、そもそもの「見立て」が違っていたら克服できるものもできなくなります。医療の完成ということを考えると、あらゆる医療行為の出発点ともいえる「診断」において誤診をなくすことが最大の課題なのは言うまでもありません。それにはどうすればいいのか。解決策として、最も有力視されているのがAIの導入です。2000年代に突入してコンピューターの計算性能がぐっと上がってきたことに加え、人間の脳神経回路をモデルにした多層構造アルゴリズムを用いて、着目すべき特徴や組み合わせをAI自ら考えて決定する「ディープラーニング(深層学習)」の技術が長足の進歩を遂げたことが重なって、AIが人間を凌駕する時代がやってきてしまいました。
それは医療AIについても例外ではありません。医師の「診察」「問診」はAIが十分に代替できる、ということです。というのも、AIは人間のように思い込みで病気を見逃すことはありません。疲労による判断ミスもない。むしろ、安定的に正確な診断ができます。つまり誤診率をかぎりなくゼロに近づけることができるのです。
http://news.livedoor.com/article/detail/16481332/

<コメント>
治らない病などありません。
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2019年05月16日

今月から開始された話題の脊髄損傷治療って?

『今月から開始された話題の脊髄損傷治療って?』

Point
■脊髄損傷に対する画期的な再生医療が日本で保険適用
■患者自身の「間葉系幹細胞」を取り出し、増やしてから本人に戻すという治療
■1回の点滴で劇的な効果
■臨床試験が終わり製品化されて今年には保険適用も決まっており、もうすぐ治療開始

札幌医科大学が今月から、脊髄損傷に対する画期的な治療を開始する。この治療はNHKスペシャルで紹介されて話題となり、文藝春秋6月号でも「ペニシリン以来の大発見」と報じられたものだ。ペニシリンとは世界初の抗生物質だ。その後に開発された様々な抗生物質が、感染症の治療薬として当たり前となっていることを考えると、「ペニシリン以来の大発見」とまで言われる新治療がどんなものなのか興味が湧いてくると思う。今回はその治療法について分かりやすく解説したい。

気になる新治療の治療法とは
これまで脊髄損傷は手術でも治せないとされ、リハビリで少しずつ生活を取り戻すしか治療手段はなかった。ところが今回、脊髄損傷に対する世界初の画期的な治療法が開発された。その治療法は、脊髄を損傷した患者さん自身の血液や骨髄液から「間葉系幹細胞」を取り出し、特別な施設で培養し、「間葉系幹細胞」が1億個に増えたら患者さんの体に点滴で戻す。

Credit:札幌医科大附属病院
「間葉系幹細胞」というのは未熟な細胞で、様々な細胞になる能力をもっている。神経細胞にもなれる能力があり、患者さんに投与されると損傷された脊髄の周りの炎症をしずめたり神経の再生を行ったりすると考えられている。この新しい治療法の臨床試験は2013年から行われていた。この試験が2017年に終わり、点滴が製品化され、今年に入って保険適用されることも決まった。ついに脊髄損傷の新しい治療が日本で行えるようになったのだ。臨床試験を行った札幌医科大学では5月中旬以降からの治療開始を予定して患者が募集されている。この治療の開発から保険適用までの期間は他の薬に比べ短かったが、その理由のひとつは13例のうち12例が改善したという劇的な効果だ。たとえば脊髄損傷により四肢麻痺となった患者さんが翌日には肘や膝が曲がるようになり、12週間後には普通に歩けるようになっていたそうだ。これまで治ると思われていなかった脊髄損傷にこれだけの効果があるとは驚きだ。

保険適応、さらに高額療養費制度が利用できる
治療は点滴を1回行うだけ。その1回は1500万円もするのだが、先程述べたように急性期に限ってではあるが保険が適用されるため、3割負担で450万円となる。さらに高額療養費制度を利用すれば、年齢や収入によるが、入院代などを含めても最大で月23万円ほどですむだろう。この脊髄損傷の新しい治療薬は、自分の細胞が使われていること、静脈注射であることから体に優しい治療ともいえる。札幌医科大学では脳梗塞に対する再生医療の臨床研究も行われている。今回の成果がたくさんの優しい再生医療の開発を促すことを期待したい。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw5299261




