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2020年07月19日

鉄道事故対策(七月十六日)



 頻発する鉄道事故に対して運輸省は、特別対策委員会みたいなものを設置して話し合いを始めるようだが、現時点では特に具体的な対策は出ていない。運輸大臣のハブリーチェク氏は、短期的な対策よりも長期的な対策に力を入れると称して、今年は危険な状態で放置され続けている踏切の安全対策に予算をつぎ込むと言っている。武漢風邪の影響で補正予算の赤字額が過去最大というよりは空前絶後の額に上っているので、事故が連発しているからと言って、多額の予算が必要になる路線の予定外の安全対策にはなかなか踏み切れないのだろう。
 それにチェコの踏切が危険な状態にあるというのは、確かな事実である。遮断機のある踏み切りもなくはないけれども、遮断機がなく電車が近づくと点滅を始める信号があるだけというところの方が多い。そんな危険な踏切に遮断機をつけ、ストゥデーンカのペンドリーノの事故が起こった踏切など遮断機があっても事故の頻発する特に危険な場所は、立体交差にして踏み切り自体をなくしてしまう計画のようである。

 一部の専門家の意見では、安全上の観点から言えば、プラハ―オストラバ間などのの電車が最高時速160kmで走っているような路線に踏切が残っていることが間違いだという。新幹線方式、もしくは高速道路方式で専用の路線を仕立てて道路と交差するところは全て高架にすればよかったのだろうけれども、予算の問題もあるしなあ。ストゥデーンカの踏切を立体交差にという話は、事故直後からあったのに予算の問題もあって、十年以上の時間が経過しても実現していないのである。
 個人的には、この踏切の安全の問題は、設備ではなく、チェコの人々の意識の問題だと考えている。踏切に進入する際に一時停止が義務づけられているところも多いのだが、それを無視する人も多いし、遮断機が降りているのに進入したり、電車が見えているのに停車しなかったりと、踏切をスリル万点のアトラクションと考えているのではないかと言いたくなる。踏切ではなくても本来進入禁止のはずの線路上を近道として常用している人も多いようだし、今のままでは設備上の安全対策が進んでも事故は減らないんじゃないだろうか。

 今回の事故の連続に直接の対策をとろうとしない運輸省と違って、労働省が機関士の過酷な労働環境が人為的なミスが頻発している原因ではないかと見て、調査に乗り出した。職を失うことを恐れる機関士の多くがカメラの前で話すことは拒否しているようだが、もれ聞こえてくる話によれば、早朝から翌日の午後まで、一応夜間の睡眠時間が数時間取られているとはいえ、ほぼ二日間ぶっ通しの勤務があったり、同一区間を何度も往復する場合に、始発と終着の駅でろくに休憩時間も取れないまま朝から晩までひたすら運転させられる勤務があったりするらしい。
 それから、チェコ鉄道だけではなく私鉄が運行を始めた結果、複数の鉄道会社で勤務する機関士も問題になっている。一つの会社では勤務時間に上限があるため、もう一つの会社で働くことで収入を増やそうとしているらしい。その結果、ここの機関士の実際の勤務時間が把握できなくなっているので実態を調査しようというのである。この複数の会社での勤務の原因のひとつとして、私鉄の参入で機関士の人手不足が起こっているという話もある。

 これを動かない運輸省に対して、積極的に対策をとる労働省と評価してはいけない。この手の調査は前回事故が連発したときにも、実施すると言われていたのだが、実際に行われたのか、行われなかったのか、結果についてはニュースにならず、今回同じような人為的なミスによる事故が再度連発しているのである。
 機関士の超過労働に対する対策として、カミオンのドライバーに義務付けられているようなデジタル式の運転時間を記録する装置などで個々の機関士の勤務時間を管理することも考えられているようだけど、カミオンでもしばしば悪質な業者が記録の書き換えをしたり、まともに記録しなかったりしたということで摘発されているから、どこまで効果があるのか。
2020年7月17日16時。







プラハ発 チェコ鉄道旅行











タグ:事故

2020年07月18日

チェコ鉄道事故連発(七月十五日)



 飛行機の事故は、1件起こると続けて何件か発生することが多いとよく言われるが、チェコの場合には鉄道事故も連続する傾向にある。以前も鉄道事故が連発していることを書いた記憶があるので、確認したら、去年の三月初めのことだった。あれから1年半ほどのときを経て、再びチェコの鉄道に受難のときがやってきた。
 最初にニュースになったのは7月7に西ボヘミアで起こった事故だった。カルロビ・バリとドイツとの国境の駅ポトゥーチキを結ぶローカル線のペルニンク駅近くの山間部で、普通列車同士が正面衝突し死者2名、負傷者24名という被害を出した。山間部の道路から離れた場所での事故だったために、救急隊員はペルニンクの駅に救急車を止めて線路上を走って現場に駆けつける必要があったという。救急ヘリコプターも現場から離れた場所にしか降りられなかったようだ。

 事故の原因は、片方の列車の機関士が、ペルニンクの駅で反対方向に向かう列車を待った上で出発しなければならなかったところを、待たずに出発したことだと見られている。このローカル線は単線で、一部の駅の構内でしか対向する列車とすれ違うことができないようになっている。この駅がどうだったのかは知らないが、ローカル線の駅は無人であることが多く、駅員がいても切符の販売係で出発の指示をする人がいないので、機関士が勘違いをしていた場合には、それを指摘できる人がいない。安全対策がほとんどとられていないのが、一番大元の事故の原因だということになる。
 運輸省ではローカル線の安全対策に関して、一部の専門家が提案している機械を導入しての暫定的な解決法は取らず、EU規格の安全技術を導入する長期的な計画を立てているようだ。ただそれが実現するまでには、最低でも数年はかかるとされており、それまでの間、どのようにしてローカル線で人間のミスによる事故を防ぐかというのが課題になっている。

