『「フルーツだけ生活」の意外すぎる健康効果 自分を実験台にするマニアの「真意」 』
2009年9月から6年半、フルーツに代表される「果実」だけを食べて生活している人物がいる。フルーツマニア、いやフルーツ研究家の中野瑞樹さんだ。フルーツが体に及ぼす影響を調べるために水すら飲まず、自らを「実験台」にしている。果実しか食べないので、さぞ細身で弱々しい人だろうと思っていたら、圧倒された。確かにほっそりはしているが、驚くほどパワフルな人物だったのだ。フルーツはエネルギー源になりうるのだろうか。知られざる魅力に迫った。
――昨年、「マツコの知らない世界」(TBS系列)に出演されているのを拝見しました。テレビではすごく小柄に見えて不健康な印象すらあったのですが、顔色もよくて、とってもお元気そうですね。
マツコさんと並んだら、ダメです。誰だってげっそりと小さく見えます(笑)。私は寝込んだりしたこともないですし、いたって健康ですよ!
――2009年からもう2400日(4月23日現在)も果実だけの生活と聞いていますが、どうしてそんなことをしているのですか?
いいことも悪いことも含め、フルーツを中心とした果実が体に及ぼす影響を調べたいと思ったので始めました。他のものを食べていると、その効果がわからないので、極端なことをしています。ブドウの専門家とかはいらっしゃいますが、フルーツ全般について調べている人がいなかったので、私が体を張って、独学で。水分もフルーツからとっているので、体内の水分はほぼ果実由来です。
――1日にどのくらいの果実を食べるのですか?
冬場は1日に1キロくらいで、みかんなどの柑橘類が主食です。夏になると、主食がスイカになって“かさ”が増えるので、だいたい2キロくらいになります。フルーツエンゲル係数はおそらく日本一ですね。
――2キロもですか。通常、どのくらいのフルーツを食べるのが適量なのでしょうか。フルーツは糖が含まれているので、あまりたくさん食べないほうがいいような印象があります。
それは大きな誤解です。日本ではフルーツはお菓子と一緒にされていて、糖が多いから太るとか、甘いから血糖値が上がると言うお医者さんもいますが、勉強不足と言わざるを得ません。
――そうなんですか?
WHO(世界保健機関)は、FAO(国連食糧農業機関)と共に、糖尿病・心疾患・がん・肥満予防のために、また途上国では微量ミネラル欠乏の予防と緩和のために、生フルーツと野菜(イモなどデンプン性野菜を除く)を合わせて、毎日少なくとも400グラム以上摂取することを推奨しています。ところが、厚生労働省の統計によれば、現代の日本人は生のフルーツを1日100グラムしか食べていないんですよ。食べないほうがいいどころか、日本人はフルーツを食べなさすぎるんです。
――フルーツと野菜の合計とはいえ、400グラムに比べると明らかに摂取量が少ないですね。
「糖が多いからフルーツを避ける」という話もよく耳にしますが、フルーツはお菓子やパンに比べて糖質は少ない。フルーツは10〜20%なのに対し、ご飯では36%、食パンでは44%、チョコレートでは52%、ドーナツでは59%が糖質です。しかも、フルーツの糖は消化負担のほとんどないブドウ糖、果糖、ショ糖などの天然の糖類です。
さらにいうと、清涼飲料水の多くは、およそ10%以上の糖類(ブドウ糖、果糖、ショ糖)が含まれています。500mlペットボトル1本飲めば、50グラム以上の糖類を摂取することになります。WHOは、フリーシュガー(主として加工食品に含まれる、または添加された糖類を指す)は1日25グラム以下を推奨しているので、500mlの清涼飲料水1本で、推奨量の倍以上になってしまいます。糖質の摂りすぎを言うなら、お菓子(デンプン系、糖類添加)や、一般清涼飲料水についてまず注意すべきです。
――フルーツの糖が心配するような含有率じゃないことがわかって、安心しました。しかし、フルーツを食べることに、どんなメリットや効果があるのでしょうか。
私が実感しているのは、肌のキメが細かくなることです。ハンドクリームなんて一切使っていないですが、触るとみんなびっくりするくらいすべすべですよ。あと、おそらく女性ホルモンが増えるからだと思うのですが、すね毛が一切なくなりました。昔はボウボウだったんですけどね(笑)。私は、冬場はミカンが主食なので、食べすぎで手の色が普通じゃなく黄色いですが、ここまで食べなければ、肌色は白くなります。
――本当にすべすべで、ツヤツヤしていますね。失礼ですが、男性の肌とは思えないくらいです。でもこの効果は想像の範囲内ではあります。他にもなにかあるのでしょうか。
驚愕なのは、骨密度です。昨年末に、テレビの企画で骨密度を測定したのですが、お医者さんが「あ!異常値が出ました。何かの間違いなんで……」と言って、2度も測り直したくらいの数値が出ました。
――いったい、どんな数値が出たのですか?
私は40歳ですが、2若年成人(20〜44歳)の3割増しです。グラフの想定最大値は120%までしかなかったのに、それを10%以上も振り切っていました。「フルーツはカルシウムが少ないので、それしか食べてないなんて骨はスカスカだろう」という、周りの常識を覆しました。骨はここ1年くらいの食事に影響されるので、これは果実の影響だと思います。
――フルーツで骨が丈夫になるなんて、特に女性は年を取ると骨粗しょう症のリスクが高いので、うれしいニュースです。
実際に、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構の研究成果で、温州ミカンのMサイズを1日4個食べると、骨粗しょう症のリスクが92%下がることがわかっています。
――92%下がったら、発症リスクは8%ということですか?
