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2018年05月31日

芸術的記憶術/the art of memory 06 原則4-情緒.性向/Affect

芸術的記憶術/the art of memory 06 原則4 情緒.性向/Affect

memory.jpg




記憶術にとって 記憶者の情緒.性向は極めて重要な課題だ

. 情緒.性向の役割は2つのグループに分けられる

第1 イメージを記憶の劇場へ設置する際の情緒の役割り
第2 記憶の想起にイメージと関連付け特定の感情が伴う

Rhetorica ad Herennium (BⅭ80 記憶術について記した古代の書) 既に
 情緒を掻き立てるイメージを用いる事の重要性を強調し
 それによってより記憶は保持される と云う

記憶術では
 可能に長く記憶を保持させうるイメージを利用するべきだ
可能な限りより衝撃的なイメージ群を用いる
 もし多数でも曖昧でもなくしかし 能動的ならば
 例えば 驚異的な美 逆に 稀な醜悪を配置する
 例えばそれらを少し 王冠とか 絢爛豪華な外套 などで装飾するなら
 類似したイメージは個々明確さを増す
 例えばイメージに 血を垂らす 泥を塗る 赤いペンキをかけて損なうならば
 より強く印象付ける
更に滑稽なイメージは 記憶の想起を保証する


その一方で イメージ群が情緒と関連付けられていれば
 それを回想する時 感情も呼び起こされる
 中世の記録によると
 記憶は 思慮分別 道徳的判断の啓蒙 に関連付けられていた

記憶術に使う幻像群は
 中性の/かみ合わない ランダムな知覚の所産どころか
 有益か無効かを考慮した反応/意図のない 組み合わせなのだ
 しかし 幻像群は 人間のその自然な反応により感情を掻き立てる

それ故 幻像と記憶は道徳的優秀さと倫理判断を導く
 

Hedwig von Restorff (1906–1962), "孤立効果/isolation effect(1993)"
  目立つ.異様.衝撃的な様相 或いは 単に全体とは異なる情報は
 より容易に記憶に昇る との研究もある

次回へつづく


と たのしい演劇の日々

2018年05月29日

芸術的記憶術/the art of memory 05 原則3 有意義な分化/chunking

芸術的記憶術/the art of memory 05 原則3 有意義な分化/chunking

memory05.jpg


画像はWEBより拝借致しました


認知心理学ではアルツハイマー認知症の記憶力の研究がなされたいるが
 
記憶術では古くから 素材を一瞥で知覚できるサイズに小分けする は原則である 

しかもそれは 関連付けられ 意味のある統一体を成すものであるべきだ

しかし 記憶術で用いる 素材の分化と関連付けは
 達人夫々の嗜好に委ねられ ある特殊な機能であろうと理解されている 

認知心理学は 学習と記憶の分野で 関連値associative values として研究する
 被記憶者と 記憶素材に 何ならの関係性がある場合の方が より良く記憶できる
と云う リサーチ結果が出ている

フランシスFrances Amelia Yates (1899 – 1981) はアリストレリスを引用し

 記憶の連鎖を始める出発点/場の設定が如何に 重要な課題であるか
 当人の興味に叶った記憶の劇場 設定により 刺激的に素材を想起へと導く と云う

次回へつづく


と たのしい演劇の日々

芸術的記憶術/the art of memory 04 原則2 - 秩序

芸術的記憶術/the art of memory 04 原則2 秩序

memory-palace-1846.jpg

 写真はWEBより拝借致しました

空間に描かれたイメージは 自ずと「秩序」を生じる 

「秩序」維持は生物学上の有機体である人類の特質である 
その知覚能力により 世界の中で 自身を方向づけている

この事実を基に 古代より
 生来の記憶力と記憶術を使った記憶の関係と理解に力は注がれた 

記憶術に長けた者は 違う素材の課題を秩序よく配列できる

一度秩序に添った拠点が構築されるや
 素材はそのあるべき場に据えられる なので
 小さな素材の場移動は可能で
 それによる 素材の紛失 欠如や 場の乱れといった 秩序の混乱は起きない 

聖ビクターのヒュー/Hugh of Saint Victor,(1096 –1141 記憶について より

まず 第一に 秩序に載った強固でしかも維持しやすい基盤を構築する.