 人為的な原因で事故が起こるのは安全対策が不十分なローカル線だけではない。プラハからパルドルビツェ、オロモウツを経てオストラバに向かうペンドリーノの走る路線は、チェコの中では最も安全対策の進んだところである。特にプラハからコリーンまではブルノ行きの二つのルートでも利用されるために走る列車の数も多いのだが、ここでも機関士のミスで死亡事故が起こった。
 ペルニンクでの事故からちょうど一週間後の7月14日、プラハとコリーンの間にあるチェスキー・ブロトで、普通列車が停車中だった郵便用の貨物列車に追突し、普通列車の機関士が亡くなり、35人の人が怪我を負ったという。原因は機関士が赤信号を無視して走行を続けたことだというが、一説によると、一旦停車した後、再度走行を再開したのが事故につながったとも言われている。
 安全対策が進んでいる電化区間でも、赤信号のときには、電車が自動でストップするような対策はとられていないということなのだろう。人為的なミスは完全にゼロにするのは難しいものだが、チェコの鉄道管理局では、機関士に対してすべての駅で出発の際に運行管理室に連絡を取ることを義務づけることで、赤信号や進行禁止の状態での発車を防ごうとしているようである。

 7月に入っての死亡事故は以上の2件だけだが、ほかにも小さな事故が頻発している。最初は4日の事故で、プシェロフとオストラバを結ぶ路線のプシェロフの近くで、レオエクスプレスの電車が問題を起こしてこの区間の電車の運行が数時間停止した。この件は電車が起こした事故というよりは、鉄道の架線の状態が問題だったようだけど、垂れ下がった架線に電車がぶつかったのかな、チェコ語で読んでもよくわからない。架線の状態に問題があるという理由で一度停車し、運転再開の許可が出たので走行を再開したら事故が起こったということのようだ。
 2件目はペルニンクの事故で、3件目は7月10日に、プラハ―コリーン間で起こっている。この事故は、人身事故を起こして停車していたペンドリーノの乗客を運ぶために現地に向かっていた列車が、となりの線路で停車していた急行の車両に接触し脱線したというものである。幸いに怪我人などは出なかったようだ。気になるのはペンドリーノの起した人身事故だが、跳ねられた歩行者は亡くなったらしい。

 4件目は、プラハからベロウンに向かう路線で、12日に起こった事故ともいえないもので、プルゼニュ行きの急行が路線が空いているという表示で進入したら、そこにはすでに普通列車が停車していたというもの。機関士が気づいてブレーキをかけたのが間に合って衝突には至らなかった。これは、機関士ではなく路線の管理をしている人のミスであろう。
 5件目は上記のチェスキー・ブロトの事故。3件目もそうだが、チェコの鉄道網で一番重要な部分での事故だったために、多くの列車に遅れが発生し、特急など一部の列車は、ニンブルク周りの迂回路を使って運行していたようだ。当然遅れも分単位ではなく時間単位になる。
 そして、今夜、パルドルビツェ地方のフルディムの近くで、ローカル線の普通列車が脱線するという事故が起こった。原因は現時点ではわかっていないが、幸いなことに犠牲者はいないと言う。けが人も出ていないのかな。乗客は二人だけだったようで、救急車や警察が来るのを待たずに現場から歩いて自宅に帰ったとかニュースで言っていた。警察では情報提供のために連絡するように呼びかけているらしい。

 さて、この事故の連鎖いつまで続くのだろうか。最近は武漢風邪の影響もあってバスもトラムも鉄道も、公共交通機関は全く利用していないのだけど、この状態が続くと利用しようという気にもなれなくなってしまう。
2020年7月15日14時30分。










タグ:事故 鉄道

2020年01月21日

久しぶりのレギオジェット(正月十八日)



 本日は毎年一月恒例のプラハ行きである。年によっては、オロモウツでのイベントを優先してサボることもあるのだが、今年はこちらの事情でサボるわけには行かない。プラハの某所で10時というのが指定されているが、例によって遅れていく。ちょうどいい時間につく電車がないわけではないけれども、こちらが求めるものではないのである。

 オロモウツからプラハに行くとなると、よほど運賃が高騰していない限りレギオジェットのビジネスを選んでしまう。以前と比べると多少高くなったとはいえ、チェコ鉄道も微妙に値上げしていることを考えると、50コルナから150コルナほどの追加で、この快適ならむしろ安いとすら思ってしまう。さすがに片道500コルナを越える額は出したくないのでレオの一番高い席には手を出せていないのだけど。
 予定は前々から決まっていたのだが、オロモウツを出発する便を決めかねていてチケット穂購入したのは一週間ほど前のこと。オロモウツを朝6時50分に出るのと、7時50分に出るのを比べると6時台のやつのほうが100コルナ安かった。悩んだ末にと言うほどでもないけど、結局七時前に出る電車に乗るのは無理、というよりはいやだと言う理由で、8時前のを選んだ。100コルナで時間を1時間買ったと思えばいい。朝の時間は貴重なのである。帰りは特にプラハに長居する理由もないので、午後の電車で運賃が一番安かった4時前のものを選んだ。

 切符を購入した時点では、どちらの便も空席が多く、特に一番値段の高いビジネスはガラガラだったのだが、昨日確認してみたら、朝の便はほぼ満席でビジネスがちょっと残っているだけだった。値段の安い一本前もほぼ満席で、ビジネスが500コルナの次の便は空席が多かったし、安いほうから座席が埋まっていくと考えていいのだろう。個人的には短距離ならともかく、狭い座席に押し込められて二時間ちょっと我慢するのは避けたいと思ってしまう。
 帰りは中途半端な時間帯のおかげか前日でも空席が多かったけど、これはせっかく遠くからプラハに行く以上、できるだけ長くプラハに滞在したいと考える人が多いということだろう。わざわざプラハまで買出しに出たのか、大量の荷物を持って帰りの電車に乗り込んでくるチェコ人もかなりいるのである。買い物が苦手な人間としては、プラハみたいに店が多すぎると目移りしすぎて結局何も買わずに買ってきてしまいそうな気がする。優柔不断な性格がいけないのだけど。

 レギオジェットのサイトを見て気付いたのだが、今回のダイヤ改正でブルノ−オストラバ間の急行だけでなく、北ボヘミアのウースティー・ナド・ラベムを中心とするウースティー地方のローカル線の運行の担当も始めている。新たに運行を担当する会社があれこれ問題を起こしているというニュースにレギオジェットはほとんど登場していなかったから、運行担当の企業の交代がうまく言った珍しい例となっているようだ。
 このローカル線がプラハまで延びていれば、オロモウツからウースティーまでレギオだけで行けるのだが、残念ながらレギオの電車はウースティー地方内で止まってしまうらしい。鉄道会社の枠を超えてまとめて切符が変えるようになると便利なんだけど……。ウースティー地方なんて敢えて行くようなところでもないか。それでも、今回のダイヤ改正で起こった運賃やチケットを巡る混乱した状態は早急に改善されるべきだろう。