『iPS細胞で脊髄損傷の再生医療に挑む医師を突き動かす「苦い思い出』

名医やトップドクターと呼ばれる医師、ゴッドハンド(神の手)を持つといわれる医師、患者から厚い信頼を寄せられる医師、その道を究めようとする医師を、医療ジャーナリストの木原洋美が取材し、仕事ぶりや仕事哲学などを紹介する。今回は第8回。iPS細胞を使って脊髄損傷の再生医療に挑む中村雅也医師(整形外科教室教授)を紹介する。
脊髄損傷からの回復
ようやく実現が見えてきた
 2019年夏、脊髄損傷治療は、希望に満ちた新たな段階に進む。
 今年の2月18日、厚生労働省が、iPS細胞を使って脊髄損傷を治療する慶応大の岡野栄之先生(生理学教室教授)と中村雅也先生(整形外科教室教授)らのチームに対して、臨床研究を了承したのだ。iPS細胞から作った神経のもとになる細胞を患者に移植し、機能改善につなげる世界初の臨床研究となる。
 脊髄は長さ約40cm、直径1cm前後の神経の束だ。脊柱管のトンネルを通り、脳からの指令を手や足などの末梢に伝えたり、逆に末梢からの信号を脳へ伝えたりする役割を果たしており、人間の顔面以外の運動や感覚はすべてこの脊髄を介して行われている。
 この脊髄がケガや事故などで傷つき、手足の麻痺(まひ)などが起こるのが脊髄損傷だ。損傷部位が脳に近いほど麻痺も広範囲に及ぶ。脳からの命令が完全に伝わらなくなる「完全型」の場合、一瞬にして手足は動かなくなり、感覚も失われる。
 日本では毎年約5000人の患者が新たに発生しており、総患者数は10万人以上。重症の場合、車いす生活を余儀なくされる。「一度切れてしまった脊髄は、2度とつながらない」というのが従来の医学の常識であり、現在は治療といっても、リハビリでわずかに残る機能の回復を目指すしかない。
 中村雅也先生は20年以上の長きにわたり、整形外科医として脊髄疾患や脊髄腫瘍の外科的治療を行うかたわら、脊髄損傷の研究に取り組んできた。
「脊髄損傷の何が厳しいかって、脳挫傷と違い、意識は正常なので、自分のおかれている状況がすべて理解できる。それなのに、人の手を借りなければ何もできなくなってしまい、その状況が一生続くのです。
 昔は、合併症を起こしやすかったので、患者さんの生命予後は短かいものでした。しかし現在は、治療法が進歩したおかげで、生命予後は健常者とほとんど変わらなくなっています。しかしその分、苦しみも延々と続きます」
意識ははっきりしているのに、生命がある限り続く“金縛り”。そんな生き地獄のような状況からなんとか患者を救い出すための戦いもまた、苦悩に満ちたものだった。
「僕は脊髄腫瘍の治療もしていますが、手術の際に、紙切れみたいなペラペラの神経だけでも残してあげれば、訓練次第でジョギングも可能なほど回復します。脊髄の中に神経が仮に100本あるとしたら、5%でも10%でも移植によって神経がつながり、失われたネットワークを再構築できれば、動けるようになる。今、あと少しというところまできています」
 筆者の取材に、中村先生が最初に答えてくれたのは2014年のことだった。あれからさらに5年を経て、ようやく実現が見えてきた夢。ここに至るまでの20年、先生はどれほどの挫折感やもどかしさと対峙(たいじ)し続けてきたのだろう。
目の前で後輩が脊髄損傷
「なんとしてでも治したい」と決意
 きっかけは、中村先生が大学2年生の冬に遭遇した、ある事故だった。所属していたバスケットボール部のスキー旅行。1年下の後輩が彼の目の前で転倒し、脊髄損傷になってしまったのである。
「彼が目の前で転んだとき、僕らは無邪気に笑っていました。ところが雪のなかに埋まったまま、全然動かない。『大変だ』となって慌てて救出し、病院へ搬送しました。医大生とはいえ、当時の僕は無知で、脊髄損傷がどういうケガで、その後どうなるかということはまったく見えていませんでした。だから、ようやく病院に到着し、病室に入ったときには、もう大丈夫だと安堵(あんど)したのです。でも、全然大丈夫ではありませんでした」
 数ヵ月後、見舞いに訪れた中村先生を迎えたのは、変わり果てた後輩の姿だった。
「『退院し、リハビリをしている』というハガキをもらったので、回復してよかったと、お祝いを言うつもりで彼の家へ行きました。玄関を開け、中に入った瞬間に受けた衝撃は、一生忘れません。彼は顎で電動車いすのレバーを操作して出てきたのです。首から下は、まったく動かせない。僕は自分の能天気さを呪いました。