そういうことです。
また、お通じが格段によくなるので、トイレがまったく臭いません。しかも、体臭も変わります。いわゆる加齢臭などもなくなりますよ。小学生のお子さんからは、フルーツの香りがしていると言われることがあります。
だからなのか、自然が多いところに行くと、ミツバチが髪の毛の中とかに入ってくることがあります。血液検査もまったく問題なく、健康そのもの。私以上に、他のものを食べずにフルーツを食べている人はいないでしょうから、自分の存在が、フルーツの力を示す証拠そのものだと思っています。
――中野さんのようにフルーツを主食にしたら、健康になれるのでしょうか。
私みたいにフルーツだけ食べるなんていう、そんなアホなことは絶対やめてください。お付き合いも大切ですし、何より日本はおいしいものがいっぱいあるので食文化を満喫していただきたいです。また突然やろうとしても絶対にうまくいきません。おそらく二日もすればふらふらになり、倒れてしまうので危険です。ダイエット目的だとしても、リバウンドするだけです。我慢によるストレスはいちばんの敵です。
――では、どうしたらいいのでしょうか。
私は経験上、フルーツは食べ方が大切だと考えています。私がお薦めするのは「先フル」と「朝イチ水フル」です。
――暗号みたいです。どんな意味ですか?
「先フル」とは、食事の一番先にフルーツを食べることです。フルーツは”デザート”お口直し””食後のおまけ”と思われがち。でもこの「後フル」習慣がダメなんです。
フルーツは、低カロリーで太りづらい食物です。例えばリンゴはチョコレートの10分の1しかなく、ごぼうよりもカロリーが低いんです。また空腹状態で食べれば、血糖値を上げにくい食物です。いくら低カロリーでも、また血糖値を上げづらくても、食後であれば、胃腸の中でかき混ぜられ、加算されてしまうだけです。もし食後にフルーツを食べるなら、胃の滞留物を減らすために、2時間半程度は空けてからがいいですね。
「先フル」のメリットは、自然に噛む回数が増えることと、食べ過ぎを防ぐこと。よく30回は噛みましょうなどと言われますが、空腹状態でご飯を食べようとすると、急いでがっついてしまい、あまり噛まないまま、胃の中に食べ物を放り込んでしまいがちです。でも「先フル」をすれば、お腹の空腹感が和らぎがっつかないから、ご飯を味わって食べることができます。
また噛む回数が自然と増え、唾液の分泌が増えるので、口臭予防などの口内環境の改善も期待できます。食べ過ぎてしまうという方は、少し多めの「先フル」がいいですね。腹持ちのいい、りんごやバナナがお奨めです。
――「朝イチ水フル」とはなんですか?
「朝イチ水フル」とは、朝起きたらいちばんに水分の多いフルーツを食べることです。
就寝中の呼吸や汗による脱水状態を解消するため、「健康のために朝起きたら、コップ1〜2杯のお水を飲みましょう」と言われます。しかし、冷えた飲み物だとお腹を冷やす恐れがありますし、飲んだらすぐに胃に直行し、胃がチャポンチャポンしてしまいます。しかし水分の多いフルーツなら、少量でも乾いた喉を潤してくれるうえ、口の中で噛み、何回かに分けて食道を通るので、温かくなって胃に入ります。だから胃腸にも優しいのです。
朝食を抜かれる方もいらっしゃると思いますが、それは体によくありません。朝食を抜いている方には、消化がよく、調理なしで手軽に食べられるフルーツを召し上がることをお奨めしたいですね。
――これからの時期、どんなフルーツがおススメですか?
栄養価が高く、安いので、旬のものを食べるのがいちばんです。1月から4月くらいまでならイチゴ、2月から5月はデコポンやハッサクや甘夏などの晩柑類。種類が豊富なので、長く楽しめます。5月からは9月にかけてスイカ(露地)、合間の6月にはビワ(露地)やサクランボが出回ります。夏になったら、スモモや、ブドウ。秋口に入ると、梨や柿。11月には国産のキウイも出てきます。11月から1月までは温州ミカンが美味しい季節です。もちろん、バナナやパイナップルなど年中食べられる輸入フルーツもお勧めです。
――一年中楽しめますね。最後に、読者へアドバイスがあったらお願いします。
午後一番に大切な会議や得意先との商談がある時などは、その前のランチで、フルーツを大めに食べることをおススメします。フルーツは消化がよいため、フルーツだけならほとんど眠くなりません。しかも、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が含まれているので、頭がシャキッとします。しかもカロリーが低いのでお菓子と比べて太りづらいです。ランチ後の商談はチャンスです。商談相手は、普通にランチを食べているはずなので、脳に巡らしたい血液が胃腸に集中し、ボーっとしているはずです。ね、うまくいく気がしませんか? ビジネスで成功したい人こそ、フルーツを食べるとよいですよ。
http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%ef%bd%a2%e3%83%95%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%84%e3%81%a0%e3%81%91%e7%94%9f%e6%b4%bb%ef%bd%a3%e3%81%ae%e6%84%8f%e5%a4%96%e3%81%99%e3%81%8e%e3%82%8b%e5%81%a5%e5%ba%b7%e5%8a%b9%e6%9e%9c-%e8%87%aa%e5%88%86%e3%82%92%e5%ae%9f%e9%a8%93%e5%8f%b0%e3%81%ab%e3%81%99%e3%82%8b%e3%83%9e%e3%83%8b%e3%82%a2%e3%81%ae%ef%bd%a2%e7%9c%9f%e6%84%8f%ef%bd%a3/ar-BBsalSQ#page=2<コメント>
普段の食生活に旬のフルーツを取り入れましょう。
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