Caffeine boosts enzyme that could protect against dementia: New analysis reveals 24 compounds that can help reduce impact of harmful proteins in the brain -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2017/03/170307130903.htm
インディアナ大学ブルーミントン校のHui-Chen Lu氏率いる研究チームは、2016年にNMNAT2という酵素を発見しており、NMNAT2は脳内で2つの役割を果たしていることを発表しています。1つは脳内のニューロンをストレスから守る保護機能で、もう1つは、老化に応じて脳内にプラークとして蓄積する「タウタンパク質」を監視する機能です。
特にタウタンパク質のような異常折り畳み構造のタンパク質は、「アルツハイマー病」「パーキンソン病」「ハンチントン病」のような神経変性障害や、「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」などの疾患に関連していることがわかっています。これらの疾患で最も一般的なアルツハイマー病の発症者数は、アメリカで540万人に達しており、人口の高齢化に伴って増加することが予測されています。
Lu氏の研究チームは、アルツハイマー病などの治療に有効な、NMNAT2の生産量に影響を及ぼす物質を特定するべく、既存の薬物などから1280種類の化合物をスクリーニングしました。その結果、脳内でNMNAT2の生産量を増加させる可能性を持つ、24種類の化合物を特定することに成功したとのこと。特定された化合物の1つはカフェインであり、以前に行われた実験でも、高濃度の異常折り畳み構造のタンパク質を生産する遺伝子操作マウスにカフェインを投与したところ、マウスの記憶能力が改善されたという結果も出ています。
今回の研究でインディアナ大学の研究チームが、低レベルのNMNAT2を生産するよう遺伝子操作されたマウスにカフェインを投与したところ、正常なマウスと同レベルのNMNAT2を生産し始めたとのこと。また、NMNAT2の生産量を増加させる化合物として特定された24種類の中には、1990年代に抗うつ薬としての開発が中止された選択的ホスホジエステラーゼ阻害薬「ロリプラム」も含まれていました。
研究著者のLu氏は「今回発見された化合物の中には、NMNAT2の生産量を増加させるだけでなく、減少させる化合物も見つかりましたが、NMNAT2の生産量を増減させる化合物の体内での役割を調査することは、今後の認知症治療に役立つ可能性があります」と話しています。
http://gigazine.net/news/20170313-caffeine-boost-protect-dementia/
<コメント>
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