 結局、彼は医学部を続けることができなくなりました。医者を目指して、大学に入ったばかりだったのに。彼のその後の人生をそばで見ていた僕は、これだけ医療や医学が進歩しているのに、なぜ治せないんだろう、なんとか治してやりたいと、強く思うようになりました」
 それが、不可能に挑む、長い長い研究人生の始まりだった。
 くじけそうになる自分を勇気づけ、前に進み続けるために大切にしてきたのは、パッション、ビジョン、アクションだ。
「医師としてのパッションは、後輩の事故に遭って抱いた、あの気持ちです。ケガや病気に苦しむ患者さんをなんとしても治してあげたいという情熱を常に持っています。 でも、情熱だけでは、夢は実現できません。不可能を可能にするには、何をしなければならないのかを考えなくてはならない。それがビジョンです。そしてビジョンを持ったら次はアクションあるのみですね。
 実際20年前、学位研究が終わった後、僕はアメリカに留学しました。整形外科で脊椎・脊髄外科医としてのベースを築いたものの、脊髄損傷を治す糸口さえ見つからなかったからです。日本にいたんじゃ、いくら一生懸命やっても治せないと判断し、再生医療の研究をしている大学を探しあて、手紙を書き、面接を受けに渡米しました。ツテも何も、まったくなかったのに、無謀ですよね(笑)」
 そんな中村先生も一度だけ、もう研究をやめようと、くじけかけたことがあるという。
「僕たちは当初、中絶胎児由来の神経幹細胞を使用して、移植治療を行う戦略を立て、研究を進めていました。でも2006年、倫理的問題のため、断念せざるを得なくなったのです。万事休すだと思いました」
 ところが、事態は思いがけず好転する。
「同じ年、山中伸弥教授がiPS細胞を見つけてくれたのです。僕らにとってはまさに、天が下ろしてくれた“蜘蛛の糸”でした。あの細胞のおかげで、新たな展開が生まれ、それが今日につながっています」
人間の仕組みは発電所と一緒
リハビリなくしては再生しても歩けない
 治療の希望が見えてきた2006年以降、毎日診察室で患者と向き合う臨床医でもある中村先生が注力してきたのは、リハビリの指導だ。そこが研究主体の医師とは大きな違いである。「人間が動く仕組みは発電所と一緒。大脳という発電所から出た命令が、送電線を通って脊椎という変電所に送られます。そこからさらに送電線が出て、手足の筋肉とかをモーターで動かすのです。 だから脊髄を損傷し、送電線が切れた状態になるともう、動かせません。それを僕らはもう一度つなげようと研究してきたわけですが、つながったとしてもモーターがさび付いていたら、体は動かないんですよ。関節が硬縮していたら動きっこない。そうなった患者さんには、残念ながら再生医療を行うことはできません。せっかく治療法ができたのに、受けられないなんて、もったいないですよね。
 だから脊髄損傷の患者さんたちには、今からでも遅くないからリハビリをしっかりやってください、頑張ってくださいと言っています」
ひと口に脊髄損傷といっても、患者の年齢、急性期なのか慢性期なのか(損傷からどのくらい経過しているか)、完全麻痺なのか不全麻痺(部分的な麻痺)なのか等、患者の状況によって、再生医療の効果は異なる。 中村先生のゴールはあくまでも、慢性期の脊髄損傷患者の治療実現だ。困難ではあるが、チームは損傷から時間がたったマウスでも、運動機能の回復に成功しており、可能性は大いにある。 この夏から行われる臨床研究の対象は、脊髄損傷から2〜4週間が経過した患者で、運動などの感覚が完全に麻痺した18歳以上の4人。京都大学iPS細胞研究所が備蓄する他人のiPS細胞から神経のもとになる細胞を作り、患者1人あたり200万個を損傷部に注射で移植する。 移植から1年かけて安全性や効果を確かめるほか、移植と並行してリハビリも行い、手足などの運動機能の改善を目指す。他人の細胞を移植するので、拒絶反応を抑えるための免疫抑制剤を使用する計画だ。 安全性などが確認できれば、効果をより詳細に調べるための臨床試験(治験)の実施など実用化に向けた次の段階に進み、一般的な治療としての普及を目指す。
「たとえ一歩一歩の歩みは小さくても、確実に前進していきたい。患者さんたちの期待を裏切らないためにも、研究のための研究ではなく、“From bench to bed side”(研究室から臨床へ、の意)を合い言葉に、今後も研究を進めていきます」
https://diamond.jp/articles/-/202486