 これまで、ダイヤ改正で新たに引き受けた路線の運行でアリバが問題を起こし続けていることは何度も書いてきたが、レオエキスプレスもパルドビツェ地方のウースティー・ナド・オルリツィーから北に延びる路線の運航を開始していて、当初は遅れが頻発するなど問題が多かったようである。それで、アリバの起こした問題と比べるとそれほど大きくないように思えるのだが、地方側から罰金もしくは契約解除もありうると警告されているらしい。
 これで、乗客のことを考えるすばらしい地方庁だなんてことを考えてはいけない。これには裏があって、今年行われる地方議会の選挙に向けてのパフォーマンスという意味合いのほうが大きいのである。つまり、新たな運行会社に対して何もしないでいると、入札で担当企業を決めたのも現在の地方政権なので、野党側に責任を追及されて支持を減らす可能性があるのである。政治家が手柄は奪い合うくせに責任は他者に押し付けるというのは、チェコも日本も変わりない。どこの国でも鉄道=利権である。

 例によって変な方向に着地してしまった。寝ぼけた頭で文章を書くとこうなるのである。この日の話はもう少し続く。
2020年1月18日23時。

2020年01月14日

ややこしい切符(正月十一日)



 水曜日、プシェロフに行く際に、久しぶりに駅の窓口で切符を買った。最近はチェコ鉄道を使う場合でも事前にネット上のEショップで購入することが多いのだが、今回は行く日を決めたのが直前だったのと、近場のプシェロフだったのとで、ダイヤ改正で変わった可能性のある運賃だけ確認して駅に向かった。駅で支払った金額はネットで確認したとおり43コルナ。改正前が41だったから、2コルナの値上げである。これで終わっていれば、特に悩むこともなかったのだけど、今回のダイヤ改正は更なる変更をもたらしたのだった。

 プシェロフの内務省の事務所で必要な手続きが終わって駅に戻ってきたのは、11時20分ごろ。窓口でオロモウツまでの切符を買おうとすると、12時5分だけどいいのかと聞かれた。それは事前にわかっていたし、他にオロモウツまで移動する手段もなかったので、全然問題ないと答えたら、こちらが求めていたのとは違う切符が出てきた。窓口の人の話では、必ず12時5分の電車に乗らなければならないけれども、オロモウツについてからトラムやバスにも乗れるという。
 切符を受け取って細かく見てみたら、朝の切符にはあったチェコ鉄道ロゴが入っておらず、オロモウツ地方の多くの公共交通機関で共通して使えるらしい切符のロゴが入っていた。これまでは、オロモウツ市内ならオロモウツ市交通局の切符で他の会社のバスにも乗れるぐらいの認識しかなかったのだが、鉄道にも適用されるようになったようだ。これがニュースで言っていた今回のダイヤ改正の目玉の一つ、ローカル線に関して地方が運賃設定をするようになったという奴だろうか。
 購入した切符の値段は40コルナ。利用できるのはオロモウツ市内と周辺に、プシェロフ市内と周辺限定で、利用時間は12時から13時45分までの1時間45分限定。この区間と時間内は、プログラムに加入している会社のものなら、電車でもバスでもトラムでも利用できるようだ。この時間内でプシェロフからオロモウツに向かう電車は一本しかないから12時5分のに乗れと言われたのだろうと解釈した。

 この手の地方単位の運賃、切符の共有化というのは、ブルノを中心とする南モラビア地方が以前から熱心に進めていたはずである。チェコ鉄道の路線番号とは別に、R9などと共有システム用の路線番号をつけて鉄道の駅でも表示されるようになっていた。年末に知り合いが南モラビア地方の東部にある実家からブルノに移動するのに、チェコ鉄道の切符を買うよりも、南モラビア共通チケットのほうが50コルナも安くなるとか言っていた。ただ、以前は普通にチェコ鉄道の切符を買っていたから、南モラビアでも今回のダイヤ改正に際して大きく変わったのかもしれない。

 ところで、この地方の切符、利用客にとって便利かというと微妙である。プシェロフの駅に、ブルノとオストラバを結ぶレギオジェットの急行の時刻表がはってあって、オロモウツ地方、南モラビア、オストラバ地方の地方共通チケットでも乗れると書かれていたが、レギオジェットは鉄道もバスも全席指定なので、指定券を追加で手に入れなければならないはずである。仮に無料で指定券が取れるとしても、二度手間になるから最初からレギオジェットの切符を買ったほうがマシである。
 いくつかの種類の切符があるのは悪いことではないのだろうが、どの切符を買えばいかわからない、自分の買った切符で乗れるのかどうか、確信が持てないというのは、なかなかのストレスである。チェコなので、必要な情報が簡単に手に入ったり、その情報が利用者にとってわかりやすく書かれていたりする可能性はほぼ皆無である。今回も窓口のおばちゃんに、12時5分のチェコ鉄道の各駅停車に乗れといわれたから迷わず乗ったけど、この切符で、レオエキスプレスやチェコ鉄道の特急に乗ってオロモウツまで帰ってこられたのかどうかはわからない。何度も今回のような形で使っていればわかるようになるのかもしれないけど……。

 さらに、この切符どこで買えるのかもよくわからない。朝のオロモウツの駅では、普通のチェコ鉄道の切符だったし、プシェロフでこの切符が出てきたのは、客が少なくて窓口の人に余裕があったからに違いない。チェコ鉄道としては、自前の切符を売ったほうが儲かるはずだし。一応念のためにオロモウツ地方の公共交通連合みたいなもののサイトに行って見たのだけど、ここで買えるのは一週間とか一ヶ月のチケットだけのようである。
 せっかく便利で安い乗車券を導入しながら、どこでどれを買えばいいかわからない状態を放置しているのはもったいない話である。これからあと2回プシェロフに行かなければならないので、3時間から4時間有効のチケットがあれば、一枚で済むから楽だと思うのだが、どこでどうやって購入するのかわからない。
2019年12月11日23時。










2020年01月12日

最近チェコ鉄道事情(正月九日)