この秩序ある場に 記憶し自在に引き出したい素材を配置する
 まるで銀行家が現金を手際よく順序だて金庫にしまうように 

記憶術の達人は
 叡智の倉庫に収まる素材を 明確で整然とした体系に従って分類しえる 


次回へつづく


と たのしい演劇の日々

2018年05月28日

芸術的記憶術/the art of memory 03 原則 -視覚

芸術的記憶術/the art of memory 03 原則1

Harmonyoftheworld.jpg
世界の調和(1806)
The_music_of_the_spheres.jpg
音楽練習(1496)



写真はWEBより拝借致しました
 


「空間にイメージを描き それが見える意識状態」 視覚に働きかける

Hugh of Saint Victor ( 1096 – 1141 ドイツ人司祭 神学 神秘学理論) より

人間の自然な反応でも明らかな通り
 音を確認した場合 それはハッキリとしたイメージを呼び出

 脳裏に焼き付くイメージ力を利用し
 「記憶を喚起する」ため 聴覚より視覚をより刺激し活用する  

語り手は 語る言葉を 表情 所作 部屋の様子 に結びつける

語り手が 強い視覚イメージを創り出せば出すほど
  表現と所作を通し 語らんとする事はさらに明確になる

アリストテレス以降 修辞学の本には 雄弁術に用いる所作とその表現のあり方が強調され
そして 記憶にとって 聴覚 触覚に勝る 視覚活用の優位性と確実性を 説明する



次回へつづく


と たのしい演劇の日々

2018年05月27日

芸術的記憶術/the art of memory 02 メトロダウルス/ Metrodorus

芸術的記憶術/the art of memory 02 メトロダウルス/ Metrodorus

メトロダウルス/Metrodorus of Scepsis/現トルコ  (ギリシャ人145 BCE – 70 BCE)

の記憶術

memory02.jpg


写真はWEBより拝借致しました


フランシス/Frances A. Yates はこう解釈する

メトロダウルスは 占星術を学んだ 
その再用いる 12星座表 をさらに36等分し
 その一つ一つに10個のシンボルを当てる
 で夫々に1から360の番号も振り当てる
 この関係性をもった360の場を 自在に操り 歴史書にその卓越した記憶力で名を残した










次回へつづく


と たのしい演劇の日々

2018年05月26日

芸術的記憶術/the art of memory 01 ラモン・リュイ/Ramon Llull

芸術的記憶術/the art of memory 01ラモン・リュイ/Ramon Llull

ラモン・リュイ/Ramon Llull (1232-1315
旧マヨルカ王国 現西.カタロニアと仏
哲学.論理学.ローマキリスト教フランシスコ会神学者.殉教者
.神秘主義.計算理論の先駆者 カタルーニャ語の父

1263年より 6回に渡り キリスト顕現を受け 宣教活動を使命とし生涯を捧げる

宣教活動用に考案された 図版 以下写真はWEBより拝借致しました

tree of science.png


科学の樹/Tree of Science (1295-96) 百科事典仕様 :カバラ「生命の樹」を基に起草




lull circle.gif


zairja.jpg



アルス・マグナ/ Ars magna 1305
 ルルの輪/Lullian Circle はzairja :アラブ占星術器を基に起草





次回へつづく


と たのしい演劇の日々

2018年05月24日

芸術的記憶術/the art of memory 00

art of memory.jpg


写真はWEBより拝借致しました



芸術的記憶術/the art of memory 00

古くは 古代エジプトで また
ピタゴラス結社/Pythagorean school
 ( 古代ギリシア 哲学者のピタゴラスによって創設されたとされる一種の宗教結社)
 は既に 修辞学 論理学 聴衆に向けた演説での必須技法として
 記憶術を研鑽したと思われる