<コメント>
「間葉系幹細胞」というのは未熟な細胞で、様々な細胞になる能力をもっています。殆どの怪我に対応できるのではないでしょうか。夢の未来がやってきました。









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2019年05月15日

深刻な「うつ」に悩んだ当事者が、たくさんの治療法からあなたにぴったりの解決法を提案

『深刻な「うつ」に悩んだ当事者が、たくさんの治療法からあなたにぴったりの解決法を提案』
新年度のバタバタが一息ついて、大型連休明けのこの時期、まわりに「最近なんだか元気がないな…」という人はいませんか? それはもしかしたら、メンタル不調のサインかもしれません。あるいは季節に関係なく、まさに今、自分自身の不調と向き合っているという方もいるのではないでしょうか。

【特集】なんだかやる気が起きない、仕事に行きたくない…「もしかして、自分も五月病?」と思ったら

『うつを治す努力をしてきたので、効果と難易度でマッピングしてみた』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者・ほっしー氏は、うつ病から4年かけて回復していく中で取り組んできた、さまざまな活動内容を「うつマッピング」という図にしてツイッターで公開したところ、2.4万以上もリツイートされて大きな話題となりました。

「うつマッピング」とは、縦軸が「効果が高い/効果が低い」、横軸が「(行うのが)お手軽/難しい」というマップ上に、うつ回復のために試した事柄や内容をマッピングしていくというもの。本稿では、ほっしー氏の「うつマッピング」の事例をいくつか紹介しましょう。
■【効果が高い×お手軽にできる】何はなくとも「深い呼吸」

 人は緊張すると呼吸が浅くなってしまうもの。呼吸が浅くなると、さまざまな不調をきたすということが専門家からも指摘されているそうです。そこでほっしー氏が意識したのが、「深い呼吸」。鼻から大きく息を吸って、口から吐き出す腹式呼吸を意識して実践するだけで、モヤモヤが少し晴れた気分になります。体内にキレイな空気を入れ、モヤモヤを吐き出す感覚をイメージすると、さらに効果アップ!
■【効果が高い×実施が難しい】圧倒的に生きやすくなる「認知の改善」

 うつになると特にネガティブ思考が進んでしまうため、自分自身のことを追い込んでしまいがち。そこで理解しておきたいのが、デビッド・D・バーンズ氏により提唱された“認知のゆがみ”です。現実を不正確に認識してしまうことを指す“認知のゆがみ”は、「全か無か思考」「一般化のしすぎ」「結論の飛躍」「レッテル貼り」など10項目の思考パターンが挙げられています。これはうつ症状でなくても、「自分にも当てはまるかも」と感じる人は多いでしょう。

 認知のクセを改善するためには、まず自分の“認知のゆがみ”に気づくことが大切。そして改善には、カウンセラーなどのプロの助けを得るのがベストとされています。いわゆる「認知行動療法」ですが、受診が難しい場合は、バーンズ氏の著書『いやな気分よ、さようなら』を読んでみるのがおススメだそうです。
■【効果は低い×お手軽にできる】最もお手軽なのは「マンガ」を読むこと

 ゲームやアニメよりも気軽に手にとることができる感があるマンガ。マンガ本のお金がかかるというハードルはありますが、お手軽に楽しむことができるし、作品によっては内容から学びも得られるというすぐれもの。うつで気分が落ち込み、本を読むのもしんどいという時には、「マンガでわかる〜」シリーズもおススメです。
■当事者からのアドバイスから、自分に合うものを取り入れよう

 本書ではこの他にも「うつマッピング」のさまざまな内容が、ほっしー氏のコメントとともに34項目も紹介されています。ほっしー氏があまり考えずにサクっとお手軽に取り組んだというものから、文献をいろいろ読み込んでチャレンジしたものまで。体験記としても、それらを読んでいくと、「自分もうつや不安で悩んだときにやってみようかな」と思えるものが見つかるでしょう。本書内には「うつマッピング」を作るためのフォーマットもついているので、自分オリジナルの「うつマッピング」を作って、自分の傾向を知り、回復の対策を練ることもできます。

 残念ながら、「うつには〇〇が効く!」という絶対的な正解はありません。だからこそ、本書を通じて経験者のアドバイスを知り、いろいろと試してみることで、少しずつ自分に合うものを見つけていきましょう。無理をしたり、焦ったりすることなく、自分のペースを見つけられますように。
http://news.livedoor.com/article/detail/16460207/

<コメント>
欝(うつ)は克服できます。





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2019年05月09日

柿の葉茶の効能と作り方

『柿の葉茶は女性のキレイを作る成分が豊富で女性に人気の健康茶です。』

ビタミンCが緑茶の約20倍!レモンの約10倍〜20倍!
熱に強いためお茶にしてもビタミンCが壊れない!
メラニンの生成を抑え美肌効果!シミ・ニキビ・美白効果も!
便秘解消効果でお腹スッキリ!
風邪予防や貧血改善にも最適!
糖尿病・高血圧・胃潰瘍予防効果も!
喫煙者のビタミン補給としても人気!