 十二月半ばのダイヤ改正以来、遅延や運行中止を連発して、最大の批判にさらされているのがドイツ鉄道傘下のアリバなのは間違いないが、レオエキスプレスや、レギオジェットなどでも、新たに運行を担当し始めた路線で、アリバほどではないが問題が発生しているようだ。一番の問題は想定していたよりも多くの車両、気動車が必要だったということのようだ。

 そのため1960年代、70年代以前にに使用されてお蔵入りになっていたものを引っ張りして使用しているところもあった。スロバキアの東部にあるフメネーから持ってきた車両が走っているなんてニュースも流れていたが、一番驚いたのは、交通博物館に展示してあったものを借り出したという話で、展示物なので車内の表示なんかもいじることができず、共産主義時代に黒海沿岸の保養地まで走っていたときの表示がそのままになっていた。
 利用者は何かの悪い冗談のように思えると頭を振っていたけれども、古い電車やトラムをレストアして走らせるイベントだと喜んで乗りに来る人たちがたくさんいるのだから、そんなイベントで特別料金を取れらるような車両に普通の料金で乗れると思って喜ぶしかなさそうだ。いっそイベントにしてしまえばよかったのに。

 ダイヤ変更直後に多少の混乱が見られるのは毎年のことなのだが、今年は大々的に私鉄が導入されたせいで、担当する路線の減ったチェコ鉄道も例年以上に混乱を見せている。始発の駅や終点の駅が変わったり、販売される切符の種類や割引が変わったりして、利用客のほうも混乱した状態にあるようだ。チェコ鉄道が往復割引の切符を廃止したことを知って、怒っている利用者もニュースになっていた。

 昨日の朝、プシェロフに行ったのだが、オロモウツ駅構内の掲示板にプシェロフ行きの普通列車は表示されていなかった。よく見るとフセティーン行きの各駅停車があって、途中通過駅にプシェロフが表示されていた。オロモウツからフセティーンまで行く各駅停車なんて、昔はともかく最近は見たこともない。今回のダイヤ改正で新しく登場した接続なのだろう。
 使用されている車両は、近年各駅停車にも新しい車両、もしくは改修済みの車両の導入を進めているチェコ鉄道らしからぬ十年ぐらい前に普通に使われていたものだった。改修されていれば座席が変わっているはずなのだが昔のまま。中には座る部分がひっくり返っていて利用できないところもあった。トイレもあるのに利用できなくなっていた。プシェロフで降りようと思ったら手動で開けるドアが内からも外からも開けられず、あわてて隣の車両に移てから降りる羽目にもなった。

 行きは行き先が意外だったのと、車両がぼろっちかったのが問題だったが、帰りの電車は今までもよく使っていたプシェロフとオロモウツの間だけを走る各駅停車で、車両も最新ではなかったが朝のものよりはずっときれいで快適だった。後のほうにちょっとぼろそうな車両も付いていたけど、それでも行き先が電光表示になっていたから朝のものよりは新しそうだった。

 ただし、問題がなかったわけではない。オロモウツとプシェロフの間を往復する各駅停車は3両から4両編成のことが多いのだが、6両編成になっていた。問題は各車両の行き先表示で、前半の3両は、ドアの窓にコイェティーン経由ネザミスリツェ行きという表示が紙に印刷されてはりつけられており、後半の3両には電光表示でフセティーンという文字が書かれていた。これがヘプとか、チェスキー・クルムロフのようなありえない地名であれば悩むこともないのだが、ネザミスリツェにも、フセティーンにもプシェロフから普通列車が出ているのである。
 前半の3両は、ホームのオロモウツ行きの表示のすぐ脇にあったのと、直前にホームの反対側の線からネザミスリツェ行きが出たばかりだったのとで、乗っている人が多かったが、後半の3両は、チェコ人でも不安に感じたようで、乗り込もうとする人はまったくいなかった。3両目も乗客がほとんどおらず、切り離されたりしたらどうしようなんてことを考えてしまった。普段は別の路線を走っている車両をこの日だけオロモウツ行きに転用したということも考えられなくはないけど、行き先表示の紙をはぐぐらいたいした手間じゃなかろうに。

 プシェロフの駅では、アリバのプラハとニトラを結ぶアリバエキスプレスが、3月まで運休するという表示も見かけた。アリバにとっては最も重要な便だろうに、利用者が減っているのか、人員が足りないのか。一度乗っただけで二度と乗るまいと思ったから、こちらに実害はないけど。アリバだけでなくレオも、木曜日のいくつかの便を運休にするという表示を出していたし、新たに参入した路線の負担が大きく、そのしわ寄せが既存の路線に来ているようにも見えなくない。

 競争を導入して利用客へのサービスを向上させようというのは、プラハ−オストラバ間などの幹線の特急では大成功を収めた。それを地方のローカル線まで拡大し、一部の担当企業を変えた結果、鉄道の運行は、二十年、三十年昔に戻ったかのように不安定になり、近年大きく改善されてきていた利便性も元の木阿弥になってしまった。何よりも鉄道網が分断され、チェコ鉄道に乗れば、どこにでも(たいていのところには)行けるという安心感がなくなったのが痛い。
 鉄道の部分的な私鉄化というのは、EU内のトレンドに乗っかったものだろうけど、太陽光発電と同じで追随しすぎたのが大間違いだったとしか言えない。日本でもヨーロッパではこうだからとかいう理由であれこれ主張する人がいるだろうけど、相手にしないほうがいい。ヨーロッパでうまくいっていないことでも賞賛するような「ヨーロッパ通り」もいそうだしなあ。
2020年1月9日24時。













2019年12月29日

鉄道の問題未だ終わらず(十二月廿六日)



 人的な被害は出なかったが、鉄道の運転士が赤信号を無視して発車した結果、線路の切り替えの設備が破壊され、その後大きな遅れが発生するという事故が二件起こった。事故を起こした会社は、チェコ鉄道とアリバである。アリバは、ダイヤの改変によっていくつもか路線をチェコ鉄道から引き継いでたったの一週間ちょっとで二件目の同様の事故らしい。
 これは、チェコ鉄道などのほかの会社と比べて、アリバの事故頻度が高いという話ではあるのだけど、その根底には運転士の人材不足という問題が横たわっている。私鉄が運行を開始する以前から、運転士の超過勤務が問題になっていた。チェコ鉄道と、分離した貨物部門のČDカーゴや他の貨物鉄道会社の運転士を掛け持ちする事例がかなりの数に上っていたらしい。