更に 宗教 魔法術でも 記憶術は欠かせない技能であった

文献として残るもの
『ヘレンニウスへ』Rhetorica ad Herennium  作者不詳 ラテン語 80BC
  場所法method of loci,が 紹介され また
 修辞学の五つの規範:発見・配列・呈示・記憶.演示. を説く 

『弁論家についてDe Oratore』キケロ Cicero106  – 43 BC)
 記憶力が導く 聴衆を促す説得力について記述する

『弁論家の教育Institutio Oratoria(Bk XI)』クインティリアヌス Quintilian( 35 –  100 AD)
. で記憶を扱う

アリストテレス派の認識による 記憶術の芸術性 は
 その方法 処方箋を 秩序と訓練により
 人間の実務的で自然な活動とし  『霊魂論』 『記憶と想起について』 に示される

初期のキリスト教僧侶も 芸術的記憶術 を日々の祈祷に活用
 13世紀にはいると キケロ クインティリアヌスが紹介される 

トマス・アクィナス Thomas Aquinas 1225 –74)  
芸術的記憶法は叡智の賜物 美徳と信心を高めるため
 瞑想に利用することを説く

 スコラ学では 全宇宙 天国と地獄への道 への想起に 記憶術を用いる
 ドミニク会僧 Cosmos Rossellius (不明- 1578) は
記憶について著書(1597)にて
ダンテ『神曲』は 記憶の空間組織による と語り ま
た 星座を宇宙の座/軌跡とし
 さらにアルファベットを 指を用いたサインだとする

そして それはジョルダーノ・ブルーノGiordano Bruno( 1548 –1600) を導く


次回へつづく


と たのしい演劇の日々

2018年05月11日

観劇 野田秀樹『One Green Bottle/表に出ろいっ!』Soho Theatre

one green botle.jpg



写真はWEBより拝借致しました





観劇 野田秀樹『One Green Bottle/表に出ろいっ!』Soho Theatre

作・演出・出演  野田秀樹
英語翻案 ウィル・シャープ
出演 キャサリン・ハンター/グリン・プリチャード
演奏 田中傳左衛門
主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)/
   ソーホー劇場企画・制作協力:NODA・MAP
オフィシャル・エアライン:ANA
平成30年度文化庁国際芸術交流支援事業

野田の4作目のロンドン公演

家族の在り様が 日本と英国では随分違う故に これは失敗作 
中日に見たが 空席が目立ち また中途退出もあった
日本の古典芸能の加え方が 中途半端 
詠いの部分はテープを使っており 
何故 鳴り物/劇中極めて出番は少ない 田中傳左衛門氏を据えたか? 
日本舞踊の素養のない キャサリン・ハンター の歌舞伎まがいの身振りは
 日本の伝統文化を安売りしていないか?
終盤 観客は 楽しみというより疲れを増し シニカルな幕では 笑いも出ない   
 

西欧では 個の権利は尊重されて当然です 日本は和を美とします
以下は ある劇評の意訳です

演劇は もっとも不条理な在り様の時 最高に成立する
キャラクターが 観客の夢想を刺激するや
 その瞬間 純粋な喜び/エクスタシー を喚起する
これこそ演劇の魔術なのだ
 野田が描く劇中の家族/俳優は
 その家族の役割から解かれ
 個人の楽しみに完璧に耽っている姿を 観客に ありありと映像/イメージとして観せる

  そのイマジナリーの喚起と 伴う歓喜はほどんどは瞬時に終わるのだが
 演劇の創造性と 狂気の魅力を観客は味わう
 この作品は その点において すばらしいものに昇華させている