柿の葉の特徴
柿の葉茶は緑茶の約20倍、レモンの約10倍〜20倍、とそのビタミンCの豊富さから美肌・美白・肌荒れ・ニキビ対策など女性にうれしい成分が豊富に含まれており人気の健康茶です。また柿の葉に含まれるビタミンCは「プロビタミンC」と呼ばれビタミンCになる一歩手前の状態で熱に強く壊れない事から美を意識する女性に非常に人気の高い健康茶です。

おいしい飲み方
やかんに水1リットルにつき大さじ1杯〜2杯を入れ、沸騰後泡が持続する程度の、とろ火で2分〜3分煮詰めます。急須の場合は大さじ1〜2杯を入れ熱湯を注いでお好みの濃さになるまで蒸らせばOK。

詳細と効果・効能
名称 柿の葉
科名/属名 かきのき科 / カキ属(カキ属に属する落葉中高木)
学名 Diospyros kaki(デオスピロ カキ)
和名 柿(かき)
生薬名 柿蒂(してい)
ハーブ名 Japanese persimmon(ジャパニーズパーシモン)、Kaki(カキ)
産地/分布 アジア原産。世界各地で栽培
採取/製法 成葉となる頃に採取し蒸気で2分〜3分ほど蒸します。その後日陰でよく風にあて乾燥させます。
部位/形状 柿の葉
成分 緑茶の約20倍のビタミンCをはじめ、脂肪や油を分解し消化を助けるタンニン、その他ケンフェロール、クエルセチン、グルコサイドなどが含まれています。
カフェイン ノンカフェイン
効果・効能 血圧降下、血管透過性改善、止血
適応 高血圧、動脈硬化、血管障害、循環器改善、しみ、そばかす、日焼け止め、美白
香りと味覚 柿の葉茶はサッパリとした味わいで美味しく飲みやすいお茶です
正しい飲み方 柿の葉茶にはタンニンが多く含まれているため、冷え性でお悩みの方への過剰な摂取はお勧め致しません。冷え性でお悩みの場合は、冷え性改善などの効果が期待できるその他の茶葉をブレンドしたブレンドティーなどでの摂取をお勧め致します。
https://www.kenseien.co.jp/kenkou/1247.html



『家庭でできる柿の葉茶の作り方。昔からの手作り柿の葉茶の作り方をご紹介します』

■柿の葉茶のつくり方
1 7〜8月の日当たりの良い場所の柿の葉を採ります。
2 晴れた日に2〜3日間陰干しする。
3 葉は主脈を切って包丁で細かく刻む。
4 蒸し器に水を入れ、湯気が充分たってくるまで沸騰させる。
5 セイロをおろして、蒸し布を敷き、柿の葉を入れる。
6 無視布に包んで、蓋をして1分半蒸す。
7 ザルに移し、うちわで30秒扇ぎ、葉に溜まった水滴を蒸発させる。
8 日陰で干して完全に乾けば出来上がり。
9 密閉できる茶筒で保存します。
10 急須やティーポットに柿の葉を入れて熱湯を注ぎます。10分〜15分位で飲めるようになります。お茶の色が出るうちは2度目、3度目も飲むことが出来ます。

■柿の葉煮汁のつくり方
@柿の葉煮汁も柿茶と同じように柿の葉を陰乾しにして、葉脈を切り取りこれを横にして3mm位に刻みます。
A大き目のなべに2Lのお湯を沸騰させて、この中に柿の葉を100枚入れ、手早くかきまわして、フタをし3分間煮出します。
Bすぐに火からおろして、なべの外から冷水で冷やします。冷えるとガーゼ3枚で数回こします。
C光を通しにくい瓶または容器に入れ保管します。
https://www.kaki-cha.co.jp/blog/?p=1152

<コメント>
手軽に作れて美味しい柿の葉茶。その効能は、血圧降下、血管透過性改善、止血。高血圧、動脈硬化、血管障害、循環器改善、しみ、そばかす、日焼け止め、美白に適応します。是非お試しください。


posted by Akamaru at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康

認知症予防&対策のウソ、ホント徹底検証

『認知症予防&対策のウソ、ホント徹底検証』

「○○が認知症に効果的!」――。突拍子がなくて「バカな」と思う惹句でも、「それ、ホント?」と気になることはないだろうか。社会の高齢化に伴い、多くの人にとって心配事となった認知症。俗説や怪情報に惑わされないよう、その真偽を検証する――。
科学的根拠がある説を見極めよ