 今回のダイヤ改正で、担当する路線がかなり減ったチェコ鉄道だが、余剰になった運転士の解雇はせずに、運転士の勤務体制を見直すことで対応すると言っていた。誰一人辞めなかったということはないだろうが、アリバやレギオジェットなどの担当する路線の増えた私鉄では、運転士の確保に苦労していたようである。単なる利用客のところにまで、運転士を含むスタッフ募集のメールが届いたぐらいである。
 人材不足の運転士を確保するために、他業種から転職を考えている人のための運転士養成コースが開かれているなんて話もニュースになっていたから、新人の経験のない運転士も仕事をしているはずだ。そんな新人が遅れてばかりで批判されているアリバで仕事をしていたら、遅れを出さないことに気が行き過ぎて信号を見落としたとしても不思議には思わない。事故を起こした運転士が本当に新人だったかどうかはわからないけれども、ほとんどすべての便が遅れるという状況を解決しないと、いつまた同じような事故が起こるかわからないとは断言できる。

 アリバの運行する路線が遅れを連発する理由もニュースになっていたが、一言で言えばドイツ鉄道に押し付けられた中古の気動車がチェコの鉄道の路線に適応できていないことに尽きる。これらの車両は、ドイツの中でも平地、ほとんど起伏のない路線を走っていたもので、平地でスピードを出すことに特化しているらしい。
 それが緩やかとはいえ、起伏の多いチェコの路線では実力を発揮することができず、登り坂の途中で止まってしまったなんてこともあったらしい。事前に一回でも試走していれば問題の発生する可能性があることがわかっていただろうに。ドイツ鉄道からの引渡しが遅れたことが原因だろうか。どこかの地方では各駅停車だけではなく急行も運行しているらしいが、登り坂で必要なスピードが出せずに止まったり遅れたりする急行に意味があるのだろうか。

 また、登り坂でスピードが上がらない結果、何の問題なく運行できた場合でも、10分程度の遅れが発生するという例も報告されている。今回のダイヤ改正で運行担当がアリバに代わったところでも、去年までのチェコ鉄道が運行していた時代のものを基に時刻表が設定されている。チェコ鉄道のオンボロ気動車で可能なダイヤだから、ドイツ鉄道の旧型ならどうにでもなると安直に考えたのだろうか。こうなると会社の体質が問題と言ってもいいかもしれない。
 アリバの広報担当は、準備期間が短かったわりにはよくやっていると自画自賛していたけれども、準備していたとは思えない結果である。登り坂で遅れてしまう問題に関しても、これから調整すればチェコ鉄道の使用しているものと同等の力を発揮するはずだと言っていたのかな。ということはエンジンやギアなどの設定が変えられるということだろうから、事前に試走して設定を変えておくのが普通だと思うのだけど、経費がかさんで利益が減るのを嫌がったのかね。

 最近、チェコ鉄道が使用する機関車や客車などの車両を更新するのに、ドイツ鉄道からではなく、オーストリア鉄道から中古を購入している理由がわかった気がする。チェコ鉄道も準備期間が足りずに、車両の塗装がオーストリア鉄道のまま走らせたりはするけど、調整不足で性能を発揮できないなんて話は聞いたことがない。
 ペンドリーノは試験走行を繰り返してなお、まともに運行されるようになるまで時間がかかったけど、あれは特殊例で、もう十五年も前の話だし、走らせるためにだけでも路線の大改修工事が必要だったのだ。あのときもドイツではなく、わざわざイタリアの電車を選んだわけだ。

 それはともかく、アリバには一度オロモウツからプラハまで乗ったことがあるけれども、そのサービスのあり方やら車両やらにはまったく感心するところはなく、二度と乗るまいと思ったのだった。こちらが鉄道を利用しそうな行き先は、アリバを使う必要はなさそうなのが救いである。原則として行政区分としての地方の境を越えて走る長距離特急、急行を使っていればほぼ実害はないと言っていいのかな。
2019年12月26日24時。












2019年12月21日

鉄道大混乱(十二月十八日)



 日曜日から鉄道のダイヤが新しくなり、一部の路線ではチェコ鉄道の代わりに別な会社が運行を担当することになった。いくつかの地方が助成金を出して走らせている各駅停車の運行に関して、ダイヤ作成や運賃設定に関して主導権を握っために、運行の担当にチェコ鉄道が選ばれた場合でも、料金体系が合わないために、チェコ鉄道のネットショップでは切符を買えない路線があるなんて話はすでに書いた。

 ダイヤが変わった日は、日曜日だったので平日に比べると走る本数も、利用客の数も少ないため、それほど大きな混乱は起こらなかったようだ。それでも走るはずの列車が影も形もなかったとか、線路の改修工事が長引き、代替バスを走らせたはいいものの、時間が余計にかかることが新しいダイヤには反映されていなかったために、本来であれば乗り継げるはずの電車に乗れなかったなんて話も聞こえてきた。
 そして、月曜日になるとダイヤ改正による混乱ははるかに大きなものになった。通勤や通学、出張などで電車を使う人は多いのだから当然といえば当然である。ニュースによると最悪の状況だったのは、ズリーン地方のローカル線のうちフセティーンからウヘルスケー・フラディシュテを越えてスタレー・ムニェストに向かう路線。日曜日の時点ではまともに運行できていなかったらしいが、月曜日は運行はしたものの、分単位ではなく、時間単位での遅れを連発して、スタレー・ムニェストの駅でオロモウツ行きに乗り換え損ねた人たちがぼろくそに文句を言っていた。

 この路線の運行を担当することになった会社は、チェコ鉄道ではなく、アリバという私鉄で、ドイツ鉄道の子会社である。どうも、ドイツで新型車両を導入した後不要になった旧型の引き受け先として買収したんじゃないかという印象を持ってしまうのは、車両の行き先などの表示がドイツで使われていたころのままで、チェコの地名はA4の紙に印刷して窓に貼られていたからである。
 さらに、主要駅に設置された切符売り場が、システムの不備とかで全く機能せず、すべて閉鎖。車内で車掌から購入することになったようだ。これは月曜日だけでなく火曜日も継続し、フセティーンの駅では、アリバの切符をチェコ鉄道の窓口で購入させるなんてこともやっていたらしい。アリバでは、サプライヤーが納入した販売システムに問題があったと他人のせいにしているが、車両の行き先表示といい、事前のチェックとかしていないだろうとい言いたくなる。