ところが 全ての茶番もお手上げになり 解決の時に至るのだが
 野田はそれを拒否するのだ
 作品がコーナーに陥ってしまい もう立ち消え 以外に手は残されていない

野田は作品で 現代社会をリードする 自己中心性 について何かを伝えたいのだろう
 しかし 何が そして 何故 それが神秘であるのか 理解できない



と たのしい演劇の日々

2018年05月09日

観劇 『9日間の通夜/Nine Night』作Natasha Gordon 国立劇場/National theatre 00

観劇 『Nine Night』作Natasha Gordon 於いてNational theatre 00

nine night.jpg


写真はWEBより拝借致しました

大英帝国は 第二次世界大戦後 経済立て直しの為
 その占領国 より 奉公人/domestic slaveを何万と移住させた
 
移民に対し開放的だがルーズで正規な手続きを怠ってきた付けを
  トニーブレア率いた中道左派労働党を退ける為に 逆手に取り
 英キリスト教白人エリートから成る保守党は
 厳しい財政制作に喘ぐ低階級の国民の不満を 移民排斥にすり替え 政権維持 

しかし 現首相テリーザ.メイが内務相時代
 占領国よりの移民を不法滞在者にでっち上げ 夥しい数の移民を国外追放し
 その成果を喧伝 首相にのし上がる しかし
 その実態が労働党支持の新聞社ガーディアンの追跡記事により明らかとなり
 現内務相/小さいメイと異名を持つ が退任

当のメイは EU離脱を成さんと首相の座にしがみついている 


Natashaは この時を待っていたのであろう 満員御礼の盛況である


カリブ海諸国からの黒人/西欧の奴隷商売でアフリカに移送された黒人の子孫
 初代移民に当たる祖母の通夜を
 カリブの明るい音楽 食事 酒 で親族縁者皆集い亡き人を悼む 9日間の物語


一人娘をカリブに残し母一人 英国へ移住 新たに二児を儲けている

白人社会で生き延びる為に 黒人移民が 受け入れなくてはいけない厳しい現実

父親の違う兄妹/共に父親は不在 親の愛 母の愛に飢え育った 兄弟の確執
  

そこに 9日間の通夜の後に訪れる 魂の旅立ちの儀式 
ミディアムである叔母の身体に乗り移り 子供たちに最後の言葉を残す母親

そして 未練断ち切れぬ末娘が 母の魂にすがるも
 それを振り払い 去ってゆく母の魂

力のある俳優陣が 見事に演じ切った



と たのしい演劇の日々 

2018年05月08日

俳優 此岸と彼岸を跨ぎ役を生きる07 Ricky Fearon

俳優 此岸と彼岸を跨ぎ役を生きる07 Ricky Fearon

Ricky-Fearon.jpg




九日間に及ぶ(カリブ式)通夜/Nine Nights 作Natasha Gordon . National Theatre


Ricky Fearon カラブ海諸国黒人移民の子孫 英俳優. ダンサー Drama Centre London 卒業

叔父Uncle Vince役を演じる

 アクの強い役を演じる俳優だろうと思うのだが
 この役では 全編を通し  故人を悼み静かに佇んでいる
 役の思考は台詞として殆ど語られない しかし
 思慕の深さが その佇まいから十二分に伝わる

存在を表に強く顕さない しかし
 役の魂は 確実にそこに存在することを 観客は疑わない

後半
 思いに耽る役が カリブの伝統的ダンスをゆっくりと静かに踊り出すや
 舞台セットに設えた 英国式台所と居間が一緒になった粗末な部屋
 アフリカ先住民 大航海時代奴隷としてカリブ海の島に送られた先祖たちの御霊と
 彼らが祀る精霊たちが 輪をなして踊り
  観客は陽炎の様に写ろう亡霊たちに圧倒されるのであった

 此岸と彼岸を跨ぎ役を生きる事を担う俳優に与えられた 演劇の魔法 を見せて頂いた


と たのしい演劇の日々



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