「カレーが認知症に効果的」「高速道路の近くに住んでいると認知症リスクが高まる」……そんな本当か嘘かわからない情報がメディアに氾濫している。その背景として、認知症に対する関心の高まりがあるのだろう。2025年には700万人を超えると予測され、65歳以上の日本人の5人に1人が認知症になる計算で、今や国民病といっても過言ではない。正しい情報を見極め、予防や治療に役立てるにはどうしたらいいのだろうか。長年認知症の予防に関わってきた朝田隆さんは、「効果がありそうな“甘い水”に惹かれるかもしれませんが、信頼性の乏しい新説に飛びついてはいけません」と説明する。

「認知症の予防にもっとも有効とされている有酸素運動は、研究発表から認められるまでに約30年かかりました。一方で医学の世界で常識とされていることが、後に否定されることもあります。長年の研究によって、エビデンス(科学的根拠)が確立された情報を選び、慎重に見極めましょう」

認知症は必ず治るという病気ではないが、予防や対策によって進行を遅らせることは可能だ。以下、世間に流布する多くの俗説を検証したので、正しい予防と対策に活かしてもらいたい。

▼認知症とはどんな病気か?
認知症はひとつの病気ではなく、70以上の病気による一定の症状を表しており、さまざまな種類がある。代表的な「アルツハイマー型」「レビー小体型」などは、脳内に老廃物がたまり、「脳血管性型」は脳卒中が原因で脳細胞が死滅していく。
新しいことが覚えられなくなる「記憶障害」、時間や場所がわからなくなる「見当識障害」、作業を手順どおりに行えなくなる「実行機能障害」などがおもな中核症状。その他、周辺症状として妄想や幻覚、不眠などが起きることもある。

Q.01:10時10分を示す時計が描けないと要注意?
「描けなければ、認知症の疑いがある」
認知症を調べる検査として、アナログ時計の絵を描いてもらう「時計描画テスト」がある。円の中に数字と時計の針を描き込んでもらう。認知症の疑いがある人は、円がいびつになったり、数字を均等に描けないことがあるのだ。
「認知症では普通にものが見えているのに、位置や向きを認識する能力が低下します。そのため図形を描けなくなったり、運転が下手になったりすることも。時計の絵は数字の配列が均等で、なおかつ10時10分や4時40分のように針が対称に描けたら、ひと安心といえるでしょう」(朝田氏・以下同)

Q.02:認知症が血液検査でわかるって本当?
「MCIのリスクがわかるようになってきた」
基本的に認知症は問診や画像検査などで診断される。しかし最近、血液検査で、軽度認知症(MCI)のリスクがわかるようになってきた。
「アルツハイマー病の原因の1つと考えられるのが、アミロイドβペプチドという老廃物。これを排除して毒性の防御をする3種類のたんぱく質の量を測定することで、アミロイドβペプチドがどれだけ蓄積されているかを推定。リスクが4段階で評価されます」
必要な血液はたった約7cc。2〜3週後に結果が出る。

Q.03:認知症は手術で治る?
「ごく一部、治せるものもある」
アルツハイマー型やレビー小体型など、脳細胞が死滅していくタイプは、発症すると完治することはない。よって治すことより進行を遅らせることが目的になる。
「しかし脳室(脳内の空間)にたまった脳脊髄液が脳を圧迫することで認知障害が現れる正常圧水頭症は、脳脊髄液を抜けば症状が治まります。硬膜と脳の間に血がたまる慢性硬膜下血腫や、全身の機能が低下する甲状腺機能障害も、病気を治せば症状がなくなる。原因を調べずにあきらめてはいけません」

Q.04:MCIになったら、必ず認知症になる?
「健常に戻るケースも少なくない」
認知機能が低下しているものの、認知症までは至っていないのが、MCIだ。65歳以上の認知症有病者の推定値は15%、MCIは13%という統計がある。MCIからそのまま認知症に進行するのは、1年で約10%、4年以内には約50%と考えられている。
「ただしこれはそのまま放置した場合。生活改善や認知機能を高める訓練をすれば、2年間は進行を食い止めることもできます。5年たって逆に改善が見られ、健常に戻るのが約10〜40%という調査もある。早めに診断を受けて対策をとるのが大事です」

Q.05:認知症に効く漢方薬がある?
「周辺症状を軽くするものはある」
認知症の特効薬はまだ開発されていない。現在、治療薬として日本で承認されているのは「ドネペジル」など4剤だ。アルツハイマー病は神経伝達物質のアセチルコリンが減少する。そこでドネペジルはアセチルコリンの分解を防ぎ、認知機能の低下を食い止める。
「認知症そのものを改善はしませんが、漢方薬が用いられることもあります。代表的なのは、7種類の生薬を配合した「抑肝散」。不安や精神の乱れなど、周辺症状を抑えるために処方されます」