 理解できないのは、なんでこんな会社を選定したのかということで、親会社のドイツ鉄道なんて本国のドイツでも、運行システムや機材はともかく、サービスや運行業務に関しては10年以上前のチェコ鉄道レベル、下手すればそれ以下の会社である。日本だとドイツの鉄道というだけですごいというイメージがあるだろうけど、ドイツ在住経験者の話によるととんでもないらしい。プライドだけは無駄に高いという評判も聞いたことがある。
 そんな会社が、二流国として見下しているチェコのの子会社に十分な配慮をするわけもなく、行き先表示の変更が間に合わなかったのも、車両の払い下げの時期がドイツ鉄道側の事情で遅くなったからに違いあるまい。これまではアリバは一日に一往復か二往復、スロバキアとプラハを結ぶ便を運行していただけだから、問題が発生しても、利用者はチェコ鉄道や他の私鉄を利用することで、回避することができていた。今回のダイヤ改正に当たって、地方のローカル線の各駅停車を運行する会社として選ばれたということは、その線で問題が発生したら、利用客にはどうしようもないということである。これは確か別の路線の話だけど、代替バスの手配に何時間もかかったなんて話もある。

 他の私鉄でも問題が全くなかったというわけではないようだが、大半は線路や駅の改修工事による遅れだった。全く問題を起こさず、一番高く評価されていたのは、プラハの近くのローカル線を走らせることになった小さな会社で、ニュースのインタビューには社長兼運転士という肩書の人が登場していた。ダイヤの変更で運行を引き継ぐ前から、線路や駅の改修工事などにもかかわって準備を進めてきたのがよかったのだろうと語っていた。

 ローカル線の各駅停車ではなく、ブルノ−オストラバ−ボフミーンを結ぶ長距離の急行の運行を担当することになったレギオジェットは、自社の責任ではない混乱を抑えるために協力を申し出ている。乗客の中には、運行業者が代わったということを知らない人たちがいて、チェコ鉄道の切符でレギオジェットの急行に乗ろうとする人たちがいるらしいのだが、今年いっぱいはそんな人たちも乗車させるという発表をしている。
 この路線、各駅停車は今まで通りチェコ鉄道が運行し、レギオジェットが運行するのは急行だけなので、乗る電車によって買うべき切符も変わってしまうのである。オロモウツ行きの急行も途中までは同じ線路を走っているし、ややこしいとしか言いようがない。この辺もEU主導の競争を増やして云々ということなのだろうけど、今回のは現時点では不便になったとしか言いようがない。

 何でもかんでも競争をあおって、入札で決めればいいというものではないことは、わかっていると思うんだけどなあ。プラハの中央駅の改修工事とか、却って高くついた例なんていくらでもありそうだし。次に鉄道を利用するのは1月のプラハ行きで、それ以外はしばらく利用する予定がないのが救いか。でも来年の夏あたりに鉄道でチェコ国内をあちこち回ろうとしている人は注意しないと大変かもしれない。
2019年12月19日22時。










2019年12月18日

鉄道の新ダイヤ施行(十二月十五日)



 チェコ鉄道のダイヤは、毎年12月の初めに大改定が行なわれる。今年はブルノの中央駅の改修工事の終了にあわせたのか、中旬にまでずれ込んだ。以前はひんぱんに鉄道で移動していたので、ダイヤ改正前に新しい時刻表を手に入れて、便利になったとか不便になったとか感じていたものだが、最近は電車で出かけるのが、年に一回のブルノと、一回か二回のプラハぐらいになったので、あまり気にかけないようになっていた。
 特にプラハ−オロモウツ間を、チェコ鉄道だけでなく、私鉄のレギオジェットやレオエキスプレスなども走るようになってからは、チェコ鉄道の時刻表があってもすべてを調べ切れないので、ネット上の「idos」をそれまで以上に重宝するようになっていた。今年は、ブルノ−オストラバ間の特急、急行を走らせるのがレギオジェットに変わるなど大きな変更があるようで、ニュースでも二、三日前から大きく取り上げられている。

 例えば、オロモウツからブルノに行くのに、これまではプロスチェヨフを経由する直行便がない場合には、プシェロフで乗り換えてオストラバからブルノに向かう急行に乗り換えることができた。時間帯によっては直行便の同じ値段で乗れることもあったのだが、今日からは不可能になった。チェコ鉄道のHPで検索しても、プシェロフ経由の接続はでてこない。その代わりにチェスカー・トシェボバー経由が紹介されるようになっている。
 このチェスカー・トシェボバー乗換えでオロモウツに向かうという接続は、ウィーンからオロモウツを目指す人が、時間帯によっては乗せられて追加料金を取られるという困ったものなのだが、ウィーンからブルノを経てプラハに向かう特急に乗ってチェスカー・トシェボバーで、プラハからオロモウツに向かう特急に乗り換えたほうが、ブジェツラフで乗り換える距離的には最短の接続よりも早く到着する場合があるのは確かなようだ。ブジェツラフで一時間以上待たなければならないことが多いようだし。

 それでも、ブルノとオロモウツの間を移動するのに、一度チェスカー・トシェボバーまで北上するのはバカらしいと考えるのが普通である。南回りのブジェツラフ経由の場合はなぜか直行便なので考慮に値するから、オロモウツ−トシェボバー−ブルノという直行便があれば話の種に乗ってしまいそうだけど。ブジェツラフ周りブルノ行きも値段が意外なほど高かったので、一度話の種に乗った以外は敬遠することが多かった。
 今回のダイヤ改正後の接続の検索で驚いたのは、ブジェツラフ周りブルノ行きの値段が下がって、プロスチェヨフ経由の倍ぐらいに収まっていたことだ。以前のブジェツラフ周りと同じぐらいの値段設定がされているのが、トシェボバー乗り換えの接続である。これならブルノにいく必要があって、時間に余裕があるときは、ブジェツラフ周りを選んでもいいかもしれない。こちらの方が車両が新しくて快適だし、ゆれも少ないのでPC持ち込んで文章を書くのにもいい。