Q.06:昼寝していると認知症になりにくい?
「30分程度が効果的」
朝田さんが研究した結果、昼寝の習慣がある人は、ない人に比べてアルツハイマー病になりにくいことがわかった。
「睡眠不足は脳と体にストレスを与え、海馬の神経細胞の再生が妨げられます。それが昼寝をすることでストレスが解消される。眠る時間でもっともいいのは、50歳までなら20分以内、それ以上は30分以内です。1時間以上昼寝すると、起きた後の活動性が下がって夜の睡眠の質も落ちて、かえってよくありません」

Q.07:認知症は遺伝する?
「遺伝する人もいるが、ほとんどは加齢によるもの」
認知症は患者の約8割を80歳以上が占め、ほとんどが加齢によって起きる。しかしなかには遺伝によるケースもあるという。
「特定のたんぱく質の働きを決めるAPOE遺伝子は、E2型、E3型、E4型の3種類がある。日本人の70%はE3型なのですが、E4型の人はアルツハイマー病のリスクが2〜3倍に高まることが明らかにされています。遺伝による認知症の場合、50代以下の若年で発症するケースが多いのが特徴です」

Q.08:カレーが認知症予防になる?
「特に根拠はないと思われる」
「インドで認知症が少ないのは、主食のカレーに有効成分が入っているから」という説がある。その説を朝田さんは「おそらく国民の平均寿命が短いため、認知症の発症が少なかったのでは」と否定する。
「この食品だけ摂れば認知症に効果的ということはありません。基本は栄養をバランスよく摂り、そのうえで野菜、魚介類、果物を積極的に摂取すること。それらに含まれるポリフェノールやビタミンA・C・Eといった抗酸化物質は、認知症リスクを低下させます」

Q.09:糖尿病だと認知症になりやすい?
「2倍なりやすいという説がある」
血糖値が高いと、動脈硬化などの合併症が起こりやすくなり、血管性認知症のリスクが高まる。ある調査では、糖尿病の人は正常な人より血管性認知症のリスクが1.8倍高まるという結果が出た。
「糖尿病はアルツハイマー病のリスクが2.1倍高まるという報告もあります。血糖値を調節するインスリンは脳の情報伝達にも関与しており、高血糖が続くと働きが悪くなって、情報伝達がうまく行えなくなる。結果、記憶を司る海馬にも損傷を与えるようです」

Q.10:タバコが認知症予防になる?
「昔流行した、単なる俗説」
「かつてニコチンは神経伝達をよくするといわれ、喫煙によってアルツハイマー病の発症が抑制されるという研究報告がありました。しかし、現在では、喫煙はアルツハイマー病の発症を促すという考えが主流になっています」
非喫煙者と比べた場合、喫煙者がアルツハイマー病になるリスクは2.7倍、血管性認知症になるリスクは2.9倍という調査報告もある。また中年期は喫煙していたが、老年期から非喫煙に転じた場合、数値はそれぞれ1.9倍、1.6倍に低下している。

Q.11:ウオーキングが認知症予防になる?
「有酸素運動は効果的」
運動は認知症の予防にもっとも効果的と認められる。中年期に、1回20〜30分の運動を週2回以上行った場合、認知症発症率はしない場合の半分以下になるという。
「軽い有酸素運動をすると、脳血管の血流がよくなるため、血管性障害の予防・改善になります。週3回のウオーキングで、アルツハイマー病のリスクが3分の1に減ったという報告も。ウオーキングするなら1回30分程度、2日に1回を心がけましょう」

Q.12:ギャンブルは認知症予防に効果的?
「実証はされていない」
ギャンブルと認知症の関係は証明されていない。しかし賭け事や、将棋・麻雀などのゲームは脳を刺激し、活性化させる側面がある。
「ゲームのいいところは、対戦ごとに内容が違うこと。変化のない生活は認知症のリスクを高めます」
脳を刺激するのは、変化の多い生活であり、社会交流だ。人と話すのも、趣味に没頭するのもいい。特に体と頭を同時に使う「デュアルタスク」は、脳を活性化するといわれており、楽器演奏、料理などの趣味は、楽しみながら予防できる。

Q.13:虫歯だと認知症になりやすい?
「歯が少ないとなりやすいという説がある」
70歳以上の高齢者を対象に調査したところ、健康な人の歯の残存数は14.9本、対して認知症の人は9.4本だったという報告がある。これは本数の少なさが問題というよりも、咀嚼機能が衰えると脳への刺激が減り、認知症につながると考えられている。また歯周病に関する研究も進んでいる。
「歯周病菌が生み出す毒素や炎症性物質が、血液や唾液に混じって全身に回ると、糖尿病や動脈硬化の原因になり、認知症を引き起こしやすいと考えられます」