 来月行く予定のあるプラハへは、ほとんど変化がないようである。ただ、レギオジェットなどの私鉄の運賃が上がったような印象は受ける。チェコ鉄道も少し高くなっているかな。ただし、これは今回の時刻表改訂によるものではなく、政府が学生と年金生活者に対しては、鉄道、バスの運賃を最大で75パーセント(違うかも)補助するというスロバキアを真似した制度を導入した際に、値上げを敢行したのだと言われている。販売した切符の割り引いた分はあとから政府が補填してくれるわけだから、定価は高い方がいいわけである。
 政府の計画では、便を選んで割引の割合を変えることで、利用者の分散を図るという意味合いもあったようだが、鉄道会社では一律どの便でも最大の割引を導入しているため、公共交通機関の利用の促進という目的しか果たしていない。もともと私鉄では時間帯によって料金を変えていたわけだから、さらに割引の率を変える必要はなかったのである。スロバキアでは学生、年金生活者向けは無料で電車に乗れるのだが、便ごとに無料で乗せられる数が決められているようで、いつでもどこでも無料というわけではないらしい。

 ニュースによれば、例えばズリーン地方では、地方が主体となってローカル線の運行をすることになったらしく、実際の運行はチェコ鉄道に任せるようだけど、チェコ鉄道のEショップでは切符が買えなくなっている。その代わり、地方の予算で補助記ることで運賃を下げることにしたらしい。このような地方は他にもあって、以前はほぼどこに行く場合でも、チェコ鉄道の切符を買えば問題なかったのが、行き先によっては切符の買い方から調べなければいけなくなってしまった。
 これが利用者にとって不便だというのはチェコ鉄道でもわかっていて、一時は業者を越えて利用できる切符の販売も検討されていたようだが、準備期間が足りなかったのか実現はしていない。ローカル線の場合駅で切符を買えない場合も多いので、ネットで買えないのは大きな問題である。チェコ鉄道では車内で切符を買う場合に、クレジットカードで支払いができるようにすることで、多少なりとも不便を解消しようとしている。

 これだけ大きな変更があると、夏の期間限定乗り放題切符がどこまで有効か不安になる。来年の夏は大人しくしておこうかなあ。またチェコ語のサマースクールに出るという手もあるか。ただ、授業のレベルがCじゃないとあまり意味がないんだよなあ。
2019年12月16日20時。










2019年12月03日

ブルノ行き(十二月朔日)



 今日は年に一度のブルノ行きである。もちろん事情があって、二回以上行くこともあるけど、確実に、行きたくなくても行かなければならないという意味では、年に一度なのである。今年はブルノの中央駅の改修工事で厄介なことになっているから、避けたかったのだけど仕方がない。この時期日本に来ないかという話もあって、その話に乗っていれば避けられたのだが、ブルノと日本、どっちに行くのが面倒かと考えると断然日本である。日本行きの話は同僚に回した(押し付けたかも)結果、ブルノ行きが義務として残ってしまったのだ。
 厄介さはすでに切符を買うところから始まった。電車の接続を調べる「idos」で確認すると、オロモウツからブルノのジデニツェ駅まで行ってそこからトラムに乗ることになっている。中央駅とジデニツェの間は電車が往復しているのではなかったのか。しかも、セズナムの地図で確認するとジデニツェの駅のほうにはトラムは伸びていないようなのである。

 どうせ切符を買うにはチェコ鉄道のページを使うのだからと、そちらで確認してみたら、なぜかジデニツェではなく、終点のクラーロボ・ポレでトラムに乗ることになっている。頭を抱えてバスを使おうかとも思ったのだが、せっかくブルノに行くのだから、このチェコ的な混乱を経験しない手はない。どっちの情報が正しいにしろ、行ってみれば何とかなるものである。ということで再度チェコ鉄道のページで接続の検索をしたらジデニツェでの乗り換えに変わっていた。
 こうなると、もう考えるだけ無駄である。適当に切符を購入した。帰りはまだ行ったことがないので始発のクラーロボ・ポレから乗ってみることにする。こういう文章を書く関係上、ドルニー駅から、ブジェツラフ周りの便を使うことも考えたのだけど、260コルナというプラハに行くのと大差のない額にあきらめた。ブジェツラフ周りのほうが快適だとはいえ、ブルノ−オロモウツを走る電車内でも書けないというわけではないのだ。明日もまた朝が早いから、少しでも早くオロモウツに戻れたほうがありがたいし。

 久しぶりに4時45分という早い時間に起きて7時過ぎの電車に乗ったのだが、土曜日から急に気温が下がっていて、家を出てからもう少し温かい格好をして来ればよかったと後悔した。シュンペルクからオロモウツを経てブルノに向かう電車だというのに、普段はプロスチェヨフ行きの普通電車が停まる駅の外れのホームに停まっていた。乗り込むのに時間がかかって、席に着いたと思ったらすぐ出発。
 電車の中は妙に暖房が利いていて窓際の席に座ると暑いぐらいだった。それで窓側に荷物を置いて、通路際に移動してPCを開いたのだが、大失敗をしてしまった。お茶を入れた水筒を窓のところの小さなテーブルの上においていたのだが、もう少しでブルノのジデニツェの駅に到着というところで、急ブレーキをかけられたためにその水筒が転落。おっちゃんの店で買った肩掛けカバンと、セーターにかかってしまった。自分のものには問題になるような被害は出なかったのだが、座席には申し訳ないことをした。

 ジデニツェの駅で降りると、日本の人が中央駅に行きたいと言いつつクラーロボ・ポレ行きに乗ろうとしていたので、引き止めてなぜか電車ではなくトラムに乗らなければならないことを説明。案内がわかりにくかったこともあって、遠回りした結果、切符に書かれたトラムには乗り損ねたけど、すぐに次のが来たので問題なし。
 問題が発生したのは中央駅前のトラム停で切符を買おうとしたときのこと。出てきた切符が白紙だったのである。二枚買って二枚とも白紙というチェコでも珍しい出来事に、行きの一枚は使用したけど、帰りは改めて買いなおして、残りの一枚は記念品としてオロモウツに持ち帰ることにした。白紙の切符でトラムに乗って検札が来たら思いっきり罵詈雑言を投げてやろうと準備していたのに来なかった。残念。
 ブルノの市内交通のチケットの料金体系は妙に複雑でわかりにくいのだが、市の中心部は乗り換えしなければ20コルナで15分有効のチケットで十分のようである。待ち時間も有効時間の中に入ってしまうので、乗換えをするときにはもう一つ上のチケットを買ったほうがいいようである。ゾーン100、101というのがあって、境目で注意するように車内放送が入っていたけど、20コルナのチケットには2ゾーンと書いてあるからまたがっても大丈夫のはず。