Q.14:100マス計算は認知症予防になる?
「効果は未知数」
「脳活」として推奨される「100マス計算」や「四字熟語パズル」。これらは認知症を予防するというエビデンスがなく、「認知症じゃないと、安心するための頭の体操としてはいいかもしれません」。
一方、米国で開発された脳トレ用コンピュータゲーム「ブレインHQ」は、認知症のリスクが約5割も低下すると実証され、話題を呼んでいる。ただし、「注意力、記憶力といった個別の認知機能が改善するだけなので、認知機能全体が向上するかは、検討が必要」。
https://president.jp/articles/-/25781

<コメント>
快眠・快食・快便。適度な運動と家族や友人・知人とのコミュニケーション。ストレスを減らす為にも瞑想を取り入れる事をお薦めします。


posted by Akamaru at 20:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康

2019年05月06日

歯を磨くだけでは「口臭」が消えないワケ

『歯を磨くだけでは「口臭」が消えないワケ』

■イヤな口臭、最大の原因は「舌の汚れ」にあり!
口臭を予防するには、歯のケアだけでは不十分。見落としがちな舌のケア法とは?
口臭は、呼吸や会話をするときに口から出る息がにおって、まわりの人が不快になることを言います。原因は、90%以上が口の中の汚れや病気などによるもので、残りが蓄膿症などの耳鼻科の病気や糖尿病など、口以外の病気が原因で発生するにおいによるもの。このため、まず、歯科医院で歯磨き指導や治療を受けて口の中の状態をよくすることが大切です。口臭のもととなるガスは、新陳代謝ではがれ落ちた口の中の粘膜などのタンパク質成分を、酸素を嫌う性質を持つ嫌気性細菌が分解することによって発生します。口臭が発生する口の中の状態として、一番多いのは歯周病です。歯と歯ぐきの間にできる歯周ポケットというすき間などに、嫌気性細菌の繁殖しやすい場所が増えるためです。また、歯周病による出血や膿もガス発生の原因となります。次に多いのが、「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる白色〜淡黄色の舌に付いた汚れです。舌苔は、はがれ落ちた粘膜や食べ物のかす、細菌の死骸などでできていて、嫌気性細菌が分解してにおいのあるガスを発生します。唾液が少ないドライマウスの人も、口臭が生じやすくなります。唾液には口の中をきれいにする作用があるので、分泌が少ないと細菌が増えやすいのです。治療する場合は、最初に口臭の測定を行います。機器を使ってガスの成分を測定し、また、医師がにおいを嗅ぐ嗅覚による口臭診断も行います。口臭測定機器のある病院は少ないので、事前に問い合わせて確認するとよいでしょう。治療は、口臭専門のクリニックや、大学病院などの口臭専門外来などで行っています。保険外診療となり、本院の場合は初診時の費用は約1万8000円です。予防にはセルフケアが重要です。歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどの歯間清掃用具を使って歯をきれいに磨き、歯周病を予防しましょう。さらに、舌を掃除して舌苔を取り除きます。舌の表面にはじゅうたんのように細かいひだがあり、そのすき間に汚れがたまります。このため、舌の掃除は、ヘラのような形状のものではなく、ブラシが適しています。舌の表面のひだは、舌の前の部分は短いのですが、奥にいくほど長くなっています。つまり、舌の奥(のどに近いほう)の舌苔は、ひだの奥深くに入り込んでいるので、ブラシでかき出さないと取れません。

■子ども用の小さな歯ブラシを使うのもお勧めです
舌の表面は粘膜なので、掃除しすぎると傷つけてしまいます。ヒリヒリしたり、血が出たりした場合には、数日間は舌清掃を中止してください。舌苔が多くて舌が真っ白になっている人には、専用の舌ブラシを使って舌を掃除することを勧めています。ある程度きれいになってきたら、普通の歯ブラシで掃除をしてもよいでしょう。子ども用の小さな歯ブラシを使うのもお勧めです。
舌の掃除は1日1回、朝起きてすぐに行います。このときが一番舌苔が多く、口臭も強いからです。また、舌が舌苔で汚れていると、味蕾が埋もれて味を敏感に感じられません。舌をきれいにすれば、食事もおいしく食べることができます。
口臭専門外来に来る患者は5歳から90代と年齢層は幅広いのですが、プレジデント読者にも重なる中高年男性が最も多いです。
口臭は、人に指摘されないと気づきません。特に年齢が高くなり、社会的地位も高くなると、指摘してくれる人は少なくなります。まずは、家族など身近な人に、自分の息が気になるか聞いてみるとよいでしょう。
http://news.livedoor.com/article/detail/16417518/

<コメント>
舌は清潔に!


posted by Akamaru at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康
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