 初めて利用したクラーロボ・ポレの駅は、改修の済んでいない、昔の共産主義時代の面影を残すものだった。クラーロボ・ポレ行きのトラムの乗り場を探して、ブルノの街を歩かなければならなかったことも含めて、まあ一度利用したから、それで十分だという印象である。十二月の半ばに、ダイヤが改正されるのにあわせて中央駅の工事も終わって、オロモウツから中央駅まで直通で行けるようになるはずだから利用する機会もなさそうだけど。
 心配なのは、ブルノ−オストラバ間をレギオジェットが運行することになるので、直行便を逃した場合に、プシェロフ周りでブルノから戻ってくるのが面倒にならないかということだけど、次に必要になるのはまた来年だから、来年のことは来年考えることにしよう。
2019年12月1日17時30分。












2019年08月16日

収支報告(八月十四日)



 報告ってほどのこともないのだけど、七月の後半に敢行したモラビア、東ボヘミアの観光地めぐりで二週間の乗り放題チケットを買った甲斐があったのかどうか確認しておく。二週間毎日あちこち移動していたら、確実に元は取れたはずだけど、足を傷めて靴を履くのも辛い状態になったので、結局鉄道を利用したのは、半分の七日に過ぎないのである。だからといって、一週間の券にしておけばよかったとも言い切れないのは、七日連続ではなく、間にお休みの日を二日ほど作ったからである。

 チェコ鉄道の運賃体系は、私鉄との競争が始まった結果、複雑怪奇なものになってしまっていて、ネット上で購入する場合、乗る電車まで指定されたチケットだと割引されるのだが、その値下げ額が便によって違ったり、便によっては値下げがなかったりする。値下げ幅が大きい路線もあれば、近距離だと全く値下げのないところも、値下げが1コルナというところもある。
 乗換えが必要な場合には、指定されるのは最初に乗る電車だけで、二本目からはどれに乗ってもいいようで、別々に便指定のチケットを買った方が安くなるようにも見えるのだが、確認はしていない。便指定の割引乗車券には途中下車するとその先は無効になるという縛りもある。普通のチケットの場合にも途中下車できるのは、乗車から100キロを超えて以降だったか。ネット上の運賃が窓口で買う場合と同じかどうかもよくわからない。
 つらつらとチェコ鉄道の運賃のわからなさを記したのは、もとが取れたかどうかを比較する対象の運賃としては、定額の運賃を使うしかないことを説明するためである。今回は駅についてから行先を最終決定するようなこともしていたから、便指定のチケットでは困ったはずなのだが、これは乗り放題のチケットを買った結果であって、理由ではない。

 ということで、比較対象の運賃は、その日一番遠くまで行った場所までの運賃を使うことにする。

 一日目 157kč/122km/ブジェツラフ、ホドニーン
 二日目  93kč/59km/シュンペルク
 三日目 218kč/168km/フラデツ・クラーロベー
 四日目 179kč/146km/パルドゥビツェ
 五日目 181kč/122 km/ポリチカ、スビタビ、チェスカー・トシェボバー
 六日目 137kč/90 km/ウヘルスキー・ブロト
 七日目 65kč/46 km/ザーブジェフ、モヘルニツェ

 ここにあげた数字は片道のものなので、総計すると2060kč。元は取れているけど、正直もう少し得しているかと思った。一日平均で考えると300kč弱だから、当初の予定通り10日使っていたら、3000kč分ぐらいは移動していたことになるのか。これぐらいは使いたかったなあ。
 疲れてお休みにした日に、街歩きなしでひたすら電車に乗っているというのも考えたんだけどね。PC持ち込めば手持無沙汰ということもないし、ペンドリーノの座席指定券を追加で購入すれば、最長でフランティシュコビ・ラーズニェまで行けるし。とはいえ、ペンドリーノでも片道5時間19分。行くのはいいけど帰って来られるのかどうか不安になってやめてしまった。モラビアを中心にしたいという意識も残っていたしさ。

 今回、行く候補に入れていた場所としては、コメンスキー関係でフルネク、ジェロティーン家関係でベルケー・ロシニ、ノビー・イチーン、バラシュスケー・メジジーチー、モラフスカー・トシェボバー、大モラバ関係でウヘルスケー・フラディシュテ、ズノイモなどいろいろあるのだけど、この計画を立てた時点で、第一の候補となっていた場所があるのを思い出した。

 それはオロモウツ地方の北の果て、ポーランドとの国境の近くにあるヤーンスキー・ブルフというお城である。ブルフというのは、チェコ語で丘、山を意味する言葉で、その言葉通りにヤボルニークという街の奥の丘の上にそびえている。20年近く前にモラビアをあちこちしたときも、何かで写真を見るかどうかして行きたいと思ったのだが、あまりの遠さにあきらめた。
 あの頃は路線の改修工事も、ダイヤの効率化も進んでいなかったから、単に距離的に遠いだけでなく所要時間もものすごく長くかかったはずである。現在でも山の間を抜けていくローカル線が大部分なので、オロモウツから3時間ほどかかってしまう。お城の見学にどのぐらいかかるかわからないことを考えると、オロモウツを7時前に出る電車に乗るのが理想である。

 しかし、自堕落な生活を続けていた人間がいきなり7時前の電車に乗れるわけがない。一日なら乗れても、それをやると翌日以降続かない恐れがあると考えた。それで、毎日少しずつ出発時間を早めて、7時前の電車に乗れるようにしようと、最初は9時過ぎの電車から始めたのだった。8時半までは早めたのだけど、いつの間にか目的が「シュムナー・ムニェスタ」の跡をたどるに変わってしまい、出発時間を早めるのもやめてしまったのだった。
 そして、いつの間にか、ヤーンスキー・ブルフのことを忘れていたのだから救いがたい。来年もこの計画を実行するかどうかは未定だが、実行する場合には、事前に早寝早起きの習慣をつけておく必要がありそうだ。そうすれば、ヤーンスキー・ブルフにも行けるはずである。
2019年8月14日










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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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